08/12/18 21:41:29 ou8xlJdV0
メリークリスマス律子。律子スレのPと律子が幸せなクリスマスを過ごせますように
「それじゃ、おつかれさま。プロデューサー。
この時期なにかと忙しいですけど、途中で倒れたりしないでくださいね」
「ああ、わかってる。そういえば律子は、クリスマスイブはどうするんだ?
友達とパーティーやったり、出かけたりしないのか」
「ご心配なく。クリスマスに熱心な子なら、気合いも入るんでしょうけど。
私は例年スタンダードにそつなく過ごしてますから」
「ふーん」
「あ、わかった。プロデューサー。クリスマスも仕事漬けで、まいってるんでしょう。
そんなに仕事をためこんでしまったのは、そもそも日ごろのズボラな行いが―」
「うわっ、墓穴だったか。じゃ、じゃあ、おつかれ律子! またな!」
「……はあ。人の気も知らないでまったく……」
***
「突然どうしたんだ律子。昼から電話で呼び出しなんてめずらしいな」
「べ、別にいいじゃないですか。
クリスマスイブまで24時間デスクに座ってちゃ、心根がくさりますよ」
「あー、それで外に連れ出してくれたのか。悪いな。
その様子だと、見た感じ今日はパーティーでもあるのか?」
「えっ!? お、おかしいですか」
「いや。なんかいつもと雰囲気がちがうなと思って」
「プロデューサーが普通のスーツだから、浮いてるんじゃありません?
だってほら、みんなちょっとオシャレして出歩いてるし」
「なんだ、クリスマスの空気を読めなかったのは俺のほうか」
「そうそう。だから、そのへんの風潮も考慮したランチタイムをお願いしますね?」
***
「感じのいい店だったな。値段も良心的だし、デザートも美味しかった」
「お腹もいっぱいになったことだし、プロデューサー。ちょっと散歩しません?」
「おいおい律子、まだ俺は事務所の仕事が」
「一年に一度きりしかないのに、ケチケチしたこと言わない。
大通りのイルミネーションだって、ゆっくり目をやったこともないんでしょう」
「そう言われれば、行きも帰りも素通りするだけだったな。
ショッピングモールの方も、外装が変わってたけど、中では何がおきてるやら」
「ああもうもったいない。そんな調子じゃ、あと5回はクリスマスが過ぎ去っちゃいますよ。
せっかく出てきたついでです。今日は無駄なくイブを消化していきますよ! 気合い入れて!」
「お、おう!」
「えーと、それじゃとりあえず裏通りの近道に抜けて……」
***
「今日はすごく楽しかったよ、律子。どうもありがとう」
「どういたしまして。即興なプロデュースだったにしても、合格点はいただけそうですね」
「仕事のことには目をつむるとして、俺は十分満足だ。でも律子の方はどうかな」
「うーん、80点ってとこかしら。おサイフは痛くなかったし、さほど店も混んでなかったし」
「前半も後半も戦力になれなくて悪かったよ。ところで、ロスタイムはどのくらい貰えそうだ?」
「あら。今から20点を挽回するつもりですか?」
「今日のお礼をしないとな。システム手帳、欲しがってただろ。今から買いに行くのはどうだ」
「……実はもう候補もいくつか決まってるんです。今までまわってきたお店の中でね。
プロデューサーに探してもらおうかな。というわけで―もうバトンタッチしても構いません?」
その若くてきれいなプロデューサーは、そう言うなり青年の背中をパンとひと叩きしました
一巡したばかりのプロデュースを、失敗なんてできません
Pは慎重になって―けれど律子は楽しそうな顔で―もと来た道を揃って歩きはじめました