【Wii】戦国無双3 164討at GAMEHIS
【Wii】戦国無双3 164討 - 暇つぶし2ch835:名無し曰く、
10/01/17 18:57:09 HJRl8ELW
 伏見城の中庭、城主である豊臣秀吉の下に集った大名たちとともに席についていた立花宗茂は、回ってきた茶器をゆっくりと回転させて口許に運ぶ。
一口啜れば、きめ細かな泡は口当たりもよくほんのりと甘いが、舌の上を転がる抹茶は仄かに苦く、鼻を抜けていく濃厚な香りは爽やかである。
「結構なお手前で」
 世辞ではなく、心からの賞賛であった。
 上座の秀吉は嬉しそうに頬を弛ませて、茶を点てた男に目配せをする。近ごろ秀吉が贔屓にしているという茶人の千利休という男だ。
すっかりその男の点てる茶の虜になってしまった秀吉は、こうして茶会を開くことが多くなった。秀吉の配下には武働きによって今の地位を得たものも多いから、長時間の正座を強いる茶会を苦手とするものも多いと聞く。
現に、宗茂よりも上座に近い席に座っている福島正則や加藤清正などは、難しい顔をしてもじもじと身体を動かしていた。しかしながら、彼らと向かい合うようにして座っている石田三成などは背筋を伸ばして涼しい顔をしている。
能吏として名高い石田治部少輔には、こちらのほうが性に合っているのだろう。
 ちなみに戦と博打が大好きだと公言して憚らない宗茂のとなりに座す男、つまり薩摩の島津義弘は、つまらなそうな顔を隠そうともせずにしていた。
宗茂よりも先に茶を啜った義弘は、明らかに心のこもっていない声色で「うまい」とだけ告げ、さっさと宗茂に茶器を寄越した。
餓鬼くさい義弘の態度に、宗茂が笑いを噛み殺したのは言うまでもない。戦場で剣を交えて知れることもあるが、こういう場で知れるものもある。


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