09/07/23 21:42:20 Apw/FRd80
「そういうわけでお仕事だよ。これからTV局まで来てくれたまえ。大至急だ、では、ね」
「わかったぞ!765プロとの勝負が中断されるのは残念だけど、仕事じゃ仕方ないし!
今日は引き分けにしてやるさ!じゃ、7時入りでいいんだね。分かった!じゃ!!」
……ふぅ。何とか終わったか。
それにしてもライバルプロダクションとはいえ、響とはいい友達になれてそうでよかった……
美希の方も心配だが、ああいう子がいる限りはあんな社長の下でも何とかやれてるだろう。
下手にプロデューサー制を取って無い分見張りがいるわけじゃないし、そこは救われた気がする。
さて、久しぶりに千早のいない晩飯だ。ここぞとばかりにカップ麺に卵を入れて食うかな……
その後ビールに枝豆つまんで野球でも見るか。確かナムコスターズが今年は強くて面白いんだよな。
……って、この過ごし方、小鳥さんに似て無いか?……いや、彼女には敵わないな。
あの人はオンラインゲームとネットも同時にこなすつわものだ。
■翌日
「おはようございますプロデューサー」
「おう、おはよう千早!!今日の仕事だが……」
「その前にお話があります。昨日は何故、黒井社長の真似などして我那覇さんに電話をかけたのですか?」
ぎく。
「……な、何の事やら……」
「我那覇さん本人から全て聞きました。だいたい、電話の相手が本当に黒井社長なら、765プロのことは
我那覇さんの性格なら隠して触れないはずです。そこを付いたらあっさりと陥落しました」
くっ……鋭いな。バレてたか。
「分かったよ。悪かったってば……でも、彼女の喉も労わってやってくれ。
ライバルプロダクションのアイドルを前に『喉が痛いからやめる』なんて言えないだろ?
それに、千早ががっかりする顔を見たくなかったんだよ。そういう気遣いから、俺に助けを求めてきたんだ」
半分は口からでまかせだが、多分ウソじゃないと思う……なんだかんだで、響も千早の事は認めてるんだ。
ただ、彼女は沖縄のボーカル覇者とはいえ、千早みたいな歌バカでは無いということだ。
ダンスとビジュアル(特に水着関連)では総合で充分、千早を脅かす存在なんだ。
「多分、夏のイベントでは響とぶつかるかもしれん……その時は真剣勝負だ。ぬかるなよ」
「ほ……本当ですか!?我那覇さんと、歌で勝負できるんですか!?」
「可能性としては高い。でも、ダンスとビジュアルも含めるとやや、分が悪い戦いだぞ……それでもやる?」
「やります!!是非、やらせて下さい!!彼女と競えるのでしたら願っても無いことです!!
勝負を通じて、誰も到達し得ない高みへと、登っていきましょう……必ず!!」
ああ……わが歌姫様が燃えている。
ありがとう、そして申し訳ない……響。多分来月あたり、歌バカどころか歌の魔物と化した千早が行くぞ。
大変だろうが相手してやってくれ。こっちもダンスとビジュアルで引っ張ってもらうけどね。
何処までも自己進化するこの歌姫に、俺は何処まで付いていけるのか……さっぱり分からない。
でも、みっともなく引きずられてでも……俺は、この子の成長を最後まで見届けたいんだ。
最終的には世界に討って出るのかもしれないが、とりあえずは国内で無敵になろう。
我那覇響、四条貴音、三浦あずさ、星井美希、秋月律子、天海春香……国内だって油断していい相手は一人もいない。
アイドルとしてのスター性だって、かつて国内最強といわれた日高舞ほどのレベルには行ってないんだから。
今日も暑い夏の一日が始まる。
戦いの舞台として、これ以上素晴らしい環境は無いだろう……
俺は、周りの人たちに感謝しつつ、今日も新たに仕事の計画を練るのだった。
※久しぶりにMSシリーズを聴いてたら響をからめて書きたくなったのでひとつ。
お見合いネタでコンビニ弁当Pが4、5番ばりにアベレージヒッターな仕事をするので、俺は
油断してたら時折痛いホームランを打てる6番バッターでありたいと思う今日この頃。