【秋の歌声】如月千早42【冬の足音】at GAMECHARA
【秋の歌声】如月千早42【冬の足音】 - 暇つぶし2ch629:SS
08/11/05 23:19:05 cOM58pES0
「はぁ、なぜこうなったのかしら? 私はプロデューサーと一緒に仕事をしたかっただけなのに」
ため息を付きつつ千早は自分の不甲斐なさを後悔する。
「あの二人からプロデューサーを助けるべく、社長室に向かったのは間違いではなかったはず」
そう、引退後に自分の願いを彼に伝えられず、進退窮まっていた自分の前に現れた彼。
彼が新たに担当する女性二人を見た瞬間に気付いた。すぐに彼を救出しなければ、と。
「それなのにその片方の方と一緒にユニットを組むことになろうとは・・・・・・」
「千早ちゃん、今日も元気にいってみよう」
「ミ●ゴスは元気だな。今日は公式サイトの自己紹介のデータを決めよう」
彼は二人の履歴書を取り出し、事務所のアイドル紹介ページのテンプレートを呼び出す。
「えっと、漢字の間違いはなし。読み仮名も大丈夫。
 次に千早は16歳。ミン●スは・・・・・・」
「私は23歳ですよ」
テンキーを叩こうとした彼の手を押さえ、ミンゴ●がにこりと微笑む。
「え、でも、履歴書だと・・・・・・」
「私は23歳」
彼の手を押さえ、そのまま●ンゴスが数字を入力する。
「・・・・・・ま、いいか」
「いいのですか?」
千早が首を傾げながら言うのに彼は肩を竦める。
「普通のファンはアイドルの公称数値を一割差し引いて考える。
 よく訓練されたファンは数値ではなく、見た目で判断する。
 一割を超えたサバは幾らよんでも同じだ」
「プロデューサー、達観していませんか?」
「俺には経験と言う名の武器があると思っていたんだがなぁ」
頭を振りながら、彼は再びデータ入力に戻る。
「名前、年齢、誕生日、出身地、身長、趣味、好物で入力終了。次にユニット名だが社長から提案があった。
 二人の歌唱力が素晴らしく、誰にでも安心して聞いてもらうことが出来るから、
 債権の格付け制度に因んで『AAA(トリプルA)』と提案されたんだが」
「つまり歌唱力はこの上ない格付けと言うことですね。悪くはないと思い・・・・・・」
「却下」
彼の言葉に頷く千早を遮り、ミン●スが否定する。
「AやAAじゃないもん、Dあるもん」
「落ち着け、ミ●ゴス。そう言う評価じゃないから」
「私もDDがいいと思います。くっ」
「千早もつられるな、頼むから。誰か助けてくれ」
真顔で主張する二人に思わず頭を抱えたところで扉が勢いよく開く。
「話は聞かせていただきました。つまり、わたエ●リンが必・・・・・・」
「はいはい、向こうで春香とのユニットをどうするか考えて下さい」
入室してきた短い髪の女性を部屋から押し出しながら彼は扉に鍵をかける。
「もうこの際だからDDで構わないが何の略かだけは考えておこう」
「Day in,Day outはいかがでしょうか? 音楽に一日中没頭する私達にぴったりかと」
千早の提案に彼は一つ頷く。悪くはない。
「DUNGEONS&DRAGONSとか。渋くないかい?」
「ミ●ゴス、それ、俺でも遊んだことない」
元ネタはなかったはずだと自分に言い聞かせ、ユニット名を千早案に決めて入力。
「これだけ決めるのにどれだけ時間をかけているんだ、俺達は」
「三人寄れば文殊の知恵、ではないようですね」
千早も頭を抱える。既に一時間が経過している。
「きっと人数が足りないんだよ。向こうと一緒に四人でユニットを組んでみるとか」
そのミン●スの指差す方を見ると

「じゅうしぃ~ぽぉりぃ~いえぃ? 何か違う気がします」
「勢いがない、もう一回。それと指はフレミングの法則じゃないって」

「君たち、頼むから勘弁してくれ」
「私まで一緒にしないで下さい」
「千早ちゃん、苦労する時は一緒だよ」

コンビニで妄想に収拾が付かなかったのは初めてだ。コンビニの限界を知った。
なお、当作品はフィクションであり、実在の人物とは一切関係ありません


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