09/12/02 21:29:24 rFU9fI0n0
沈黙した人魚作戦の発動から数日、助手たちはガジェットを完成させ、手持ち無沙汰であるようだ。
普段ならこういった場合、俺が次なるガジェットのコンセプトなりを提案し、議論をしているところなのだが、俺は作戦の遂行に忙しい。
故に、紅莉栖はソファで分厚い洋書を読み、ダルはエロゲ、まゆりはコスの製作と、皆思い思いに過ごしている。
その中俺は、MP3プレーヤーに繋いだヘッドフォンから流れる音楽に身を任せ、ドクターペッパーに口をつける。
すると紅莉栖が気だるそうにしながらも、俺の白衣を引っ張って存在をアピールする。
なにやら話したいことがあるようなので、未だに音を吐き出し続けるヘッドフォンをとり、紅莉栖に向き直る。
「いつも以上にだるそうだな、助手よ。一体どうした?」
「ねえ、岡部。この前、オペレーションセイレーン? を開始するとか言ってたけど、それはどうなってるの?」
「作戦は粛々と遂行中だ。もっとも、コレはかなりの機密故、漏洩を避けるためにも、俺とまゆりだけしか詳細は知らん」
「岡部とまゆりだけ? どうして私たちには内緒なのよ」
「今言っただろう。機関に嗅ぎつけられるわけにもいかん。一定の成果がでるまでは、この作戦の詳細は教えられん」
「ふーん。ま、別にいいけどね」
そういいながらも、ちらちらとこちらのことを気にする紅莉栖。
フフフ、可愛らしいところもあるではないか。
「ねえ、まゆり。本当に教えられないことなの?」
「えっとね~。まゆしぃは教えた方がいいって言ったんだけど、オカリンが俺たちだけの秘密だ~、って」
「二人だけの秘密・・・なによそれ・・・」
「えっ?」
「えっ?」
「あっ! な、何でも無いからな! とりあえず、今日はやること無いから帰る!」
思わず口をついたのであろう言葉に、自分で驚いて逃げ出すとは、助手もまだまだだな。
・・・とりあえずメールだけは送っておこう。
「オカリン、オカリン。紅莉栖ちゃん、不機嫌そうだったけど、追いかけなくていいの?」
「追いついたところで、作戦の詳細は言えんのだ。結局紅莉栖を怒らせて終わる」
「それでも、まゆしぃは追いかけるべきだと思うのです」
「・・・作戦が佳境に入れば、助手の手を借りなくてはならん。だが、それまではどうしても伝えるわけにはいかんのだっ・・・」
この作戦の肝は、間違いなく助手である。
そのため、機嫌を損ねるのは好ましくない事態なのだが、作戦を伝えるわけにもいかない。
「くそっ! これもシュタインズゲートの選択ということか!」
悪態をつきながらも、再びヘッドフォンを装着すると、ちょうど曲が始まったところだ。
少し遅いテンポの曲に身を委ねながら、なるべく早く話してやろうと決意するのだった。
まあ、それらも全て俺次第なのだがな・・・
まゆしぃ難しい。ダル空気。