09/02/07 16:36:23 MEi0ZzwfO
『声』
カノンノ「あれ?セネルさんどうしたんですか?」
セネル「カノンノか、たまには波風に当たろうかなっと思ってさ。そういやカノンノはよく甲板にいるな。」
カノンノ「はい、私海を見るのが好きなんです。それに……」(俯く)
セネル「…?どうした?」
カノンノ「あ、いえ、何でもないです……」
セネル「そうか、まあ何か悩みがあるなら相談してくれ、仲間が困ってる姿を俺は見たくないからな。」
カノンノ「は、はい!……あの、実は……」
セネル「どうした?」
カノンノ「あ、あの…こんなこと言うと笑われちゃうかもしれないんですけど……聞いて…もらえますか?」
セネル「あぁ、カノンノは今悩んでるんだろ。仲間が悩んでるのに笑うなんて事しないさ。」
カノンノ「わ、わかりました。実は…セネルさん、私……小さい頃から声が聞こえるんです」
セネル「声?」
カノンノ「はい、小さい頃は夢の中だけだったんですけど、大きくなるにつれて起きてる時も聞こえるようになって……特に海の方から聞こえてくるんです」
セネル「海から…声が…(そういやシャーリィも滄我の声を聞いたりしてたな)」
カノンノ「はい、その声が私に剣の使い方や魔法の使い方を教えてくれたんです」
セネル「そうなのか……(かといってカノンノの髪は金髪じゃないし…滄我とは違う存在の何かか…?)」
カノンノ「…セネルさんは笑わないんですか?私がおかしいって…」
セネル「ん、あぁ。似たような境遇に身内があったことがあるからな。それにカノンノは俺に笑われるかもしれないことを覚悟で話してくれたんだ。俺はカノンノを信じるし笑わないさ。」
カノンノ「セネルさん……ありがとうございました!悩みを聞いてくれて」
セネル「俺は何もしてないよ。またこれからも悩むことがあるかもしれないなら相談してくれればいい。それでカノンノの負担が軽くなるならそれに越したことはないからな」
カノンノ「はい、じゃあ私パニールのところに手伝いに行きますね。本当にありがとうございました。」(食堂に去っていく)
セネル「……笑えるわけないだろ。だってその声シャーリィの怨嗟かもしれないんだから。……久々に手紙でも送っておくか…」