コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS SSスレ 30at GAL
コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS SSスレ 30 - 暇つぶし2ch599:快風
08/11/01 00:22:12 KmohQeoW
以上です。

ライと藤堂の戦いです。
スザクにとってのライバルがカレンなら、ライには藤堂をぶつけました。
戦闘はやはり大変だ。上手く書ける人が羨ましいです。
後は中華編のまとめを描き、どんどん話しを進めていきたいです。
感想ご意見お待ちしております。
では、また次回。また見てギアス

600:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 00:46:19 GhkM9Xpl
>>599
快風卿、GJでした!
カレンが捕まり安心するライ、この一文を見てほっとしました。
やっぱりライからはギスギスした思いを抱いてはいないんだなぁ、と。
藤堂対ライ、なかなか燃えました!
まず、戦闘描写が出来ることが羨ましいなぁ……難しくて無理なかんじなんですゃねぇ。
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!

601:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 00:46:52 wuMgeRX8
>>599
乙でした。藤堂さんとライバル関係か、これは燃える展開ですね。
次回をお待ちしています。

602:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 00:47:32 M5DyDd9S
GJでした
今回は特に文章が安定していて読みやすかったです
戦闘描写ですが、ナイトメアの動きや武器の使い方は分かりやすく描写されていますし、ライと藤堂の台詞や心情も適度な量なのですが、個人的に少しスピード感不足な印象がありました
何故かと考えてみると、恐らくは前半部分の文章を引きずっているからではないかと思います
最初に文章が安定していると書きましたが、安定している分だけ変化が少なく、前半の、なんとなく流れをただ書いているという雰囲気を引きずったまま戦闘になってしまっているのでは?
(此処は詳細に描写されても蛇足に感じたでしょうから、書き方自体は良い量・良い流し方だと思います)
一度明確な線引きを入れる意味で藤堂に視点が移っているのは良かったのですが、すぐにライに視点がシフトしたり、地の文の量が少なかったりと線引きが弱かったように思います
ただ文章自体は本当に安定しているので、極力バランスを崩さず、視点移動した相手の描写や地の文を増やしたりすることで、その安定感に更に場面転換のメリハリをつけた、より素晴らしい文章になるのではないかと

色々長ったらしく語りましたが、文章自体は本当にGJでした
またの投下をお待ちしています

603:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 00:54:58 KmohQeoW
>>600
ここのライはカレンに対しては複雑な感情を持ってます。
ある意味親しかった人間には覚悟がたりないのですが、冷酷なライも抵抗あるので…。


>>601
中華編で思いついたのがこの対決で、これが書きたかったのですが、
実力が追いつきません…。これが今の精一杯。

>>602
ありがたいご意見です。
スピード感…。今後の参考にさせていただきます。
お褒めにいただいたバランスも大事にしていきたいと思います。

604:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 00:58:37 UkZi//cd
>>599
大変面白く読ませていただきました。
シュナイゼルの騎士という実に難しいものをうまくR2のストーリーにからめていく手腕は見事だと思います。
ただ、1つだけ気になった点が…。
台詞で視点分けをやられていますが、それにちょっと違和感を感じました。
一瞬、あれ?とか思っちゃう時があるのとぎこごちない感じがしたもので…。
でもとてもよかったと思います。
GJでした。
次回も楽しみに投下お待ちしております。



605:うにゃら…
08/11/01 16:09:24 YaGe1cFZ
こんにちわ。
ゲリラ投下の人です。
投下しちゃいますので皆様、爆撃に巻き込まれないようご注意ください。

なお、内容は前回投下した「アッシュフォード生徒会の何気ない日常~誕生日編~」のミレイさん視点バージョンです。
感想に「好きな人の写真と言われてその当人の写真が欲しいと言うのは結構な勇気がいるよね。」という言葉を頂き、このアイデアが浮かびました。
ミレイさんは、どういう気持ちで言ったんだろう…。
それで一気に書き上げてしまいました。
だから、内容的にはほとんど変わっていません。
ですので、それが気になる方はスルーしてください。

タイトルは、「アッシュフォド生徒会の何気ない日常~誕生日編 B面~」。
カップリングは、もちろん「ライ×ミレイ」。
ジャンルは「ほのぼの」でしょうか…。
本レスは、4レスなので支援は必要ありません。
また、終了レスは入れないので、本レスの最後に《おわり》と入っていたらそこで投下終了となります。
ご注意ください。

606:うにゃら…
08/11/01 16:11:07 YaGe1cFZ
アッシュフォード生徒会の何気ない日常~誕生日編 B面~

「誕生日おめでとう、ミレイさん」
ライがそう言ってシンプルな飾り紙で包まれた小箱を私に差し出す。
ワインレッド色のリボンがかかっているのがなかなかおしゃれだと思う。
「えっ…私に?」
ライが私の為にプレゼントを用意してくれたのはとてもうれしい。
でも、誕生日のプレゼントって…。
そう思ったら、彼の不安そうな顔が目に入る。
思った事がどうやら顔に出ていたみたいだ。
いけない、いけない…。
プレゼントを貰う方がこんな顔してちゃ駄目じゃないかっ。
私は、自分にそう言い聞かせる。
「うん。よかったら貰ってくれないかな。たいしたものじゃないけど…」
すまなそうな顔をするライ。
違うの…。
うれしいの…。
そう言いたかったが、口で言っても意味がないような気がした。
だから、私は行動で示す事にする。
「ありがとね、ライ。開けていい?」
そう聞くとうなづく彼。
私は、少しワクワクしながら丁寧にリボンを解き、飾り紙を開いて小箱をあけた。

607:うにゃら…
08/11/01 16:13:18 YaGe1cFZ
「あ…」
そこにはかわいらしいくも上品にまとめられたロケットペンダントが入っていた。
ああ、なんて綺麗なんだろう。
それに綺麗なだけじゃなく、可愛い感じさえするようなデザイン。
センスいいじゃなの…。
これだったら、普段身につけてもOkだし、おしゃれした時でもつけられるじゃない。
彼のプレゼントをいつも身につけていられる。
つまり、いつもライの事を身近に感じられるという事…。
それはとても幸せな事ではないだろうか。
うふふふ…。
私は、すごくうれしくなった。
でも、次のライの台詞で私の気持ちはトーンダウンした。
「あのさ…よかったら、好きな相手の写真とかをいれるといいよ」
あーーん、もう…。
なんで、「僕の写真入れてくれるとうれしい」とか言わないのよ。
もう…こういう所の押しが弱いんだから…。
私は、少し腹が立っていた。
少し文句でも言ってやろうと思ったが、彼の沈んだ表情を見て気が変わった。
もう・・仕方ないなぁ…。

608:うにゃら…
08/11/01 16:15:08 YaGe1cFZ
「もしかして…バイトしてた理由って…」
そう聞いてみる。
「うん。ミレイさんの誕生日プレゼントくらい自分で働いたお金で買いたかったから…」
予想通りの答えが返ってくる。
わかっていたけど、彼の口からそれを聞くとすごく気分がいい。
とてもうれしくなってしまう。
私の為に…。
なんていい響きなんだろう。
「そうだったんだ…。本当にありがとね、ライ」
そうお礼をいうと彼はすごく喜んでいる。
彼の喜ぶ姿を見ていると私もなんかうれしい。
だけど…。
そう…間違いは正さないといけない。
あー…気分が重くなる。
でも、言わなきゃね。
好きな相手に間違った誕生日で覚えられても困るし…。
「貰っちゃって言いにくいんだけど、私の誕生日…7月なのよ…」
「え???」
「7月24日なの…。誕生日…」
「えーーーーーっ…」
ああ…やっぱり…愕然としている…。
御免なさい…ライ。
ああああ…少しでもフローしないと…。

609:うにゃら…
08/11/01 16:16:56 YaGe1cFZ
「でも、すごくうれしかったわ、ライ。いつも身につけて大事にするね」
そう言うと少し持ち直したようだ。
なんかホッとしているっぽい。
もう一声かな。そんなことを思いつつ、無意識のうちに言葉が口から出ていた。
「あのね…、よかったらだけど…今度、ライの写真撮ってもいいかな?」
そう言ってしまってから、私は自分がなんて大胆な事を言ってしまったのか理解した。
ああああああ---っ…恥ずかしいっ。
「え…」
彼も唖然としている。
う----っ、こうなったら言わなきゃ損だわ。
少し開き直り気味の私。
ええ、言いますとも…。言っちゃいますから…。
「だって、ライが言ったじゃないの…。好きな相手の写真を入れたらいいって…」
あー…言っちゃったよ~っ…。
言ってしまってからぽーっと頬が火照るのが判る。
あーんっ、ライの顔を見れないじゃないかっ。
こうなると俯くしかない。
「あ、えーっと…う、うん、僕でいいのなら喜んで」
こんなにドギマギして言っているのにライったら判っているの?
私の言ってる意味がどういう事か…。
そう思って彼の様子を伺うと、あー…再び落ち込んでいる。
ふーっ…本当に…しょうがないんだから…。
私は呆れかえるのと同時にそんな不器用なライがとても愛らしいと思う。
母性本能をくすぐられているのかもしれない。
でも、それだけではない。
私は、彼のことが大好きなのだから…。
だから、私は彼の笑顔を見る為にこう言って微笑んだ。
「うふふふ…。ライで…じゃないの…。ライがいいのよ」と…。

《おわり》

610:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 18:30:34 M5DyDd9S
GJでした
キャラクターの可愛らしい心情などの描写は楽しくなります
失敗するとリズムが悪くなりがちな一人称のSSですが、セリフ回しと一人称描写とのテンポも組み合わせも上手くまとまっていました

ただ、一つ個人的に思うところは、ミレイにしては可愛らし過ぎるのでは?ということです
ミレイの場合、普段クールというか大人なのだけれど、そこにライの天然が炸裂してアタフタしたり余裕が崩れる
というのが自分の勝手な二人のイメージなので、ミレイにしては心情が乙女思考すぎるかな、と
キャラクターの可愛らしさを描写するのがお上手なために、かえって露骨な萌えに走りすぎているのではと考えてしまいました
偉そうに自分勝手な想像してしまい、申し訳ありません
でも文章自体は楽しく読みやすいので、本当にGJでした
またの投下をお待ちしています

611:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 19:06:49 PPEpy44W
>>609 GJでした!
自分はミレイさんは意外と乙女な所があると感じていたので上の方が言ったことは気にはなりませんでした。
>>610
決してあなたを批判しているわけではないので、勘弁してね!

612:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 19:07:29 GhkM9Xpl
>>609
うにゃら…卿、GJでした!
所々にあるミレイさんの心情が、こう、何て言うか
……ふひゃって気持ちになりました!
文章も流れるように一気に目を通せて、読み終えてすがすがしい気持ちになりました。
うん、GJでした!
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!



五分後から全力を挙げて投下します!

613:全力支援者Y ◆7RZOliBygM
08/11/01 19:12:16 hwZA51iS
どうもー!
一回の投下より百回の支援、百回の支援より十回の感想
全力です!
ハロウィンネタ書き上げましたー!
一日遅れたけどね!

まえがき

タイトルは「バトルロイヤルハロウィン」です!

注意事項
・特に無し、しいて挙げるならギャグです

まえがき~あとがきまで最短12レス、アクシデントで増えることもあります
ご了承ください。
あと支援は不要です、携帯とPCを駆使して投下しますので。

614:全力支援者Y ◆7RZOliBygM
08/11/01 19:12:29 GhkM9Xpl
「十分後に生徒会主催、バトルロイヤルハロウィンを開催するわよー!」

学園に響き渡るミレイ会長の声に一部を除き乗り気ではない生徒会メンバー
その一部ではない二人の青年は
「ねぇ、ルルーシュ」
「……何も言うな」
「あぁ……頑張れ」
「ありがとう……脱出ルートは全部で30、それをフルに活用して」

「はぁ……なんでこんなことになったんだろう」

昨日
「明日はハロウィンだけど何かイベント案無いー?」
いつもの事だと割り切って仕事を続ける生徒会メンバー……しかし
「ハロウィンかぁー確かお菓子を賭けての子供と大人の仁義なきバトルが繰り広げられる行事だっけ?」
「違うな、間違っているぞ、スザク!
 ハロウィンとはそもそもケルト人の一年の終わりが10月31日であり、その夜に死者の霊が家族を訪ねたり
 精霊や魔女が現れるとされていた。
 そこでこれらから身を守るために仮面を被り、魔除けの焚き火を焚いていたんだ。
 ケルト人をキリスト教に改宗させる策として宣教師が「ケルトの木を伐採する信仰を「ストッーーープ!!!」」……何ですか、会長!」
嬉々として蘊蓄を語っていたルルーシュに制止の声をあげたのはミレイ会長だった。
「話が、長い

615:全力支援者Y ◆7RZOliBygM
08/11/01 19:14:58 hwZA51iS
「話が、長いわよ!
 もっと簡潔に纏めなさい!」
「……カボチャをくりぬきその中にロウソクを立てたお化け蕪、ジャック・オー・ランタン、を作り
 魔女やお化けに仮装した子供が「トリック・オア・トリート」と唱えて近所の家からお菓子を貰い歩く。
 そして、そのお菓子を持ち寄りハロウィンパーティーを開く。
 また、トリック・オア・トリートの習慣は……」
「だから長いって!」
そんな漫才が繰り広げられる中、黙っていた銀髪の青年が口を開く。
「つまり、子供が大人を脅迫するんだね?
 そして、それが受け入れられなければ暴力行為も辞さない、と」
「いや……間違ってはいないが」
「……それよ! その発想は無かったわ!」
「「は?」」
二人の青年の声が重なった。
「バトルロイヤルハロウィンよ! こうしちゃいられないわ、早く準備しなきゃ!」
そういって一人走りだしたミレイ・アッシュフォード、彼女の道を阻むものは存在しなかった。

「……そうだった、僕が原因だった」
一人呟く青年の背中には哀愁が漂っていた。
「あぁ、その、なんだ、俺達はあまり気にしていない。
 いつもの会長の気まぐれだ、お前のせいじゃないさ」
「……ありがとう」
そう言いつつも明らかに気にしている様子の銀髪のドラキュラに苦笑する黒髪の魔法使い
二人の会話する様子は一人のメイドによりキッチリと写真に収められていた。

616:全力支援者Y ◆7RZOliBygM
08/11/01 19:16:04 GhkM9Xpl
「二人ともー!」
40ヤード走4秒2を凌駕するフランケンシュタインが全速力でやって来た。
「後五分か、楽しみだね」
「そう思ってるのはお前と会長くらいだ」
「スザクは逃げ切れる自信が有るんだろうけど、僕たちは……」
「大丈夫だって、君も十分逃げ切れるって」
「ルルーシュは?」
「……」
「何故そこで黙るんだ!?」
「いや、その……」
「「御愁傷様?」」
「ハモるな!」

「……後三分で開始します、その前にルールの確認をします」
聞こえてくる気弱そうな女の子の声に僕たちは耳をすませた。
「もう一度ルール確認をしておくか」
「ルールは守らないとね」

「生徒会メンバーのルルーシュ、スザク、ライ、リヴァル、シャーリーが飴を持って逃げています。
 捕まえて飴を強奪してください。
 飴は生徒会本部にいるカレンに渡すと数に応じた景品が貰えます」

「ルルーシュ」
「何だ?」
「やっぱりハロウィン関係無い気が……」
「気にするな、俺は気にしないことにした」

617:全力支援者Y ◆7RZOliBygM
08/11/01 19:17:41 hwZA51iS
「しかし、表向きのルールはあれだけだが……」
「うん、僕たちには更にあるルール……罰ゲームが追加される」
二人は遠い目を、いや、死んだ魚の様な虚ろな目で空を見上げた。
「大丈夫だよ、飴を全部取られたら、だし」
スザクの言葉にとりあえず正気に戻った二人だったが
「だが、これは一度捕まればアウトだろう」
「うん、一応お菓子をバラまいて逃げるっていう手もあるけど……」
「あぁ、普通は守らな……」
「何を言ってるんだい、ルルーシュ。
 ルールは守らければいけない、皆もそれは分かってるよ」
「……そうだといいね」

「まもなくバトルロイヤルハロウィン開催です!
 じゃあ頼むわよ、ナナリー!」
「はい、えーと……人はぁみんな平等ではぁありません。
 ですから、奪い、競い合うのです。
 バトルロイヤルハロウィン、開催です……にゃ」

「……ナナリーにあの男の言葉を真似た言葉を……」
「ル、ルルーシュ?」
「フハハハハハ、良いだろう、その挑戦、受けてたつ!」

618:617はミス、全力で見逃せ! ◆7RZOliBygM
08/11/01 19:19:55 GhkM9Xpl
「なお、生徒会メンバーが飴一部をばらまいた場合、それを先に拾い集めねばなりません
 主なルールは以上です、皆さん頑張ってください……」

「しかし、表向きのルールはあれだけだが……」
「うん、僕たちには更にあるルール……罰ゲームが追加される」
二人は遠い目を、いや、死んだ魚の様な虚ろな目で空を見上げた。
「大丈夫だよ、飴を全部取られたら、だし」
スザクの言葉にとりあえず正気に戻った二人だったが
「だが、これは一度捕まればアウトだろう」
「うん、一応お菓子をバラまいて逃げるっていう手もあるけど……」
「あぁ、普通は守らな……」
「何を言ってるんだい、ルルーシュ。
 ルールは守らければいけない、皆もそれは分かってるよ」
「……そうだといいね」

「まもなくバトルロイヤルハロウィン開催です!
 じゃあ頼むわよ、ナナリー!」
「はい、えーと……人はぁみんな平等ではぁありません。
 ですから、奪い、競い合うのです。
 バトルロイヤルハロウィン、開催です……にゃ」

「……ナナリーにあの男の言葉を真似た言葉を……」
「ル、ルルーシュ?」
「フハハハハハ、良いだろう、その挑戦、受けてたつ!」

619:全力支援者Y ◆7RZOliBygM
08/11/01 19:20:41 hwZA51iS
ローブをマントの様にひるがえし走り去るルルーシュ、しかもやたら速い。
その姿がニュースで話題の仮面の男とだぶるのは気のせいだ。
「スザク、ルルーシュが壊れた!」
「あぁ、気にしちゃいけないよ。
 ナナリーのことになるとよくああなるよ。
 僕も行かなきゃ……一時間後、無事に会えるといいね、今日はユフィと……」
軽く死亡フラグを立てて立ち去ったスザク、たぶんそんなフラグはへし折るだろうが。
「さて、僕も逃げるか」
開始したばかりだからか、まだお菓子を奪おうとする生徒には遭遇していない。
「でも、油断は禁物……ッ!」
横から飛んでくる生卵をよけるライ、飛んできた方向を見ると
「「「「「「トリック・オア・トリート!!!」」」」」」
三十人近くのスポーツクラブに所属する生徒達が木の影から現れた!
……どうやって隠れていたのかは聞いてはいけない。
「覚悟するがいい!」
そう言うが早いが卵を投げてくる……おそらく野球部員
「……見えた!」
マントをひるがえし避けるライ、そこに
「とぉりゃゃゃゃ!」
レイピアを構え突っ込んでくるフェンシング部員
「それに当たるわけにはッ!」
すんでの所で回避に成功し……

620:全力支援者Y ◆7RZOliBygM
08/11/01 19:22:25 GhkM9Xpl
「今度はこっちの番だ!」
加速するライの体……一瞬で間合いを詰める。
身構える相手を見ながら……
「戦略的撤退!」
逃げ出したライ
しばらく呆気に取られていた面々であったが
「お、追えー! 逃がすんじゃないぞ!」
「「「「「おー!」」」」」

(広いところでの一対多は流石に無理だ)
走りながらも思考を巡らす(狭いところならば……時間制限があるのだから正しいかもしれないが……)
校舎が見えてくる
(狭ければ逃げ場がないぶん不利か……いや、逆に考えるんだ)
校舎に突入するライ、辺りを見渡しながら考え続ける
(大人数で行動してるあっちは急な動きにはついて来れない)
階段を勢いよく駆け上がり踊り場へと到達する
(……よし、ここだ)
踵を返すと今まで追ってきていた集団へと向かう
「む、向かってきた!?」
「う、うろたえるな! 所詮は一人、戦いは数だよ!」
「そうだ、この物量を覆せるわけが無い!」
その声を聞きながら駆けるライ、そして
「跳んだ!?」
「空中では身動きが取れまい!」
「ね、狙い撃つ!」
しかし、動揺してるのか卵は命中しない
「お、俺を踏み台にしたぁ!?」
ライは先頭の男の頭を踏む

621:全力支援者Y ◆7RZOliBygM
08/11/01 19:23:47 hwZA51iS
そして、もう二、三人を踏みつけて階段を後にするライ
「う、うわぁ!」
「あ、危ない、支えるんだ!」
「もうあんなとこまで!?」
「く、まんまとしてやられたか」
階段の上の人が倒れてくるためどうしても下の人は支えなければならない
その隙にライは遠くへと逃げ出していた。

(階段でのバトルは大変危険な行為です、良い子も悪い子も真似してはいけません)

「後三十分か……何とか逃げ切れそうだな」
あまり人気の無さそうな場所を選んで進むライ、気分は某蛇だ。
「そこまでだ、ライ!」
響く叫び声、ライの視線の先には

「……C.C.?」
C.C.がいた、猫耳を付けた。
「何故ここに?」
「いて悪いか? それにハロウィンなんだろ?
 魔女である私にはピッタリではないか」
そう言い胸を張るC.C.揺れる猫耳がやたらと愛らしい。
「その猫耳は? 後、さっきの言葉はどういう意味だ?」
「ハロウィンだから仮装に決まっているだろう?
 そして後者だが、簡単に言うと、トリック・オア・トリート!」
(何故だ、何故彼女が僕の持つ飴を狙う)
C.C.がこのイベントに参加する意義を模索するライ、その様子を見つめながらおもむろにC.C.は口を開く

622:全力支援者Y ◆7RZOliBygM
08/11/01 19:25:19 GhkM9Xpl
「これを見ろ」
どこからともなく出したチラシをライに差し出すC.C.
ある一文を目にしたその瞬間、すべてを理解した。
そう、飴三十個=ピザ一週間分、の文字を目にした瞬間に
「と、言うわけだ、トリック・オア・トリート!
 いや、むしろトリート・オア・トリート!」
「強制か!」
「当たり前だ、私はC.C.だぞ?」
そして手を差し出すC.C.、ライは飴を渡すしかないのか!?
「……一つ思ったんだが」
「何だ? 素直に飴を渡しさえすれば私はそれで構わんぞ?」
「いや、このイベントって学園の生徒しか参加できないんじゃ……」
「なっ……」
「いや、だって今日は別に一般解放してる訳じゃないんだし……C.C.?」
ライの言葉を聞き、うなだれるC.C.
心なしか震えている。
「私は……私は……」
「あー、その、そんなに落ち込まなくても……
 ピザなら僕が一枚くらい奢るよ」
ライの言葉を聞いた瞬間震えが止まる。
「……三枚」
「……分かった、三枚だ」
「そうか、まぁ景品には及ばんがそれで妥協してやる」
そう言って顔をあげたC.C.の顔には笑みが浮かんでいた。
「っ、君は」
「何だ? 不満か?
 だが、約束したのはお前だぞ?」
そう言い残しC.C.は去っていった。
(あれ? これって僕が損しただけじゃ……)

623:全力支援者Y ◆7RZOliBygM
08/11/01 19:26:07 hwZA51iS
その後の十五分は特に語るべきことは起こらなかった。
ただ、黄色い歓声が何回か沸き上がった、とだけ言っておこうか。

「終了ー! 皆お疲れさまー!
 景品交換は終了から三十分受け付けるわよー!」

「やっと、終わったか」
飴の数は気付けば最終的には半分、ちなみにすべて女性から逃げる際にバラまいていた。
流石に一般女生徒を足蹴にするのは気が引けたらしい。
「ライも大丈夫だったみたいだね」
仮装がピッタリな気がするスザクがやって来た。

「あぁ、それで……他の皆は?」
「シャーリーは結構ギリギリだけど逃げ切ったらしいよ、ルルーシュは……うん」
その一言でライは全てを理解した、すなわちルルーシュの敗北を。
「……生徒会室に行こうか」
「……そうだね」
ルルーシュの罰ゲームが軽いものになるといいなぁ、と祈りながら二人は生徒会
室に向かった。

624:全力支援者Y ◆7RZOliBygM
08/11/01 19:28:07 GhkM9Xpl
おまけ
罰ゲームを実行するルルーシュ、その罰ゲームの内容とは!?

「く、屈辱だ」
「言葉遣い! ほら、もう一回」
「……屈辱だわ」
「そんなことないよ、似合ってるって」
「そんなこと言われても嬉しく無いわよ」
一人で男女逆転祭……というか女装をするルルーシュ、とそれを見ている生徒会メンバー
「やっぱり……可愛い」
「むぅ、何か負けた気分」
こんなにも女装が似合う男はそうはいないだろう。
(まるで前世から女装をやっていたみたいに似合ってるなぁ)
ちなみに一応生徒会での仕事中限定での罰ゲームであった。
……念のため。

おまけ2
リヴァルの活躍

「よし、ここに隠れてれば見つからないっしょ」
清掃用具が入っているロッカーに隠れる狼男、リヴァル

一時間後

「終了ー!」

「……誰も来ねぇ」
一人項垂れるリヴァルだった。

625:全力支援者Y ◆7RZOliBygM
08/11/01 19:28:57 hwZA51iS
あとがき
ハッピーハロウィン……には間に合わなかったぜorz
とりあえず過去最長のSSです!
批判だろうが何だろうがバンバン来てください。
では次回も全力を挙げて投下させていただきます!


トーマス卿、>>614>>615は上手く繋げて、>>617は無視してください

626:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 19:34:14 pFhUiwDb
>>625
乙!ひそかに楽しみにしてました。
ナナリーの開始宣言がGJ過ぎるぜ…。「にゃ」って!

627:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 20:07:28 HB52FWfH
>>625
GJ!パロディかくあるべし!本編でありそうなイベントでした!
文章としては句読点が抜けてるのが惜しまれるところですが、
勢いがあるので気にしない(出来ない)かなと。
次回の投下を全力でお待ちします。

628:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 20:19:54 bn4Nfy84
>>625
面白かったー!

スザクの体力馬鹿っぷり、ライのとぼけた感じ、暴走一直線な会長、
自ら墓穴を掘るルルーシュ(最初の勢いで早々に体力使い果たしたに違いないw)
みんな楽しくてもう。素敵でした。
シャーリーは、シャーリーは何の仮装を!?
リヴァルはいかにもそういうことやっちゃいそうで泣けました。可哀相な子だw
投下お疲れ様でした!
またの機会をお待ちしております。

629:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 20:50:40 Fx7bt6s0
>>625
すごく面白かったです!ホントにルルーシュは最高ですねw
こんな風にギャグを書くにはやっぱり勢いでしょうか?
自分も見習わせていただきます

さて自分も21:00頃投下予定です
8レスくらいになると思います、支援があれば嬉しいです

630:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 20:53:20 GhkM9Xpl
>>629
了解しました、支援します。

631:ピザの配達人 ◆l.sZv3iNKk
08/11/01 21:00:01 Fx7bt6s0
どうもお久しぶり(?)です、ピザーライです
SSの配達に参りました
今回も長編「コードギアス REGAIN COLORS」の続きとなります
それでは注意をよく読んでお召し上がりください

注意
これはR2に「ギアス編」終了時のライを介入させたものです
本編の部分をカットする場合もあります、ご了承ください

632:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 21:00:24 GhkM9Xpl
支援

633:コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk
08/11/01 21:03:09 Fx7bt6s0
第21話「狙われた二人」

「ライ、オレンジがこちらに向かっているらしい。迎撃するぞ」
「オレンジ?・・・・・あぁ、例の・・・・・」
確かルルーシュの話だと彼はブラックリベリオン時にナイトギガフォートレスに乗り、ルルーシュと戦ったらしい。
その後、機体と共に姿を消していたが、向こうが回収していたようだ。
そして、刺客として送り込まれてきた。そう判断するのが正しいだろう。
「どうやらオレンジの他にも数名ここに入ってきているようだ」
「どうする?僕はともかくルルーシュは・・・・・」
相手はギアスのことを知っている。何らかの対策は講じてきているはずだ。
そうなると生身での戦闘はルルーシュには極端に不利となる。
「ライは他の刺客を頼む。俺は準備をするまで時間を稼いでくれ」
ルルーシュの言葉には勝算の色が見られた。
「しかし、スザクがいて助かった。あいつならシャーリーが危険な目に合わせないだろう」
「それなら・・・・いいんだけど・・・・」
ライは何故か嫌な予感がしてならなかった。
しかし、今は目前に迫る敵を排除しなければと頭を切り替えることにした。

634:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 21:03:28 GhkM9Xpl
支援!

635:コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk
08/11/01 21:07:00 Fx7bt6s0
そして、その嫌な予感は的中したのだった。
ルルーシュと別れ、別行動を取っていた時だった。
ライがビルを降りているとふと一階下のフロアにシャーリーがいるのが見えた。
「な!?シャーリー!?」
ライはそう叫ぶとそこから飛び降りるとシャーリーの元へと向かう。
「ライ君!」
「何をやってるんだ。ここは危険だから離れないと!」
「でも、ルルとライ君が」
そうやってシャーリーの手に持っている拳銃に気付き、ライはそれを慌てて取り上げた。
「こんなことは僕がやる、約束したよね?」
「でも・・・・」
「・・・・・っ!?シャーリー!!」
それでも何かを言いかけたシャーリーをライは抱き寄せると横に飛んだ。

バンッ!!

先ほどまで2人がいた場所を銃弾が通り過ぎて壁に穴を開けていた。
すぐにライはシャーリーの前に出て撃ってきた方向を見る。
そこにはスーツを着た何人かの男が立っていた。
「さすが狂王ライと言ったところでしょうか」
「・・・・・ジェレミアと共にここに来た刺客か」
「えぇ、V.V.様からのご命令でルルーシュと狂王ライ、あなたを殺しに参りました」
前方には4,5人の男たちがライとシャーリーに銃を向けている。

636:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 21:07:37 GhkM9Xpl
支援

637:コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk
08/11/01 21:10:13 Fx7bt6s0
「あなたはV.V.様の計画の障害となる。排除させていただきます」
このままでは後ろにいるシャーリーまでも巻き込んでしまう。それは避けたかった。
「この娘は一般人だ。解放してやってくれないか」
「それは出来ません。目撃者は排除しろとのご命令です」
そう言うと男たちは耳に何かイヤホンのようなものを付ける。
(僕のギアス対策か)
ライはそう結論付けると素早くポケットに入れていた咲世子さん特製の煙玉を爆発させた。
「シャーリー!こっち!」
ライはシャーリーを引っ張ってすぐに物陰に飛び込んだ。
向こうもすぐに発砲してきたが、どちらとも当たらなかったようだ。
シャーリーはこの事態に体が震えて動かないようだ。さっきも引っ張ってどうにか走れたのだ。
(無理もないか)
ライはそう考えるとシャーリーが持ってきていた拳銃を構える。
彼女がこれを持っていたのは今の自分にとっては救いだ。
これなら十分戦える。
しかし、ネックはやはりシャーリーがいることでもある。
ここからでは下にも上にも行く道がないのだ。
シャーリーを庇いながら戦うとなると難しい状況ではある。
「ライ・・・・君」
震えるシャーリーがライに縋り付いてくる。
「シャーリーはここにいて・・・・・・大丈夫。シャーリーは絶対に僕が守るから」
ライはそう言うと返事を待たずに物陰から飛び出していった。

638:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 21:10:23 GhkM9Xpl
支援!

639:コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk
08/11/01 21:14:29 Fx7bt6s0
ライが煙から飛び出したのを男たちは見つけると拳銃で一斉に撃ってきた。
それをライは超人的なスピードで走り、物陰に飛び込むとすかさず近くにいた男の1人を撃ち殺す。
そのままライはまた別の物陰に飛び込み、銃弾の雨を防ぐ。
スザク並とまではいかないが、超人的なスピードで男たちが狙いを定められていない。
2人目が殺された時点でもう男たちはライしか視界に入っていないようだった。
徐々にライはシャーリーが隠れている物陰から男たちを引き離していく。
「そろそろかな」
ライは物陰に隠れながら携帯でシャーリーに連絡する。
携帯の着信音がしないか心配だったが、拳銃を撃つ音が響いて聞こえなかったようだ。
『ラ、ライ君!?』
「シャーリー、今あいつらを引き離しているからその内に階段で下に一気に降りて」
『で、出来ないよ』
「大丈夫。シャーリーの運動神経ならすぐだから・・・・・僕が援護する」
『でも、それだとライ君が・・・・・』
「僕は大丈夫・・・・・・だから、僕を信じて」
『・・・・・・・分かった』
そう答えたシャーリーの声は震えていたが、彼女の決意の色は窺えた。

640:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 21:14:42 GhkM9Xpl
支援

641:コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk
08/11/01 21:17:08 Fx7bt6s0
「それじゃあ・・・・1・・・・2・・・の・・・・・3!!」
ダッ!とライとシャーリーは同時に飛び出した。
シャーリーのほうに気が付いた男をライはすぐさま撃ち殺す。
そのまますぐに自分は物陰に飛び込み、残りの2人へと牽制として銃を撃つ。
幸い2人の方はライに気が向いてしまっているためシャーリーに気が付いていない。
シャーリーの方はあと数メートルというところだった・・・・・・しかし・・・・。
「あっ!」
シャーリーは躓くと転んでしまっていた。
恐怖の所為で足が竦んで動けないのを無理に動かしたからだろう。
むしろこの状況下であの距離を普通の学生が走れたほうが不思議だったのかもしれない。
転んだ音に男の1人が気が付いたらしい。
シャーリーの目には自分のほうへと拳銃を向ける男の姿が見えていた。
(嫌っ!ルル!)

バァン!

642:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 21:17:44 GhkM9Xpl
支援!

643:コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk
08/11/01 21:19:28 Fx7bt6s0
「ぐぅっ!」
その声を聞き、目を開けるとライは両手を広げてシャーリーを庇っていた。
先ほどまであんなに遠くにいたのにここまで一瞬で着いたのだろう。
そんな疑問と共にライの脇腹が赤く滲んでいくのが見えた。
「こ・・・・のっ!」
ライは痛みに顔をしかめながらも先ほど撃った男を撃ち殺す。
しかし、そこまでが限界でライは片膝を付いてしまう。
それでもライはシャーリーを庇うように立っている。
「ライ君!もういいよ!私のことはいいから!」
「良くないよ・・・・シャーリーは僕の友達なんだ・・・・・・」
「それに」とライは言葉を続けた。
「もうこれ以上・・・・・大切な誰かを・・・・失いたくはないんだ」
そうやってライは気力で立ち上がるが、どうにもならない。
もう男が目前にまで迫ってきていた。
「この化け物め・・・・・まぁ、いいでしょう。それでは・・・・死んでください」
そうして銃口を向けてくる男をライは悔しそうに見つめる。
銃を持つ手が上がらない。
(守れないのか・・・・・僕は・・・・・また・・・・・・)
母親や妹のことがフラッシュバックのように蘇ってくる。
その姿がシャーリーやルルーシュに変わる。
(嫌だ!僕は・・・・僕は・・・・・誰か・・・・・誰か助けてくれ!)
そう心の中で叫んだ時だった。

644:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 21:20:01 GhkM9Xpl
支援

645:コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk
08/11/01 21:23:06 Fx7bt6s0
「受けよ!忠義の雷!!」

その声と共に上の階から飛び降りてきた人物が男を斬り伏せていた。
その状況にライとシャーリーは目を丸くした。
「ライ卿、遅れてすまなかった」
「・・・・ジャレミア・・・・ゴットバルト?」
目の前にいる人物こそルルーシュを狙ってきた刺客のはずのジェレミアだったのだ。
「何・・・・で・・・・」
「ライ卿を助けろと我が主ルルーシュ様のご命令だったのだ」
どうやら目の前の男からは殺意を感じない、本当のようだ。
何があったのかは分からないが、ルルーシュがうまく事を運んだらしい。
「ルルーシュは・・・・無事・・・・なんですね」
ライの言葉に頷くジェレミアを見るとライは嬉しそうに笑った。
ルルーシュもシャーリーも無事だったことでライの中から力が抜ける。
「よか・・・った・・・・」
そこでライの意識が途切れた。

646:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 21:23:32 GhkM9Xpl
支援!

647:コードギアス REGAIN COLORS ◆l.sZv3iNKk
08/11/01 21:25:05 Fx7bt6s0
『何故ライが狙われた。奴らの狙いは俺一人じゃなかったのか!』
C.C.は目の前の画面に映る怒りに震えているルルーシュを見る。
いつもの冷静さの欠片も感じられなかった。
「ライがギアスを持っているからだろう」
『それが何故知られている。ライのギアスを知っているのは俺やお前ぐらいだろう』
「いや、奴らはライについて知っているだろうな」
『どういうことだ?』
本当のことを話しておかない限りルルーシュが落ち着くことはないだろう。
C.C.はそう判断するとゆっくりと口を開いた。
「V.V.だ」
『今の嚮団のトップか、そいつがライについて知っていたと?』
「あぁ、そうだ」
『だが、どうしてそいつがライについて知っている。面識はないのだろう?』
そのルルーシュの言葉にC.C.は少し目を伏せる。
「あいつにライを会わせたのは私だ」
『何っ!?』
それはライが眠りに付く時のことだ。
C.C.は神根島の遺跡でライの眠りに付かせることをV.V.に任せていたのだ。
あの時はV.V.がその遺跡にいたことやV.V.自身も狂王に興味があったことで了承を得ることが出来た。
しかし、向こうにライの存在を知られてしまうこととなった。
『何故、会わせていた。いや、そもそもいつの話だ』
「それを聞いてもお前には分からないさ。それでルルーシュ、お前はこれからどうするんだ?」
そう言いながらもC.C.にはルルーシュの答えの予想は付いていた。
そして、決めていた。嚮団の最期を見届ける覚悟を・・・・・・・・。

648:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 21:25:37 GhkM9Xpl
支援

649:ピザの配達人 ◆l.sZv3iNKk
08/11/01 21:29:11 Fx7bt6s0
以上です、いかがでしたでしょうか?
とりあえずこれでシャーリーの死亡フラグは回避ということにしました
ジェレミアの登場シーンはやはり最初はカッコイイものにしたかったのでこういった形に
そして、ギアス編での最後のV.V.の登場部分の意味もこちらで勝手に作りました

色々と物語が変わってきましたが、このまま見ていって頂けると嬉しいです
それではまた次の配達で!

650:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 21:42:29 GhkM9Xpl
>>649
ピザの配達人卿、GJでした! 今回もとても美味しくいただきました!
シャーリーが、シャーリーが生き残った……
ある意味最大の分岐点が発生!
ここからの展開がいよいよ読めないものに!
しかし、嚮団は殲滅するみたいですね。
そしてジェレミア卿が無駄なまでに素敵ですw
今回もお腹が膨れました。
貴公の次の配達を全力を挙げてお待ちしております!

651:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 22:25:59 TvBOydZM
>>649
GJでした!!
やっぱりシャーリー生存は良いもんですね。
次回の投下をお待ちしてます。

さて、自分も投下したいのですが、19レス程度使用しますので
どなたか支援して頂けませんでしょうか?

652:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 22:27:10 GhkM9Xpl
了解しました。
我が全力で支援しましょう!

653:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 22:27:22 pjK9NCKg
支援しますよ

654:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 22:29:59 TvBOydZM
有り難うございます。ではその前に例の如く注意書き等を少々。

タイトル  ~ 狂気の片鱗(後編)~
カップリング なし 
前作 ~ 狂気の片鱗(前編) ~ の続きになります。

以下注意点
●黒騎士ルートを準拠してます。
●全体的に暗いです。
●王様ライの性格は自分の考えに依存してます。苦手な方はご注意下さい。
●前回に続き、オリキャラ1名出ます。名前は無いですが、同じく苦手な方はご注意下さい。


では、投下行きます。

655:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 22:30:32 GhkM9Xpl
支援

656:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 22:32:26 TvBOydZM
    ~ 狂気の片鱗(後編)~

謁見の間に戻ったライは一人、皇帝に報告を行っていた。
「ご苦労であった。して……あの者の姿が見えぬが?」
皇帝が相変わらずの鋭い視線を浴びせながら問い掛けると、誰を指しているのか理解したライは、淡々とした口調で返す。
「此処に来る途中で、本来の仕事に戻るよう命じておいた。予定通りだろう?」
「そうであったな」
「しかし、ゼロを模した姿で嘗てゼロであった者を監視させようとは。愉快だが、今後の事を考えると少し頭が痛いな」
「ほぅ。不服か?」
珍しく愚痴とも聞き取れる発言に気を良くしたのか、皇帝は笑いを含んだ口調で問うが、ライは軽く首を振った後、渋々といった様子で答えた。
「趣味では無いだけだ」
その様子が気に入ったのか、皇帝は今度こそ愉快そうに笑みを浮かべた。
ライは、その表情が些か気にくわなかったが、咎めたところで皇帝は意にも返さないという事も、この数ヶ月で十分に理解していた。
「ついでだ、例の報告をしておく」
さっさと立ち去るべきと判断したライは、普段モニター越しに行っている報告を行う。
「今のところ、C.C.がルルーシュに接触しようとした形跡は無い」
それを聞いた皇帝は、両眼をスッと細めると感慨深げに述べた。
「思いの外、慎重であるか」
「ああ、あまり長引くのは避けたい所なのだがな。エリア11では残党狩りも行っていると聞く。その際に捕縛出来れば手っ取り早い。
このままの状態が続くとなると、何れこちらから誘い出す事も視野に入れる必要が出てくるが?」
「その際には御主に一任する。それと、もう一つの件はどうなっておる?」
未だルルーシュの身辺に変化が無いという事を聞いた皇帝にとって、今は恐らくそちらの方が気掛りなのだろう。

657:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 22:33:34 GhkM9Xpl
支援!

658:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 22:34:52 pjK9NCKg
支援の嵐

659:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 22:35:50 TvBOydZM
「そちらも、今のところ動きは無い。だが、杞憂ではないか?」
「そうである事を願っておる」
「そうか……まあ、いい。今回はこんな所だ。しかし、いつもと変わらないな」
「そう言うでない。ご苦労であった」
皇帝からの労いの言葉に対して、ライは静かに頷くと外套を翻して部屋を後にした。
―――――――――
帝都の一室には、ラウンズ専用の談話室がある。
ライとの拝謁を終えた彼等は、その場所に戻ると、思い思いに寛いでいた。
が、そこでスザクは先程の件について、ジノから追求を受けていた。
「なあ、スザク。だからさっきの態度はどういう事なのか説明してくれよ」
「本当に済まないと思ってる。ジノには感謝してるよ」
友人の豹変した理由を知りたかったジノは、スザクの背中に寄り掛かるかのような姿勢で何度も同じ問い掛けをしていた。
しかし、スザクは謝罪の言葉を繰り返すだけで、一向に理由を話そうとしない。
それに、スザクはこういった事をされると、決まって―重いんだけど―と抗議してくるのだが、余程反省しているのか、その言葉はまだ聞こえてこなかった。
その事に気を良くしたジノは、次第に当初の目的などどうでも良くなってきた。
普段中々取る事の出来ないスザクとの、こういったスキンシップを暫く楽しむべきかなと考えたようで、一向に解放する様子が無かった。
一方で、いい加減身体を支える事の限界に近付いていたスザクは、とうとう根負けした。
「分かったよ。話すからどいてくれないか?」
話すと言われてしまっては仕方ない。
ジノは―はいはい―と言うと背中から離れる。
重荷から解放されたスザクは、肩を二三度揉んだ後、辿々しい口調で理由を話したが、それを聞いたジノは拍子抜けした。

660:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 22:36:01 GhkM9Xpl
支援

661:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 22:36:32 pjK9NCKg
紫煙

662:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 22:39:09 TvBOydZM
「何だそれ?ゼロは死んだんだろ?あれがゼロの訳が無いって事くらい気付くべきだろ?」
「頭では理解していたよ。けど、心がついて行かなくてさ」
ジノの感想は、―呆れた―と言った様子ではあったが、正論を吐かれてしまったスザクは、ぐうの音も出ない。
スザクが少し肩を落としていると、直ぐ傍で聞き耳を立てていたアーニャから、トドメとも言える言葉が飛んで来た。
「でも、時と場所ぐらいは考えるべき」
アーニャは、携帯をイジリながら画面より顔を上げる事無くそう言った。
その言葉に、スザクは俯くと―ごめん―と呟くように謝ったが、傍でアーニャの言葉を聞いたジノが悪ノリした。
「そうそう、アーニャでさえ写真を撮る事は控えてたし―」
「ジノ、それは何かの侮辱?」
その時になって、初めてアーニャは顔を上げると悪ノリしているジノに冷めた視線を向けた。
「いやいや、滅相も無い」
やり過ぎたと思ったジノは、首を左右に振って否定するが、そんな彼をアーニャは無言で見つめ続けた。
―――――――――
一方、少し離れた場所ではジノの弁明を曲代わりに、ソファーにゆったりと腰掛けていたノネットが徐に口を開いた。
「ビスマルク、あの殿下は一体何物だ?」
しかし、いきなり問われたにも関わらず、ビスマルクは冷静に嘯いてみせる。
「さて?私は陛下より、殿下をあの場にお連れするよう命を受けただけだからな」
彼は、ライの事について皇帝より全て聞かされていた。
それは、同じラウンズと言えども決して話す事など出来はしない事。
何よりも、あの青年が古の王、国是の元となった伝説の王なのだと言う事など、話したところで信じないだろうとも思っていた。
ビスマルクは顔色一つ変える事は無かったが、やはりその程度の言葉ではこの女傑の疑念は払拭出来なかった。

663:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 22:40:58 pjK9NCKg
支援

664:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 22:40:58 D6ONQgbd
支援

665:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 22:42:25 TvBOydZM
「まあ、今はそう言う事にしておこうか」
まるで、―直に聞き出してやるぞ?―とでも言いたげにノネットは口元を僅かに歪ませた後、快活に笑った。
そんな彼女の様子を横目に、ビスマルクは一人心の内で嘆く。
―いつまではぐらかせるか……。面倒な事にならなければ良いが。
二人がそうこうしていると、その会話が聞こえたのか、未だにアーニャの冷たい視線を背負ったジノが割り込んで来た。
「な、なあノネット。あの殿下の事を話してたのか?」
「何だジノ、もう逃げて来たのか?情けないな」
ノネットが先程の快活な表情そのままに指摘すると、ジノは軽く頭を掻きながら苦笑を浮かべた後、話しを逸らそうとする。
「いや、まあ……あれ?そういえば他の連中は?」
白々しいまでの態度だったが、ノネットは―仕方が無いな―と言った表情を浮かべた後、話しに乗った。
「モニカは部隊の訓練。ドロテアは各エリアの視察に戻ったよ」
「そっか。二人とも大変なんだな」
「おいおい。言っておくが私も忙しい身だぞ?」
ジノの感想には、自分が入っていなかった。
その事に―暇人扱いされては堪らない―と思ったノネットは、釘を刺すように付け加えたが、ジノは尚も白々しい様子で問い掛けて来た。

「あれ?何か任務でもあったっけ?」
「ああ、私はこれからコーネリア殿下の見舞いだ」
あっけらかんとした口調で、そう言い放つノネットを見て、ジノは思わず突っ込んだ。
「それってさ……任務って言えるのか?」
対してノネットは、胸を張ると堂々と答える。
「言えないな。だが、これは私にとっては任務以上に重要な事だ」
まるで―文句あるか?―とでも言いたげなその態度に、ジノは思わずずっこけそうになる。

666:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 22:42:38 pjK9NCKg
支援

667:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 22:45:02 TvBOydZM
そんな二人の漫才のようなやり取りを見つつも、問われてはいないが、同じく暇人扱いされるのは嫌だったのか、アーニャが割り込んだ。
「私は、これからナナリー皇女殿下の警護」
ノネットは、アーニャの発言を微笑ましく思いながらも―これは使えそうだ―と思うと、我関せずといった様子でいる男に、再び狙いを定めた。
「なあ、ビスマルク。皆こうして忙しい合間を縫って集まったんだ」
自分に話しを振って来た時点で、ビスマルクは彼女の狙いに気付いていたが、敢えて遮る事はせずに目で続きを促すと、それを認めたノネットは、悪戯っぽい笑みを浮かべながら尋ねる。
「そこでだ、知ってる事を話してくれても良いんじゃないか?」
予想通りの言葉に、ビスマルクは―私は、これから一体どれだけこの言葉を聞く羽目になるのだろうか―と思いつつも、アッサリと受け流す。
「それは理由にはならないな。我々はラウンズだ。ラウンズとは、陛下の勅命があれば何があろうとも馳せ参じるもの。それに、陛下は皆に殿下を紹介せよと私に仰せになられただけだ」
相変わらず堅苦しいビスマルクの返答に、ノネットはつまらなそうな視線を投げ掛ける。
だが、それを受けても尚、ビスマルクの表情は変わらない。
「私を疑いたければ疑えばいい。だが、陛下を疑う事は許さん。例え黒であろうとも、陛下が白と仰れば白なのだ。それを忘れるな」
「しかしな、黒を白と仰るのであれば、お身体を気遣うのも我々ラウンズの役目じゃないか?」
ノネットの発言は、聞きようによっては不敬とも取れるものだったが、彼女の帝国に対する忠誠心は疑いようもない事をビスマルクは知っている。
その為、本来なら追求する事は無いのだが、いい加減攻められ続けるのも飽きてきた彼は、これ幸いとばかりに、ここに来て初めて表情を崩すと似合わない笑顔を浮かべた。
「そんな台詞を、ベアトリスが聞けば何と言うかな?」
すると、その名前を出されたノネットは、彼女にしては珍しく苦虫を噛み潰したかのような表情を浮かべると、
「分かった分かった。忘れてくれ」
そう言うと、降参だとでも言いたげに手を振った。
そんな二人を見ながら―相方を取られた―ジノは、再びスザクに寄り掛かりながら尋ねる。
「暇だよな」
しかし、スザクから返答が来る前に、未だ先程の件を許した気は無かったアーニャが口を開く。

668:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 22:46:12 pjK9NCKg
支援!

669:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 22:48:28 TvBOydZM
「スザクとジノを一緒にしないで」
再び投げ掛けられた冷たい視線。
ジノは、彼女を相手に二度と悪ノリはしまいと心に誓いながら、謝罪の言葉を口にする。
「悪かったって。アーニャ、まだ怒ってるのか?」
「別に」
そう言うと、アーニャは半ばソファーに埋もれかけた身体をプイッと横に逸らした後、携帯を弄りながら続ける。
「スザクは覚える事も色々ある。作法についてもそう。今日も私達に合わせられなかった」
アーニャに最早その気は無いのだが、まさか再び追求されるとは思っていなかったスザクは、―参ったな―と言った表情を浮かべると軽く頭を掻いた。
「それに、直にEU戦線に向かう」
すると、続いて語られた彼女の言葉に、この中でただ一人その事を知らなかったジノは驚きの声を上げた。
「えっ?そうなのか?」
「うん。この度の件と一緒に命じられたんだ」
そのスザクの言葉に、ジノはまるで自分の事のように喜んだ。
「そうか!良かったじゃないか!」
戦場に向かうというのに、何をそんなに喜ぶのかと傍目には映るだろうが、ジノはこの中で誰よりもスザクの実力を買っていた。
だが、軍内部には、未だナンバーズに対しての偏見が根強く、ラウンズであるスザクに対してもそれは例外では無い。
ただ、面と向かってそれを言う人間は皆無である。

それは即ち、影口を叩く輩が多いという事だ。
だからこそ、そんな連中にスザクの実力を知らしめる為にも、これは又と無い機会なのだ。
そんなジノの気持ちを分かっているスザクは、友人からの言葉を嬉しく思い―ありがとう―と感謝の言葉を口にした。
その場を暖かかな雰囲気が流れる。
だが、ビスマルクがそれをぶち壊した。

670:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 22:49:45 pjK9NCKg
支援?支援!

671:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 22:51:03 TvBOydZM
「枢木。認められたければ戦功を挙げろ」
彼の名誉の為に言っておくが、当の本人にぶち壊そうとする気はさらさら無い。
ビスマルク自身、スザクの事はそれなりに評価しており、発破をかけるつもりでの言葉だったのだが、如何せんその口調は堅苦しい上に威厳が有り過ぎた。
アーニャは相変わらずの無表情だっが、ジノは何とも言えない複雑な表情を浮かべ、ノネットは思わず額に手をやりながら嘆いた。
―全く、言い方ってもんがあるだろう……。
だが、スザクにとって、それは有り難い言葉に聞こえたようだ。
「Yes, My Lord!」
スザクは明確な意思を宿した強い瞳でそう答えると、それを見たビスマルクは静かに頷いた。
すると、気を取り直したジノは、スザクの背中を軽く叩いて再び激励の言葉を送り、アーニャはそんな二人を記録する。
ノネットも、心配したのが馬鹿らしくなったのか軽く笑うと、祝いの言葉を送った。
仲間からの一通りの祝辞が終わると、ふと当初の話しを思い出したジノが一人愚痴をこぼす。
「じゃあ、暇なのは私とブラッドリー卿だけか」
が、再び指摘された。
「違う。ナイトオブテンもスザクと一緒に行く」
「あらら、それは―」
先程とは一転して、哀れむかのような表情を浮かべたジノは、辺りを見渡した。
スザクがそんなジノの様子に首を傾げると、代わりにノネットが答える。
「枢木。同僚の事を余り悪く言いたく無いが、あいつの噂は色々と聞いているだろう?気を付けろよ」
憂いを帯びた表情でノネットはそう忠告すると、室内を見渡し終わったジノが疑問を口にした。
「で、そのブラッドリー卿は?」
「さっき、何か嬉しそうな顔をしながら出て行った」
アーニャの発言に対して、不審に思ったビスマルクが問う。

672:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 22:52:09 pjK9NCKg
支援

673:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 22:53:54 TvBOydZM
「それはいつ頃だ?」
すると、アーニャは少し首を傾げて思い出すかの仕草を見せた後、こう言った。
「ジノが逃げた頃?」
その言葉を聞いた瞬間、彼等は同じ事を思い起こすと共に、押し黙ってしまった。
その頃と言えば、丁度、ノネットとビスマルクがライについて話していた頃だ。
不意に一同の頭の中に、先程のライとルキアーノのやり取りがよぎった。
全くもって嫌な予感しかしない。そして、不幸にもこういう時の予感というのは、大抵当たる。
沈黙を打ち破るかのようにノネットが問う。
「なあ、あいつまさかとは思うが―」
すると、何時になく真剣な面持ちでジノが応じる。
「ちょっとヤバいかもな」
アーニャも携帯を弄るのを止めて呟く。
「殿下、ピンチ?」
すると、悲鳴にも似た声でスザクが叫ぶ。
「ヴァルトシュタイン卿!!」
皆、一様にライの身を案じていた。
それと同時に、スザクを除いた彼等は、幾らルキアーノでも流石に皇族相手に無茶はしないだろうとも思っていたが、如何せん相手はブリタニアの吸血鬼との異名まで持つ男だ。
ハッキリと断言出来ない。

674:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 22:56:18 pjK9NCKg
しーえん

675:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 22:57:10 TvBOydZM
―あの男の前で、二度と挑発だけはしてくれるなっ!!
仲間からの言葉を聞きいたビスマルクは、心の中でそう叫んだ後、勢い良く立ち上がると出口に向かって一目散に走り出した。
だが、彼等と違って、ビスマルクのそれはライの身を案じての行動では無い。
ライの伝え聞く所業と、何よりもギアスの力を知っている彼にとって、危険なのは寧ろルキアーノの方だった。
そんなビスマルクの行動を見たスザクも、すかさず後を追う。
スザクの場合は、純粋にライの身を案じて居ても立っても居られなかったからだ。
二人の突然の行動に呆気に取られていた3人は、勢い良く扉が開閉する音を聞いて我に返った。
「……さて、それでは後を追うとしようか」
そう言ってノネットはソファーより立ち上がると、軽く背伸びをした後、出口に向かって歩き出した。
だが、そんな彼女を見てジノが問い掛ける。
「あれ?お見舞いは?」
ビスマルクが向かったのならば大事にはならないだろうと思っていたノネットは、その言葉にクルリと振り向くと、心底嬉しそうな笑みを浮かべた。
「無論行くさ。だが、土産話の一つでも、持って行って差し上げたいからな」
そう言って歩き去るノネットから呆れ顔で視線を移したジノは、未だに携帯を弄っているであろう同僚に声を掛ける。
「なあ、アーニャ。私達も行こうぜ……ってあれ?」
が、先程までそこに居た筈のアーニャの姿はいつの間にか消え失せて、慌てたジノが出口を見た時、
「記録する」
「ハハッ!それは良いな」
そこには、ノネットと会話しながら並んで歩くアーニャの姿があった。
「おいおい、ちょっと待ってくれよ!」
そんな二人の姿を見たジノの悲痛な叫びが、室内に木霊した。
―――――――――

676:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 22:58:57 pjK9NCKg
支援こそ我が忠義の証

677:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 23:00:59 TvBOydZM
皇帝への報告を終えた後、嚮団へ戻るべく謁見の間より退出したライは、そこで待ち構えていた一人の男、ルキアーノ・ブラッドリーに声を掛けられた。
「これはこれは、殿下。お待ちてました」
ライの姿を認めたルキアーノは、優雅に腰を折りながら愉悦を含んだ口調で語り掛けたが、ライは全くの無表情で応じる。
「私は待たせた覚えは無い」
「ご冗談を。あのような熱烈な視線を向けておいて、今更それは無いのでは?」
その言葉に、ライはまともに付き合うのは馬鹿らしいと結論付けると、無視するかのようにルキアーノの脇を通り過ぎようとした。
「おっと」
だが、その声と共に、ルキアーノはライの行く手を阻むかのように立ち塞がると、再び間近でライの姿を観察する。
―おやおや、これはまた何とも華奢な皇子様だ。
だが、先程とは打って変わって、ルキアーノからの値踏みするかのような視線を受けても、ライが表情を変える事は無かった。
「何のつもりだ?」
「殿下に興味があるんですよ。少しお付き合い頂けませんかねぇ?」
そう答えたルキアーノの口元が妖しく歪む。ライが先程見せた殺気が、ルキアーノを刺激していたのだ。
あれはどう考えても戦場を知る者が纏うもの。だが、それは皇族だからと言って特段珍しい事では無い。
コーネリアのように自ら戦陣を駆けるような、武勇の誉れの高い皇族も居るのだから。
しかし、ライと言う皇族の名前は、ルキアーノ自身初めて聞いた名前だった。分からない事だらけの謎の皇子。だが、それが余計にそそるのだろうか。
その為、逃がすまいと思い咄嗟に取った行動だったのだが、それはするべきでは無かった。
―下らない。そんな事で私の邪魔をしたのか。
次の瞬間、視界からライの姿が消えると同時に、ルキアーノの世界は反転した。

678:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 23:03:30 pjK9NCKg
しえん

679:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 23:03:51 TvBOydZM
油断していた訳では無い筈だった。。
先程の件で、ライが只者で無い事ぐらいは感じ取っていた。
だが、改めて間近で見たライの体格は、どう考えても自分より劣るものだった。
誤解の無いように言っておくが、相手を外見で判断する事の愚かしさはルキアーノも知っている。
しかし、それを差し引いたとしても、ライの身体は華奢過ぎた。それこそ、女と見間違う程に。
それ故か、ほんの少し心の片隅で舐めていた。
その時になって、初めて己の慢心に気付いたルキアーノだったが、時既に遅く彼の視界には天井が映っていた。
「がっ!?」
同時に、ルキアーノは背面に強烈な衝撃と痛みを感じ、その時になって初めて自分が投げ飛ばされたという事を理解した。
それは一瞬の出来事で、受け身を取る暇さえ無かったルキアーノは、呼吸さえままならない。
すると、痛みで顔を苦痛に歪ませているルキアーノの視界に再びライの姿が映る。
「無様だな」
全く感情を感じさせない表情のままライが告げると、その言葉を聞いたルキアーノは、相手が皇族だという事も忘れ、怒りの赴くまま懐に忍ばせた短刀に手を掛ける。
が、全て見透かしていたのか、華奢な身体のどこにこんな力があるのかとも思えるような腕力で、ライはアッサリとその腕を捻り上げた。
「ぐあっ!?」
そして、彼の代わりに素早く短刀を手に取ると、その剣先をルキアーノの喉元に向ける。
ルキアーノは身動きを取る事も出来ず、屈辱から来る憎悪に顔を歪ませながらライを睨みつけるが、その時、不意に―パキンッ!―と乾いた音が聞こえた気がした。
ライの一切の表情を消した白磁器の様に白い顔、その口元に亀裂が走ったのだ。
それがゆっくりと広がってゆく度に、ルキアーノの聴覚にあの音が響き、自身を見つめる蒼い瞳に光が宿る。
やがて、音が完全に鳴り止んだ時、ルキアーノの視界に居たのは、最早、人形などと形容する事等出来ない、死笑を浮かべたライの姿があった。
その余りの変貌ぶりに、ルキアーノが声を失っていると、ライはその壮絶な笑みを絶やす事無く問い掛けた。

680:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 23:05:32 pjK9NCKg
しーえーんー

681:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 23:07:04 TvBOydZM
「さて、下郎。覚悟は良いか?」
それは、数多の戦場を渡り歩いて来たルキアーノをもってしても、思わず肌を粟立せずにはいられない。
そんな底冷えするかのような響きを持っていた。
「貴様の勇気は褒めよう。だが、私の行く手を阻んだ行為は、許せるものではない。その事については、それ相応の対価を払ってもらおうか」
「対価……だと……?」
最早、敬語を使う余裕など今のルキアーノには無かった。
だが、ライはそんな彼を咎める事無く言い放つ。
「貴様の命だ」
「お、脅しのつもりかっ!?」
「脅し?まさか―」
ルキアーノの問いに対して、そんなつもりなど毛頭なかったライは、心底驚いたようで瞳を大きく見開いた。
その態度に、本気で殺そうとしている事を感じ取ったルキアーノは、悲鳴にも似た思いを抱く。
―奪われるだとっ!?この私がっ!?
この時、ルキアーノは本能的に感じ取った。こいつは断じて皇族では無いと。
そんなルキアーノの思いを余所に、ライは再び笑みを深めていく。
それは、最早人が浮かべて良い類のものでは無かった。数多の戦場で奪い続けて来たのは、何もルキアーノだけでは無い。
ライ自身、その手で奪い続けて来たのだ。狂気をその身に纏いながら。
そう考えると、この二人は似ていた。だが、二人を知るビスマルクに言わせれば似て異なるもの。
己の快楽を求めるがあまり、自ら望んで狂っていったルキアーノ。その狂気は普段から消える事は無い。
その為か、それは傍目にも分かりやすく近づく人間は限られる。
対照的に、大切な二人を護る為に狂わざる負えなかったライ。その狂気は、普段は鳴りを潜めており傍目には分からない。
しかし、分かった時にはもう遅いのだ。故に、最も恐ろしいと言える。
ライがルキアーノの喉元に短刀を突き立てようとしたその時、
「殿下っ!!」
一帯に大きな声が響いた。
その声に、軽く舌打ちをしたライが振り向くと、そこにはビスマルクとスザク、二人の姿があった。

682:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 23:09:49 pjK9NCKg
支援

683:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 23:10:49 TvBOydZM
―――――――――
スザクの目の前には、異様な光景が広がっていた。
ライの横顔。嘗ての優しさを帯びた柔和なそれは狂気に歪み、まるで楽しむかの如く目の前の命を摘み取ろうとしていた。
―ライ、止めるんだ!君はそんな事をしてはっ!!
そう思い今直ぐ傍に行って止めようとしたが、身体がそれを拒んでしまう。
―ギアス―
その忌むべき呪いがスザクの行動を阻害した。だが、彼のせめてもの抵抗か。
逃げたしたい衝動を必死に押さえ込み、何とかその場に留まり続けると、同時にスザクの心に黒い感情が沸き上がる。
それは、この呪いとそれを掛けた嘗ての友、ルルーシュに対して。
そんなスザクの思いを余所に、ビスマルクの声に気付いたライが、ゆっくりとした動作で振り向くと、その表情を見たスザクは思わず言葉を失った。
スザクの目に映ったのは、一転して邪魔をするなと言わんばかりの憤怒の表情を浮かべ、あの時以上の覇気を纏ったライの姿だった。
今のスザクはライが豹変した理由を知るよしも無い筈なのだが、
―違う。彼は俺の知ってるライじゃない!
スザクは咄嗟に理解した。何故、ライがここまで変わってしまったかという事を。
ライもまた、皇帝が持つそれに支配されているのだと。
だが、これがライのもう一つの顔だと言う事までは、予想の範疇に入ってはいなかったようで、スザクはギアスに対する憎しみを更に深めていった。
スザクが、ギアスの呪いと必死に戦っている時、他のラウンズも遅れながら到着したが、同じくその光景を見て唖然とした。

684:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 23:12:22 pjK9NCKg
支援


685:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 23:13:14 TvBOydZM
「おいおい、本当かよ」
有り得ないと言った様子で呟くジノを余所に、
「……………」
ノネットは剣呑な表情を貼付けると、無言のまま事の成り行きを見送っていた。
一方で、アーニャは相変わらずの無表情でカメラのシャッターを切る。
「一体、何をなさるおつもりですか!?」
明らかに怒気を含んだ口調でビスマルクが問い掛ける。
だが、ライはその言葉に落ち着きを取り戻したのか、スッと先程の無表情に戻した後、今だ憎悪を露にしているルキアーノに対して、事も無げに問い掛けた。
「別に?只の戯れだ。なあ、ブラッドリー卿?」
―只の戯れ―
その言葉は、ルキアーノにとって今まで浴びせられた事も無い程の屈辱だった。
―奪ってやる!!こいつの大切な者をっ!!
心の内でそう誓いながら、射殺さんばかりの視線を浴びせるが、ライは全く動じる事が無かった。
「兎に角、止めて頂きたい。我々ラウンズの命は皇帝陛下の物。いかに殿下といえども―」
そこまで言いかけたビスマルクの言葉を、ライは短刀を床に突き立てると、キインッ!と言う音と共に遮った。
そして、スッと立ち上がると、未だ床に身体を預けているルキアーノに視線を移す事無く、無言でその場を立ち去って行く。
「ルキアーノ。無闇に殿下を刺激するな」
ビスマルクは、憎悪に取り憑かれたかのような表情で居るルキアーノに、忠告とも言える言葉を告げると、ライの後を追うようにその場を後にした。
―――――――――

686:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 23:14:21 pjK9NCKg
支援…

687:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 23:15:40 TvBOydZM
スザクが、ビスマルクと共にその場を去って行くライの姿を、唇を噛み締めながら見つめていると、不意に背後より声を掛けられた。
「枢木。お前はあの殿下と知り合いなのか?」
驚いたスザクが慌てて振り向くと、そこには何時になく真剣な表情を浮かべたノネットの姿があった。
「……何故、そう、思われるのですか?」
「お前の態度を見ていて何となくな」
「…………いえ、知りません。殿下とは、今日初めてお会いしました」
一瞬言葉に詰まったスザクを、ノネットが見逃す事は無かった。
―間違いなく何かを知っているな―と直感したが、問い詰めた所で恐らく無駄だろうとも思った。
何よりも、他人のプライベートな話しに首を突っ込む事は、褒められたものでは無い。
しかし、彼女生来の面倒見の良さから来る事なのか、放っておく事も出来なかった彼女は、せめてもの警告の言葉を送る。
「私から一つ忠告しておく。殿下には近付くな」
「えっ!?」
何故と言った表情を浮かべるスザクに対して、ノネットは表情を崩す事無く告げた。
「あれを見ても分かるだろう?ヤバい気配がプンプンするんだよ。こう見えても私の勘は確かだぞ」
そして―私は、少なくとも関わり合いにはなりたくない―と付け加えると、一転して―土産話が無くなったな―と快活に笑うと、足早にその場を後にしてしまった。
何はともあれこれ以降、ノネットがビスマルクを追求するという事は無くなり、彼の肩の荷が降りた事は確かだ。
そんなノネットを余所に、スザクは向き直ると、小さくなって行くライの後ろ姿を悲しげな表情を浮かべたまま見送った。
―――――――――

688:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 23:16:28 pjK9NCKg
支援

689:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 23:18:44 TvBOydZM
カノン・マルディー二は悩んでいた。他ならぬ主君の考えに、である。
突然現れた異母弟に対して、シュナイゼルは何ら興味を示さなかったからだ。
だが、機情の長という存在には興味を示したようで、それについてはカノンに指示を下した。
その後、皇族達の話し合いはお開きとなり、廊下を歩くシュナイゼルの後ろをカノンは静かに従っていたが、彼の主君があの言葉を口にする気配は一向に無い。
やがて、シュナイゼルの執務室の前まで来た時、居ても経ってもいられなくなったカノンは行動に移した。
「殿下、先程の件の続きですが、念の為にライ殿下の事も調べておいては如何ですか?」
頼まれたのは機情の長の事についてのみで、その事を少々不思議に思ったカノンは付け足す様に尋ねたのだが、返って来た主の言葉に耳を疑う。
「彼の事は放っておいていいよ」
「っ?ですが―」
「放っておくんだ。いいね?」
有無も言わさぬ口調で告げられてしまい、カノンはそれ以上何も言う事が出来ず、
「……畏まりましたわ」
そう返す事しか出来なかった。
だがその時、シュナイゼルの瞳が紅い縁取りに彩られていた事を、カノンが気付く事は無かった。
カノンの言葉を聞いたシュナイゼルは、静かに微笑んだ後、満足したのかそれ以上何も言う事は無く、再びカリグラの件を頼むと、扉の奥に消えていった。
「殿下は一体どうされたのかしら……」
カノンは自室に戻ると、その時の様子を思い出し一人ぼやいた後、再び考込む。
が、一向に答えが出る気がしなかった。
―考えていても仕方ないわね。
そう思い立つと、今は命じられた通りの事をするだけと気持ちを切り替えると、受話器を手に取り何処かへ連絡を取り付けた。

690:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 23:19:41 pjK9NCKg
支援

691:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 23:21:39 TvBOydZM
暫くして、カノンに呼ばれたであろう一人の男が現れると、開口一番、シュナイゼルからの頼みを実行に移す。
「急に呼び出して済まないわね。機情の長について調べて欲しいの。手配はこちらの方からしておくわ」
機情という言葉に男は一瞬片眉をピクリと動かしたが、次には何事も無かったかのように問い掛けた。
「どれ程潜る?」
「最深度までお願い」
「これはまた、随分なお願いだ」
カノンからの要求に、男は大層驚いた様子で目を丸くした。
そんな表情をする男を初めて見たカノンは、新しい発見に内心喜びながらも、それを決して表に出す事はせずに話しを続ける。
「表層には恐らく何も無いわ。無理を言ってる事は分かるけれど……」
申し訳なさそうに告げるカノンに対して、男からの返答は何とも歯切れの悪い言葉だった。
「よりにもよって機情か……」
「あなたのそんな自信の無い台詞を聞いたのは久しぶりね」
男とはもう長い付き合いになるが、カノンは彼から弱音とも取れる言葉を聞いたのは本当に久しぶりだった。
だが、男は特に気にした様子もない。
「最近、機情の動きが妙でな。以前とは比べ物にならない程ガードが厳しくなってるんだ」
「それはいつ頃から?」
「あの噂が流れた頃からだ」
珍しく肩を落として自信無さげに語る彼を見て、カノンは―そう―とだけ答えると暫しの間押し黙った。
嫌な予感がしたのだ。男の背後で死神が嘲笑っている。そんな錯覚さえ起こしかねないような予感が……。
しかし、機情に潜り込むなどという危険な任務は、この男以外では不可能だろうと思っていたのも事実だった。
何よりも、こういった任務は初めてでは無かった。
だが、その度に彼は帰還を果たし、有益な情報をもたらしてくれた。長年に渡って、カノンを影で支えてくれた重要な存在。

692:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 23:23:04 pjK9NCKg
支援

693:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 23:23:44 TvBOydZM
―彼の強運を信じるしか無いわね。
そう意を決したカノンは、後にこの時の自分の決断を後悔する事となるのだが、彼に対して―お願いするわ―と告げた後、
―これは個人的な事だけど―と前置きをした後、もう一つの頼み事をする。
「潜った際にライという人物ついて何か分かれば、それも引き上げてくれないかしら?」
これがカノンがシュナイゼルからの信頼を得た一面でもある。
何よりも、シュナイゼル自身は天才と呼ばれる部類の人間であり、そんな彼に対して、ただ従うだけの人間では、信頼を得る事など不可能なのだ。
主君の命には絶対忠実。ただし、必要に応じて独断で行動を起こす事もある。
全てはシュナイゼルの為であり、その為ならば例え意に反した事だろうと行う。
それが結果として主を、強いては帝国を助ける事となった事は多々ある。
「ライ?それは誰だ?」
「特一級の人物だとしか言えないわ。それと、その名前は口外無用よ?」
自身の内に未だに拭えぬ不安感を払拭するかの如く、ワザと戯けた様子で口元に人差し指を当てて釘を刺すと、男はそんなカノンの仕草を見て苦笑しながらも静かに、しかし力強く答えた。
「Yes, My Lord」
信頼する男からの頼もしい言葉に、カノンは最後に妖艶な笑みをもって答えた。
しかし、これがカノンが見た彼の最後の姿となった。
三日後、カノンの執務室の電話が鳴ると、電話口より男の声が流れた。
「国是には……触れるな」
今にも消えてしまいそうな声で、男はカノンにそう伝えた後、電話は途切れた。それがカノンが聞いた男の最後の言葉となった。

全ての役者は出揃った。歯車はその速度を増して行く。

コードギアス 反逆のルルーシュ L2 ~序章~   完
―――――――――

694:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 23:24:20 pjK9NCKg
支援

695:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 23:25:56 TvBOydZM
次回予告だそうです。投下しますか?
→はい
 いいえ

銀色の仮面が笑う。
『租界外縁部ニ出ス……カ』
それは罠。
「はい。食い付く可能性は、現時点では最も高いかと」
だが、そうと分かっていながらも、彼女達はそこに飛び込むしかない。
「ライ、私達に力を貸して」
一世一代の作戦。
「ルルーシュ、迎えに来た。私は味方だ」
獅子の牙をすり抜けて、それは成功する。
「思い出した。俺は……俺が、ゼロだっ!!」
再び目覚めた漆黒の魔神。
「C.C.……あいつは、ライはどうした?」
当然とも言える問いに、魔女は言葉を濁す。
「何故此処に居ない?捕まっているのか?」
目覚めたばかりの魔神は、苛立ちを隠す事無く問い掛けるが―
「……あいつは死んだ」
返って来たのは信じたくない言葉。
「あいつの分も、俺は……俺はっ!!」
左腕を失った魔神の反逆が始まる。
「面白くなりそうだな」
迎え撃つは、灰銀色の若獅子。

次回 コードギアス 反逆のルルーシュ L2
~ TURN 01 魔神が目覚める日 ~

696:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 23:27:02 pjK9NCKg
支援

697:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/11/01 23:29:55 Ps2ZSZdY
以上で投下終了です。
支援ありがとうございました。

最後に猿が出たけど、終了宣言の時で良かった……。

698:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 23:35:49 cEJtcqRC
シュナイゼルはギアス済みかww
GJでした次回も楽しみに待ってます

699:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 23:43:54 pjK9NCKg
 ライカレ厨卿、GJ&乙でした
 ラウンズたちの会話に和みましたが後半の急転直下振りが凄いです。
 あのルキアーノを一蹴し恐怖すら抱かせるライの静かなる狂い方の表現が凄かったです、
 屈辱を味合わされたルキアーノは今後ライにどのように絡んでくるのでしょうか、
 このまま黙っているキャラでは無いですからね。
 とまれ次からは本編に入るようですのでが続きに期待させていただきます
 
 
 
 

700:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/01 23:48:08 wuMgeRX8
>>697
乙&GJです。ライの狂気がひしひしと伝わってきました。
さてこれからどうなるか、続きをお待ちしてます。

さて、0:00頃から久しぶりに投下します。
本文・あとがき合わせて14レス分あります。

701:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:00:06 GhkM9Xpl
>>697
ライカレ厨卿、GJでした!
シュナイゼルには既にギアスがかけられており
生身の戦闘でテンさんを圧倒するライ。
しかしながらイイ具合に狂気が滲み出てますね。
次回予告が想像をどんどん膨らましていきます!
貴公の次の投下を全力を挙げて待たせていただきます!

702:余暇 ◆kkvclxzIds
08/11/02 00:03:57 wuMgeRX8
ではそろそろ投下します。

作者:余暇
タイトル:てるてる坊主
カップリング:ライ+C.C.

ジャンルはほのぼの、かな?

あとがきも含めて14レスあります。

703:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:04:59 GhkM9Xpl
支援

704:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:05:13 pWg0CuBe BE:1122172984-2BP(0)
sien

705:余暇 ◆kkvclxzIds
08/11/02 00:06:18 wuMgeRX8
                『てるてる坊主』

アジトのラウンジで休憩中、玉城が部屋に入ってきた。彼の体は雨に濡れていた。
「あーあ、やんなっちまうぜ。いつまで降り続く気なんだよ。」
タオルで頭を拭きつつ、玉城が愚痴をこぼす。今日でもう四日目だろうか、このところずっと雨が降り続いていた。
カレンから聞いた話だと今は梅雨と呼ばれる時期で、一年で最も雨が降りやすいそうだ。
「でも今は梅雨なんだろう?雨が降って普通なんじゃないのか?」
「そりゃそうだけどよぉ、たまにはお天道様の光でも浴びねえと体がふやけちまいそうだぜ。お前だって毎日ジメジメした中を動きたくねえだろ?」
「うーん、確かにそうだな。布団も湿気を含んで気持ち悪いし、窓を開けたら雨が部屋に入ってくるから空気も入れ換えられない。」
玉城の言うことも一理あるな。恵みの雨ならまだしも、こう何日も降られると気持ちが沈みがちになる。そろそろやんで欲しいかも。
「あーあ、早くやんでくれねえかなあ。」
「それは僕も同感だ。でもこういうのは自然任せで、僕たちに何かができるわけじゃないしな。」
「そうだな、せいぜいおまじないとかその程度だな。」
おまじないか。迷信かもしれないが、何もしないよりはましかも。
「なあ、玉城。そのおまじないにはどういうものがあるんだ?僕は記憶がないから何も知らないんだ。良かったら教えて欲しい。」
「ああ、そうだな。雨がやむおまじないといやあ……。」
何か言いかけた玉城が、その動きを止める。
(何も知らねえってことは……。ククク、少しこいつで遊んでみるか。)
何だ、玉城が不敵な笑みを浮かべている。何を考えているんだ。

706:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:06:55 pWg0CuBe BE:1963803078-2BP(0)
sien

707:余暇 ◆kkvclxzIds
08/11/02 00:08:43 wuMgeRX8
「実は、日本には『てるてる坊主』という習慣があるんだ。」
「てるてる坊主?何だそれは?」
「家の軒下に人を吊るして、そいつが雨がやむよう一心不乱に祈るんだ。」
「軒下に人を吊るす!?」
僕は驚いた。たかがおまじないで、そこまでしなきゃならないのか?
「しかもそれをするのは、一家の長または組織の重要なポストに就いている男だ。
雨の神を説得するには、それなりの地位にいる者でないと神に対して失礼であるという言い伝えもあるほどだからな。」
「そ、そうなのか。でもそれだと、黒の騎士団ではゼロということにならないか?彼も一応男だぞ。」
そう。黒の騎士団のリーダーはゼロ、つまり彼がてるてる坊主になるということになる。ここで仮面にマント姿のゼロが、軒下に吊るされる姿を想像してみる。
……シュールだ、これはあまりにもシュールな光景だ。いや、誰がやっても一緒か。
「いや、重要なポストにさえ就いていれば、必ずしもトップである必要はない。だから作戦補佐であるお前でも問題はないぜ。
いやむしろ、お前の言うことなら雨の神だってすんなり聞き入れてくれると思うぜ。何しろお前は、フラグ一級建築士だからな。」
「フラグ?建築士?何だそれは。」
「まあ気にするな。とにかくやってみろよ。そんでもって、さっさとこの雨を上がらせてくれよ。なっ、頼むよ。」
玉城が僕の前で手を合わせる。「頼む」と言われても、そんなことをして本当に効果があるかどうかわからないし、僕だって上から吊るされるのは決して気分のいいものではないが。
「ん?そんな所で何をしているんだ?」
僕が悩んでいると、C.C.がラウンジに入ってきた。

708:余暇 ◆kkvclxzIds
08/11/02 00:11:07 2/dqQwm8
「おっ、いい所に来てくれた!お前からもライを説得してやってくれよ!」
「説得?何の話だ?」
玉城がC.C.に近寄り、そっと耳打ちする。すると彼女がニヤッと笑った。
「ほう、それは面白い。よし、私に任せろ。」
「よし、頼むぜ。」
二人がヒソヒソ話を終えた後、C.C.が真剣な眼差しで僕を見た。
「ライ。お前は作戦補佐として、部下に心意気を見せねばならん。」
「こ、心意気?」
何故急にそんな話になるんだ。
「雨は人の心を陰鬱にし、気力を低下させる。そんな状態で戦闘を行っても、ブリタニアに反逆できると思うか?いや、無理だろうな。」
何だか話が大きくなってきた。まさか反逆の話になるとは思わなかった。
「だがゼロの場合、悪天候をむしろ喜びそうだが?それを利用した作戦もお手の物だろうし。」
「あのな、今私がしているのは、あの童貞坊やの話ではない。一般隊員の気持ちになってみろ、こんな雨続きの中で気分が高揚すると思うか?」
「だがいざ戦闘になればそんなことも言っていられないし、みんな本気になってくれると僕は信じている。」
「むう、至極もっともなことを言いおって。本当にかわいげのない男だ。」
C.C.が不機嫌そうに頭を掻いた。やはり彼女も、雨続きでストレスがたまっているのだろうか。

709:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:12:23 /PaThSSN
支援

710:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:14:33 2zTO2zef
支援

711:余暇 ◆kkvclxzIds
08/11/02 00:14:39 2/dqQwm8
「お前の言い分ももっともだ。だが組織を引っ張る立場のお前が体を張れば、下の者はそれを意気に感じ、なお一層励んでくれるとは思わんのか?
そして組織の団結力がアップすれば、ゼロの進む道も切り開きやすくなる。ゼロの片腕ならば、それくらいやってみせろ。」
C.C.が一気にまくし立てる。確かにそうかもしれない、そうかもしれないが……。ダメだ、哀愁漂うゼロが軒下に吊るされる光景が頭に浮かんでくる。
このシュールな光景の主役が僕になるなんて、考えたくもない。
「それに、これがきっかけで記憶が戻るかもしれんぞ?記憶探しの一環だと考えれば、たやすいものだろう?」
「………!」
そこで記憶を持ち出すのか、君は。僕が「記憶探し」というキーワードに弱いのを知っているくせに。とても何かを思い出すとは思えないのだが、万が一ということもある。
それに、本当に団員の士気向上につながるのであれば、ここは作戦補佐として恥を忍ぶのも大事かもしれない。そうなれば、結論はただ一つだ。
「わかった。少し恥ずかしいが、記憶と黒の騎士団のためだ。やってみよう。」
僕は決心して、ソファから立ち上がった。
(よっしゃ!いいぞC.C.!)
(ふっ、私は魔女だぞ?少々手こずったが、これくらいはお手の物だ。)
玉城とC.C.が何やらアイコンタクトを取っているのが気になるが、決めたものは仕方がない。とにかくやるしかないだろう。
「なあ、二人とも。具体的にどうすればいいのか僕にはわからない。色々教えてもらえないか?」
「ああ、協力するぜ。そして見事に雨を退散させてくれ。」
「お前の雄姿、この目で見届けてやろう。」
こうして、僕は二人の協力のもと、てるてる坊主になることとなった。


712:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:15:27 2zTO2zef
支援

713:余暇 ◆kkvclxzIds
08/11/02 00:17:32 2/dqQwm8
「………。」
そして僕は今、アジトの近くにあるビルの軒下に吊るされていた。体を覆う大きな白い布、胴体に括りつけられたロープ、どこからどう見ても僕はてるてる坊主…なのだろうか。
「うむ、どこからどう見てもてるてる坊主だ。」
「自信持てよ、ライ。結構イケてるぜ。」
C.C.と玉城が僕を後押しする。「イケてる」と言われても、こんな姿で風に吹かれて揺れているのは、どう考えてもおかしいのだが。これで本当にいいのか?二人に言いくるめられていないだろうか。
「さて、それでは祈りを捧げてもらうか。」
そんなことを考えていると、C.C.が話を進めだした。
「祈り?」
「そうだ。雨がやむよう、祈れ。玉城に言われただろう?一心不乱に祈るものだと。だからお前もそうしろ。」
「祈れったって、どうすればいいんだ?」
そうだ、僕は祈り方なんて知らない。一体どうしろって言うんだ。
「よし、ではまず俺が手本を見せてやる。よく聞いておけよ、大事な呪文だからな。」
玉城は一つ咳払いをすると、大声で叫んだ。
「おおー、あーめよー、やみーたまーえー♪」
シンプルな祈りの言葉だ。だがやはり恥ずかしいぞ、それは。
「さあ、言え。」
妙にニヤニヤしながら、C.C.が言う。
「あ、あのさ。恥ずかしいし、よくわからないから、最初は二人も一緒にやってくれないか?」
「ふっ、残念だがこの祈りは男性限定…」
「よし、いいだろう。俺たちも協力しよう。」
「何だと?」
僕の願いを拒否しようとしたC.C.の言葉を遮り、玉城があっさり受け入れてくれた。もちろんC.C.が不機嫌そうな顔になったのは、言うまでもない。
僕としては玉城の返答は嬉しいが、彼女を怒らせたのは得策ではないぞ。


714:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:19:37 2zTO2zef
支援

715:余暇 ◆kkvclxzIds
08/11/02 00:21:20 2/dqQwm8
「おい、貴様。私にあんな恥ずかしいことを言わせるつもりか?随分といい度胸をしているではないか。」
低い声で、C.C.が玉城を威圧する。明らかにご機嫌斜めだ。
「べ、別にいいじゃねえか。そんなに長くはならねえよ、こいつが慣れてきたら俺たちはやめるから。」
「そういう問題ではない。私はこいつをからかったら面白そうだから、貴様に付き合っただけだ。そんなくだらんアドリブに私を巻き込むな。」
「お、おいっ!」
C.C.の言葉に玉城があわてた。「からかう」、「アドリブ」、それらの単語から真相が見えてきた。もしかしたらとは思っていたが、やはりか。
「玉城……。」
僕が呼びかけると、玉城はビクッと体を震わせ、ゆっくりとこちらへ視線を移した。
「騙したんだな?そしてずっと僕を見て遊んでいたのか。」
「い、いや~、ばれちまったか。けどよ、結構楽しませてもらったぜ。じゃ、じゃあな!」
玉城はあわてて逃げだした。
「あ、こら待て!せめて縄をほどいて…って何をしているのかな、C.C.?」
気がつくと、C.C.が後ろから僕の体を思い切り引っ張っている。ちょうどブランコを引っ張って勢いをつける要領で…って、まさか!
「よーし、行ってこーい。」
「こ、こらー!」
セリフ棒読みのC.C.が、勢いよく僕の体を玉城目がけて押し出した。僕はグルグル回転しながら、玉城に体当りをした。
「ごはぁっ!」
玉城は勢いよく吹き飛び、視界から消えた。そして僕は相変わらず回転しながら、前後に揺れていた。うぅ、何だか気持ち悪くなってきた。
「ふむ、なかなかの威力だな。」
「……どういうつもりだ、C.C.?人の体を何だと思っている?」
「ああ、お前が玉城に『待て』と言うから、足止めをする手伝いをしてやっただけだ。もっとも、吹き飛んで姿も形も見えなくなったがな。」
もう少し文句を言ってやりたかったが、目が回って気持ち悪かったため、これ以上何も言う気にならずにただ揺られていた。


716:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:23:23 2zTO2zef
支援

717:余暇 ◆kkvclxzIds
08/11/02 00:25:31 2/dqQwm8
しばらくすると、ようやく揺れが収まって視点も定まってきた。まだ気持ち悪いが。
「なあ、頼む。このロープをほどいて降ろしてくれないか?」
だがC.C.は、何も言わずに僕を見ている。彼女の性格を考えると…アレか、アレをご所望なのか。僕はため息をつくと、彼女に告げた。
「わかった。ピザのLセットを頼もう、これでいいな?だから降ろしてくれないか?」
するとC.C.はニヤッと笑った。
「よくわかっているではないか。私に指摘される前に先手を打つとは、少し見直したぞ。だが残念だったな、まだお前を降ろすわけにはいかん。」
「……何故?」
「まだ雨が降っているではないか。お前はこの雨がやむまで降りることはかなわんぞ。」
C.C.から飛び出したのは、少し意外な言葉だった。
「あれ?てるてる坊主が人を吊るす行為というのは、嘘ではなかったのか?さっきの祈りの言葉がでたらめというだけか?」
「いや、人を吊るすわけがないだろう。本当は布やティッシュで作った人形をてるてる坊主と呼ぶ。軒下に吊るすのは本当だがな。」
やっぱり嘘じゃないか。最早僕が吊るされている理由などどこにもない。
「C.C.、今すぐに僕を降ろせ。何ならピザをもう一枚追加してやろうか?」
「言っただろう、まだ雨がやんでいないと。今のお前はてるてる坊主だ、布の代わりに人で作った大きなてるてる坊主だ。もし拒むなら、この状態のまま回転させてやろうか?
酔って苦悶の世界でのた打ち回りたいなら、希望通りにしてやるぞ?」
「……いえ、おとなしくてるてる坊主の務めを果たします。」
「お前は物分かりが良くて助かる。最初からそうすればいいんだ。ああ、ピザの件は忘れるなよ?」
やっぱりピザは食べる気なのか。だがグルグル回されてはたまらないので、僕は何も言わずに雨がやむのを待つことにした。


718:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:25:38 s2CGuwFY
支援!

719:余暇 ◆kkvclxzIds
08/11/02 00:29:03 2/dqQwm8
それからしばらく過ぎたが、雨はまだやむ気配がなかった。
「おい、てるてる坊主。務めはどうした?一向にやまないではないか。」
「いや、そう言われても。そもそも、どうすればいいのかわからないんだが。」
本物のてるてる坊主は人形だし、仮にこの場に本物がいたとしても、「どうやって雨を止めるのか教えて欲しい」なんて尋ねることもできないし。
それ以前に、おまじないとは非科学的なものじゃないか。それで天候を変えられるなら、誰も苦労しない。
「まあ私にもわからんし、所詮はまじないや迷信の類だというのは知っている。だが、お前にただ何もせずに黙っていられては、私の退屈しのぎにならんだろう。
だから雨雲を説得するなり何なり、何か面白いことをしろ。」
「……君の退屈しのぎのために、僕はこんなことをさせられているのか?何か他にすることはないのか?ゼロをからかうなり、退屈しのぎなんていくらでも…」
「ダメだ。」
僕の主張を、C.C.は一言で退けた。
「別にあいつに飽きたわけではないが、お前の方がからかっていて面白い。お前の顔を見ていると、どうもいじめたくなってしまうのだ。『好きな女ほどいじめたくなる』というやつだな。」
「僕は男だ、それでは男女が逆じゃないか。それに、『好き』だなんて冗談はやめてくれ。」
「ふっ、冗談か。」
一瞬、C.C.が寂しげな表情をした。
「C.C.?」
「何でもない。ほら、早くこの雨を何とかしろ。日が暮れるぞ。」
またC.C.が僕の体を揺らし始めた。頭が揺れて気持ち悪い。
「わかった、わかったから揺らすのだけはやめてくれ。」
さて、どうしたものだろう。この状態から解放されるには、本当に神頼みでもしなければならないのだろうか。


720:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:29:03 2zTO2zef
支援。ごめん。寝る。あとは任せた。ここまで読んですごい面白かった。明日また感想書く。

721:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:31:33 Rz6WCZF0
支援

722:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:31:34 F1BAodhI
とりあえず支援参加

723:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:31:58 IUYEXcj3
 ならば全力で支援を仕る

724:余暇 ◆kkvclxzIds
08/11/02 00:32:41 2/dqQwm8
「えーと。もうそろそろ上がって欲しいんだが、何とかならないのか?でないと、僕はいつまでもこの状態のままなんだ。助けると思って、頼む。」
今、僕は雨雲を説得している…つもりだ。自然現象を一人でどうにかできるとは思っていないが、何もしなければまた脳を揺さぶられる。
だから恥ずかしいのを承知で、こうして雨雲に語りかけていた。正直、顔が熱い。
「くくく……。それで頼んでいるつもりか?何と尊大で、上から目線な物言いだ。とても他人に物を頼む行為とは思えんな。おっと、相手は人ではなかったな。」
腹を抱えて、C.C.が笑った。
「それは君にだけは言われたくなかったな。少なくとも、君よりは頼もうという意思は見せたつもりなんだが。」
「ふん。自慢ではないが、私は人に下げる頭など持ち合わせてはいないのでな。」
「本当に自慢にならないな。そして自慢ではないと言いつつ、ふんぞり返っているのは何故だ?」
「細かいことは気にするな、私は気にしない。ほら、早く何とかしろ。そしてもっと私を楽しませろ。」
そう言うと、C.C.がまた僕の体をグルグル回し始めた。
「まっ、待て!わかったから回すんじゃない!」
時計回りに回された反動で反時計回りに回転しつつ、僕は頭を巡らせる。
ていうか、何故こんなことで知恵を絞らなくてはならないんだ。もっと他に使い道があるだろうに。

それからしばらくの間、僕は必死の思いで雨雲を説得した。だが無情にも雨はやまず、僕の心の中に虚しさと恥ずかしさが降り積もるばかりだった。
そしてC.C.は、悪戦苦闘する僕を見てずっと笑っていた。


725:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:33:36 s2CGuwFY
支援

726:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:34:24 IUYEXcj3
sienn

727:余暇 ◆kkvclxzIds
08/11/02 00:36:30 2/dqQwm8
「つ、疲れた……。」
一時間ほどたった頃だろうか。ようやく雨が奇跡的にやんでくれ、僕はほっとした。
非科学的なので説得が通じたとは思わないが、少しは努力が報われたと思いたかった。
「おお、やんだではないか。てるてる坊主の務めを果たしたこと、褒めてやろう。とは言え、予報では夕方前には天気が急速に回復すると言っていたがな。」
その言葉を聞いて、僕は愕然とした。
「つまり君はこうなることを知っていて、ずっと僕で遊んでいたのか?」
「だから言っただろう、雨がやむまでの退屈しのぎだと。」
何を詫びるでもなく、C.C.がさらっと言ってのける。羞恥心と戦った僕の努力は何だったんだ、今までの恥ずかしい記憶をすべて消去したい気分だ。
「とにかく、すぐにここから降ろしてくれ。これ以上恥ずかしい思いをしたくない。」
「やれやれ、もう少し見ていたいのだがな。まあいい、十分楽しんだから降ろしてやろう。」
そう言うと、C.C.が僕を縛っていたロープに手を伸ばした。彼女の目線の高さ、僕の腰の上辺りにロープの結び目があり、彼女は僕の後ろから結び目をほどき始めた。
彼女がロープをいじるたびに、僕の体が大きく揺れる。
「むう、揺れるからやりづらい。少しじっとしていろ。」
「無茶を言うな、この状態でじっとしていられるか。」
「本当にかわいげのない奴め。ならば、動きたくても動けないようにしてやろう。」
するとC.C.は前に回り、僕の腰に腕を回して僕の体を固定した。だがその体勢だと、その…当たるのだが、胸が。しかも、絶対口には出せない場所に。


728:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:37:10 3SWggwrT
silen

729:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:37:45 F1BAodhI
支援

730:余暇 ◆kkvclxzIds
08/11/02 00:40:30 2/dqQwm8
「ちょっ、C.C.!」
「よし、これなら動けまい。」
C.C.はニヤリと笑い、再びロープをほどき始めた。揺れるたびに、体に柔らかいものが当たる。僕は恥ずかしさのあまり、顔から火が出そうだった。
「あ、あのさ。この体勢は色々とまずいだろう。」
「くくく、恥ずかしがることはないだろう、純情な奴め。これも役得だと思え。」
この人、絶対に確信犯だ。僕を恥ずかしがらせるために、こんなことを。
「よし、ほどけてきたな。……ん?」
ふと、C.C.が動きを止めた。そして僕の顔を見ると、妖しげな笑みを浮かべた。何かまた、ロクでもないことを言われそうな気がする。
「実は少し心配していたのだが、杞憂だったな。安心したよ。」
「な、何の話だ。」
「正直な話、お前は女に興味がないと思っていたのだがな。今、お前が正直に自己主張してくれたおかげではっきりしたよ。やはりお前も男ということだな。」
何だ、さっきから何を言っているんだ。そう言えば、さっきから胸を押し当てられたままだが。……あっ、まさか!
「ふっ、今さら気づいたか。だが照れなくてもいいぞ、当然の反応だ。私も、正直な男は嫌いではないぞ?」
「や、やめてくれ!早くほどいてくれ、これ以上恥をさらしたくない!それと、あまり密着するな!」
僕は少しでも彼女と距離を取るために、彼女の腕の中でジタバタした。
「おいおい、暴れるな。そんなに欲求不満か?」
「ちがーう!!」
結局ロープがほどけるまでの間、僕はしっかりとC.C.の腕に固定されていた。
動物的本能には逆らえない時があるということを、身をもって知った瞬間だった。


731:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:42:05 Wc9/WVOG BE:946833293-2BP(0)
sien

732:余暇 ◆kkvclxzIds
08/11/02 00:43:57 2/dqQwm8
「こんなの、あんまりだ……。」
ロープがほどけた後、僕は地面に突っ伏していた。もう、今日あった出来事をすべて忘れてしまいたかった。
「くくく、実に見ごたえのある羞恥プレイだったな。満足した、礼を言うぞ。」
「それもふんぞり返って言うことじゃないな……。」
上から見下ろして僕に話しかけるC.C.に、僕は文句の一つを言う気力も残っていなかった。
そしてC.C.は、何かを思い出すように言った。
「おお、そうだ。さっきので何か思い出せたことはあったか?『実は自分は正真正銘のてるてる坊主でした』とか、『三度の飯より羞恥プレイが好きだった』とか?」
「そんなわけあるか。残念ながらというかやはりというか、何も思い出せていない。」
むしろ変なことを思い出さずに済んで、嬉しいくらいだ。
「むう、そちらの方が面白かったのだがな。まあいい、雨も上がったことだし、今から記憶探しに行くぞ。」
そう言うとC.C.は、僕の手を引っ張って歩き出した。
「記憶探し?これも君の退屈しのぎか?」
「いや、半分はお前自身のためだな。そしてもう半分は、退屈しのぎかな?」
彼女の答えに、僕はため息をついた。
「なあ、君にとって退屈しのぎとは何だ?僕をからかうためのものか、それとも単に退屈だからか?」
するとC.C.は、いたずらっぽく笑いながら言った。
「お前と一緒にいたいから、とでも言っておこうか。」
「……そんなに僕をいじめたいのか。」
「ふっ、今はそれでいいさ。今は、な。」(そんな理由だけで、あそこまでスキンシップを図るわけがないだろうに。どこまでも鈍い奴だ。)
そう話すC.C.の表情は、どこか不満げだった。

ちなみに、雨の中に吹き飛んだはずの玉城は、翌日何事もなかったかのようにケロッとしていた。
曰く、「俺は不死身だし風邪もひいたことがない」とのことだった。


733:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:44:25 3SWggwrT
支援

734:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:46:08 IUYEXcj3
 支援
 玉城がいうと問答無用の説得力がwww

735:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:47:38 GG5eS8c5
支援

736:余暇 ◆kkvclxzIds
08/11/02 00:48:21 2/dqQwm8
翌日、僕はゼロの部屋にいた。雑談をしているうちに、自然と昨日の話になった。
「そうか、そんなことがあったのか。まったく、あの魔女には困ったものだ。」
ゼロは大きなため息をついた。
「しかしお前もお前だ。簡単に玉城たちの口車に乗せられるとは。」
「いや、面目ない。てるてる坊主を知らなかったから、本当にそういうものだと思い込んでしまって。」
そう言いつつ、昨日想像したてるてる坊主姿のゼロが、今目の前にいるゼロの姿と重なった。そのあまりのおかしさに、僕は思わず吹き出してしまった。
「な、何だ!何故私の顔を見て笑う?私の姿が、そんなにおかしいか!」
事情が呑み込めないゼロは、自分の姿を笑われたと勘違いして怒りだした。
「ごっ、ごめん。そうじゃないんだ、てるてる坊主になった君と目の前にいる君の姿が重なって、それがあまりにも…プフッ。ハハハハハ。」
彼には悪いとは思ったが、まさか自分の笑いのツボに入るとは想定外だった。そしてみるみるうちに、ゼロが不機嫌になっていく。
「ええい、腹立たしい!誰かいないか、すぐにライをてるてる坊主にしてやれ!」
すると部屋の扉が開いて、二人分のてるてる坊主セットを持ったC.C.が現れた。
「また雨が降っている。今日は二人がかりで止めてもらおうか。」
「……って待て!何故私までやらねばならん!」
すると、C.C.がゼロの耳元で何か囁いた。
「いいのか?咲世子が書いた、お前とライが出てくるいかがわしい小説の内容を、ナナリーに事細かに話しても?」
「なっ!?や、やめろ、それだけは!」
急にゼロがあわてふためいた。彼女に何を言われたんだ。
「では、わかっているな?」
「し、仕方がない。ライ、付き合え。お前に拒否権はない、これは命令だ。」
「ええっ!?またアレをやるのか、冗談じゃないぞ!」
「うるさい!こんな恥ずかしいこと、一人でやっていられるか!二人でさっさと終わらせるぞ!」
結局僕とゼロは仲良くてるてる坊主にされたが、その日の予報は大外れで、雨は一晩中降り続けた。
そのため、僕たちは一晩中風雨にさらされて風邪をひいてしまったのであった。


737:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 00:50:40 IUYEXcj3
支援

738:余暇 ◆kkvclxzIds
08/11/02 00:52:21 2/dqQwm8
以上です、支援ありがとうございました。
最近ネタが尽きかけで困ってました。いや、ちょこちょこ書いてはいますけど、なかなか納得できなくて。
人間てるてる坊主のヒントをくれたのは、某日常ゆるゆるマンガの辛辣な三女です。

739:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 01:13:24 s2CGuwFY
>>738
余暇卿、GJでした!
てるてるライ……なんかポンチョ着てるイメージが浮かびました。
玉城のノリが何とも言えないw 不死身の玉城、違和感が無ぇwww
C.C.の胸が当たっているのは……うわぁお!
ラストのてるてるゼロは似合いすぎて吹いたwww
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!

740:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 01:21:58 F1BAodhI
>738
「よーし、行ってこーい」にやられました。
あの声で再生されます。真顔でライアタックをかますCC。

白と黒のてるてる坊主が吊るされる様は想像するだに情けないw
笑わせていただきました。

741:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 08:22:36 z+Z1Chtf
>>738
絵面がリアルに想像できて笑わされてしまいました。GJです!
あくまで「ゼロ」であって「ルルーシュ」じゃないところもツボですね。
あの演説口調で文句たれつつ吊るされるのかwww

それにしてもギアス世界の腐女子たちの筆力って、どの作品でもパネェw
一度読んでみたいような、激しく読みたくないような…

742:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 11:55:18 uUaTpwNR
>>738
オハヨウゴザイマシタ。
GJ!!何度も噴き出したww
玉城とC.C.の息が合ってるのか合ってないのかわからないコンビが楽しいです。
余暇さんというと、ライカレのイメージが強かったんだけど、C.C.も上手いなぁ!
ゼロのてるてる坊主はシュール過ぎるww
もう一度、GJ!


743:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 16:04:17 Wc9/WVOG BE:1262445449-2BP(0)
4時15分くらいに投下しようと思います。
まえがき あとがき含めて10レス分あります。

なにとぞ支援の方お願いします。

744:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 16:07:50 s/X1Adg4
支援・・・、全力で!!!

745:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/02 16:15:29 Wc9/WVOG BE:631223429-2BP(0)
ではそろそろ

続編三話目


一応シリアス系でタイトルどおり、騎士団カレンルートから特区日本の失敗ifからの続き。
カプは常にライカレのつもりですが、今回はカレン出てきません。
だいたいライ視点。
本編と違い、ロイドがトリスタンの開発も行ってたりと本編とやや矛盾していますが、そこは暖かい目でスルー願います。

746:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/02 16:25:43 Wc9/WVOG BE:526019235-2BP(0)
俺式ロスカラ続編~騎士団カレンルート~ 第3話

今日で輻射波動砲の最後の調整。機体の名前は暁となっているものの、量産する暁のためだけではなく、紅蓮に後付けする飛翔滑走翼の実験も兼ねているため、形としてはグレンに近いものだった。
場所はインド洋沖の無人島で警備の無頼もたったの4機。
現在、ブラックリベリオンでの勝利によりブリタニアの勢いがさらについてきていて、そのため爵位と引き換えに寝返る地方領主などがたくさん出てきている。
そんな中ラクシャータといった特1級戦犯はブリタニアに寝返るのにこの上ない貢ものになってしまうため、研究やシュミレーションは堂々と建物の中で行えるが模擬戦などの試験はとても難しいのである。
なので、前回の飛翔滑走翼の飛行試験同様 襲われたら逃げ場のない孤島でやらざるを得なかった。

カチッと僕がボタンをおすと、鉄の塊は立方体だったのにぶくぶくとふくらみ、湯気をだしている。
「左腕部異常なし。」
そして、人差し指と中指で別のボタンを少しいじり、鉄塊と少し距離をあけもう一度親指で丸いボタンを押し込む、するとすごい広さに輻射波動砲が拡散し、一気にそこにあったはずの塊はぐにゃぐにゃになり地面に赤い水たまりを作っていた。
―すごい………
これが僕の率直な感想。
この起動性とこの火力 ヨーロッパ戦線でのランスロットの戦闘データと比べてテストの段階では性能的に互角以上。
これから先の騎士団に戦力強化とルルーシュ奪還が心踊るくらい楽しみで仕方なくなる。

747:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 16:30:28 3SWggwrT
sien

748:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/02 16:31:26 Wc9/WVOG BE:420814962-2BP(0)
「ライく~んまだテストは終わりじゃないわよ~」
とラクシャータから通信が入ってきた。
「あの白い円の中から500メートル上昇してからもう一度モードチェンジして、あのバッテンの上にある鉄の塊をロックしてから撃ってみてちょうだい。」
「了解」
そう言って僕は暁を上昇させてゆく
しかし、途中で緊急事態を告げる警報が鳴り出した。
どうやら試験の情報が漏れて、ブリタニア軍がこの試験場に奇襲を仕掛けてきたようだ。
そして、すぐに若々しい声の中にどこか揚々とした若干場違いな警告が聞こえだした
「こちらはナイトオブ3ジノヴァインベルグ率いる航空部隊である。エリア11において特1級戦犯にあたるラクシャータの逮捕と、その研究中のナイトメアの放棄が当方の要求である。12時まで待つ。全員武器を捨て降伏せよ。」

「まずいな…」
いくら試験を襲われる可能性があるとしても、ラウンズといったスザクレベルのパイロットまでくるとは想定していなかった。
―ラクシャータと新型の暁が目的にしては高く買いすぎだ、特区日本で死んだ事になってるはずの僕が生きていることを知っているやつがいるのか?
いや、一斉葬儀に参加できなかったスザクですら僕の墓石に花束を送ってきた。
だが、C.C.がルルーシュの安否が分かるように、僕との契約者がまだ教団にいてそいつが、教えたという可能性もある。けれど、それ以前に帝国で僕にそこまで評価をしている人なんていないだろう。
それとも僕は関係ないとしたら、近々ランスロットタイプのナイトメアの量産試験がされるという情報があったので、それの実戦試験という線もあり得る。
現に、飛行型のランスロットのような、サザーランドとは全然違った形の機体がある。それにグロースターの飛行型6機とナイトメアと同じ大きさくらいのフォートレス一機という一個中隊がある。
普通の戦闘機もあるものの、武装の少ない航空機も多々見られた。これらは戦闘記録用の航空機か?
しかしそれではラウンズの事が説明つかない。実戦試験の保険としてラウンズを使ってるという事だろうか?
ラウンズとはそんなヒマ人なのか?

749:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/02 16:32:51 3SWggwrT
支援

750:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/02 16:35:14 Wc9/WVOG BE:946833293-2BP(0)
わからない。
けれど、グロースターより性能で劣る無頼4機と僕の機体で、ラウンズの航空部隊を相手にしなければならない現状は変わらない。
僕は急いで急降下し、ベースに戻ってからラクシャータさんに先ほど考えた事を伝えた。 けれど、彼女はそんなに焦る訳でもなく、むしろのりのりといった感じだ。自分が作った機体をそこまで買ってくれた事が嬉しくて仕方ないように思えた。
「大丈夫よ~あんたとその子があれば~。ゲフィオンネットも搭載済みだし。
それに、最後に実験するつもりだったのは輻射波動砲弾っていってハドロン砲を輻射波動で再現したようなものなの。
一番負担のかかる拡散型の輻射波動ですら予想を下回る負担しかかからなかったんだから、出力は少し落ちるけど戦力差はすぐに縮まるわ~」
実地試験が実戦試験になったのがとても嬉しいようだ。 僕は補給中の暁先行試作機に乗り込み、作戦を考えた。12時まで、あと3分。僕が出した答えは相手の目的がわからない以上、研究チームはデータの持ち帰りを早急に行わせ、
ガンルゥ2機に研究施設の警護、残りの2機は森林地帯に潜伏させて、僕の援護に回す事にした。この状況で一番効果的なのは強襲である。
僕は12時になる前に敵軍に向けて突撃をかけた。しかし向こうは完全に戦力差で押し切れると考えたのか固まってヴィンセントとグロースターを前におしたてて進軍してきた。
最終試験するつもりだった輻射波動砲弾のボタンをおしてみる。
轟音と共に、赤黒い光の塔が敵の機体を一気に飲み込んでいった。
どうやら固まっていたグロースター4機を一瞬で消し去ってくれたようだ。
すごいな、これで出力が7割か。



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