08/10/27 21:51:31 zHvYTzmW
確かに戦力は必要だ。
だが、この場にお前を投入することはリスクが大きすぎる。
相手が中華連邦や並みのブリタニア兵だけならば問題はないが、ここにはナイトオブラウンズが3人もいる。
ジノ・ヴァインベルグ、アーニャ・アールストレイム、そして枢木スザク。
お前がこの1年、ブリタニアにラウンズとして潜入した中で最も各地で戦線を共にし、模擬戦を繰り返した3人だ。
特に枢木スザクは実戦での戦闘も多々ある相手だ。
お前ほどの腕をもつパイロットの動きならば、相手に覚られている可能性は低くない。
ナイトオブイレブン、ライ・ランペルージは今は日本にいることになっている。
気持ちは分かるが、ここは藤堂たちを信じて静観しろ、ライ』
「でも、ゼロ―」
『これは命令だ』
∽
(我ながら酷なことを言う…)
心の中でルルーシュは呟く。
(ライの性格を考えれば多くの仲間が不利な状況で命がけで戦っているときに、自分は安全な場所から見ているだけなど行動の選択肢に入ってなどいる筈がない。
こういう状況でこそ真っ先に飛び出し、最前線にその身を置き仲間の被害を抑える。それがライのやり方。
バベルタワーで記憶を取り戻し、卜部と仙波が死んでからはよりその傾向が強くなっている。1年前の責任を感じていることもあるだろう。
卜部が俺を含めた3人の為に命を散らし、仙波の時は止むを得なかったとはいえ自らもラウンズとして黒の騎士団の殲滅に関わっていた。
そして今回の一件。到底我慢できることではないだろう。
だがライ、お前には討てるのか?
偽の記憶を植えつけられていたとはいえ、1年間苦楽を共にした新たな仲間を、ジノとアーニャを。
俺ならば目的のためには非情に徹することに苦はない。
だがお前は違う、今のお前はそこまで非情になり切ることは出来ない。そこがお前の良い所であり、羨ましいとさえ思える。
しかし今はその優しさがお前の命を奪うかもしれない。だから俺はお前を行かせるわけにはいかない。
どんな事をしてでも!)