09/02/12 22:43:20 pLplsDxc0
ジェイド「ふぅ、やはり一日の疲れを落とすには、温泉ですね。
おや、誰かがすでに入って……っ!」
マリー 「ん? お先してるぞ」
ジェイド「―失礼しました。ここは女湯? いや、先ほどはしっかり案内されて……さては誰かのいたずら……」
マリー 「行くのか? せっかくだから入っていけばいいのに」
ジェイド「いえ、女性と一緒に入るわけはいきません。では、大変失礼しました」
マリー 「何でだ? ここのお湯はにごっているから、お湯に浸かっていれば見えないだろ。タオルも巻いているし。
恥ずかしがることはないぞ。まあ、一杯付き合え」
ジェイド「それでもやはり……」
マリー 「一人で酒を傾けるのは寂しいと思っていたところだ。いいからこっちこい」
ジェイド「手を引っ張らないで……くっ」
マリー 「はははは、素直に誘いに乗らないからそうなるんだ。豪快に頭からいったな」
ジェイド「髪を濡らす手間が省けましたよ。
にしても、貴女は危機感というものがないんですか?」
マリー 「どうしてだ?」
ジェイド「どうしてって……いいですか? 私は男。そして貴女は女性。そして露出した肌。これでわかりますよね」
マリー 「さぁ?」
ジェイド「……はぁ、ここまでだとは思いませんでした。ではしっかりと説明しましょう。
もし私が男の欲望を露にしたらどうするんですか。もう少し危機感を……」
マリー 「何で?」
ジェイド「何でって……そりゃあ、この状態では襲われたって文句はないはずです。それを貴女は」
マリー 「でも襲わないだろ? お前は口では言っていても、結構優しい奴だ。そんな事やるわけない」
ジェイド「―それならばこの紳士的行動の裏にどんな欲望が隠されているか……知りたいですか?」
マリー 「そんな事いって脅したって、実際はやらないだろ。わたしはお前を信じている。だから酒に誘った。……違うか?」
ジェイド「……はぁ、貴女に何を言ったって無駄みたいですね。しょうがない。素直に付き合うとしますか」
マリー 「そうそう、人間素直が一番だ。さ、これはどうだ?」
ジェイド「ほう、これは東方に伝わる酒ですね」
マリー 「よくわかるな。じゃあこっちはどうだ?」
(数分後……)
マリー 「すぴぃ……」
ジェイド「眠ってしまいましたか。この状況下で。無邪気な人ですね。
このまま放っておいてもいいですけれど……しょうがない。そこの覗き三人、ルーティさんでも呼んできなさい」
チェスター&ロニ&ゼロス『ギクッ』
ロニ 「なんで俺たちの完璧な変装を見抜いた!」
ジェイド「最初からバレバレです。ちなみに、こんな事になったのも貴方たちが原因でしょう」
チェスター「ぎくぎく!! 『思わぬハプニングで鬼畜眼鏡おっさんの驚愕の姿を見よう作戦』がなぜ!」
ゼロス 「ばらすなって! あー、はいはいわかりました。俺様はルーティちゃんを呼んでくるから、そんな殺意のこもった眼差しでみないでくれ」
ジェイド「ちなみに……お仕置きはその後にたーっぷりしますので、お楽しみに♪」
チェスター&ロニ&ゼロス『ひぇ~ゴメンナサイ~』
ジェイド「全く……のぼせるといけませんから、お湯から引き上げてタオルかけて……幸せそうな寝顔ですね」
マリー 「……ふふっ、わたしは信じてるぞ……ん~」
ジェイド「……こんな私を信じてくれているだなんて、どこまで能天気な人なんですかねぇ。
さ、ルーティさんが来ないうちに、さっさといなくなるとしますか。あらぬ疑いをかけられてもこまりますしね。
―私も少しだけ、彼女の能天気な所を見習うとしますか。まずは彼女を信じる事からはじめてみましょう……」