09/11/27 18:36:49 cPAgYqXl0
いつもよりも早く目が覚めてしまった俺は、ぶらぶらと散歩に出かけた。
自分の気持ちを整理したかったし、これから、どうするのかも考えておきたかった。
秋葉原駅をぐるりと一周した後、再びこの場所に戻ってきたのだ。
A.M 9:00。俺は今、ラボの扉の前にたっている。
そして、いつものように携帯を取り出し耳に当てる。
「・・俺だ。今から“伝えたい想い”コンフェス・オブ・マイハートを発動する。
なに?そんなことをすれば、この付近一帯の能力者を全て敵に回すことになる・・だと・・・?
いや、確かにそうかもしれないが、今更そんなことを言っていられない。
今しかチャンスはないのだから・・・!エル・プサイ・コングルゥ。」
そういって俺は、携帯をポケットにしまった。
大きく深呼吸をして、扉を開ける。
「あー!オカリンだ!トゥットゥルー♪」
まゆりは、そこにいた。ソファーに腰掛けて、バナナを食べている。ひざの上には、ウーパのクッションが載っている。まるで、この場所は絶対に譲らないと主張するかのように。
「おはよう、まゆり。今日は早いんだな。」
「うん!なんだか、早く目が覚めちゃって。
ラボに着いたらお腹すくだろうと思って、バナナを買ってきたの。
実はこれ、ちょっといいバナナなんだよ~
シールつきなのです♪オカリンも一本食べる?」
「ああ、いただこう。」
そういって、俺はまゆりの横に腰掛けた。
「今日はやけに上機嫌だな?なにかいいことでもあったのか?」
「えっへへ~!ちょっとね~」
彼女の笑顔を見て、ついこの前まで、大変な目に遭っっていたことを思い出す。
もっとも、一番大変な思いをした彼女自身にその記憶はないわけだが。
だから、この、まゆりの笑顔を見るたびに、俺は安堵感を覚えてしまう。
いとおしくてたまらないのだ。