09/09/23 03:49:11 hgkdJLl10
■（876プロの）ＴＶ出演（ランクＥ）
うぅう……ドキドキするなぁ。ただ挨拶するだけだってのに……
でも、このドアの向こうはあの歌姫・如月千早さんと大人気アイドル・天海春香さんがいるんだ。
芸を盗むってのは無理かもしれないけど、本物のオーラを直に感じたい！！
僕は、顔を叩いて気合を入れるとドアをノックした。
「失礼します！今日、バックコーラスとして出演する876プロの新人、秋月涼です！！
お忙しい中お邪魔してすみませんが、一言挨拶に伺いました！！」
「はーい。鍵はかかってないから入っていいよー♪」
程なくして、優しそうな声が聞こえてきた……良かった。集中を邪魔したとかじゃなさそうだ……
「し、失礼しまーす……うわぁ！？」
ドアを開けて靴を脱ぎ、中に入った僕を迎えたのは、ピンクとスカイブルーの…………じゃなくて！
着替え中の大先輩の姿だった。
「す、すすすすすすみませんっ！！き、着替え中にお邪魔してしまうなんて！！あ、あわわわ……」
「あー、いいよ別に。女の子同士だし♪それに、入り口のドアと部屋の中は角度が違うから、
覗かれる心配も無いしねー。むしろ、こんな格好でこちらこそごめんね」
「正式に挨拶したいのだけど、着替えが終わるまでちょっと待っててもらえますか？秋月さん」
「どっ……どどどどっどど……どうぞどうぞ！！お、おかまいなく……」
うわぁダメだこれ……恥ずかしくてまともに見られないっ……で、でも……綺麗だなぁ……
リボンいっぱいの可愛い下着が似合う春香さん……あぁ、本当に女の子らしい女の子だ……
そして、スリムでありながらも女の子のシルエットライン……まさに歌も芸術なら、
その身体さえも芸術品みたいなのが、如月さん……うわぁ、本当に腹筋、割れてるんだ。
鍛え方が段違いだなぁ……マラソンしたら絶対僕より早そうだ。
あんなに綺麗な声が、こんなに細い身体から……レースの上品な下着が似合って……
うわぁ！ヘンな事考えるな！！前が大変なことになってきちゃうじゃないか！？
「お待たせしました。律子から話は聞いてるわ。今日はよろしくお願いします」
「わたし達のステージ、いっぱい学んで参考にしてね」
「春香……あまり先輩風を吹かせると、あとで後悔するわよ」
なんか、風格が違うと言うか……僕と変わらない年齢なのに、別のイキモノみたいだ。
国民名誉賞・トリプルミリオン・紅白出場……と、冠に事欠かない如月千早さん。
お茶の間のアイドル・記憶に残りまくりの、没個性と見せかけて実は圧倒的存在感・天海春香さん。
こうして目の前で見ると、ビリビリと感じる、本物が纏う空気……
挨拶こそしたものの、その後どうしていいか分からない僕は、ただただ圧倒されていた。