07/04/23 00:55:05 VDm6/JXW0
>>114の続き
大型シャトルベイに取り残された、三体―
「うぅぅ~トロンさま~どこですか~?」
「外にリーバードが…ヒィィ~!」
「ボクたちどうなるのでしょうかー」
ロケット発射前、どさくさに紛れたコブンがいた。三体はロケットの空いたスペースでまとまり、震えながら小窓を覗く。その先には修復用リーバードが活動中だった。
「と、とりあえずトロン様が帰ってくるまでここで待機だー」「お、おー!」「ラジャー!」
まるでリーダーのように赤いヘッドパーツのコブンが言う。そしてこの三体はロケットの入り口が開いたままなのを知らない。
◇
三人がロケット内に入ってからコブン三体に気づいたトロンが驚きと怒りを見せたが、あまり時間はなく急いで整備を始める。
「どうして気づかなかったのかしら…まったく」
「まぁまぁ。この子たちもアナタの事を心配してたのよ。ね?」
「ハイー!」
三体は声をそろえる。
「ま、人手が足りなかったからよかったものの…あなた達帰ったらオシオキだからね!」
「ヒィィ~!」
ロケット飛行開始準備が整った。
ロケットに魅入るロック、ロールは側でうれしそうに説明していた。たとえそれがロックにとって“ありきたりなモノ”であっても。自慢げにロケットのすごさを熱演するトロンをロックは本当に無邪気に褒める。
「ありがとう」
ロックがそう言うとロールは微笑み、トロンは顔を赤らめてソッポを向き、
「べ、別にロックの為にしたんじゃないんだからね!そ、そう!ロールのお母さんの為よっ!」
「ははっ」
「ふふっ」
「わ、笑うなー!」
三人はしゃいでいた。
「トリッガーちょっと手伝ってー」
大型シャトルベイ、ロケット以外に何も無い空間に端末に戻ったユーナがそこに立っていた。脇にはマチルダの入ったカプセルのようなものが浮いている。そこにロックは駆け寄った。
「トリッガーちょっとこれ…」
「通信メソッドですか?」
「私が身体を借りてる時はガガとヘブンを経由して通信してたけど、端末が戻ったから直接できるようになったのよ。もちろん―」
「―!セラさん。…はい。わかりました」
その様子を見ていた二人は側に駆け寄っていた。
「お母さん…」
すぐ側のマチルダに気づいたロールは安堵と困惑の混じった表情を浮かべる。
「大丈夫、ちゃんと意識はあるから。今はちょっと眠ってもらってるだけよ」
「はい…」
「地上に戻ったら感動の再会ね」
ただ、この空間に無いモノは、本当の明るさだった。
◇ ◇ ◇