09/06/07 21:36:43 LTbFyX3m0
「まず、アイドル候補生に応募した動機を聞かせてもらえないかな」
「えっと、その、実は友達が勝手に応募しちゃって。まさか書類選考を通過すると思ってなくて、
びっくりしたんですけど」
ふむ。音無くんの読み通りだったな。
「友達が勝手に応募したということは、萩原くん自身はアイドルになるつもりはなかったのかな」
「そう、でした」
「書類による一次選考は通過したとはいえ、今日の面接を断ることもできた。けれど、君はここへ
やってきた。その理由を訊いてもいいかな」
「はい……。確かに、アイドルになろうと思ってはいませんでした。だけど、今日ここへ来たのは、
自分を変えたいと思ったからなんです」
「自分を変えたい、とは?」
「あの、私、人からも言われるし、自分でもそう思うんですけど、気が弱くて、後ろ向きな性格で……。
でも、それじゃいけないと思ってて。それで、アイドルを目指すことで、新しい自分に生まれ変わ……れる
かどうかわからないですけど、でも、そうなれたらいいなと思って」
そう話す萩原くんは、明らかに緊張していて、落ち着かない様子だった。
だが、それでも一生懸命に自分の言葉で話す姿には好感が持てた。
あまりオドオドしているのは問題だが、逆に言えば、その点をうまく克服できれば、大きく成長できるのは
間違いないと思えた。
「なるほど。では、今はアイドルを目指す気持ちでいるわけだね」
「はい……」
「よし。それじゃあ、日を改めて実技―つまり、歌とダンスのレベルを見せてもらいたいと思う。
その上で、今後のレッスン方針を決めていこう。場所と日時については、追って連絡させてもらうよ」
「え……?」
「どうかしたのかね?」
「あの、面接って、これで終わりですか? 自己アピールとかしなくていいんですか?」
なかなか生真面目な面もあるのだな。
「十分に、萩原くんのアピールは聞かせてもらったよ。緊張していて、十分に君の持ち味が発揮された
とは言えないが、その可能性は感じられた」
「それじゃあ……」
「うむ。我が765プロダクションは、君を『アイドル候補生』として迎えたいと思う」
「あ、ありがとうございます」
「なに、礼を言われるようなことではないよ。これからの君の頑張りを応援しようというだけのことだ。
全ては自分次第だということを忘れずにな」
「はい」
「では、今後のスケジュールは後で連絡するから、今日は帰ってゆっくり休みたまえ」
「はい。失礼します」
***
「おはようございます、プロデューサー」
「おはよう、雪歩。今日は、オーディションだな」
「私、大丈夫でしょうか?」
「レッスンでやったことを思い出して、リラックスして挑めば大丈夫だよ。自信を持って」
「はいっ!」
萩原くんのデビューから半年が経った。
レッスンを通じて実力を付け、順調にランクアップを果たしている。
担当プロデューサーとの相性も良いようだ。
仲良きことは美しきことかな、だな。
「では、今日の流行情報を伝えよう。二人ともしっかり頑張ってくれたまえ」
523:SS再掲/春香・1
09/06/07 21:37:54 LTbFyX3m0
765プロダクションの社長の高木だ。皆、元気にしているかな?
先日締め切りを迎えたアイドル候補生の募集だが、幸いなことに予想を越える多数の応募があった。
書類選考の末に、採用候補者を十数名にまで絞り込み、一人一人と面接を行う日々が続いている。
実際に会ってみると、書類選考時とは全く違った印象を受けることも少なくない。
もちろん、そうしたイメージギャップが吉と出ることもあるが、凶と出ることもある。凶と出た場合
には、アイドル候補生として採用することはできない。残念ではあるが、致し方ないことでもある。
限られた予算の中で候補生を採用し、アイドルデビューさせてゆかねばならない以上、少しでも素質の
ある者を選ばなければいけない。落選通知を送るのは、決して憎いからではないのだよ。
おっと、また話が逸れてしまったようだな。いかんいかん……。
「社長、誰とお話ししているのですか?」
「お、音無くん! 驚かさないでくれたまえ……」
「いえ、その……。今日、面接予定の天海さんが来られましたよ。会議室にお通ししておきましたから」
「おお、すまないね。では、ちょっと行ってくるよ」
軽くノックをして、会議室のドアを開ける。
その途端、派手な物音がした。
「な、何事だね……?!」
慌ててドアを開けて室内に入ると、倒れた椅子と床に転がっている少女が目に入った。
「え~っと、天海春香くんかな?」
「は、はい……」
「大丈夫かね? かなり派手に転んだようだが……」
「だだだ大丈夫です。あの、立ち上がって挨拶しなきゃと思ったら、椅子を後ろに引くのを忘れてて、
足がテーブルに引っ掛かって、それで勢い余っちゃって……」
どうやら、天海くんは随分とそそっかしい子のようだ。
暇そうにしてても、お茶汲みはさせない方がよさそうだ。が、そういう雑用を自分から進んでやり
そうな気がするのは、何故だろう。
私がそんなことを考えている間に、スカートに付いた埃を払って立ち上がると、天海くんは私に向かって
丁寧に頭を下げた。
「はじめまして、天海春香です。よろしくお願いします」
「765プロダクションの社長の高木です。こちらこそ、よろしく」
「え、社長さん……!?」
「そうだが……?」
「うわーっ、私ってば、社長さんの前でなんてみっともないところを見せちゃったんだろう。……あのぉ、
今の無しにできませんか?」
「無茶を言わんでくれたまえ」
「で、でも……」
「まぁ、落ち着きたまえ。多少転んだくらいで、選考にマイナス評価を付けたりはしないから、安心しなさい」
「ほ、本当ですか?」
「本当だとも。では、そろそろ席について。面接を始めよう」
「はい」
「では、まずアイドル候補生に応募した動機を聞かせてもらえるかな」
「はい。……といっても、そんな大それた動機じゃないんですけど。私、小さい頃から歌うことが
好きで、それでずっと歌っていられたらいいなと思って、それでたまたま今回のアイドル候補生
オーディションの募集広告を見つけて、試しに受けてみようと思ったんです」
「ふむ。でも、ただ歌うだけなら、わざわざアイドルを目指さなくとも、カラオケで歌えばよいのでは
ないのかね?」
「確かに、そうかもしれません。でも、カラオケだと自分が楽しいだけでしょう? あ、もちろん一緒に
行く友達もですけど。だけど、できることなら、もっと大勢の人に楽しんでもらいたいって思うんです。
大きなステージで歌って、大勢のお客さんに喜んでもらえたら、素敵だなって」
聞きようによっては、如何にも優等生的な答えにも取れる。
だが、決して取り繕って言っているのではなく、本心からそう思っているのだということが、彼女の
表情から伝わってきた。もし、これが演技だとしたら、相当な演技派だ。それはそれで優れた才能だろうが、
彼女の場合は違うと私の直感が告げていた。
524:SS再掲/春香・2
09/06/07 21:39:20 LTbFyX3m0
「なぜ、そう思うようになったのかね?」
「えっと、小さい頃の話なんですけど、家の近所の公園に歌の上手なお姉さんがよく来ていて、私、
そのお姉さんに歌を教えてもらったり、一緒に歌を歌ったりしていたんです。それが、とても楽しくて。
あと、人に歌を聴いてもらうことを最初に意識したのも、その時なんですよね」
「というと?」
「みんなで歌を歌っていたら、近所の人たちが拍手してくれたりとかして。自分の歌で人が喜んで
くれるって、とても嬉しいことですよね。それが忘れられなくて、だからアイドルになりたいって
思ったのかな……。きっと、そうなんだと思います」
「なるほど……」
思い出を語る時の生き生きとした表情を見ていると、何だかこっちまで楽しい気分になってくるから
不思議なものだな。
一見して取り立てて特徴のない、平凡な女の子。
だが、そのハートには温かな情熱が詰まっているというわけか……。
まぁ、ちょっとそそっかしいところが気にはなるが、この点をプラスに転じることができれば、
この上ない個性にもなり得る。それほど懸念すべき要素ではなかろう。
どうやら褒め言葉で育つタイプのようだから、要所要所で上手く褒めてやる必要はあるかもしれんな。
「それでは、実技―つまり、歌とダンス―については、日を改めて見せてもらいたいと思う。
そのレベルを確認した上で、今後のレッスン方針を決めていこう。詳細については、追って連絡させて
もらうよ」
私がそう告げると、天海くんはきょとんとした表情を浮かべた。
「えっと……?」
「つまり、我が765プロダクションは、君を『アイドル候補生』として迎える、ということだよ」
「本当ですか!?」
「勿論だ。天海くんの歌への熱い思い、しかと聞かせてもらったよ。そのまっすぐな気持ちを忘れる
ことなく、精進を重ねて欲しいと思う」
「はいっ」
「デビューが決まれば、担当プロデューサーを付けることになると思うが、それまでは候補生として
基礎レッスンに励んでもらうことになるだろう」
「わかりました」
「今後のスケジュールは後で連絡させてもらうよ。今日のところは、帰ってゆっくりと休みたまえ」
「はい。それでは、失礼します」
***
それから二ヶ月後。
私は、天海くんを面接したのと同じ会議室で、スカウトして間もない新人プロデューサーと
打ち合わせをしていた。
仕事内容について簡単な説明を済ませ、担当するアイドル候補生を決めることになった。
所属するアイドル候補生のプロフィールを彼の前に並べる。いずれも個性豊かな女の子たちだ。
その中から、彼は天海くんのプロフィールを手に取った。
「この子を、プロデュースしようと思います」
「お、天海春香くんを選んだか。彼女とは、たしか先ほど、顔を合わせていたな」
「はい。とはいっても、軽く挨拶しただけなので、何もわかりませんけど」
「あの子は……、まあ、普通の子だから。君でも、さほど苦労することはないだろう。天海くんは、
どうやら近くの公園に行ったようだ。早速迎えに行き、活動を開始してくれたまえ」
「はい!」
元気よく応えて、プロデューサーは会議室を飛び出していった。
普通だなんて言うと天海くんは怒るかもしれないが、他の子たちは一癖も二癖もあるからなぁ。
決して悪気があったわけではないのだよ―と、心の中で謝って、私も会議室を後にした。
二人の前途に幸あらんことを。
525:SS再掲/真・1
09/06/07 21:40:22 LTbFyX3m0
土曜の午後。私はアイドル候補生の天海君と萩原君を連れて、とあるCDショップを訪れていた。
大型ショッピングモール内にあるこの店舗には、地元FM局のオープンスタジオが設けられており、
毎週土曜と日曜には番組収録の様子を見学することができる。
今日は、某有名アイドルが番組にゲストとして呼ばれ、ブースの中でパーソナリティとトークをしていた。
レッスンも大事ではあるが、こうして現役アイドルの姿を見ることで仕事のイメージを掴むことも
有意義かと思い、アイドル候補生の二人を連れてきたわけである。
三十分程度の番組収録の後で、天海君と萩原君に感想を尋ねてみた。
「歌が上手なだけじゃダメなんですね。頑張らないといけないこと、沢山あるんだなぁ」
そう天海君が言うと、
「私、あんな風にちゃんとお喋りできるかなぁ……」
と萩原君も不安げな表情を浮かべる。
「まぁ、いきなり何でもできる人間などおらんよ。あのアイドルも、地道な努力の積み重ねで今の地位を
獲得したわけだ。千里の道も一歩から。今の天海君と萩原君は、いわばタマゴの状態だ。これから大きく
成長するためにも、デビューに備えての準備を怠らないようにしないとな。さて、今日は夕方からレッスン
だったな」
「はい」
「それでは、少し早いが、そろそろ事務所に帰るとしよう」
「はい」と天海君が返事する傍らで、萩原君がおずおずと声を上げた。
「あのぅ、その……」
言葉尻の歯切れの悪さと、もじもじした態度に、私は思わず苦笑した。
「行ってきなさい。私たちは先に行って、噴水広場のところで待っているから」
「は、はいっ」
小走りに御手洗いへ向かう萩原君を残して、私は天海君とCDショップを出た。
ショッピングモールの中央に設けられた噴水広場で、萩原君を待つ。
だが、なかなか萩原君がやって来ない。
「遅いなぁ、雪歩」
「幾ら何でも遅すぎるな。何事もなければいいのだが……」
「私、様子を見てきます!」
そう言って駆け出そうとする天海君を呼び止める。
「待ちたまえ。私も一緒に行こう」
「はい―って、あれ?」
「ん?」
天海君の視線の先には、萩原君の姿があった。どうやら無事らしい。
が、隣にいるのは誰だろう?
一瞬男の子かと思ったが、よくよく見ると萩原君や天海君と同年代の女の子のようだ。
そうこうしているうちに、萩原君は私たちの前までやってきて、申し訳なさそうに頭を下げた。
「すみません。その、お待たせしてしまって……」
「いやいや、無事で何より。それにしても、何かトラブルでもあったのかね?」
「そのぉ、犬が……」
そういえば、萩原君は犬が大の苦手だったな。
「ちょうど、その向こうの休憩コーナーのところに、小犬を連れた人がいて。それで萩原さんが立ち往生
していたんで、ボクが萩原さんと犬との間に壁のように割って入るようにして、そうやって何とか通り
抜けてきたんですよ。へへっ」
自分のことをボクと呼ぶ、その少女の顔には見覚えがあった。
「君は?」
「菊地真です」
「キクチマコト君、か……。念のために訊くが、君は女の子だね?」
「そんなの当たり前じゃないですか! ひどいなぁ……」
「いや、決して悪気は無いんだ。あくまでも念のためであってね。……そうだ。もしよかったら、ちょっと
お茶でもどうかね? 萩原君を助けてくれたお礼の代わりと言っては何だが」
「そんなお礼なんて……。ボクは、当然のことをしただけだから」
「まあ、無理にとは言わないが、ここで知り合ったのも何かの縁だ。私からのささやかな感謝の気持ちを
受け取ってはもらえんかね」
「まぁ、そこまで言うのなら……」
「よし。ならば、善は急げだな」
自分でも少々強引だとは思いつつも、三人を連れて喫茶店に入る。
注文した品物が来るのを待つ間に、私は本題に入ることにした。
526:SS再掲/真・2
09/06/07 21:41:08 LTbFyX3m0
「菊地君といったね」
「はい」
「明日、アイドル候補生オーディションの面接を受ける予定は無いかね?」
「ええっ?! どうして、おじさんがそんなこと知ってるんですか? ……まさか、ストーカーとか?」
「いやいや。申し遅れたが、私はこういうものだ」
そう言って、菊地君に名刺を差し出す。
「765プロダクションの高木社長……って、ボクが受けるオーディションの?!」
「その通り。いや、どこかで見た顔だと思ったら、我が社のオーディションに応募してくれていた子
だったとは。世間というのは狭いもんだねぇ」
私の言葉に驚いたのは、菊地君よりも、むしろ天海君と萩原君の方だったようだ。
「それじゃ、この菊地さんが―」
「真、でいいよ」
「じゃあ、その、真も私たちと同じアイドル候補生になるんですか?」
「へ?」
目をぱちくりさせる菊地君に、私から説明する。
「ここにいる天海君と萩原君は、我が社に所属するアイドル候補生でね。君が二次選考を通過すれば、
同期生ということになる」
「そうなんですか……」
「で、本来の二次選考は明日なんだが、せっかくだから、ここで面接をやってしまおう」
「ここで、ですか?」
「どこでやっても同じだよ。では、菊地君。準備はいいかね?」
「き、緊張するなぁ……。ど、どうぞ」
「うむ。それでは、アイドル候補生に応募した動機を聞かせてもらえるかな」
「はい。えっと、あの、ボク、男の子みたいだって言われることが多くて。それで、アイドルになって、
もっと女の子らしくなりたいというか……」
もっともらしい理由ではある。確かにそれも本心なのだろうが、言いたいことの全てだとは思えなかった。
「それだけが理由かね?」
「……いえ」
「動機はひとつだけでなくていい。沢山あってもいいんだ。君がアイドルを目指そうと思ったきっかけ。
原点のようなもの。それを教えて欲しいのだよ」
私がそう言うと、菊地君はしばらく逡巡してから、ゆっくりと口を開いた。
「中学生の頃のことなんですけど、公園の野外ステージでダンスの練習をしている女の人たちがいたんです。
毎日、汗をかきながら、一生懸命練習していて。その姿がすごく眩しくて。ボクも何か打ち込めるものが
欲しいって思ったんです。ダンスは上手くないけど、大好きだし、いつか大きなステージで踊りたい。
女の子らしくもなりたい。真剣に取り組めるものも欲しい。そう考えたら、もうこれはアイドルを目指す
しかないって」
訥々と語る菊地君の眼差しは、私にとって十分に眩しいものだった。
女の子らしくありたいという菊地君にとっては不本意かもしれないが、彼女の中性的な魅力は、
男の子だけでなく、女の子にも通用するだろう。それはアイドルとして売り出す上で強力な武器になる。
「……とまぁ、そんな感じなんですけど。これで、いいのかな」
「十分な動機だよ。君の強い思いが、ひしひしと伝わってきた。我が765プロダクションは、
君を『アイドル候補生』として迎えたいと思う」
「ホントですか?! よろしくお願いします! ボク、バリバリ頑張りますから!」
「うむ。それなら、もし時間が許せばだが、天海君と萩原君が受けるレッスンに君も参加してみては
どうかね。この後―何時からだったかな」
「四時半からですよ、社長」
と、天海君が助け船を出してくれた。
「そうだったな。休憩込みで、一時間半のダンスレッスンなんだが、どうかな?」
「うわぁ、本当にいいんですか?」
「勿論だとも」
「やーりぃ! ぜひ参加させてください!」
その菊地君の言葉を聞いて、天海君と萩原君が嬉しそうに顔を見合わせる。
この様子だと、仲良くやるように、と言う必要はなさそうだな。
喫茶店を出る頃には、三人はすっかり打ち解けていた。
アイドルを目指す彼女たちが心から笑顔でいられるよう、しっかりとバックアップをしていこう。
そう固く決意して、私は抜けるような青空を仰いだのだった。
527:SS再掲/律子・1
09/06/07 21:42:41 LTbFyX3m0
我が765プロは未だ弱小のプロダクション。
しかし、我が社で働いてるものにはそんなことは関係なく、
当然社長である私も多忙を極める身である。
…が、今日の私は珍しく暇だった。
普段は本当に忙しいのだが、今日はそんな日々の合間にぽっかりと穴が開いてしまったような日だ。
何をするでもなく、思わず事務所の備え付けのテレビを見てしまうくらいに。
「いやいや、芸能事務所社長たるものテレビを見て流行情報や芸能界の動向を知るのも立派な仕事だな、うむ」
「『うむ』じゃありませんよ社長。ちゃんと仕事をしてください」
ふと後ろから声をかけられたので振り返ってみると、
見慣れた眼鏡とおさげの少女が湯呑を2つ乗せたお盆を持って立っていた
「おお、秋月君か。君も休憩かね?いやはや、なぜか今日は仕事がなくなってしまってね」
「そうですか。こっちはおかげさまで大変忙しいんですが。仕事が無いんなら手伝ってもらえませんか?」
そう言いながらも彼女は「どうぞ」と言いながらお茶を私の前に置いてくれた。
うむ、実に気の利く良い娘だ。彼女は事務のアルバイトなのだが、仕事も優秀で気配りも出来る。
なんでも将来芸能関係の仕事、主にプロデュース業をしたいらしいが、
彼女ならどんなところでも上手くやっていけそうだ。
「そちらの仕事と言うと事務関係かね?私はどうも事務は苦手で…」
「プロデューサーみたいなこと言わないで下さい。社長の普段の仕事だって大体はデスクワークでしょう?」
そうは言われても苦手なものは苦手で…ん?プロデューサー?
「そうだ。プロデューサーはどうしたのかね?いつもなら彼を先に手伝わせているだろう。」
先ほどは彼も暇そうにしていたはずだ。
「プロデューサでしたらビルの裏でさっき雪歩が掘った穴を埋めてますよ。」
「む…彼女はまた穴を掘ったのかね。」
失敗したりして落ち込むとすぐに穴を掘り出すのは彼女の悪いくせだな。またビルのオーナーに怒られそうだ。
しかも彼女の場合その穴掘りが早い・深い・広いと三拍子そろっていて埋めるのがなかなか大変である。
「一応本人は立ち直ったんで、雪歩は自分で埋めると言っていたんですけどね。
でもプロデューサーが『女の子にやらせるわけにはいかないから』って。まったく変なとこ格好つけちゃって…」
「格好ついてるかは微妙ですけどね」と言いながら彼女は苦笑している。
「ふーむ…それでは彼に手伝ってもらうわけにもいかんな。やはり事務のほうは人手不足かね?」
「事務のほうは一応大丈夫ですよ。今日も忙しいですけど、手伝っていただけたら有難いってくらいですし」
わざわざ私を一瞥して言ってくれるあたり、やはり彼女はやり手なのかもしれない…。
これでは手伝わないわけにもいくまい…と観念しようとすると「それより」と彼女が話し始めた。
「事務よりも現場のほうが人手不足だと思いますよ。大体なんでプロデューサーが一人しかいないんですか!?」
信じられないと言った顔で秋月君は私にまくし立てる。
528:SS再掲/律子・2
09/06/07 21:56:23 EBfzt93aQ
確かに我が社にはプロデューサーはたった一人しかおらず、
今は彼に我が社のアイドルや候補生の面倒を見てもらっている。
「しかしだな、私としても我が社の大事なアイドル達を任せるにはやはり信頼に足る人物としたいのだよ。
その点彼は君も知っての通りだろう。それに私は現場の仕事についてもらうには、私の感性にひっかるような…」
「例の『ピーンと来た!』ですか?」
「うむ。そういった人間に任せたいのだよ。今はまだ弱小だが彼らならきっと活躍する。
そうすれば事務所も大きくなるし、現場の方もきっと信頼に足る人物が見つかるだろう。」
「楽観的ですねえ。」
そういいながら彼女は私の分といっしょに持ってきた自分の湯呑を口に持っていこうとしていた。
しかし…
「うわ!ちょっとお湯熱すぎたかなぁ」
どうやら湯気で眼鏡が曇ってしまったらしい。
眼鏡を拭こうとしたのだろう。彼女は眼鏡を外し…!
「ピーンと来た!」
「うわ!な、何ですか社長!?」
驚き立ち上がろうとした彼女の肩を抑える。まさかこんな逸材が身近にいようとは!
「秋月君!君はアイドルをやってみる気はないかね!?」
「は?な、何言ってるんですかいきなり!?冗談ならもう少しマシなのを…」
「冗談なものか!私は本気だ!実にイイ、ピーンと来た!」
今まで彼女がかけていた眼鏡では彼女の顔全体が良く分からなかったが、
改めて見てみると実にイイ!なんという罪深いめがねだ!
「まずその眼鏡がいかんな!レンズの厚さが目元のバランスを崩してしまっている。
とりあえず今すぐに新調しよう!もちろん費用は事務所持ちだ。」
「ちょ、ちょっと待ってください!私まだやるなんて一言も…それに私なんかがアイドルなんて…」
彼女はどうも乗り気ではないようだな…確かに勢いに任せては秋月君相手ではよろしくない。
しっかりと論理的にいかなくては。
「何を言うのかね。君は十分に魅力的だよ。まったく今まで気付かなかった自分が恥ずかしい。
それに秋月君。君は将来芸能関係の仕事を視野に入れているんだろう?
ここでアイドルをやることは、君にとっても十分にメリットのあることだと思うが」
焦らず言い聞かせるようにゆっくりと話していくと、徐々に彼女の反応が変わっていく。
「確かに将来裏方に回るとして、表側の感覚を把握していると言うのは大きいかも。
それにあえて私でもやれる範囲でマニア層を狙ってみれば今の芸能界に足りないものも…」
「やってくれるかね?」
彼女はまだ難しそうな顔をしていたがしばらく逡巡したあと確かに頷いた。
「そうか、やってくれるかね!いやーありがとう!それでは早速事務仕事の方を切り上げて来週からでも…」
「ちょっと待ってください。事務のアルバイトの方も続けさせていただきます。さすがに小鳥さん一人じゃきついですし」
彼女は流石に真面目だ。まさか事務仕事も続けてくれるとは思わなかった。
確かに事務仕事の方面で彼女を失うのは痛手だ。彼女が進んでやってくれるのなら断る理由も無い。
「それは有難いが、いいのかね?」
「構いませんよ。こういう形とはいえ中途半端は嫌ですから。あと…」
すっかり平静を取り戻していた彼女だったが、急に不安そうな顔をした後、
「念のため聞いておきますけど私の担当になるのは…」
「もちろん『彼』だ!」
最早呆れたような諦めたような、そんな表情でため息をついたあと
「そっちの『ピーン』もよろしくお願いしますね」
そう呟いた彼女だった。
529:SS再掲/あずさ・1
09/06/07 21:57:43 EBfzt93aQ
765プロダクションの社長の高木だ。皆、風邪などひいてはおらんかな?
我が社のアイドル候補生オーディションの二次選考も、ようやく後半戦に突入した。
今日も、面接の予定が一件入っている―のだが、困ったことに肝心の応募者が来とらんのだよ。
「社長!」
「おお、音無君。連絡は取れたかね?」
「えぇ、さっき携帯電話とつながったんですが、何でも道に迷ったので少し遅れる……と」
「…………」
「もう既に予定の時刻から三十分は遅れていることは伝えましたけど……」
「けど、どうしたのかね?」
「三浦さんって、随分とおっとりした方のようで、こちらの意図がちゃんと伝わっているのかどうか、
あまり自信が……」
「ふむ……。まぁ、しばらく待ってみるか。今日は、特に予定もなかったな」
「そうですね」
と頷いてから、音無君は自分の席に戻り、事務仕事の続きを始める。
私は、一次選考通過者の書類をチェックしつつ、今後のプロジェクト展開について練ることにした。
そうして一時間半が過ぎた頃、事務所のドアが開いて一人の女性が入ってきた。
「遅くなって、すみませんー。三浦と申しますー」
なるほど。おっとりした物腰なのは確からしい。
「音無君」
「はい。三浦さん、こちらへどうぞ」
音無君が三浦君を会議室に案内している間に、私は書類をまとめる。
「社長。三浦さんを会議室にお通ししました」
「ありがとう。それでは、行ってくるよ」
軽くノックをしてから、会議室のドアを開ける。
「どうも、765プロダクションの社長の高木です。今日はよろしく」
「はじめまして。三浦あずさと申しますー。よろしくお願いします」
うーむ。このやけにのんびりした口調で話しかけられると、何だか調子が狂うな。
「では、さっそく面接を始めようか」
「はい」
「ところで、君はよく道に迷うほうなのかね?」
「そうなんです。初めて行く場所だと、必ず道に迷ってしまうんです。よく行く場所でも、なかなか
道を覚えられなくて、変なところへ辿りついてしまったり。方向音痴なのはわかっているんですけど、
どうやって治したらいいのか。こういうのって、普通のお医者さんでいいんでしょうか?」
「……いや、どうなんだろうね」
いかん。軽い前振りのつもりだったが、このままでは世間話で面接時間を潰しかねんぞ。
早々に本題へ移るとしよう。
「オホン。……それでは、アイドル候補生に応募した動機を聞かせてもらえるかな」
「その、短大を何とか卒業できたので、アイドルを目指してみようかなと思ったんです。新しいことに
チャレンジしてみたいなと思って」
「ふむ……」
それも確かに動機のひとつなのかもしれない。だが、目の前のおっとりしたお嬢さんがアイドルという
派手な職業を目指すからには、何かもっと大きな理由があるに違いない。そう思われた。
「それだけが理由かね?」
「それだけ、ではないのですけれど……」
「三浦君」
「はい」
「初対面の私には、言いにくいこともあるかとは思う。だが、君が重大な決心をしてオーディションに
応募したように、私もまた並々ならぬ決意でもってアイドル候補生を選考しているつもりだ。その結果が
応募者の運命を左右することも自覚している。だからこそ、数多ある職業の中から、敢えてアイドルを
志した理由。アイドルでなければならない理由。それを教えてもらうことはできないものだろうか?」
私の問いに、三浦君は唇をきゅっと結んで首を振った。
「確かに、別の動機はあります。でも、今は言えません」
「何か、問題でもあるのかね?」
私は重ねて問うたが、やはり三浦君は首を振るばかりだった。
「今は、社長さんにきちんと説明する自信がないんです。けど、決して遊び半分でアイドルを目指して
いるわけではないんです」
そう言って、三浦君は口を噤んだ。
530:SS再掲/あずさ・2
09/06/07 21:59:39 EBfzt93aQ
さて、どうしたものか。
彼女が、彼女なりの強い決意をもって、この世界に飛び込もうとしているのはわかる。
二十歳となれば、世の中のこともある程度わかっている年だ。
短大を卒業してから、普通に就職することもできたはず。そうせずに、敢えてアイドルになりたい
というのだから、遊び半分ではない、という彼女の言葉は本当だろう。
だが、問題なのは、それをどう評価すべきなのかということ。
確かに、三浦君は容姿も良いし、性格も温厚だし、アイドルとして売り出していく上で取り立てて
問題があるとは思えない。むしろ、プラスに作用することの方が多いだろう―とは思うのだが。
今までの面接では即断即決していた私が、こうも判断に迷うとはな……。
それからしばらく三浦君と面談を続けた結果、この場ですぐに結論を出さないことにした。
「―それでは、二次選考の結果については、追って通知させてもらうよ。今日のところは、これにて
面接を終了するとしよう。お疲れ様だったね」
*
「帰り道では、迷わないように気を付けたまえよ」
「はい。お見送りいただき、ありがとうございます」
ビルの玄関先で三浦君を見送ってから、事務所へ戻る。
「どうでした?」
興味津々といった様子で訊ねてきた音無君に、私は相談をしてみようという気になった。
「実は、判断に迷っていてね。三浦君の素質には問題を感じていないのだが、彼女の熱意というか、
あるいは意志というべきなのかな。そういったものを少しはかりかねているのだよ」
「志望動機は、何と?」
「新しいことにチャレンジしたい、と言っていたな」
「それだけですか?」
「うん。そこは私も気になったところでね。突っ込んで訊いてみたのだが、教えてはもらえなかったよ。
何かしら他の理由もありはするようなのだがね」
正直なところ、男である私には女性の気持ちがわかりかねることも少なくない。
ここは同性である音無君の意見が聞きたかった。
「音無君は、どう思う?」
「そうですねぇ……」と呟いて、彼女は細い顎に手を当てた。
「女の子は、大なり小なり秘密を持っているものですからね。例えば、シンデレラに憧れていて、
白馬の王子様に迎えに来て欲しい―みたいな願望を持っていたとして、それをホイホイと他人に
話すかというと、話さないと思うんですよね」
女の子という年でもなかろう、という言葉を呑み込んで、私は頷いた。
「確かに、そうかもしれん」」
「でも、熱意という点では、そんなに心配しなくていいんじゃないですか?」
「どうして、そう思うのかね?」
「だって、彼女、道に迷ってしまっても、諦めたりしないで、ちゃんとここまで面接を受けに来たじゃ
ないですか。アイドルになりたいという思いが本物でないなら、連絡もせずにドタキャンですよ。
今時の子は、それくらい普通にやりますからね。確かに、おっとりしていて周りに伝わりにくいかも
しれませんけど、彼女は十分な熱意を持っていると思いますよ」
音無君の見解は、私にとって非常にわかりやすく、そして納得できるものだった。
「なるほど……」
「それで、どうなさるんですか、社長?」
と、音無君が訊ねたとき、私の腹は決まっていた。
「三浦君に、二次選考の合格通知を送ってくれたまえ」
「わかりました」
「次は、歌とダンスのレベルを見るために、レッスンスタジオに来てもらわなけりゃならんが。
今日の二の舞にならないよう、タクシーを迎えに行かせた方がよいかもしれんな……」
「そうですね。では、そちらの手配も併せてやっておきましょうか」
「うむ。よろしく頼むよ、音無君」
「お任せください!」
これで、また一人新たなメンバーがアイドル候補生として加わる。
彼女たちアイドル候補生の個性豊かな魅力を引き出し、トップアイドルへと導くプロデューサーを、
一刻も早く見つけ出さなくてはならないな。
ビルの谷間に沈む夕日を見つめながら、私はそう決意を新たにしたのだった。
531:SS再掲/やよい・1
09/06/07 22:01:19 EBfzt93aQ
「やれやれまいったな」
空を見上げて途方にくれる。そして、そのままさほど速いわけではない雲が流れていくのを見つめていた。
雲が視界から消えた頃、首が疲れたので顔を下ろす。決して暇なわけではない。仮にも私は芸能事務所の社長だ。
最も現時点では本当に芸能事務所とは名ばかりの様な状態なのだが…。
『アイドル候補生ばかりが増えすぎている』
事務員の音無君や事務員兼アイドル候補生の律子君にそう言われ、
それならばと彼女達をトップアイドルへと導くプロデューサーを探しに来たのだが…
「見つからんなあ…」
私とてそう簡単に見つかると思ってはいなかったが、見つかる気配すら全く感じられない。
こうも先行きが見えないとは流石にガッカリドンヨリだ。と言うわけで、私は公園で途方にくれていた。
思えば今いる候補生の彼女達も道端でスカウト、というのは少なかったな。
私にはあまりスカウトは向いていないのかもしれない。人を見る目には自身があるのだが…。
しかしこのまま帰るわけにもいかん。なんせ公募することを提案してきた音無君や律子君を押し切って会社を出てきたのだ。
『我が社のアイドル候補生を任せる人物。しかもその最初の一人ともなれば、最大限の信頼を置ける人物にしたい。』
そう言って、私自らが出来る限り自然な形で人を見てと思い会社を出てスカウトに出てきたのだ。
短い間とはいえ方々を回り、様々な人を見てきたがどうにもアイドル候補生のときのようにピーンと来ない。
ああいって出てきた手前簡単に帰るわけにはいかない。しかし見つかる当てもない。
これからどうしたものかと、私は再度空を見上げ再び雲の観察を始めた。
「あ、あのう」
雲の形からそれぞれ似た物を連想して遊ぶのに飽き、位置的に近い雲に番号を振ってレースを始めた所で、
不意に視界の外から響いた声によって、私の意識は急に地上界に戻された。
見ればそこにいたのは小さな女の子だった。細身で小さく、顔も幼い。
小学生だろうか?頭の後ろで二つに結った髪の毛が印象的だった。
「なにかね?」
「えーと、お腹が減ってるならこれどうぞ!」
少しためらってから彼女が両手で差し出したのは、
やたらと右手に自身がありそうな機械的なキャラクターが描かれたキラキラした彩色の細長い袋。
袋を見れば一目で分かるほどのメジャーな菓子、『んまぁ~い棒』だった。
「お腹?私がかね」
「えっと、さっき上を見ながらお腹が鳴ってたんでお腹減ってるのかな~と思って」
どうやら自分でも気付かないうちに腹が鳴ってしまっていたらしい。
そういえば昼を食べていなかった。流石の私も少々恥ずかしい。
「あの、家のお父さんもよく仕事クビになっちゃいますけど、すぐに次の仕事見つかるんです」
彼女はいきなり家の事情を語り始めた。何を言っているんだ?
「だから、あまり落ち込まないで頑張って下さい!」
…どうやら私は失業者だと思われているようだ。
確かに先ほどの私は実に暗いオーラを醸し出していたし、今日は平日だったのでそう思われても仕方ないかもしれないが…。
自分がそのように見られていたことに少々落ち込んだ。
しかし、不思議なことにこの少女に話しかけられているとそのような気持ちも直ぐに晴れてくるようだった。
――この娘は、いいかも知れない…。
あまり活舌が良くないのか、彼女のほんわかとした雰囲気もあって話し声がすべて平仮名で聞こえてきそうだったり、
この様子では歌唱力もそう高くはなさそうだが、その辺はレッスンで鍛えればいいし、
たとえそこまで高くなくてもアイドルはそれだけではない。
この娘の場合あの雰囲気を表現できればそれが十分な武器となるだろう
そんなことを少し考えたが、プロデューサーも見つからずまた新たな候補生を連れて事務所に戻ったとしたら…。
律子君の説教コースは確実だろう。音無君は、何も言わず笑っているかも知れんな。余計怖いが…。
「私は別に仕事が無いわけではないよ。今も実は仕事中でね」
「お仕事中…?へーそうなんですかぁ」
彼女は素直に感心している。うむ、実にいい娘だ。
532:SS再掲/やよい・2
09/06/07 22:02:44 EBfzt93aQ
「だから仕事が無いから食事をしなかったわけでもないのでね、わざわざ私にこれをくれなくてもいいんだよ」
「でも…やっぱりこれどうぞ!」
下げてもらおうと思ったのだが、彼女は再び『んまぁ~い棒』を差し出してきた。
「いや、だから私は…」
「でもでも、おじさんさっきとても辛そうな顔してました。知ってますか?これ『んまぁ~い棒』って言って
とっても美味しいんですよ!これを食べればきっとおじさんも元気が出ます!」
彼女の勢いと元気に押されてつい受け取ってしまった。
「ありがとう。君は元気だね」
「ハイ!私元気だけが取り柄ですから」
こちらまで楽しくなるような笑顔で彼女は話す。
「それに『んまぁ~い棒』はとっても安いんです!カスミとコウジを連れて行っても一人一個ずつ買えちゃうんですよ!」
そういえば父親が良く職が変わるといっていたな。こんないい娘に不便をさせるとはけしからん。
カスミとコウジというのは兄弟のことだろうか?しかし『んまぁ~い棒』一本ずつで喜ぶとは、
不憫ながら本当にいい娘だ…ん?ということは、
「これを私が貰ってしまったら君の分は無くなってしまうのではないかね?」
必然的にそういうことになる。しかし彼女は少し困った顔をした後、
「えーと確かにそうですけど…でも大丈夫です!私元気だけが取り柄ですから!」
と傾きかけてきた陽がまた最高点に戻ってしまいそうな笑顔で言った。
なんという娘だ、いい娘過ぎる…いったいなんだこの娘は?荒んだ現代日本に舞い降りた天使か?
こんないい娘を放置するなど出来るわけがなかった。
「ところで君、名前はなんと言うのかね?」
「私ですか?高槻やよい、13歳です!」
なんと中学生だったのか。いや、そんなことは最早どうでもいい。
「高槻君。君はアイドルをやってみる気はないかね」
「あ、アイドル?私がですか?」
当然のように彼女は驚く。
「うむ。私は芸能事務所の社長をやっていてね。高木という」
「ええ!?しゃ、社長さんですかあ?」
社長といったらさっきより驚かれた。
「社長さんだなんてすごいですぅ!きっと毎日もやし食べ放題なんでしょうね!」
この娘は普段何を食べているんだろう…。とはいえここまで驚かれると少し気も良くなってくる。
「いやいや、我が事務所はまだ小さくてね。そんなにすごいものではないよ。
しかしいつかは世界中にその名を知らしめるような会社にしたいと思っているがね」
「世界中だなんて本当にすごいです!ウランバートルですね~!」
ひょっとして『グローバル』と言いたいのだろうか?
どうやら横文字は苦手のようだ。モンゴルの都市名のほうがよほど難しい気もするが。
オッといかんいかん。私は彼女をスカウトしているのだった。
「どうかね高槻君。アイドルをやってみないかね。素質は十分にある。私が保証するよ」
「でも私弟や妹がいて、それにお父さんの仕事が良く変わっちゃうから、お母さんがいないときとか家のことも手伝わないと…」
む…やはり家の問題が出てきたか。
彼女のような娘では責任感も強そうだから、家のことを考えないわけにもいかないのだろう。
だが、ならば家の問題を解決するか、より良い状況へ進むような提案をすればいい。
「うむ…しかしだね高槻君、家の事務所で働いてくれれば当然君への給料もでる。
そうすれば君の家のほうもだいぶ楽になると思うんだが…」
「え?お給料出るんですか?」
ただでやると思っていたのか。どこまでいい娘なんだこの娘は。
「勿論だよ。金額は君次第だがね。」
「本当ですか!?いいんですか?」
「やってくれるかね?
「ハイ!私、アイドルやっちゃいます!!よろしくお願いしまーす!」
彼女の太陽のような最高の笑顔をで答えた彼女を連れ、
新たなアイドル候補生を迎え、太陽に照らされた青空のように澄み切った心で私は事務所への帰路についた。
無論事務所に帰ってから予想通りの説教&無言笑顔コースとなったのは言うまでもない。
533:SS再掲/亜美真美・1
09/06/07 22:04:52 EBfzt93aQ
私は今病院にいる。
体の何処かが悪いだとかではない。定期健診というやつだ。
まだまだ一線を退くつもりは無いが、いやだからこそ健康を維持するために健康診断を受けるのも、
一社会人として、また一国一城の主(事務所は賃貸だが)である社長たるものの義務だ。
ここ最近は身体の調子もいいし、我が社には有望なアイドル候補生が続々と入っており、精神面でも好調だ。
今回の結果は良いものになりそうだな。
しかし…だ。病院というところはどうにも暇だ。待ち時間も一つ一つが長い。
せっかく予約を入れているのに時間通りになった試しがない。
扱っているものが扱っているものだからそれは致し方なく、理解も納得もするが、暇なのは変わらない。
それに病院という場所柄基本的に静かであり、そういった空気が尚更閉塞感を抱かせるというか、私の時間を延ばしていく。
すこし次の予定までにはまだ時間がある。
少し外に出ていようかなどど私が思っていたとき、病院には似つかわしくない大きな足音が聞こえた。
その音は急激に私のほうへと近づいてきて、私は腰から下に後ろからの軽い衝撃を感じた。
「あいたたた…ぶつかっちゃったよ」
何かと思い振り返るとそこには鼻を押さえた少女がいた。どうやら私に走っていたらぶつかってしまったらしい。
子供、と言って差し支えないだろう。頭の右側の上に向かって結っていた髪が特徴的な娘だ。
「ごめんねーおじさん。ちょっと急いでるんだー」
彼女は謝りながら私の横をすり抜けていこうとした…が、それは叶わなかった。
「待ちたまえ」
なぜなら私が彼女の腕をがっちりと掴んでいたからだ。
そういえばこの娘はどこかで見たことがあるような気がする。
つい最近というか、むしろついさっきだった様な…。
「おじさん何すんのさー!?離してよー!」
彼女は私の腕を離そうとじたばたと暴れている。そうだ、目の前に本人がいるのだから直接聞いてしまえばいい。
「君は以前私とあったことは無いかね?」
そう聞くと彼女は少し呆けた後
「なーにー?おじさんもしかしてナンパ~?んっふっふ~亜美の魅力にメロメロって感じ~?」
急ににやけた顔で私に話しかけてきた。
「いやいや私はだね…」
「でもさーちょ~っと手が古いんじゃなーい?今時そんなんじゃ誰も引っかからないって」
「だから私は…」
「それに亜美としてはもっとイケメンで『せれぶ』な感じじゃないとね~」
子供のいうこととはいえちょっと傷ついた。
どうも話がずれる上に終了しそうも無い。
「ともかくだ!」
しょうがないので私は少し声を荒げて(声はなるべく小さく)無理矢理話を打ち切った。
「急いでいたとはいえ、病院内を走るのはあまり関心できない。いったいどうしたんだね?」
「あーそうだった!急いでるんだ!」
確かに彼女が急いでいるのは解る。
それにここは病院内であるから、それこそ大事で急ぐ人もいるだろう。
だが、彼女の様子からはそういった空気は感じられない。
とすれば、早々見逃すわけにも行くまい。別に私が暇だからではないぞ?
「いやだからどうして…」
「だーかーらー急いでるんだってばー。早くしないと見つかっちゃうよー」
見つかる?何のことだ?と僅かとは言え気を取られたのがまずかった。
彼女が暴れた際に彼女を捕まえていた腕が離れてしまった。
「ごめんねおじさん。次からはぶつかんないように気をつけるからー!」
いや、そうじゃなくてそもそも走らないように…それに病院で大声を出してはいかん、と言いたかったが、
彼女はあっという間に何処かへと立ち去ってしまった。全く最近の若い者は難しいな…。
534:SS再掲/亜美真美・2
09/06/07 22:06:32 EBfzt93aQ
まだ少し時間が余っていたので、私は病院内を散策することにした。
勿論他の患者さんに迷惑をかけぬようにやっている。
病院というのもやはり様々な人がいる場所だ。
ひょっとしたらこの中に私が探している
我が社のアイドル候補生をトップアイドルへと導いてくれるプロデューサーや
次代のトップアイドル候補がいるかもしれないな。
しかし病院にいるような人物では体力的に少々不安だが…いやアイドルは儚げな感じプラスに働くかも知れん。
そんなことを考えて病院内を散策していると、病院には似つかわしくない大きな足音がまた聞こえた。
その音はやはり私のほうへと近づいてきて、当然のように私は腰から下に後ろからの軽い衝撃を感じた。
「あいたたた…ぶつかっちゃったよ」
案の定私に走っていたらぶつかってしまったらしい。
思ったとおり子供、と言って差し支えないだろう容姿。
勿論、頭の左側の上に向かって結っていた髪が特徴的な娘だった。ん?左??
「ごめんねーおじさん。ちょっと急いでるんだー」
「待ちたまえ」
私は彼女の腕をがっちりと掴んでいた。先ほどと全く同じ光景だ。
「おじさん何すんのさー!?離してよー!」
全く同じ言葉を彼女は発した。
「先ほど注意したばかりだろう。病院内で走るのは感心しないな」
「さっきって何ー!?真美そんなのされてないよー!!」
「いやいや、ついさっきロビーで会ったばかりではないかね」
いくらなんでもこんな直ぐに忘れるはずは無いだろう。今度こそしっかりと注意して止めさせなくては。
しかし彼女は私の言葉を聞いた途端、またしてもにやけた顔で
「なーにー?おじさんもしかしてナンパ~?んっふっふ~亜美の魅力にメロメロって感じ~?」
先ほどと同じ言葉。どこか違ってる気もするが、それよりももう私は忘れられてしまったのか?
正直少し悲しかった。
「でもさーちょ~っと手が古いんじゃなーい?今時そんなんじゃ誰も引っかからないって」
既聴感に満ちた台詞が続く
「それに真美としてはもっとイケメンで『はーとふる』な感じじゃないとねーおじさん真っ黒だしー」
ここは微妙に違う気がする。こっちの方が傷が深い。
また一度話を切って、今度こそしっかり注意しなければと思ったとき
「あー真美見っけー!!」
彼女とは別の方向から彼女の声がした。そちらを向いてみるとそちらにも彼女がいる。
「あーもう見つかっちゃったよー!おじさんが離してくれないから見つかっちゃったじゃんかー」
彼女が私を非難するが、私は現状がイマイチ把握できない。
同じ顔で同じ声の人間が2人いるということはつまり…
「君達はその…双子…なのかね?」
「「うんそうだよー」」
双子らしく見事なシンクロだった。なるほど見間違えるわけだ。
違和感を感じた髪の毛の結びの位置以外はほとんど同じといっていい。
「これで一勝一敗だね真美」
「見つからなければ真美の勝ちだったのにー。じゃあ次は何して遊ぼっか?」
「んっふっふ~実はもう考えてあるのだよ真美君。じゃじゃ~ん!」
「あーそれ松葉杖だね亜美!」
「そう次は『松葉杖レース』っていうのはどう真美?」
「面白そうー!どこからどこまでにする?」
「そうだね~じゃあ向こうの階段の入り口から…」
「亜美!真美!何してるの!!」
二人のあまりの勢いに注意することすら忘れていると、二人を注意する声が耳に飛び込んできた。
535:SS再掲/亜美真美・3
09/06/07 22:08:04 EBfzt93aQ
「「げぇっ!ママ」」
どこかで見たことのあるようなリアクションで二人が同時に驚く。
どうやら二人を注意したあの女性が母親らしい。
「病院で遊んじゃダメだって言ったでしょう!ここはパパがお仕事をする場所なの。
病気や怪我をした人が一杯いるのよ。静かになさい。せっかくパパに会いに来たのに迷惑かけてどうするの!」」
病院内でのマナーを守りながら最大限の迫力を出して彼女達を叱っていた。
「ごめんなさーい…」
一方彼女達はというと、やはり子供といったところか。さっきまでの勢いは鳴りを潜めすっかりしぼんでいた。
しかし元気な子達だ。ややいたずらが過ぎるきらいはあるが、先ほどのも悪気があったわけではないようだし、
何事も率先して楽しもうという姿勢は、誰かを楽しませるということに向いているかもしれない。
「この子達がご迷惑をおかけした様で、すみませんでした」
お母さんに謝られてしまった。
とは言われても私自身大した迷惑をこうむったわけではないので、特にどうということもない。
「いやいや元気な子達ですな」
「ええもう元気が有り余っているというか、お恥ずかしい話ですが手に負えなくて。
主人のほうがこちらで働いているものですから、この子達を連れて顔を見に来たんですけど」
ここで働いている。そう聞いて思い出した。先にあったほう…亜美君だったか。
彼女を見たときに感じた既視感の正体を。
「もしかして双海先生の御家族ですかな?」
私は今日彼の診察を受けた。その後彼を見かけたときに子供といっしょにいるのを僅かながらに見かけていた。
それこそが彼女達だったのだ。そういえば彼は双子の娘がいるといっていたな。
「えっと、ハイそうです。主人をご存知なんですか?」
「ええ、今日も診察を受けましてね。彼女達のことも良く聞いてますよ。
とても元気で可愛い娘さん達がいる、とね。」
彼女達のほうへ目を向けて話す。もっとも実物は想像以上だったが。
しかしなるほど彼が自慢するのも良くわかる。可愛らしい娘さんたちだ。
「ところで奥さん。私はこういうものです」
名刺を渡す。多少の危険性もはらんでいるが、双海先生の話と実際の彼女達を見てピーンと来た。
「…芸能事務所の社長さん?」
「いきなりな話ですが、彼女達を我が事務所に預けてはいただけませんか?」
「「なになに?どういうこと?」」
奥さんと話していたら2人が会話に割り込んできた。当事者の2人だ。彼女達にもしっかり話しておかねば。
「君達はアイドルになる気は無いかね?」
「アイドル?う~んなんかピンと来ないかなあ」
「アイドルって楽しい?」
2人はそれぞれ微妙な反応を返してくる。
「アイドルが楽しいかどうかは君達次第だよ。君達は人を楽しませるのは好きかね?」
「うーんどうかなあ?でも自分達が楽しくてそれで周りの人も楽しくできたら最高!って思うな!ね、真美」
「そうだね!人が楽しそうに笑ってるの見ると自分達も楽しくなってくるしね、亜美!」
「だったらきっと楽しいと思うよ。アイドルは自分達の笑顔で人を笑顔にする仕事だからね」
「それならチョー楽しそう。アイドルやってみようか真美?」
「そうだね。やろう亜美!」
彼女達はやる気になってくれたようだ。とりあえず今日のところはこれでいいか。
「いきなりな話をしてしまい申し訳ない。返事はすぐて無くてもいいのでご主人や娘さんとよく相談して下さい。」
お母さんのほうに向きなおして私は言った。
「でもこの子達がアイドルだなんて、大丈夫でしょうか?それにまだ子供ですし…」
不安そうな顔をしているのは当然か。
それに客観的に見れば今の状況はどちらかというと胡散臭いといったほうが正しいか。
「彼女達には素質があります。それに無茶はさせません。体力的な問題があるようでしたらまた別途考えます。
先ほども申し上げましたが、いきなりな話なのでお返事は直ぐでなくてもいいです。ですが来ていただけるようでしたらぜひお願いします」
そういって私は頭を下げた。
「それではそろそろ時間なので失礼します」
気付けばすっかり予定の時間は間近となっていた。
双海医師にこの話をしたらなんというか。そんなことを考えて私は予定の場所へと向かっていった。
536:SS再掲/伊織・1
09/06/07 22:19:13 LTbFyX3m0
ここは765プロダクション社長室、つまりは私の部屋だ。
目の前には私の作業場、つまりデスクがある。その上にはティーカップ。
いつもなら音無君が特製のコーヒーをご馳走してくれるところだが、
今日はあいにく、律子君共々事務に追われている。
仕方なく、給湯室からパックを引っ張り出してきて、私自ら紅茶を淹れた。
自画自賛だが、味も香りも決して悪くは無いと思う。
ギィ、と椅子が小さく悲鳴を上げる。私の椅子ではない。いや、私の椅子か。
正確には、前者は「私が普段使っている」それであって、後者は「私が今、座っている」ものだ。
それともう一つ。先程、デスクについて述べたが、現在の私の位置はちょうど対面。
しかもギリギリ手の届かない範囲なので、受け皿は左手で持っている。
では、本来私の居るべき場所はどうなっているのか。逆光で表情はやや読み取りにくいのだが、
大きなリボンのシルエットだけははっきりとわかる。
小さな身を背もたれに預け、時折足をぶらぶらさせているのは、私もよく知っている人物だ。
「それで、こんな所まで来てくれるとは、一体どうしたのかな?伊織ちゃん。」
彼女の名は水瀬伊織。私の旧友であるあの男、水瀬の娘だ。
ついこの間までは母親の腕に抱かれていたのが、聞けばもう14才になったと言う。
「にひひっ。今日は伊織からぁ、高木のおじ様にぃ、ステキなステキな、プレゼントがあるんですぅー。」
身体を投げ出すように椅子からひょいと降りると、こちらへ回り込んできた。
私の顔を覗き込み、様子をうかがっている。
「ほう、それはうれしいな。ありがたく頂くとしよう。」
「本当?!伊織、とっても感激っ!!」
パァっと笑顔がはじけた。明る過ぎて、逆に不自然なくらいだ。
「はっはっは。……で、そのプレゼントとやらはどこかな?」
彼女の持ち物と言えば兎の人形、1体―1匹と呼ぶべきか、あるいは1人か。
となると、乗ってきた車のトランクにでも入っているのか。余り大きなものは困る、持ち帰りが面倒だ。
事務所に置いておけるものならいいが……律子君に叱られるな。
そんなことを考えていると、彼女は右手をすーっと伸ばし、ある場所を指した。
「コーコっ!」
鼻先。私のではない、彼女のだ。
「……どう言う意味かね?」
軽い舌打ちが聞こえたような気がする。私は一瞬、見てはいけないものを見てしまった、
そんな気分になった。
「もう!おじさまったらぁ、イ・ジ・ワ・ル!じゃあ、発表しちゃいまーす!
なんと!この世界一の美少女、伊織ちゃんを……トップアイドルにする権利でーすっ!!」
室内を静寂が包む。空調の大げさな動作音を耳にして、私の意識は戻ってきた。
「……は、はっはっは。い、いや、なかなか面白いジョークだね。」
「本気でしてよ?」
にこやかに微笑む。私は思わず目をそらしてしまった。大人として、ちょっと情けない。
「こんなチャンス、二度と無いと思うでしょー?伊達に年食って……じゃなくて、
人生経験豊富なおじ様なら、どうすればいいのか、わかりますよねぇー?」
「み……お父様は何と?」
「えっ?パ、パパ?えーっと……そ、そりゃあもう、大賛成ですわよ!お、おほほほ。」
今度は彼女が目をそらした。……やはりな。
「『こんなにかわいい伊織を、水瀬家の宝というだけで終わらせたら末代までの恥だ!
私が全力でバックアップしよう、金に糸目は付けん!』、なぁんて言ってましたわ!」
彼との付き合いは私の方が長いのだよ、お嬢さん。
「ま、パパのことはもういいでしょ!にひひっ、すぐにおじ様も上流階級の仲間入り、
させてあげるわっ!」
さて、私もそんなにヒマな身ではない。ゆっくりと一呼吸し、立ちあがってカップを机に戻す。
そのまま振り返らず、私は背中越しに彼女に語りかけた。
「ありがとう、君はとても優しい子だ。その気持ちだけ、受け取っておくことにしよう。」
「だーかーらー!、私は……」
「お父様から聞いたのだろうね。確かに、わが社からデビューしたアイドルはまだ一人もいない。」
「でしょー!」
537:SS再掲/伊織・2
09/06/07 22:19:56 LTbFyX3m0
「しかし、だ。既に何人か候補は上がっているのだよ。プロデューサーを雇い次第、
すぐにでも活動を始める手筈は出来ている。」
「え……?」
私は彼女の方へ向き直ると、両手を小さな肩に軽く乗せた。
「だから私の方は大丈夫だ。余計な心配をかけて済まなかったね。」
「……そ、そう!なんだ、もう……よ、よかったわ。ア、アイドルなんて、変な格好して、
下手くそな歌、歌って、ダ、ダサダサなダンス踊って……そ、それがテレビで日本中に放送されるなんて、
そんな恥ずかしい事、私が……やる訳……やる訳ないじゃないっ!!」
「おいおい、随分な物言いだな。それにいきなり全国区とはいかんよ。アイドルは一日にしてならず、
まずは地道に営業をこなして……」
無駄に熱くノウハウについて語りかけたところで、私は異変に気付いた。
震えている。私ではない、彼女だ。精一杯笑顔を保とうとしているが、わずかながらにその瞳は潤んでいた。
「さ、さてとっ!わ……伊織、忙しいからまたねっ!バイバイ、おじ様っ!!」
乱暴に私の腕を振り解くと、彼女はドアへと一直線に駆け込む。
「何よ!とっとと開きなさいよ、このペラっペラのオンボロドアっ!!」
ブーツでガンガンと蹴り飛ばしている。このままでは壁ごと持って行かれそうだ。
「待ちなさい。」
私は彼女の手首を掴んだ。
「放してっ!こんなカビ臭い所、もう一生来ないんだから!!」
引き剥がそうと必死に振り回される腕を押さえつつ、さらに言葉を続ける。
「先程の言葉は嘘かね?」
「知らないわよ!イチイチ覚えてなんかいられないわ!!」
「では、私の聞き違いか。本気、と聞こえたのだがな。」
彼女の動きが止まる。暫しの沈黙。空調の音が消えた頃、彼女が再び口を開く。
「……そうよ。嘘よ、嘘。冗談に決まってるじゃなぁい。やあねぇ、コロっと騙されちゃって。
社長がこの程度じゃ、ここも大した事ないわね。それに、別にアイドルに……興味なんて無いし。」
まただ。また震えている。
「ねえ、扉を開けてくださらない?……伊織、早くお家に帰らないといけないの。」
せっかちだな……よろしい。ただし、私が開くのは、目の前の靴跡の付いたものではない。
「そうだな。君には、履歴書を書いてきてもらわねばならんからな。」
「……落ち着いたかね。」
「あら、私はいつでも落ち着いてますわよ。にひひっ。」
やれやれ、自慢の黒がぐちゃぐちゃだ。まあ、この顔を見せられては怒る気にもならんが。
……これがこの子の、本当の笑顔なのだな。
「さあ、スーパーアイドル、水瀬伊織ちゃんの伝説が今、ここから始まるのよ!!」
「では、お父様を説得するのが君の初仕事、だな。」
「うっ……わかってるわよ。……やるしか……やるしかないのよね。そうよ、それが出来なきゃ、
世界中の人間が悲しむことになるのよ!!……責任重大だわ。」
相手が相手だ。愛娘の頼みとは言え、一筋縄には行かんだろうな。
「おじ様には私に見合うような、超一流のプロデューサーを用意しておいてもらうわね。
……いいえ、今すぐにでも引っ張ってきてちょうだい!」
「はっはっは、頼もしい限りだな。だがさっきも言った通り、アイドルは一日にしてならず。
デビュー後も厳しいレッスンと地道な営業の……」
「そんなの楽勝よ!ほらほら、もっとドーンと、大船に乗ったつもりでいなさい!にひひっ!」
船、か。いい例えだ。追い風を目一杯受けて、大海原へと突き進んで行く。
次々と襲い来る荒波をどう乗り切るかは、舵取りの腕の見せ所……
ああ、私としたことが、重要なことを忘れていた。ドックは既に進水式を控えた客船で一杯なのだ。
ここでさらに新規建造などと言い出せば、工場長たちはストライキを起こしかねない―
最悪、サボタージュに発展するやも知れんな。
思わずため息が出たところで、視線の先にあったのはティーカップ。一つは私の飲んだ紅茶。
そしてもう一つは……全く手をつけられた形跡が無かった。
「……自信作、だったのだがなあ。」
―おはよう。……おっと、事務所内では私のことは『社長』、と呼んでくれたまえ。
……うむ、よろしい。では早速、面接を始めようか、『水瀬伊織』君―
538:SS再掲/美希・1
09/06/07 22:20:44 LTbFyX3m0
765プロダクションの社長の高木だ。皆、息災かね?
紆余曲折はあったものの、我が社の新プロジェクトは順調な滑り出しを見せていて、アイドル候補生の
諸君も次々とデビューを果たしつつある。
これは、新たにスカウトしたプロデューサーたちの実力によるところが大であることは言うまでもない。
が、彼らを見出した私の目に狂いは無かったということでもあるかな。うむ。
しかし、会社の経営が軌道に乗ってくると、私にも少しずつ暇が増えてきた。無論、決裁せねばならない
事柄は少なくない。だが、日常的な事務処理は音無君と律子君に任せていれば問題ないし、アイドルの
プロデュースについては各担当プロデューサーに一任しているので、私は流行情報について注意を促す
くらいしかやることがない。
そういうわけだから、せめて世情には敏感でなければならんと思い、空いた時間はなるべく街に出る
ようにしている。テレビや新聞、インターネットといった情報媒体に頼ることなく、自らの感覚で
捉まえたものを大切にする。そうして研ぎ澄ませた勘が、いざというときに役に立つことも少なくない。
え? 何だって?
音無君や律子君に小言を言われるのがイヤなんじゃないのか、だと?
バカを言っちゃあいかんよ。
この高木順一朗、事務員の小言のひとつやふたつで怯むような男ではない!
……オホン!
すまんな。つい熱くなって、我を忘れるところだった。
君らにこんなことを言っても仕方がないというのにな。
実は、私が会社を抜け出して、昼間から繁華街にいるのには訳がある。
この近辺に、モデル顔負けの美少女が現れるらしいのだよ。
ライバルの芸能プロダクションの複数のスカウトが彼女に声を掛けたそうなのだが、全て素気なく
断られてしまったというんだ。
そういう話を聞くと、一体どんな子なのか気になるのが人情というもの。
つまり、そういう理由で何度となくこの界隈に足を運んでいるのだが、噂に聞いたような少女を見かける
ことはなく、私は幾ばくかの徒労感を覚えつつあった。もしかしたら、ライバル会社のホラ―とは言わない
までも、ちょっとした話を針小棒大に誇張しただけのことだったのかもしれないとすら思い始めていた。
ふと空腹を感じて時計を見ると、時計の針は午後三時すぎを指していた。
なるほど、腹が減るのも無理はない。
私は手っ取り早く近くのコンビニに入り、おにぎりとペットボトル入りのお茶を買い求めることにした。
レストランなり食堂なりを探せばいいのに、と思うかもしれない。
だが、午後五時からプロデューサーたちとの会議が予定されていて、そろそろ事務所へ戻らなければ
ならない刻限が迫りつつあった。そういうときに、目の前にコンビニがあれば、つい入ってしまう。
いやはや便利な時代になったものだ。
私は、購入したおにぎりとお茶を持って、近くの公園に向かった。もう何度も訪れているから、このあたりの
地理はすっかり頭に入っている。
賑やかな表通りから細い横道に入ると、目指す公園がある。さほど大きくはないものの、それゆえに
訪れる人も少なく、静かな公園だ。
ベンチに腰を下ろすと、私はさっそくおにぎりの包装を解いて中身にかぶりついた。
もぐもぐと咀嚼しながら、この姿を見て私を芸能プロダクションの社長だと思う者はおらんだろうな
という思いが頭をよぎる。途端に自己嫌悪にも似た感情が込み上げてくるが、これをぐっと抑え込んで、
手にしたおにぎりを口元へ運ぶ。
と、その時だった。
539:SS再掲/美希・2
09/06/07 22:21:46 LTbFyX3m0
公園の入口に一人の少女が立って、私を―正確に言えば、私の手元をじっと凝視していた。
もしや……と思いつつ、私は素知らぬ振りを装って手にしたおにぎりを食べ、それから横目でそっと
少女の様子を窺う。
すると、傍目にもそれとわかる落胆した表情で彼女が溜息をつくのが見えた。
さすがに、そんな態度を取られて平然としていられるほど、私は冷淡な人間ではない。
かといって、いきなりおにぎりを勧めるのも違うだろう。
まずは無難に声を掛けてみることにする。
「どうかしたのかね?」
まともな返事など期待してなかったが、少女は少し目を瞬いた後で単刀直入にこう言った。
「おじさん、おにぎりちょうだいなの」
予想を超える反応に、私は飲みかけの茶を吹きそうになった。
「それとも、今ので終わり?」
この無警戒さは何なのだろうか。
「……ゴホン。おにぎりはまだ幾つかあるから、あげるのは構わないんだが、もう少し他人に対して
警戒を抱いてはどうかね?」
「む。もったいぶらないでよ。おにぎりあるんだよね?」
と、少女はスタスタと歩いてきて、私が傍らに置いていたコンビニの袋を指差した。
「かつおと焼きたらこがあるが―って、そうではなくてだね! 君、まだ未成年だろう?」
「君じゃなくて、ミキだよ」
「……えっと」
「年はね、14歳。中二だよ」
「……だからだね。未成年をターゲットにした犯罪が後を絶たないご時世に、見知らぬ大人から食べ物を
分けてもらうなんて、危ないとは思わないのかね?」
「ん。別に大丈夫だって思うな」
「どうしてだね?」
「おじさんは、そんな悪いことをしそうなタイプには見えないの」
そう言ってもらえるのは光栄の至りだが、この子の行く先が非常に不安になってくる。
天真爛漫というか、天衣無縫というか、まぁ、それはそれで得難い性質だとは思う。けれども、
よくよく見れば、かなり露出度の高い服を着ていて、髪の毛を金髪に染めており、化粧っ気こそないものの、
妙に目立つ格好なのは間違いない。服装のせいか、メリハリのあるボディラインが露わになっていて、
とても中学二年生とは思えない。また、眉をひそめているからわかりにくいが、目鼻立ちも整っている。
少しばかり目つきがきついかなとも感じるが、それもまた美人さを高めている一因になっているとも
言えなくはない。
と、ここまで少女のことを観察して、私はふと気が付いた。
ここ最近、同業者の間で話題になっていた美少女とは、この子なのではないかと。
「ねぇ、おじさん。おにぎり、くれないの?」
「あげてもいいが、その前にひとつ質問してもいいかな?」
「いーよ。何?」
「君は、スカウトをされたことがあるかね?」
「君じゃなくて、ミキだって言ってるのに……。スカウトって、モデルやってみませんかーとかって、
知らない人から声をかけられること?」
「そうだ。名刺を渡されたりしたかね?」
「うん、もらったよ。ミキ、興味ないって言ったのに、気が変わったらここに連絡してねって押しつけられたの。
もう、全部捨てちゃったけど」
間違いない。
噂は本当だったのだな。
540:SS再掲/美希・3
09/06/07 22:22:33 LTbFyX3m0
「で、どちらのおにぎりにするかね?」
「焼きたらこ」
迷い無く値段の高い方を選んで、彼女は私の隣に腰を落ち着けた。
慣れた手つきでビニルの包装を解いて、実に美味そうにおにぎりを食べる。
その横顔は、確かに年相応の幼さを感じさせるものだった。
あっという間に、焼きたらこおにぎりを平らげてから、彼女は私を見上げて言った。
「おじさんも、もしかして芸能界の人なの?」
「はは……、鋭いね。実は、その通りだ。765プロダクションという芸能事務所の社長をやっている」
「なむこぷろだくしょん?」
「会社の名前はあまり知られてないかもしれないがね。如月千早というアイドルを知っているかね?」
「知ってるよ! すっごく歌がうまくて、キレイな人だよねー。ミキ、ちょっと憧れちゃうなー♪」
「その、如月千早君が所属している事務所の社長が私なんだ」
「へぇ……」
少女の表情に明らかな変化があった。
これは脈ありかもしれんと思い、一押ししてみることにする。
「もし興味があれば、一度ウチに見学に来てみないかね? スケジュールの都合さえあえば、憧れの
如月君にも会えるかもしれんぞ」
「それ、本当なの?!」
「勿論だとも」
「じゃあ、今から行く!」
「し、しかしだね……」
「今日は、千早さんはいないの?」
「いや、その、今日はプロデューサー会議があるから、如月君も事務所に来る筈だが……」
「だったら、今日がいいな。今日にしよう。ね?」
むむむ。段取りをきちんと整えてからにしたかったが、この機を逃せばこの子を我が社に迎えることは
できないかもしれない。ここは決断の時だ。
「……わかった。私も男だ。腹を括ろう。ついてきたまえ」
「わーい、やったぁ!」
喜色満面で付いてくる少女を見やりつつ、ふと名前を聞いていなかったことを思い出す。
「そう言えば、君の名前を聞いていなかったね」
「ミキはね、星井美希。よろしくね、おじさん」
「私は、高木順一朗だ。今後は、社長と呼んでくれたまえ」
「うんっ!」
*
今から思えば、スーツ姿の私とカジュアルスタイルの美希君とは、道行く人たちから見て、実に奇妙な
取り合わせに見えたことだろう。
しかし、この日の出会いがなければ、星井美希君がトップアイドルとして名を馳せる日が来ることは
なかったかもしれない。
そう考えると、つくづく人の世は実に奇妙なものだと痛感させられる。
「社長!」
おっと、音無君が呼んでいるな。
今日は美希君と如月君のユニットのライブツアー初日でね。そろそろ会場に向かわねばならん時刻に
なったようなので、この辺で失礼させてもらうよ。
これは私の勘だが、君たちとは別の形で再会できそうな気がする。なに、ただの勘だがね。
それでは、また会うときまで元気でいてくれたまえよ。
541:名無したんはエロカワイイ
09/06/07 22:24:02 LTbFyX3m0
ロダにまとめて上げるべきだったと思いつつとりあえず出会いのSSは全部転載。
鬱陶しい人もいるかと思うんで、そういう人は「SS再掲」でNGして下さい…
542:名無したんはエロカワイイ
09/06/07 22:50:05 CCicc7G/0
先に言っとけよ・・
543:名無したんはエロカワイイ
09/06/07 22:59:37 Ee6PGkdO0
一瞬なんの荒らしかと思ったじゃないか。
ろだに上げるべきだったろうけど、まあたまにはレス進むのもありかw
544:名無したんはエロカワイイ
09/06/07 23:05:35 wsE9N1mq0
OCN組だけに赤IDがどぶぁーと並ぶと凄い怖いw
たしかに、これはロダだったかもねえ。
545:名無したんはエロカワイイ
09/06/07 23:21:43 odA3xAHO0
>>541
おお、超乙!
546:名無したんはエロカワイイ
09/06/08 02:52:27 lXKlaWRuO
とはいえ乙。
547:名無したんはエロカワイイ
09/06/08 03:28:16 lkSMHBZ6O
ものすごく遅レスですが、
キャラスレまとめWiki の社長のところに SS が掲載された過去スレがありますんで。
次回のテンプレに入れとく?
【空気の読めない】高木順一朗part1【高木社長】
URLリンク(www29.atwiki.jp)
※リンクをクリックするとダウンロードのダイアログが出ます。
548:名無したんはエロカワイイ
09/06/08 03:36:33 azBp3QZKO
スレがごっそり進んでてたまげた
けど、いいものを読ませてもらったよ
549:名無したんはエロカワイイ
09/06/08 10:01:59 8AMuJy5J0
社長のってSSまとめサイトなかったんだっけ?
550:名無したんはエロカワイイ
09/06/08 13:40:07 CWIHrWIxO
俺も一瞬荒らしかと思ったw
まぁ正直、高木社長スレ荒らしても何の得もないだろうがw
551:名無したんはエロカワイイ
09/06/08 14:32:13 Sb7rz750O
いや、このスレって荒らしが立てたのをそのまま使ってるんだぜw他にもdat落ちするわ名前間違ってるわで毎回何かしらあるという順ちゃんスレ
552:名無したんはエロカワイイ
09/06/08 15:00:15 CWIHrWIxO
一応2スレ目は1000まで行ったんだよな
このスレもこのペースなら何ヶ月後かには1000いきそうだな
553:名無したんはエロカワイイ
09/06/08 15:01:06 ugDqWp1P0
一病息災と言ってだな
554:名無したんはエロカワイイ
09/06/09 21:20:51 Gj9RoTj30
波乱万丈な人生をいきぬいてきたんですね、社長!
555:名無したんはエロカワイイ
09/06/10 12:49:22 sIE/SP1IO
波乱万丈な恋か
556:名無したんはエロカワイイ
09/06/10 20:02:58 g5ksFLK30
ぴよっ、お呼びですか社長
557:名無したんはエロカワイイ
09/06/10 20:41:26 GIfu7+Qf0
高木「音無君…早く帰りたかったら、君は残業を終わらせたまえ…」
558:名無したんはエロカワイイ
09/06/10 23:14:50 rkgmtw9H0
>>375のスレ落ちたみたいだね。
まあ流石に何のネタもないわな…
559:名無したんはエロカワイイ
09/06/11 05:47:55 Wu0esVVo0
ふむ、黒井のスレは大丈夫かね?
560:名無したんはエロカワイイ
09/06/11 06:09:38 ERf1GseJO
あそこは定期的一応ageるようにしてはいる
561:名無したんはエロカワイイ
09/06/12 01:14:42 MTrDlqVO0
【この歌声】如月千早59【雨雲を割って】
スレリンク(gamechara板)
まだ報告がなかったようなので代理報告ですー。
それにしてもじめじめする季節って嫌ですよねぇ
562:名無したんはエロカワイイ
09/06/13 00:25:29 UNaMFx1c0
社長、ワンダーモモが改めてプロデュースされる(WiiのVCで配信)と聞きました!
563:名無したんはエロカワイイ
09/06/13 23:21:16 vgDLlOaw0
社長の1番最初にプロデュースしたという噂の子か
564:名無したんはエロカワイイ
09/06/14 15:48:54 H9B6GnziO
社長!
パチ業界にアイマスブランド取られる前にオンライン麻雀で企画出していいですか?
565:名無したんはエロカワイイ
09/06/15 01:00:27 JLt1vHCwO
却下
566:名無したんはエロカワイイ
09/06/15 17:50:01 SRBXqejbO
【ジャズって】高槻やよい 35うっうー【初めて】
スレリンク(gamechara板)
雨が降った後に虹をみたいですねー
567:名無したんはエロカワイイ
09/06/19 00:38:39 8LfQyLXI0
ちょっと前コロンビアからCDのパケのあちこちのミスが頻発してたけど
今のMSの遅れもそういうミスが発覚したせいなんかな。
以前のMA9の遅れとか、中の人が関与してるって噂があったけど
コロンビアのミス連発みてると流石にどう考えてもコロンビアのせいだな。
568:名無したんはエロカワイイ
09/06/19 18:41:39 f15gTvoZ0
そういや、アイマスライブツアーで販売してたMASTER BOX catalog
でCDの曲順番がまた歌詞と違っていたとか聞いたんだけどほんと?
オレ自身は開けてないから確かめようがない
569:名無したんはエロカワイイ
09/06/19 20:43:44 1dI2YsI/0
CRとき○きメモリアルすら出てないから大丈夫だろう>パチ業界
まあアレだ、数年後のナムコゲーの作中看板に
"Haruka Amami NEW SINGLE" とかそんな感じ?
570:名無したんはエロカワイイ
09/06/19 23:00:55 XQygSRyjO
アイマスなら何でも売れるという適当さがあるみたいでよくないね
人手や予算が不足してるのかもしれないけど
けど社長CDは皆買うな
571:名無したんはエロカワイイ
09/06/19 23:53:35 KvM2utXKO
【765プロの】天海春香 ウエスト56cm【有名アイドル】
スレリンク(gamechara板)
春香さんの正確な体重が知りたいです!
572:名無したんはエロカワイイ
09/06/20 04:50:10 XQKMlO04O
>>570
俺も保存用、観賞用、視聴用、妄想用
で最低4枚は買っちゃうかな
573:名無したんはエロカワイイ
09/06/20 12:38:53 mXalTzgx0
視聴用と妄想用の違いはなんなんだ…
574:名無したんはエロカワイイ
09/06/20 18:08:43 f/z8baBL0
視聴用……聞きながら社長タンハァハァする
妄想用……CDを手に持ち社長タンハァハァする
だが>>572、布教用を買わないのは怠慢だぞ
575:名無したんはエロカワイイ
09/06/20 20:41:33 XQKMlO04O
>>574
おぉ!すまない、兄弟
更に初回と通常で合計10枚だな
576:名無したんはエロカワイイ
09/06/21 22:22:17 2GEZiPB/0
社長!765プロのホームページはいつになったら更新されるんですか!?
577:名無したんはエロカワイイ
09/06/21 23:06:04 XUYOyX4aO
それはダメな…いや、音無くんの担当だ
音無くんに聞いてみてくれたまえ
578:名無したんはエロカワイイ
09/06/21 23:09:14 sICiXtp30
社長、仕事の出来ない小鳥さんは俺んちでねっとり鍛えさせますんでお任せください
579:名無したんはエロカワイイ
09/06/21 23:20:28 zpitdD0n0
残念、それは小烏さんだ
580:名無したんはエロカワイイ
09/06/22 02:13:36 m/j8EcKmO
社長誕生日近いな
581:名無したんはエロカワイイ
09/06/22 05:59:46 /BW+6bIG0
URLリンク(333.ooo.amigasa.jp)
582:名無したんはエロカワイイ
09/06/23 06:22:14 3jx0SC+tO
秋月律子 眼鏡29本目
スレリンク(gamechara板)
今日はりっちゃんの誕生日ですよー
583:名無したんはエロカワイイ
09/06/23 23:32:33 paJaPrS80
報告が来ていないようなので、代理です
【凸と金髪】水瀬伊織22ひひっ【14歳】
スレリンク(gamechara板)l50
【七夕】三浦あずさ ある日の風景27【誕生日】
スレリンク(gamechara板)l50
おや? このコンビ、何処かで見たような…
584:名無したんはエロカワイイ
09/06/23 23:33:40 /kbJUQji0
二人ともオデコ出てますね
585:名無したんはエロカワイイ
09/06/24 00:40:32 LDWYaIWC0
【直走】星井美希47あふぅ【Mind】
スレリンク(gamechara板)
また新スレが来てますよー!
586:名無したんはエロカワイイ
09/06/24 00:46:31 LDWYaIWC0
連レス失礼します。
【THE IDOLM@STER DS】秋月涼 2【律子のいとこ】
スレリンク(pokechara板)
876プロも頑張ってますねー
587:名無したんはエロカワイイ
09/06/24 01:03:39 HavvBr+j0
>>583-585
ビジュアルが極端に高くなりそうなほど特化したトリオですね
>>582 >>586
従姉妹ユニット結成はまだですか社長
588:名無したんはエロカワイイ
09/06/24 16:10:43 6dTe/RoQO
それよりも高木社長
俺とユニット組みましょう
体と体のユニットを
ドーム級の快感を味あわせることを約束します
社長、ドームですよ、ドーム
589:名無したんはエロカワイイ
09/06/25 08:10:00 s/m1B08R0
.'´7'´`´ヽ
! 〈(从从リ|
ヽ¶_゚ ヮ゚ノ、i < ついに大台に乗ってしまったピヨ
. (つ卯|| ̄ ̄ ̄ ̄|
. |\||. MSX | カタカタカタカタ
. \||____________|
【女は】音無小鳥スレッド 30【代からピヨ】
スレリンク(gamechara板)
590:名無したんはエロカワイイ
09/06/26 23:33:27 hykiokjJ0
社長、MSシリーズの企画もいよいよ大詰めですね。
591:名無したんはエロカワイイ
09/06/27 00:43:06 zVLA6ge/O
社長!千早スレもついに60まで来ましたよ!
スレ立て主からの報告がないので代理で
【澄み渡る】如月千早60【夏の空へ】
スレリンク(gamechara板)
592:名無したんはエロカワイイ
09/06/27 05:31:11 hJZDTQuk0
千早スレが72スレ目に到達したら・・・
それはそれはすごい祭りになるんだろうなぁ
593:名無したんはエロカワイイ
09/06/27 07:00:14 qUTESAy40
記念カキコだけで埋まってしまいそうだな
594:名無したんはエロカワイイ
09/06/27 08:05:50 peKZNrMu0
それはむしろ見たいw
595:名無したんはエロカワイイ
09/06/27 19:04:39 21ccfSLu0
小鳥さんが三十路突入だが
596:名無したんはエロカワイイ
09/06/27 20:41:56 wLhBDd3P0
いつもどおりのきらめく部隊ですね、わかります。
597:名無したんはエロカワイイ
09/06/28 18:10:50 m8slQsIz0
なんだ、社長動画あったのか…
URLリンク(www.nicovideo.jp)
598:名無したんはエロカワイイ
09/06/28 21:27:02 ndlrZ90v0
社長動画というと団結とか最終鬼畜社長の方を思い出す
599:名無したんはエロカワイイ
09/06/28 23:53:15 Vkz8QemuO
団結はおもしろかったw
600:名無したんはエロカワイイ
09/06/29 08:57:37 pdOowrXX0
保守小話
何もない、殺風景な765プロのオフィス。
「うちも、とうとう今日限りか……」
「社長! だからあれほど言ったんです。海外公演はまだ早いと」
プロデューサーが社長の高木に怒りをぶつける。
初めての海外公演は韓国だった。しかしプロデューサーは、
「まだ早い、うちのアイドルたちにはそれだけの実力がまだない」と大反対した。
結局、言いくるめられる形で公演は決まり、765のアイドルたちは韓国へと渡った。
公演そのものは大成功だった。
だがアイドルたちが帰国した直後、北朝鮮が突然韓国に攻撃を始めた。
第二次朝鮮戦争である。
間一髪、アイドルたちは命拾いした。しかし……
「戦争のどさくさで、入金されるはずの金は全部踏み倒されて、借金だけが残って……
あれからすっかり仕事はなくなって、アイドルはみんな辞めてしまい、
残った小鳥さんも慣れない金策に飛び回って、過労で入院、そしてとうとう倒産です!」
「まあ、今更悔やんでも仕方がない。あきらめよう。第一、不可抗力だよ。ん?」
「あきれた……つくづくあきれましたよ! もういい、俺はあなたを見損なった、さよなら!」
プロデューサーは吐き捨てると、そそくさと出ていった。
「これで私も失業者か……これからどうするかなあ。この不景気じゃ、どこも雇ってなんか
くれんだろうな。まして、会社つぶした元社長なんてな……」
とぼとぼと、社長はオフィスを後にした。
601:名無したんはエロカワイイ
09/06/29 09:18:16 VGShbwHO0
いみふ
602:名無したんはエロカワイイ
09/06/29 13:30:34 xdFuUIqwO
つまんね
603:名無したんはエロカワイイ
09/06/29 19:41:30 4NFt5VtJ0
>> 600
オチは~?
無いのなら勝手に。
社長「と、いう夢を見たのだよ。よって、この海外進出の話は無かったことに」
P 「はあ、そうですか……しかし、社長、沖縄は日本ですよ?」
604:名無したんはエロカワイイ
09/06/30 16:33:36 qz8izZkbO
オチあってこその高木社長だな
605:名無したんはエロカワイイ
09/07/01 20:43:08 85JPmSqpO
むしろ高木社長がオチ
606:名無したんはエロカワイイ
09/07/01 20:45:27 feUSMePS0
私だって真面目にやっているのだぞ……。
607:名無したんはエロカワイイ
09/07/02 00:02:54 GEv/0LvG0
黒井社長もオチオチしていられない
608:名無したんはエロカワイイ
09/07/02 10:36:52 mF90zHzU0
【THE IDOLM@STER】日高舞 伝説1【DearlyStars】
スレリンク(pokechara板)
社長!とうとうこんなスレが!
609:名無したんはエロカワイイ
09/07/02 12:22:11 B7ezJyq40
>>600です。
続き、書いてしまいました。
『残念ながら不採用となりました』
「はあ、またか……」
プロデューサーは不採用通知を見て、ため息をついた。
芸能事務所のプロデューサー募集は、軒並み落ちた。
別の仕事をしようにも、元芸能プロデューサーというだけで軽くあしらわれた。
小鳥は、病院を退院した後、仕事を失って実家に帰ってしまった。
「あー、悪いけどね、うちは今、間に合ってるんだよね」
アイドルたちは、ある者は廃業、ある者はフリーで自主営業をしたが、仕事をもらえた者は
誰一人としていなかった。
「はあ、そうですか……どうも……」
高木元社長は電話を切った。応募した会社からの、不採用の電話だった。
あれから仕事を探したが、年齢のせいで書類選考で落とされてばかり。
「……金正日の……バカヤロー……」
みんな、揃って失業者になってしまった。
正確には、アイドルたちは学生だから、無職ではないわけであるが。
……仕事が……ない……
610:名無したんはエロカワイイ
09/07/02 17:17:36 JgNME5yt0
>>607
最早あの人はしてもしなくても空k(ry
611:名無したんはエロカワイイ
09/07/02 17:54:51 OQnzIGbrO
日高舞って29だったのかwwwww
16歳の母ってかwww
わた、小鳥さんが情けなくなるじゃない
612:名無したんはエロカワイイ
09/07/02 22:23:56 F/e4G+vBO
愛は13だぞw
29-16で出産はマジでシャレにならないw
613:名無したんはエロカワイイ
09/07/03 01:56:57 2jdEZ6Nu0
出産であって種付けは10ヶ月前であるところがみそだな
614:名無したんはエロカワイイ
09/07/03 04:32:30 G2ilrJjzO
カウントダウン
誕生日まで
あと~3日~
615:名無したんはエロカワイイ
09/07/03 06:54:49 Go/wRrkkO
>>613 舞さんビッチだなあ
15でって事は父親は元Pだろうか
616:名無したんはエロカワイイ
09/07/03 08:37:57 iIv3LerdO
【自転車】菊地真 53やーりぃ【ナツノハナ】
スレリンク(gamechara板)
MS05が来ましたね!
617:名無したんはエロカワイイ
09/07/03 16:08:16 G2ilrJjzO
>>615
黒井説浮上だな
618:名無したんはエロカワイイ
09/07/03 16:21:05 g2YRZBrD0
URLリンク(imasupd.ddo.jp)
619:名無したんはエロカワイイ
09/07/03 20:32:34 T4y7dV/e0
これなんか、お誕生日においしそうですよ?社長!
京都の嵐山で売っているそうですが、春香なら作れそうですし
URLリンク(image.keizai.biz)
620:名無したんはエロカワイイ
09/07/03 21:03:40 Go/wRrkkO
>>617
愛「お前は私の父さんを殺した!」
黒井「違う。私がお前の父だ」
嘘だああああああ!
621:名無したんはエロカワイイ
09/07/03 21:04:27 xJtUE1Pq0
うおー普通に美味そうだー
もう夜だってのに甘いもの食べたくなってきたじゃないかw
622:名無したんはエロカワイイ
09/07/03 22:08:51 zrU5Gx6A0
【ALRIGHT*】萩原雪歩 深度37m【ALL LIGHT*】
スレリンク(gamechara板)
なんだかんだで37mまで掘り進んできましたよ、社長!
623:名無したんはエロカワイイ
09/07/03 22:53:52 G2ilrJjzO
>>620
すると社長はオビワンポジションだな
624:名無したんはエロカワイイ
09/07/03 23:10:28 iYTM9I8Y0
>>618
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625:名無したんはエロカワイイ
09/07/03 23:14:18 pHkCq3CN0
かわいいんだけど指がぷるぷるしてるように見えるw
626:名無したんはエロカワイイ
09/07/04 00:56:05 qWLvYAQ60
>>618
アイドルたちの活躍がなによりのプレゼントなんですね、わかります。
627:名無したんはエロカワイイ
09/07/04 10:28:03 MaRGu9dH0
>>624
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628:600
09/07/04 10:40:47 LeY84TRf0
『ピョンヤンに大規模空爆。死者数千人との情報も』
ビルの上の電光ニュースが、765プロを潰した第二次朝鮮戦争の状況を伝えていた。
「ねえ、千早……戦争って、平和ってなんだろうね……」
真がポツリとつぶやく。
「さあね……雪歩わかる?」
「わかんない……」
「まあ、戦争よりは、今の方がマシなのかも知れないけどね」
今日も仕事がもらえず、とぼとぼと街を歩く雪歩、千早、真。
「おっ、君らは765の……」
知った顔の男に声をかけられた。765のプロデューサーではない。
「あ、あなたは確か……961プロのプロデューサーさんですよね?」
雪歩が聞く。
「そうだ」
「あ、あの……」
「……話は聞いてる。困ったことがあったら、事務所へ来い。うちの社長には俺から言っておく」
「……」
「俺は……プロデューサーだから……」
3人は、深々と頭を下げた。
プロデューサーは、小さな芸能事務所にやっと入ることができた。
アイドルではなく、インディーズ系のバンドの事務所だが、今までの経験は生かせる。
「だめだめ、それじゃヴォーカルがギターに隠れてるぞ」
「すんません、プロデューサー」
「じゃあ、もう一回!」
高木元社長は、清掃会社で働き始めた。
たまたま一人辞めて欠員が生じたので、入れてもらえることになった。
慣れない仕事で、しかも給料は以前と比べれば天地の差だが仕方ない。
ビルのフロアの掃除が終わって、一休みしようと床に腰かけると、携帯が鳴った。
小鳥からのメールだった。
『社長、お元気ですか?
私はもう一度東京へ戻って、やり直してみようと思います。
その時には連絡します。プロデューサーさんにも、アイドルのみんなにも
よろしくお伝え下さい。
それでは、失礼します。
音無 小鳥』
高木の目が輝いた。
「うん、元気だよ!」
おしまい
629:名無したんはエロカワイイ
09/07/05 00:01:56 LI1Dukiy0
返答はいらないけど、面白いと思って書いてんなら別にいいけど
なんか他の意図でやってるならコピペ改変とかやめといたほうがいいよ。
630:名無したんはエロカワイイ
09/07/05 07:45:34 icxvguh0O
順一朗の誕生日まであと1日じゃ
631:名無したんはエロカワイイ
09/07/05 12:17:11 F0OK40vF0
各キャラスレからお祝いが届きそうだな
明日でこのスレ埋まるかな
632:名無したんはエロカワイイ
09/07/05 19:12:59 uVe+tzmbO
埋めようじゃないか諸君
633:名無したんはエロカワイイ
09/07/05 22:16:33 Sy7rkXej0
いや、流石に埋まらないと思いますよw
634:名無したんはエロカワイイ
09/07/05 22:23:17 uVe+tzmbO
社長ーっ! 俺だーー! 雇用してくれーっ!!
635:名無したんはエロカワイイ
09/07/05 22:34:03 2M7EZKRT0
>>634
アケでも箱でもSPでも、常時プロデューサーは募集中だ
636:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 00:00:05 uVe+tzmbO
誕生日おめでとうございます社長!
637:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 00:00:52 S0nbzGoF0
⌒)
。 ◇◎. , ' ⌒´` , οo.
。:゜ ◎::O l ノ`´)リ ☆。∂:o゜
/。○。 iゝ(゚ ヮ゚ノ! O◇。☆
/ ◎| ̄ ̄∪ ̄∪ ̄ ̄ ̄|:◎:
/ ☆。|..Happy Birth Day!!.|☆
▼ 。○..io.。◇.☆____| 。.:
∠▲―――☆ :∂io☆ ゜◎∂:.
638:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 00:03:00 icxvguh0O
社長お誕生日おめでとう
639:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 00:05:32 SDZiAHo/0
社長!おめでとうございます!!!
640:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 00:06:26 n/Kfy6r20
社長! 誕生日おめでとうございます!
641:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 00:10:37 htxdDaFy0
社長の黒さに完敗\(^O^)/
642:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 00:11:07 K1SR/WZpO
誕生日おめでとうございます社長
643:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 00:13:50 6G95JrmV0
(⌒' .'´7'´`´ヽ
HAPPY ♪ (, '´` ⌒ヽ.〈(从从リ|
BIRTHDAY! ヽ) , ´⌒`'8'⌒>"))リ,i,¶_"ー"ノ、i
)ノ8'´,,⌒ヽイ ヾ)リi/'(l.゚ ヮ゚ノゝ(っ卯iっ
♪ <'ヽ,_ァ'>' ⌒´` ミイ ヾ)リ)(l゚ヮ^ノlナ(っrv)っ' (_ゝつ
⌒) ,ィ'/⌒ヽノリノ)リ〉(l^ー゚ノ((っハiっ'ノ(__フつ´(_/ 彡
♪ ⌒Y⌒,.' ⌒´` i !/'"`"i(|゚ー゚ノ '(っハiっ (_)つ (_/ 彡
, ‐、 ,- 、 ' ⌒´ヽ ノ`´)リ(l*゚ー゚ノ!(っハiっ (__)つ(_/ 彡
♪ _ ノ ァ'´⌒ヽ , ィj」ノハ」!i(´ヮ`ノ! (っハiっ(__つ (_/ 彡 ♪
, '´ ヽミ//illi)))リ(゚)ヮノ!i (っ'y)っ〈_フつ(_/ 彡
,。、_,。、´⌒´ヽ ノノハ)i |)リ^ヮ^ノ(,(っー')っ〈_ゝつ(_/ 彡
.く/!j´⌒ヾゝル'ハ)〉(l"ヮ"ノリ(っr-)っ〈__)つ (_/ 彡 ♪ /  ̄`ヽ
ん'ィハハハj'〉(l゚ -゚ノ! (っr‐)っ (_フつ (_/ 彡 | /
ゝノ^ヮ゚ノノ(っ早iっ〈i拙〉つ (_/ 彡 _.ゝ ∠_ <有難う!諸君!
`'(っォi)っ (__ンつ(_/ 彡 ♪ / ヽ
(_フつ (_/ 彡 ♪ / ヽ
(_/ 彡 | || ヘ ヽ
644:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 00:28:43 ZlPWVGpu0
>>643
一人部外者がいるぞ・・・
645:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 00:30:30 Owk1/2OU0
むしろ2人足りないことを指摘するべき
646:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 00:32:52 eII4jy0i0
社長おめでとうございますっ!
647:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 00:42:18 medTTFE90
社長を騙して旧体育倉庫に連れこみたい
648:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 00:50:50 ibZc8QiSO
社長をギュッと抱き締めながら寝たい
649:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 00:53:43 pgWcRZU90
誕生日にまで基地とは社長も大変だな
おめでとうございますこれからも頑張ってください
650:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 00:58:08 uD5Qx8Gk0
驚きの黒さ
651:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 01:04:39 XcA/0QZq0
ヽ) (,/
<⌒8'´,,⌒ヽ '´⌒ `'8'⌒>
, ‐、 , ‐、レ'´iミイ ヾ)リ〉〈リツ´`iミi`i/´
ノ ァ'´⌒ヽ , ノi(l^ヮ゚ノ( 人゚ヮ^l)!ゝ (⌒
( (iミ//ハi)〉).─∪─∪─∪─∪─ '´`⌒' .
, )ノ`(リ^ヮ゚ノっ 高木順一朗社長 〈リ( `´ヾ i ⌒☆
/~ ´ ( { つ |お誕生日おめでとう♪ 人゚ヮ^)ィ'l
!<介 fく_ソj〉 └ヘ─ヘ──ヘ─ と(y') ヽ,ノ <ヽ,_ァ'>
⌒Y⌒ 人.|ヽ。,, し'ノ .<介><介> <介>⊂⊂ゝ__U ィ|.人 ィ'/⌒ヽ
, ' ⌒´ヽ(::0::). ~~"""''''''''ー―--゛-"-―'''''''"""~ .::(::0::)!'/'"`"ii
i ィj」ノハ」!.~~~) 巛 __ 巛 ∧_∧ 巛 :(~~~)l ^ヮ゚ノl
ゝリト(゚)ヮノ! :|| 《 .'´7'´`´ヽ 巛 (・∀・ ) 巛 : :|| :⊂ik !
(y ⊂)ー')つ :|| 巛 ! 〈(从从リ| 巛 |””””””|| 巛 ::|| :|_シ_) リ
<'/,'^!ヽ|、 ,| .ヽ。,,_ 巛 ヽ¶_゚ ヮ゚ノ、i 巛 o 淑女 o 巛 _,,。ィ|、 ,|'l_ノ '
ー'ー' . ̄. ~~"""''''''''ー―-----―''''''''''"""~~ \
(⌒'(_ _ )ノ__ ,。、_,。、_ _ _ 、 _ 、_ノ
. '´` ⌒ヽ , ' ⌒´` く/!j´⌒ヾゝ , '´⌒´ヽ '´ `ヽ
! リ(ヾ))リ,ii! i! ノリノ)リ〉ん'ィハハハj'〉.〈(ハ' リ〉 i l i(ノハヽ i
(ノ´(l.゚ ヮ゚ノ ゝ ゝ(|゚ ヮ゚ノ ゝ∩^ヮ゚ノ) 从゚ー ゚l) .i i、゚ヮ ゚l) ノ
'爻⊂jrv)づ' ⊂)ハ(つ .人`rォt、 ⊂iハ'つ !i ⊂i-rつ
´'ノ/_j_jゞ´ ノVl〉 f'くん'i〉) .<,〈i_ゝ. _!i <拙 ヽ
'ーし'ノ し'ノ `し' しし' しヽ.) )
652:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 01:10:51 htxdDaFy0
実際に>>651みたいなことがあったら社長は号泣しそうだな
653:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 01:15:20 GUcU/GbSO
社長、お誕生日おめでとうございます!
ニコかようつべでアイマスを知った自分も、今では立派なPになりました!
654:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 01:38:50 ds5hlIDW0
/  ̄`ヽ
. | /
_.ゝ ∠_ < ありがとう諸君。花やケーキにはもちろん感謝しているが、
/ ヽ 君たちの元気な姿と笑顔が、何よりのプレゼントだ。
./ ヽ
| || ヘ ヽ
655:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 02:30:15 EQ9PQcb90
SPムーンの糞ップリ見て以来社長ネタで大騒ぎするのが馬鹿らしく思えてきた
656:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 03:19:54 36yqOD/z0
高木社長お誕生日おめでとうございます?
657:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 03:56:41 4z20yoQFO
社長はかっこよすぎ
658:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 04:01:34 ibZc8QiSO
>>656
絵理ツィン乙
659:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 04:19:14 C3UTo/wP0
高木社長!いつになくスレが賑わっていますね?
これも社長の人徳という者の表れではないでしょうか?
いや、中の人は特に関係ありませんw
何はともあれ、お誕生日おめでとうございます
660:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 05:14:56 wZz0XGQwO
社長、お誕生日おめでとうございます!
661: ◆takagI0MOg
09/07/06 07:57:10 pcAIa15E0
おめでとー!社長ー!!
662:SS 社長、おめー
09/07/06 15:55:17 KiSTX7kJ0
はてさて。
小さい頃は早く大人になりたくて齢を積む事に憧れ、若い時分は経験の無さを悔やみ更なる年輪を欲し
そして今は、もう少し貫禄が欲しい物だな…などより以上の年を重ねる事を思っても見たり
だが不思議な事に、気が付くと昔の若い時分に戻りたい、と思うもう一人の自分も居る。
確かに、年を重ねたからこそ得る物も有る。判断に悩む時、経験は有った方が無いよりはマシだ。
が、成長は、齢を重ね経験を積めばよい、と言うだけの物では無い。
人の可能性は無限なのだ。
どんな人間にも、可能性と言うものは秘められている。
よく境遇を恨む光景を目にする事があるが、実はそれは間違いだ。ならばその為に、なぜ苦難を排除しようと努力をしないのだろうか?
その所為にして、自ら可能性を捨てるのは非常に残念な事なのに。
人の持つ可能性という物は、本当に素晴らしい物なのに。
だから、私は思う。
可能性が有るならば。大いにそれを求めたまえ、と。
心から渇望し、一心にそれを追い続けたまえ、と。
置いて来てしまった。そう感じる苦い思いを、若い彼らにはして欲しくなくて。
君達の前には、無限に広がる未来と可能性が待っている事を伝えたくて。
私は見たいのだ。
君たちが持つ可能性を。
未来を信じ、そしていつか夢を本当に叶える姿を。
「さて…又ひとつ、か。 何をせずとも、齢と言う物は重なって行くものだな…。」
燻る紫煙が、自嘲気味の高木の顔を覆う。
その思案を破る様に、不意に響くノックの音。
丁度、答えようと扉に向かって高木が視線を巡らせるのと、ノックの返事ももどかしげに勢いよく飛び込んでくる彼の姿とは、殆ど同時だった。
「すみませんっ! 社長!ちょっと、御相談g(ry …あれ? 何かご思案中…でしたか?」
高木の佇まいに気が付き、途中で言葉の語尾が鈍っていく。
「ん? ああ、いや。 気にしないでくれたまえ。 …それより、何か懸案ごと…なのだろう?」
「あ、そ、そうでした。 思いついて、いても立っても居られなくなって、つい…、すいません」
「あはは。 なに、謝る必要は無い。 仕事の上での事、何か懸案が有るなら、どんどん言いたまえ。」
「あ、はいっ! それでは、早速なのですが…」
どうやら、彼は最近顔が売れて来ている彼女達の更なるアピールとして、全国縦断コンサートを計画している様だ。
勿論、駆け出して間も無い子達もいる。
が、ここで話題になるアピールが世間に出来れば、今後の活動に有利な状況が作る出せていくだろう。
だが、失敗のリスクが無いわけでは無い。
少しの間、諮詢する様な仕草を見せる高木。それを、やや不安そうに見守る彼。
「…いいんじゃないかね?」
「っ! じゃ、じゃあ…!?」
「当たり前だろう。 君のその懸案、私は止めたりはせんよ。 しかし、そのかわり――」
一言おき、高木は彼に向かってニカリと笑う。
「――うちの未来のトップアイドル達の力、全力で世間にアピールして来たまえよ?」
喜び勇んで部屋を出て行く彼。少しの後、隣から彼女達の喚声が沸き起こる。
「おやおや…」
軽い溜息。
「…そんな素敵な誕生プレゼントを申しだされては…誰も拒めんだろう?」
そう言って、高木はもう一度ニカリと笑った。
663:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 17:41:02 n/Kfy6r20
高木社長のキューブリックを逃したことが一生の不覚
664:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 18:22:01 PP7D0idp0
社長、誕生日おめでとう御座います。
665:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 18:42:06 iYFqO1Ya0
社長お誕生日おめ→☆
666:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 20:55:57 L+O5lQUh0
高木社長、誕生日おめでとうございます。
最近は社長をプロデュースできないものかと試行錯誤の日々でございます。
667:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 22:04:17 ibZc8QiSO
社長さん、お誕生日おめでとうございますぅ。
668:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 22:12:00 8YDZhM/PO
「社長、誕生日おめでとうございます。それと、小鳥さんを見ませんでしたか?」
「『社長にプレゼントを送るんですよー』って大きい包装紙とリボンを運んでいたんですけどね。」
「社長と小鳥さんを誘って、たるき亭で軽く一杯どうかなと思ったんですが。見当たらないんですよ。」
「音無君からのプレゼントなら、ほら、社長室の入り口の横に置いてあるようだが。」
「音無君は、どうやら先に帰ってしまったようだな…」
「どれどれ、おー、随分大きい包装ですね。まるで人が一人、入っているみたいですよ。」
「どうやって持ち帰ろうか悩んでいるんだがね、明日にでも観葉植物の入れ替えついでに頼んでみよう。」
「それじゃ、そちらは明日という事にしましょう。」
「これから、下のたるき亭でやりませんか?小川店長に頼んで特別メニューを用地してもらいましたから。」
「そんな事してもらっては悪いんじゃないかね?安くもなかろうに…」
「事務所の女の子たちや他のスタッフからのささやかなお礼です、気にしないで下さい」
「そ、それなら、お言葉に甘える事にするか…」
…バタン
(このままだと放置プレイだわ!早く何とかしないと!それに紙の中って、凄く暑いわぁ…)
669:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 22:24:28 ds5hlIDW0
>>668
ようやっと、包装を破って抜け出した所を、ガードマンと鉢合わせ。
汗だくで髪振り乱した貞子状態の小鳥を見て、腰を抜かしたガードマンが四つんばいで逃げだす。
まで妄想した。
670:名無したんはエロカワイイ
09/07/06 23:59:36 4EOdOGKWO
ティンときた 君が言ったから7月6日は 765記念日
671:自治スレでローカルルール制定議論中
09/07/08 05:37:40 5vVJdHfiO
七夕に立ったのに、誰も報告に来ないみたいなので代理貼り
【フタリの】星井美希48あふぅ【ふゅーちゃー】
スレリンク(gamechara板)
672:自治スレでローカルルール制定議論中
09/07/09 03:41:14 EjrTkdaKO
【蒼い空】如月千早61【蒼い海】
スレリンク(gamechara板)
また立ちましたー
673:自治スレでローカルルール制定議論中
09/07/11 09:49:18 RltkGnmlO
社長かぁいいよ
674:自治スレでローカルルール制定議論中
09/07/11 19:20:24 bQ9uEfZk0
【ピュアなハートに】天海春香 57周目【ピッタリ】
スレリンク(gamechara板)
プロデュース術が一躍有名になった石川社長は、眼鏡をかけてるかどうかもわからない黒さらしいですね
675:自治スレでローカルルール制定議論中
09/07/12 08:12:49 dXV8T0jcO
高木社長も黒さでは負けない
676:自治スレでローカルルール制定議論中
09/07/12 16:26:16 V6nU5HjdO
秋月律子 眼鏡30本目
スレリンク(gamechara板)
誕生日に始まった前スレもまた濃いものになりましたw少し未来の765プロはどうなってるんでしょうね社長
677:自治スレでローカルルール制定議論中
09/07/12 16:28:33 HqN2n67hP
次の新スレ報告は一昨日までの勢いでは考えられなかったであろう
あのスレになりますw
678:自治スレでローカルルール制定議論中
09/07/12 17:06:00 OWo6gbKOO
涼ちゃんは男だそうですね社長
まあ両刀の僕には関係ないですが。
679:自治スレでローカルルール制定議論中
09/07/12 21:14:13 Z6xgpKxS0
秋月スレの阿鼻叫喚っぷりを見てると、いつかのPSPの時の星井スレの惨状を思い出す
どっちの方が酷いかは一寸わからんけど。
680:自治スレでローカルルール制定議論中
09/07/12 21:53:42 YrNjRDKn0
美希の扱いがまた変わることはあっても涼が今から女になることは無いと思う。
そういう意味では涼のほうはあくまで一過性のものだな。
681:自治スレでローカルルール制定議論中
09/07/12 22:16:17 G3BQvP5b0
【THE IDOLM@STER DS】秋月涼 3
スレリンク(pokechara板)
さぁその新スレが立ちました!
今後の動きがすっごい気になります。
682:自治スレでローカルルール制定議論中
09/07/13 11:45:29 jZfwWJjWO
涼くんは高木社長じゃなくて石川社長方針だろ
683:自治スレでローカルルール制定議論中
09/07/13 15:58:10 jmGSnxsu0
情報戦という名の下、社長は小鳥さんに
他プロダクションの動向を探らせているのさ
しょっちゅう事務所からいなくなるだろ?
夏コミの原稿差し替えだけじゃないんだぜ?
おっと、どこからか羽が舞い込んだようd
684:自治スレでローカルルール制定議論中
09/07/13 20:40:15 yyvrWtuV0
>>682
向こうはDSの社長その他キャラの総合スレになるみたいで
スレ報告とかはやらないっぽい。
高木社長が流行情報を集めるに手を貸すのも悪くはないさ。