09/06/04 02:34:31 0wlRqwdq0
「プロデューサー、そうだよね、そらーそう言いたくなるよなー」
「な、なんだよ…」
響は伏せていた顔を俺に向ける。
そして、その瞳で俺にこう語りかけてきていた。
<<春香にいいとこ見せたいんだなー、そうかー、男の子だもんねー。>>
こいつ見抜いてるのか!?
いや、まさかそんな…。
<<別に譲ってもいいけど、これは大きな貸しだぞ?それでもいい?>>
どんどん響の目が話を進めていく。
俺は反論もできないまま―どうすれば目で話すかもわからないが―黙っているしかなかった。
何か不公平だ! 全体的に不公平すぎる!
<<どうだ? ん?>>
別に俺はあいつの手を借りるわけでもないのに不公平極まりない! けど!
「わかったよ…。しばらくは言うこと聞いてやる。傘も持ってけ」
「よっしゃー! ウムサン!」
俺と響の様子をよそに春香はただただ何が起きているのかわからず困惑している様子だった。
「え、え? 何がどうなってるんですかあ?」
「いいんさ、いいんさ。春香、あの子猫はプロデューサーのところに住むことになったから、
休みの日にでもプロデューサーの家に遊びに行ってやるといいと思うぞ!」
「う、うん」
俺が素直にこの結果に喜んでいいのか考えていると、
「ぷ、プロデューサーさん、あの、それじゃあ今度お邪魔してもいいですか? なんて…」
などと伏し目がち問われてしまってはどうしようもない。
春香の笑顔のためならこんなの屁でもなかった。
そう思うと、自然と笑いがこぼれた。
そして、当然答えも決まってる。
「いつでもどうぞ」
了