【受験生に】如月千早47【エール送ります】at GAMECHARA
【受験生に】如月千早47【エール送ります】 - 暇つぶし2ch245:SS
09/01/24 13:43:57 Qcxz8xh50
「ツアーというのもお仕事ですけど、まるで旅行みたいな感じですね」
新幹線の中。窓側の席に着いた千早が呟いた。
対面する席は空席、というより社長が、千早君が疲れないように。と、とってくれていた。
流石社長。太っ腹だ。
「気持ちは分かるが、はしゃぎ過ぎないようにな」
週刊誌のページを送りながら、一応の注意をしておく。
「そ、それくらい十二分に分かってます」
ちょっと照れたような声が聞こえた。

「向こうまで…3時間くらい掛かるから、何か読むなり眠るなりしたらどうかな?」
「それなんですけど…」
「もしかして、何も持ってきて無い?」
「…はい。眠くもありませんし、ここでは発声の練習も…」
本を綴じ、座席に深々と座りなおして、「そんじゃぁ、到着まで長いし、話でもどうかな?」

普段なにも尋ねてこなかった千早が、珍しくいろいろ訊いてきた。
俺のプロデューサー暦から始まり、好きな事とか、食べ物の事、
お勧めの小説など様々な事を話した。

「なんだか安心します。プロデューサーも、ツアーが初めてだったなんて」
「ツアー同伴初心者で悪かったな。内心、俺もかなりドキドキしてる」
「プロデューサーがドキドキしちゃってどうするんですか」
ふふっ。と、口元に手を当てて笑う千早の横顔。

ここ最近、難しそうな表情ばかり見てきた俺には、その顔はとても眩しくて…。
「プ、プロデューサー?私な、なにか変なこと言いました?」
ついつい見惚れてしまって、無言のまま千早を見つめっぱなしだったことに今気付いた。
「あ…、あ、いや。なんでもないよ。それより、これから先何回も千早のツアーがあるんだから
 早く慣れておかないと。って思ってただけだよ」
「ま、真顔でそんなこと言われたら…なんて返したらいいか分からないですよプロデューサー」
千早は、少し赤くなった顔を隠すように伏せた。
その視線は自らの膝から、横へ移動して行き、そのまま窓へと向かった。
あっちを向いた千早の、耳の先が赤かった。

「む、向こうでは雪が降ってるんでしょうか」
唐突な話題振りに
「かなり寒いって聞いてるから、風邪ひかないようにしないとな。
 鼻水垂らしながらのライブなんて千早も嫌だろう?」
言い終わるのが早いか、千早の肘が俺の脇腹に刺さるのが早いか、
咳き込む俺を横目に、
「そんな事にならないように、ちゃんと厚着はしてます!」
先ほどの照れてる様子はどこへやら。ちょっと怒ったような口調だった。

「でも、プロデューサーのおかげでドキドキしてた気持ちがおさまった気がします」
「そ、そりゃぁよかった・・・。軽口だけが取り得なんでね」
「プロデューサー…。このツアー、ちゃんと成功させましょうね」
再び外を眺める千早だったが、ガラスに映ったその目はただ真っ直ぐ、先を見ていた。
「もちろん。楽しみに見に来るファンのためにもね」
俺はそう言って、手元の週刊誌を再び開いた。
千早はまだ外を見てるし、今なら大丈夫かな・・・?
週刊誌のちょっとエッチなコーナーを読むか読むまいか迷った。そんなお話。


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