【アマガミ】絢辻詞 part6【うさぎとかめ】at GAMECHARA
【アマガミ】絢辻詞 part6【うさぎとかめ】 - 暇つぶし2ch582:名無したんはエロカワイイ
09/12/24 01:14:13 C5vz26lQP
 ・・・そうね、出だしはやはり・・・ねえ、純一君、あなたはわたしの事どう思っている?あたしはあなたが好き。・・・うわあ、自分で考えて恥ずかしくなってきた・・・
や、やっぱりワンクッション入れて・・・きっかけは手帳。あなたが拾ってくれた手帳。・・・そういえばあの時は橘君に随分なことをしたわね、
今にして思えばあんな事しなくても橘君なら平気なのに・・・でもまぁ、そのおかげで・・・今のあたし達があるし、新しい目標も出来たし・・・。
 目標。その単語を思い浮かべ、やや眉根を詰める。
 ・・・この目標は他の全部をなげうっても達成したいわね、そうじゃないとあたし・・・ううん、わたしが橘君を好きな気持ちがどうしようもなくなる・・・
だからここはなんとしてでもわたしの気持ちをはっきり伝えて、一刻も早く橘君と名前で呼び合える関係に!
そうなると、ええっと、う~ん、こんな感じで言って、ここで目標の話をして、ええと、わたしの気持ちを、ええと―。
「―あ」
 はっと気付いて絢辻は目の前を見た。いつの間にか起きていた担任が皆から原稿用紙を回収している。絢辻は、え?と時計を見た。
 ・・・終わってる!授業時間終わってる!結局何も書いてない!
 はぁ、と、うなだれて眼下に目線を落とすと妙な既視感が絢辻を襲う。
 ・・・あれ?また原稿用紙に文字が・・・。
「―!!」
 思わず顔から火が出るような感覚を得ながら、
 ・・・ラ、ラブレター!今度はラブレター書いてる!しかも乙女チック全開の恥ずかしい文体で!!
 だ、誰!この夢見る乙女はどこのどちら様よ!こんなものを書いてるのが誰かにばれたら人生スゴロク一番抜けどころかダブルアップ確定で一騎当千の無双状態じゃないの!
 慌てた絢辻は筆箱から前衛芸術を取り出して、原稿用紙をこする。だが、
 ・・・またボールペンで書いてるーっ!
 右手を見れば、その通りのものがしっかりと握られいた。消すことが可能なシャープペンの姿が筆箱に見えるが、もはやどうでもよくなっていた。故に、絢辻は全身にだるさを感じ、
「・・・へ」
 という気の抜けた声が、鼻を抜けて漏れた。
 やがて担任の、明日までの宿題ね、と言う言葉を聞いた絢辻は、無表情でラブレターを四つ折にして懐にしまい、ゆっくりと机に突っ伏して深く息を吐く。

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