08/11/01 16:16:56 YaGe1cFZ
「でも、すごくうれしかったわ、ライ。いつも身につけて大事にするね」
そう言うと少し持ち直したようだ。
なんかホッとしているっぽい。
もう一声かな。そんなことを思いつつ、無意識のうちに言葉が口から出ていた。
「あのね…、よかったらだけど…今度、ライの写真撮ってもいいかな?」
そう言ってしまってから、私は自分がなんて大胆な事を言ってしまったのか理解した。
ああああああ---っ…恥ずかしいっ。
「え…」
彼も唖然としている。
う----っ、こうなったら言わなきゃ損だわ。
少し開き直り気味の私。
ええ、言いますとも…。言っちゃいますから…。
「だって、ライが言ったじゃないの…。好きな相手の写真を入れたらいいって…」
あー…言っちゃったよ~っ…。
言ってしまってからぽーっと頬が火照るのが判る。
あーんっ、ライの顔を見れないじゃないかっ。
こうなると俯くしかない。
「あ、えーっと…う、うん、僕でいいのなら喜んで」
こんなにドギマギして言っているのにライったら判っているの?
私の言ってる意味がどういう事か…。
そう思って彼の様子を伺うと、あー…再び落ち込んでいる。
ふーっ…本当に…しょうがないんだから…。
私は呆れかえるのと同時にそんな不器用なライがとても愛らしいと思う。
母性本能をくすぐられているのかもしれない。
でも、それだけではない。
私は、彼のことが大好きなのだから…。
だから、私は彼の笑顔を見る為にこう言って微笑んだ。
「うふふふ…。ライで…じゃないの…。ライがいいのよ」と…。
《おわり》