09/08/02 23:28:32 Zi0Y1fju
物語の途中までいがみ合っていた陣営が、第3の敵に対し、争いをやめて手を結び合って撃退するエピソードは確かに熱いものがあるのですが…。@
br
この、生贄を投じることで手を結ぶ禊ぎには、友好的関係を作りだすため、常に第3の敵(生贄)を求め続けなくてはならないという不毛(鬼)をも生み出すと考えています。\
いえ、数々の物語を生み出された方々もそれに気付いています。@
ですから、絶対に私たちと相容れることのできない存在を、第3の敵に描くのです。\
互いが仲直りするために、共同の敵を外に求める。@
br
……何だか、今日の世界情勢にも通じそうな気がするキーワードだと思うのは、私だけでしょうか。\
現実世界は人間だけの世界です。@
そこにはエイリアンも悪魔もモンスターもいません。@
br
そこに敵を求めるというのはつまり、人同士が永遠に争いあうこと。@
そして仲直りをするにも、また新しい敵が必要になるという、永遠の争いの連鎖です。@
br
それこそが人の世の鬼だと、この度の『ひぐらし』の中では断じさせていただきました。\
そこまで世界観を説明した上で「祭囃し編」を見ると、@……鷹野という存在を叩きのめすのが果たして理想的な解なのか、少々の疑問が生じるのではないでしょうか。\
…そう。@これでは「祟殺し編」の愚を再び冒したのと大差ないのです。@
br
(その論法から行くと、沙都子救出を巡る問題は、@「皆殺し編」すらも実は最高の解ではない、という結論に行き着くのが、ご理解できますでしょうか……?)\
彼らは、どうやったら鷹野と仲良くなれるのでしょう。\
まさか、「東京」を新しい敵に据え、鷹野と共同戦線を張って仲直り…とは言いませんよね?\
この話を延々と続けていくと、最後には宗教的な次元にまで達してしまうような気がしますので、これ以上の議論は控えましょう。\
『ひぐらしのなく頃に』の世界観に沿った、最高の結末とは果たしてどのようなものなのか。@
……それはひょっとすると、「祭囃し編」よりも、もっともっと素晴らしい物語なのかも…。\
この問題はきっと、『ひぐらしのなく頃に』の卒業問題になるかと思います。@
br
この最後の出題を『ひぐらしのなく頃に』という物語に、4年半もの長きにわたりお付き合いくださりました皆さんへの、最後の置き土産ということにさせていただければ幸いです。\
何が語りたいやらもわかりにくい、このような難解な作品に今日までお付き合いくださり、本当にありがとうございました。\
結局、この物語は何だったのか。@
br
それを全て統括したなら、やはり最後には「エンターテイメント」だったとご評価いただけるのがもっとも適当ではないかと思います。@
br
煙に巻くような謎掛けに答えられたかどうかが重要なんじゃない。@
結局のところ、楽しんだ方が一番の勝者なのですから。\
竜騎士07としての挑戦意欲はまだまだ衰えません。@
br
『ひぐらしのなく頃に』は、これで物語の幕を閉じますが、また異なる世界にて皆さんと再会できることを願ってやみません。@
br
今度はどんな作品を描こうかな…。\
それを無限の可能性の中から、ひぐらしの声を聞きながらのんびり思いを馳せるのも、今は非常に乙なことではないかと考えます。@
今日まで、この作品に献身的な協力をしてくださった全ての方々に深く感謝いたします。@
br
本当にありがとうございました。@
皆さんとまた再会できることを、心より祈っております。@