ペルソナ3の荒垣先輩はバス亭カコイイデッドエンド5つ目at GAMECHARA
ペルソナ3の荒垣先輩はバス亭カコイイデッドエンド5つ目 - 暇つぶし2ch863:名無したんはエロカワイイ
09/03/15 20:05:57 PL/Xf89m0
いつもより、ほんの少し長めの散歩。
熔けるようにじくじくと沈む橙光に、コロマルの被毛が蜜柑色に煌く。
荒垣は漣立つ腹を無意識に押さえながら目を細めた。
期待もある。“美味しかったです荒垣さん”そんな感想に。
苦慮も感じる。そっけなく、ぶっきらぼうな対応をするであろう自分に。
「ただの気紛れだ。お前等の為にやったわけじゃねぇ…」
きっと、こう言う。せっかく喜んでくれたのに、笑顔を曇らせる。
ざわざわと腹中の苛立ちが胸を圧迫して、ため息が出た。
努めて不機嫌そうに見えるような顔を造って、荒垣は寮の扉を開いた。
そして絶句する。せっかく取り繕った仏頂面も剥がれて落ちた。
荒垣を出迎えたのは三体の氷像だった。
「あ、アキ…。順平…。キタロー」なんだこれは?
「荒垣か。…おかえり。コロマルも」
荒垣はすんでに悲鳴を漏らすところだった。コロマルは尻尾を巻いて逃げた。
美鶴の声は冥府の底から滲んでくる瘴気のようだった。
「お前が用意してくれた菓子に、この三人は勝手に手を付けたのだ」
口を尖らせて、ゆかりが言い募る。
「荒垣先輩、ホワイトデーだからって、わざわざ焼いてくれたんですよね?
 なのに、私らより先に食い散らすなんて赦せないです!」
“処刑”の二文字が延髄に炸裂して荒垣は声を詰らせた。
凍りついた真田の顔を見る。哀れさにため息が洩れた。先刻のため息より深い。
「山岸、すまねぇが風呂沸かしてくれ。…アイギス、手ぇ貸せ。こいつら運ぶ」
「自業自得ですよ。しばらくほっといたらいいじゃないですか」
変声期前の甲高い天田の声に、荒垣は我知らず苦笑を浮かべた。
「風邪でもひかれたら探索に支障が出る。だろ?」
思い出したように、やれやれと愚痴を零しながら荒垣は氷像を叩いた。
「ま、後でクッキーでも焼いてやる」



次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch