08/11/11 20:56:42 TzHcUWy9
展示されている商品とライを見てカレンは驚愕した。
ライが照れながらも真剣に見ている商品は指輪だったからだ。
(ウソ……ライったらまさかいきなりのプロポーズ? そんな…私達まだ学生なのに…………でも約束だけならいいよね。私だってライが相手なら問題ないわ)
1人行きすぎた妄想にふけりながらカレンは自分で自分を抱きしめるような仕草をしていた。
「どうしたのカレン。寒いの?」
そんなカレンの姿を見て心配そうにライが尋ねた。
「え、あ、いやいや、これは、その…」
慌てて誤魔化すカレンにライは自分の上着を脱ぐとカレンにそっとかけてあげた。
「え………ライ」
「夜は冷えるからね。女性が体を冷やすのは良くないよ」
「………うん、ありがとうライ」
ライの気遣いにカレンは頬をほんのり赤く染め、体だけでなく暖かな気持ちになっていた。
「じゃあ、時間もないから少し急ごか」
「ええ」
早足で歩き出すライ。
その後ろをカレンは追うように歩き出した。
プレゼントなんていらない。
ただこの時間が長く続けばいい。
そんなことを考えながらカレンはかけてもらったライの上着を大丈夫そうに握りしめた。