09/07/27 23:40:34 o/+oomrr0
>>338
「匂い・・・ねぇ・・・。」
抱きしめられたとき。
側にいるとき。
ふとしたときに、わたしの匂いを嗅いでいる彼。
「そんなに良いものかしら。」
洗濯籠につぶやいてみる。
当然だが、答えはない。
「あの人は・・・寝てるわね。」
リビングから物音は聞こえない。
この暑いのによく寝ていられる・・・と、半ば感心する。
「うーん・・・。」
手に持った、彼のTシャツ。
彼の匂いがするであろうTシャツ。
「きっと汗臭いわよね・・・。」
匂いを想像すると、ちょっと嗅いでみようという気が薄れる。
それに少し安心する自分がいる。
「それはそうよ。私は変態じゃないんだから。」
そう自分に言い聞かせるように言ってみる。
が、それでも、ちょっと嗅いでみたい気はする。
「・・・うん。」
ちょっと嗅いでみよう。
どうせ彼は寝ているんだ。
人生は一度しかない。
やらないで後悔するなら、やって後悔したほうがきっと良い。