08/11/09 01:03:35 C+z5itbq0
銀河連邦軍第118宇宙航空師団
シン・S・マーキュリー少尉による報告書
(異星人ケネス)
私はオーン要塞に単身突入しようとする「PHOENIX」の
搭乗者と最後に交信した。
「PHOENIX」に搭載されているという「RYNEX」の一部が、
遠く離れた異星の言葉の翻訳を助けているのだろう。
驚いたことに、多少の意思の疎通すら可能だった。
思えば本星での交信も、これのおかげだったに違いない。
ノイズ交じりの二重音声で届けられたその声は、
まだ若い女性のもののようだった。
彼女の名は「ケネス」あるいは「セネス」
そのように聞こえた。
そして彼女は、私にこう語ると、要塞内部に突入して行った。
「戦士よ、あなたの前に祝福を」
戦いを前にしての、それは異星の儀礼なのかもしれない。
だがそれは何か、彼女にとって特別な意味を持つ
言葉のようにも聞こえた。
私は、何としてもこの戦闘から生還し、
再び彼女に相まみえねばならない。
彼女と語らうべきことは、あまりにも多い。