09/06/22 21:54:06 cHEl/Qhc0
>>268
「ひゃう!」
腋の下に感じた感触に、やよいは思わず声を上げた。
(はわっ、これから一分間も……)
しかしその指はそこで止まらず―
ぎゅ
「え・・・伊織ちゃん・・・?」
「もう、相変わらずの真面目ちゃんなんだから」
「え・・・え?」
やよいが状況をつかめずにいると、伊織は後ろから肩に顔をうずめる。
ふわりと、伊織の髪から心地良い香りがした。
「いい、やよい? お仕置きってのはやろうと思って悪いことをしたときにするものでしょ?
やよいは私にかけるつもりでコップを倒したの?」
「そ、そんなことないよ! 絶対、そんなことない!」
「でしょ? だからいいの。やよいが今日持ってきたクッキー、
それを私に勧めようと手を伸ばした拍子の出来事。私はちゃんと知ってるから」
「伊織ちゃん・・・」
「だから、そんなに引け目を感じなくていいのよ」
自分を抱く腕に、少し力がこめられたことを感じるやよい。
「ごめんね、伊織ちゃん。それと、ありがとう」
その言葉の余韻が失われる間も無くパッと解かれる腕。
「べべ、べつに完全に許したわけじゃないんだからねっ
ただその、お仕置きとか、そういうのがイヤだっただけで・・・」
「うん、伊織ちゃん、今度たーっくさんお礼するからねっ」
「こ、こら、いきなり抱きつかないでよ、もう・・・
って、小鳥、なんでそんなとこでニヤニヤしながら写メ撮ってるのよー!」