09/06/29 08:57:37 pdOowrXX0
保守小話
何もない、殺風景な765プロのオフィス。
「うちも、とうとう今日限りか……」
「社長! だからあれほど言ったんです。海外公演はまだ早いと」
プロデューサーが社長の高木に怒りをぶつける。
初めての海外公演は韓国だった。しかしプロデューサーは、
「まだ早い、うちのアイドルたちにはそれだけの実力がまだない」と大反対した。
結局、言いくるめられる形で公演は決まり、765のアイドルたちは韓国へと渡った。
公演そのものは大成功だった。
だがアイドルたちが帰国した直後、北朝鮮が突然韓国に攻撃を始めた。
第二次朝鮮戦争である。
間一髪、アイドルたちは命拾いした。しかし……
「戦争のどさくさで、入金されるはずの金は全部踏み倒されて、借金だけが残って……
あれからすっかり仕事はなくなって、アイドルはみんな辞めてしまい、
残った小鳥さんも慣れない金策に飛び回って、過労で入院、そしてとうとう倒産です!」
「まあ、今更悔やんでも仕方がない。あきらめよう。第一、不可抗力だよ。ん?」
「あきれた……つくづくあきれましたよ! もういい、俺はあなたを見損なった、さよなら!」
プロデューサーは吐き捨てると、そそくさと出ていった。
「これで私も失業者か……これからどうするかなあ。この不景気じゃ、どこも雇ってなんか
くれんだろうな。まして、会社つぶした元社長なんてな……」
とぼとぼと、社長はオフィスを後にした。