09/08/02 20:41:00 /gCgi+GG0
とある夏の日の夜、ＴＶ局での仕事を終えた真は、控え室で着替えて帰る準備をしていた。
ちょうど着替え終わる頃、ノックとともに
「真、ちょっといいか？」
聞き慣れたプロデューサの声だ。
「もう大丈夫ですよ。どうかしたんですか？」
ドアを開け部屋に招き入れながら真がこたえた。
「いや、さっき知り合いのスタイリストさんからこれをもらったんだけどさ。真にピッタリだからって」
プロデューサーの右手の上には小さな緑色のキラキラしたものが乗っかっていた。
「うわぁ、キレイですねぇ。何なんですか？」
目を輝かせながら真が手にとった直後
「あっ…」
ピアスだった。
シルバーの台座に真の誕生石であるペリドットが埋め込まれ三個連なっている。耳の部分は同じくシルバーで出来たフック型の金具が付けられていた。それが左右の耳用に二個。
「ほら、もらったはいいけど真はピアスの穴開けてないじゃない。だから真に一応報告してから返してこようと思ってさ」
７６５プロのアイドル達は全員ピアスホールを開けていない。あずささん以外は学生だというのもあるし、あずささんも
「耳に穴を開けるなんて恐くて出来ません～」
とピアスに否定的なのが理由である。
「う…、でもせっかくもらったんだし…」
「…そうか、じゃあ後でお礼言わなきゃな」
「はい」