08/10/28 11:20:32 /ThhvG+T
「どうしたんですか?」
普段のミレイさんらしくない対応に、僕は言い過ぎたかと思ってしまう。
僕が顔を覗き込もうとしている前でそれはおこった。
右手を招き猫の手のようにくねくねと動かし、かわいくウインクして…
「うにゃらっ…」
今まで色気で押された事があったが、こういう攻撃は初めてだった。
僕は、普段のミレイさんからは想像できないかわいらしさに思わず動きを止めて見入ってしまう。
「ごめんね、ライ。反省してるわ。
だからもう行っていい?」
かわいらしくも甘ったるい甘え声で囁かれ、無意識のうちに僕はうなづいてしまう。
その瞬間、普段のミレイさんのモードに切り替わり、そそくさとその場を立ち去ろうとする。
僕は、はっと我に返って呼び止める。
「ち、ちょっと待ったーッ」
「えーっ…行っていいって聞いたら、うなづいたじゃないのっ…」
「うっ…」
言葉に詰まってしまう。
「そういう事で…じゃあね~♪」
そう言うとミレイさんはその場を後にした。
僕は、ただその後姿を納得できない気持ちで見送るしかなかった。
くそぉーっ…アレは反則だよぉーーっ。
好きな女の子にあんな顔されたら、どうすればいいんだよぉ…。
僕は、悔しさと…そして、なぜか幸せ感に心が満たされるのを感じていた。
おわり