09/01/28 03:26:27 yDAgRUAI0
■○月☆日、晴れ
………すまん。俺も今日はどうかしてる。
千早が家族を持ちたい、と言ってくれるのがまずは嬉しくて。
そして、その相手が多分俺である事も光栄に思う。マジで嬉しいです。ありがとう。
っていうか、文章で残るって怖いよ。メールとは違う感動があるっていうか。
部屋でノートを広げてもんどりうってる様は、千早に見せられんな……
まぁ、犬については考えておくよ。事務所で番犬を飼うってのもアリだしな。
事務所には誰かしらいるし、苦労人であるだるい屋の小川さんを雇ってもいいかも。
千早がより可愛い笑顔で楽しく仕事してくれるなら、何だってしてみせるぞ。
どんなに大変でも、大事な人のためなら喜んで!って気になるよな。明日もよろしく!
~数日後~
「はぁ……また月末に溜め込みましたね」
「マジすみません……この通り、お願いします神様仏様小鳥様っ!!」
「しょうがないですね。特別に但馬牛のお刺身で手を打ちましょう」
月末におけるいつもの光景。領収書を溜め込んだプロデューサーは、また音無さんに怒られてる。
夕食をおごることを条件にやっと処理のお許しが出たため、大量の書類を渡してる最中の出来事だった。
「……あら?何このノート」
「あ、ヤバ……いや、この、これはですね!」
「……業務日誌?おかしいわねぇ……765プロの業務日誌なら、わたしがつけてますし……」
「それはわたし達の業務日誌です、音無さん」
「うわ馬鹿!千早、何を正直に……いやそのこれはですね、えっと……」
音無さんの顔色が変わった。まるで『面白いもの発見』という、獲物を見つけた肉食獣の目に。
ひょっとして、わたしは何か失敗してしまったのでしょうか?
いえ、嘘はついていませんし、これも仕事の一環になると信じてやっていることですし……
やがて音無さんは、わたしたちのノートに目を通していって……
「……」
「あの、ですね……千早がノートの使い道に困っていたからと」
「……」
「こうして手を使えば、脳が活性化されるかもしれませんし、仕事のヒントになるかもしれません」
「……」
「だからその……仕事ですよ仕事!千早が気持ちよく歌う環境を作るには……」
「……」
「宜しければ、音無さんも具体的な感想を書き込んでいただければ、より有意義に……」
そうわたしが説明したまさにその時……何かがぷちん、と切れたような音がした。
『だっしゃぁわりゃー!!こんなんどう見てもバカップルの交換日記じゃぁー!!
毎日ちゃんとした文書で報告書と業務日誌つけてる人間への当てつけか?舐めるなこんちくしょー!!』
「え……え?」
『メール全盛の時代に、なにをアナログな事しとんじゃぁー!そこまでしてイチャイチャしたいか!?
分からんのなら、自分のところを美希ちゃんにでも置き換えて読んでみーこの色ボケどもー!!』
「うわ、うわ……すみません小鳥さん!あやまるから、ものを投げないで、危ないかから!」
そう言われて、日誌を美希とその担当Pに見立てて読み直す。すると…………くっ!!
瞬間的に耳まで真っ赤になるのが、鏡を見なくても分かるほど恥ずかしい。
まさかわたし、素でこんなに恥ずかしい昔のカップルみたいな事をしていた?
プロデューサーは、分かって付き合っててくれてた!?
……その後は音無さんに謝り(後にしゃぶしゃぶ追加で和解)何とかこの場は収まった。
ただ翌日、春香が新品のノートを持って担当Pを待ち構えていたような光景が気になったけど……
今回の教訓として、一度は自分の行動を客観的に見つめることが重要だと思いました。
何も知らずに凄いことしてるっていうこと、ありますよね?皆さんも気をつけて下さいね。
※交換日記……ってもはや過去の遺物だよな?千早なら似合うかもと思ってやってみた。
毎日ラブレターのやり取りしてるみたいで、布団でジタバタしそうだよ!いい意味で恥ずかしくて良し!