09/12/01 16:49:15 Ed+cklRm
病室のクリスマスプレゼント
南條の孫「ごほっ、ごほっ…!!」
看護師「南條さん、大丈夫ですか!?」
南條の孫「大丈夫じゃないよ…!私、いつまでこんな生活をしていればいいの…?今日はクリスマスだよ?
みんなサンタさんからプレゼント貰ってる!積もった雪で雪合戦したり…!それなのに私は…こんな真っ白い部屋で一人…。なんで私だけなの!」
看護師「……」
コンコン
看護師「はぁい、どうぞ」
南條「ジングルベ~ル、ジングルベ~ル~!サンタクロースだぞぉい。」
孫「お、おじいちゃん?」
南條「私はおじいじゃんではなくてサンタクロースだぞ。良い子にプレゼントをあげる仕事をしているのじゃ。」
孫「でも私、良い子かな…?プレゼント貰えるのかな…?」
南條「君はとても良い子じゃぞ。この病室で毎日毎日病気と闘い、くじけずにここまで来た。」
孫「じゃあ私は良い子…?」
南條「そうじゃ。君はとても良い子じゃよ。そこで私、サンタクロースからプレゼントじゃ。」
孫「これは、お人形さん…?ありがとう、サンタさん!名前は…そうだ、さくらにするよ!私は桜の木が散る頃には死んじゃうけど
この子は桜が散っても永遠に生き続ける…。私の代わりにね。いえ、これが私自身なの。私は肉体を失った後も永遠にこの世界を生き続ける。
その思いを込めて名前をさくらにしたの。」
南條「な、何故それを知っているんだ?」
看護師「隠し事はできないみたいですね…。そうです、あなたの寿命はあと1年と数ヶ月。正直来年の春まで生きられるかどうか…」
孫「大丈夫よ、私が死んでもさくらが…さくらがいるから…。ね、さくら?」