08/10/23 21:08:47 ft53CDCB0
おｋ。ではでは。一つ思ったのは、ｓｓって難しいなあ
私は音無小鳥、二十ちょめちょめのＯＬです。さて、明日は二月十四日、いわゆるセント・バレンタインデー。なのですが……。
正直に言いましょう。
私は他人にチョコをわたす相手がいないのです！
しかし、それはちょっとどころでなく悲しいこと……。
…………ですのでカモフラージュ用のをつくることにします。
毎年のことながらにスンゴイものつくっちゃうわよー！と、いうような悲しい独身乙女の二月十三日でした。
そして！日があけて今日は、二月十四日！！
私はきれいにラッピングを施したチョコレートを入れて、出勤中。……なんか、そこいらじゅうでチョコ上げてる光景があるんですが、あてつけですか？
溜息をつきながらも、事務所につく。チョコを入れた紙袋を冷蔵庫に置き、昨日の続きの書類を片付ける。
Ｐさんが出勤してきた。後ろには十円チョコをらしきものをもった双海姉妹が笑顔でいる。
「うっふっふ→ ぴよちゃーんチョコちょうだーい！」
私も十円チョコをあげて、Ｐさんに挨拶をする。
「おはようございます」
彼は微笑んで、「おはようございます。きょうもまた寒いですね」
そうして、一日の業務がつつがなく始まった……かのように見えました。
「ぷ、Ｐさん。これ……」千早ちゃん。うわ……外国のだわ、あれ……
「ハニー！これあげるのー！」美希ちゃん。ゴディバね、いいチョイス！
「仕方ないですね。Ｐ。……はい、これ」律子さん。あれは……手作り？すごいなあ……って、あたしもか。
「あ、あ、あ、あの！……」（舌をかんだようだ）雪歩ちゃん。こじんまりとした箱が二つ。決められなかったのかしら？
などなど、アイドル全員がチョコをＰにあげました。
……あげすぎだろう！お前ら！！と内心突っ込みを入れつつも、もくもくと作業。
ふと視線を感じて、顔を上げるとＰさんを除く全員に見られている。
え、え～っと？これってぇ、なに？頬をひくつかせながら「ど、どうしたの、みんな？」
「……小鳥さんは、ないんですか？」
「な、なにが？」
「Ｐさんにですよ」
ちょっとピリピリとした空気を破ったのはあずささんだった。
「ことりさーん。このふくろ～、どうします～？」
……ちょっとまて
「んっ！あずさ、ちょっとそれ見せて！」
…………ちょっと、まて
「うわあ……」
みんながあれを、とてつもなくきれいにラッピングされてしまっているチョコを見ている。
Ｐさんは右往左往しているし、私もそうだ。
「ぴっよちゃーん！これ、あげるんでしょ→」
亜美ちゃんと真美ちゃんが私に袋をわたし、Ｐさんの前に突き出される。
えうえう、えうえうえうええええ！
ごめん、まって、顔が、赤い……。
顔を上げずに、手渡す。重みが消えて、私はリスのように逃げる。
「しかし、おいしいなあ。これ」
Ｐは小鳥さんのチョコを食べながら、感慨深げにいう。
一ヶ月後にＰがチョコを持ってきていて、また同じ状態になるのだが、それをいうのは野暮だろう。
というよりも、小鳥さーん！帰ってきてくださーい！仕事終わってないですよー！Ｂｙある事務員兼任アイドルの叫び、でした。
え？おまえもチョコ食えって？…………はあ？あんたバカァ？