08/12/25 01:43:14 qZfGldls0
■クリスマスイブ&聖誕祭(ランクB)
「くっ……まさかここまで苦戦する事になるなんてっ……」
忙しい仕事の合間を縫って、何とかみんなで集まれる24日の夜……
萩原さんのお誕生日会を兼ねて、765プロのクリスマスパーティーは行われる。
しかも、今年は社長とプロデューサーが仕事で不在なので、女性だけ……
責任者として音無さんがパーティー全体を取り仕切っているけど、そこでの課題
『一人一芸。事前審査を必ずパスすること』
……これが実に厄介で……と言っては申し訳ないのですが、わたしの場合【歌】全般を
禁止させられてしまいました。アイドルが【歌】というのは当たり前すぎて、盛り上がらないと。
高槻さん、春香や亜美、真美などはこういう事は得意そうですが、わたしが人に
お見せできる芸など、歌以外何があるのか……不安です。
ちなみに、音無しさんのチェックを通ったプログラムは、このようになっていました。
・春香 【ののワさん腹踊り】
・雪歩 【大脱走10mトンネル掘り!逃げ切るシーンまで完全再現】
・やよい 【形態模写『酔っ払って駅のホームの誰もいない場所で栄光を語るうちのお父さん』】
・律子 【噛んだら罰ゲーム!ナレーション50ページ+歴代総理の名前通し読み】
・伊織 【美味し棒テイスティング!一銘柄でも間違ってたら罰ゲーム】
・美希+あずさ【スペシャル野球拳~今夜は12回戦~】
・亜美+真美 【ヒゲダンス(勿論失敗したらズボンにどじょう流し込み)】
・真 【魔女っ子☆まこまこりん小劇場】
・小鳥 【抱腹絶倒電波歌『ヤキニクマンVSツヨイロボ』】
どうやら本当に、決まっていないのはわたしだけのようです。
真剣にプログラムの前で悩んでいると、音無さんが心配して声をかけてくださいました。
「千早ちゃん……誰かに混ぜてもらったら?三つ巴の野球拳にしてもいいわよ」
「……遠慮します。はてしなく屈辱的な光景になりそうなので」
「勝てば問題ないのに……」
「それはそれで、空気を読まない子みたいになりますので……いくら男性がいないとはいえ。
それと、音無さんは歌なのですか?元・アイドルなら例のルールは適用されるべきかと……」
「あー、わたしのはホラ、歌というよりお笑いだから。なんなら千早ちゃんもデュオで参加する?
日本一のボーカリストを無駄遣いするみたいで、あたし的には大歓迎なんだけど」
音無さんから、歌詞カードを受け取り目を通すと……替え歌ではなくまさしく電波というべき、
作詩者を冒涜するような歌詞を見て、わたしはこれに触れてはいけないと思い、辞退しました。