09/05/12 21:13:45 9WpppG4E0
>>827は諦めるのが早いと思うんだ
「~♪」
「千早、もう眠ったみたいだぞ。お疲れ様」
「うふふ、もうぐっすりですね」
彼の声に千早は囁くように歌っていたのを止め、横で寝る子の頭を撫でる。
「すまないな、千早。手伝ってもらって」
「いえ、私も楽しかったですから。昔みたいに・・・・・・」
一瞬寂しそうになった千早の頭をそっと撫でる。
「それにしてもさすがは社長のお孫さんですね。
初めての場所や事務所の誰を相手にしても物怖じしない」
「ああ、将来が楽しみだ」
「将来、プロデューサーの後輩になっているかもしれませんね」
「それはそれで怖いな。今朝、社長が孫を連れて入ってきた時の小鳥さんの様子を考えると」
「あの様子を見て、なお音無さんを「お姉ちゃん」と呼んだこの子の胆力は得がたい物かと」
お姉ちゃんと呼ばれる度に小鳥から何かが放出されていたように千早には見えた。
「まあ、朝の段階ではまさか俺の家で預かるとは思わなかったな」
「一番に懐かれていたのがプロデューサーですから」
「社長の急用がアレだったからなぁ。さすがに俺も預かるのを断れないよ」
「音無さんは最後まで自分が預かると言っていましたが」
「千早も済まないな。つき合って貰って」
彼の言葉に千早は頭を振る。
「いいえ、気になさらないで下さい。それに・・・・・・」
「それに?」
「この子を以前のプロデューサーの食生活に巻き込むわけにいきませんから」
「千早に飯を作ってもらっている現状では全く反対できないな」
「さすがに『千早お姉ちゃんのお茶碗もあるんだぁ』と言われた時はどきっとしました」
もっとも次の瞬間には千早特製ハンバーグに夢中だったので誤魔化せたと思うが。
「さ、千早もそろそろ帰らないと。いくら部屋が隣とは言え」
「それが・・・・・・」
千早の困った顔に彼が彼女の視線を追うと・・・・・・
「しっかりと握られているな」
「ええ、肌触りが良かったのかも」
千早のパジャマの裾はしっかりと子供に握られ、起こさずにほどけそうになかった。
ついでに言うと千早がパジャマなのは風呂上がりだからであり、
普段もこの格好で寝る寸前まで彼の部屋にいる。隣に引っ越してきた効果は抜群だ。
「これはダメだな」
「ええ、困りました」
「千早、なんとか服を脱・・・・・・」
「布団の上で私に服を脱がせて、プロデューサーはどうするつもりですか?」
「いや、疚しい気持ちは・・・・・・」
「分かっています。冗談です」
「とは言うものの困ったな」
「あの、もう仕方がないのでこのままここで寝ます」
「え、しかし・・・・・・」
「ダメですか?」
「その上目遣いは反則だ。わかったよ。ちょっと待って」
千早に答え、子供の寝ている隣にもう一組布団を敷く。
「千早、この子をゆっくりと端に寄せるぞ。ちがう、逆だ」
「すいません。私がプロデューサーの隣で寝るのかと」
「俺が眠れないよ。この子を挟んで寝るぞ」
「それにしてもこれだけ動かしても起きませんね」
「それなのに手は離さないんだよなぁ」
ため息をつき、布団に入る。
「さ、もう寝よう。今日は一日が長かった」
「そうですね。ですが・・・・・・」
「どうした?」
「嫌ではなかったですよ。おやすみなさい、プロデューサー」
この妄想を60行にどうやって納めるかコンビニで求人誌を片手に考えた