09/07/30 03:28:56 raJfqiGxO
>>399
良い刺激をありがとうございます。
「ねぇ、橘君」
帰り支度をしていると声をかけられた。
「どうしたの絢辻さん?」
「帰る前にちょっとトランプで遊ばない?」
珍しいな絢辻さんがそんな事を言うなんて。
「うん、いいよ」
「それじゃあポーカーでいいかな?」
「うん」
絢辻さんの意図は多分、
「それじゃあ、負けた方は勝った方の言うことを一つ聞くって事でいいわよね?」
なん……だと……予想通りじゃないか!
「聞いてないよ!」
安心しろ同士達よ、コレは演技だ。
「今、言ったじゃない」
「屁理屈じゃないか!」
僕が反論すればするほど絢辻さんのSゲージが貯まるのは分かっている。
「ふーん、自信がないから逃げるんだぁ?」
両手を合わせてコチラを見上げるあのポーズ。
イイ……実にイイ!
上目遣いのその表情、悪戯っぽさも感じられる小悪魔な雰囲気、そして腰の角度!完璧じゃないか!
コホン……いい具合だ。
「いや、自信がないとかじゃなくて―」
「そうよね、私に橘君が勝てるわけないもんね」
確実に絢辻さんのSゲージは増えている。
「くっ」
「ふふっ、どうする?」
この笑顔……そろそろいいか。
「分かった。受けて立つよ」
これで勝てば、Sゲージのやり場をなくした絢辻さんの愕然とした表情が見られるぞ!
それに命令できる権利も付いてくるなんて!
しかも、勝負方法はポーカー。
僕の勝つチャンスは十分にある。
負けたとしても、いつも絢辻さんからはお仕置きをされてるんだ、今さら恐れる事など何もない。
これぞ、策士策に溺れたりっ!
「それじゃあ、先に3勝した方の勝ちって事でいいかな?」
「うん、大丈夫」
ははっ、楽しい楽しいゲームの始まりだ。
なん……だと……
「はい、4カード」
僕の手札はストレート……
「ふふっ、これで3戦連取したわよ」
そう、僕の完敗だった……
「さーて、何をしてもらおかなぁ」
……
「あら、どうしたの橘君?」
……
「ふふっ、橘君のその表情堪らないわ」
……
「どうせ策士策に溺れたり~とか考えてたんでしょ?」
「な、なんで分かったの!?」