10/03/01 01:36:30 EP/1nvFX0
■ある日の風景(ランクA)
今日は、春香たちとお昼を食べる日。
いつ、誰が決めたというわけではないけど……毎日担当Pと一緒では変化が無くなるとかいうので、
プロデューサーが外回りやら、用事の日はわたしたちアイドルで一緒にお昼を取ることもある。
「ねぇねぇ……千早ちゃん!この、肉じゃが見てて思うんだけどさ」
「なに?春香」
「あのね!じゃがいもの【ポテト】っていう響き、面白くない?だって【ポ】が【テ】ってきて、
【ト】で〆るんだよ!この【ポテ】ってあたりが、面白さの犯人だとわたし思うの!!」
「あら~……それは分かるわぁ♪【ポ】が【テト!】ってなるあたりも、可愛いわよね♪」
「あずささん分かってる!!そうですよね!ポテトって面白いですよね!!」
天然肌の人間同士の会話というのは、どうにも意味が分からなくなるような気がします……
男性が間に入れば【なんじゃそら】の一言で打ち切られてしまうネタも、この二人が扱うと、
途端に危険物となるのだから性質が悪いです。
「千早ちゃんもさぁ、この面白さを分かち合おうよ!!アレだよ、ポテトは強いんだよ」
「つ……強い?」
「うーん………そうだね。たとえば、千早ちゃんの大好きなウィーンのオーケストラがあります!
王様とかの前で演奏する、すっごい腕の皆さんです。タキシード姿で、格調高い楽団!
ヨーロッパで……いいえ、世界一レベルのその楽団の名前が!【オーケストラぽてと】!!どう?」
「ぶっ!!!」
なにが可笑しいのかさっぱり分からない……なのに、唐突にわたしはお弁当を吹いてしまった。
ちなみに春香……【偉い】人物の具体例が【王様】というのも高校生としてどうかと思うわよ。
「やっぱり……千早ちゃんって、音楽ひとすじで生きてたからさ、リズムとか語調の押しに弱いんだよ!
だから【ゴ】の字で始まる名前に、ヘンに執着したりするんだよ。だから、千早ちゃんの弱い
【ポテ】関係をちょっとだけ拡げて、ヘンな世界を作ってみようよ。まずは……そうだなぁ。
ポテトのお父さんは、なんて名前だと思いますかあずささん?」
「うう~ん…………ポテ蔵さん?」
「わたしはポテ麻呂さんがイイと思う!!だって【ポテ】が【まろ~】ってなるんですよ!!」
「あらあら……そうね♪そっちで決まりだわ。貴族っぽいし」
「………っ!!!くっ………ぷっ……くっ……」
「じゃあ、ポテトさんが怖いものって何だと思います?」
「コロ助ちゃんかしら?コロッケにされちゃいそうだし」
「それだと【ポテ】が【コロッ】となっちゃうから、似たような形になりますね……
あ!だったら発音を変えてみよう!!千早ちゃん!ぽぉ~てぇい~とぉ!!」
「ぶっ……くっ…………っ……」
「春香ちゃん……それってもはや言い方じゃないかしら?」
「いいじゃないですか♪あの千早ちゃんが100%笑うワードを開発してるんですよわたし達!!」
「ちょっと春香!人をおもちゃに……」
『ぽてと!!』
「ぷっ………あ、あははは……ひぃ……っはっ……だ、ダメ……おなか、いたい……」
「ほら、通じてる!!あずささんも新技を!!」
「え、え~と……あ、あ~……蒼い~ぽてと~♪」