10/04/28 23:03:11 /BwH07ZjP
メルラン「あはっ、今日も聞きにきてくれたんだ。ありがと―」
俺「何言ってんだ、俺が来たくて来てんだから、礼を言うのはこっちだぜ。いやー、今日も楽しい気分にさせてもらった」
メルランのソロライブが終わって客は皆帰り、今はライブ会場（屋外だが）に二人きりだった。
メ「ねえ、これ、食べてよ。私作って来たの」
俺「これ……弁当？ 手作りの？」
メ「食べて食べて―」
俺「ライブ当日なのに、よく時間あったな」
メ「あは……俺君がライブの後何食べてるのかな、って考えたら、なんか作り始めちゃって。いつも来てくれてるから、サービスだよ」
俺「メルランの手作りなんて、貴重だな。でも、今日は俺、ミスティアの屋台で鰻丼だから」ポイ ベシャッ
メ「…っ！？」
俺「じゃあな、また来るよ」
メ「ちょっ……お弁……なんで、捨て……」
俺「いや、だから今日は鰻丼で」
メ「でも……そんな、捨てること……」
俺「ってかさ、メルランのことだから、どうせ何か仕込んであるんじゃねえの？ ハンバーグの中にトウガラシとか」グショッ
メ「踏みっ……」
俺「リンゴの中にワサビとかな、ははっ」メシャッ
メ「や……やめてっ！ 私はただ、普通のお弁当を……」
俺「そうか？ お前みたいにいっつもニコニコしてる奴って、どうも信用できないからなあ」
メ「……！ 私はただ、みんなで楽しくっ……」
俺「みんなで？ はは、冗談が下手だな、メルラン。落ち込んでる時に周りに無駄にニコニコしてる奴が居ても、イラっとするだけだろ」
メ「そんな……だって、でも……私のライブ、いつも来てくれるじゃない！」
俺「ああ、それはただストレス発散のためだよ。お前の演奏、なんか気分が高揚するって言うか。お前がいつもいつもニコニコしてんのは気持ち悪いけど」
メ「……あは、あはは。……そうだよね、気持ち悪いよね」
俺「うん。じゃあ、また楽しくなる演奏、聞きに来るよ」
メ「う、うん……またね……」
夜
ルナサ「メルラン、どうしたの、帰るなり引きこもって……晩ご飯できたわよ」
メ「ごめん、姉さん……今日、ご飯食べられないや」
ル「……その顔、どうしたの？ ……まさか、ずっと泣いてたの？」
メ「違うの、私は笑おうとしてるんだけどね、笑って楽しくなりたいのにね、何だかうまく笑えなくて、涙ばっかり出てきて……私、どうしちゃったのかな……あはは……」