コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS SSスレ 30at GAL
コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS SSスレ 30 - 暇つぶし2ch109:モザイクカケラ>>106任せたぜトーマス!
08/10/26 21:22:24 GKuBsb8H
 §4


 星空の下、アールストレイムの敷地内にある庭園で二人は歩いていた。
 夜風に花が揺れ、ざわざわと音を立てている。
 その音は幻のように二人を包む。まるで夢の中にいるかのような錯覚。
 だから、というようにアーニャはしっかりと傍らにいるライの手を繋ぎ、並んで歩く。
 それが本物である事を確かめながら。
「ねえ、いい加減教えて」
 アーニャは何度目になるか分からない質問をした。
「………何のこと?」
 とぼけたように首をかしげるライに、アーニャはむっと口を尖らせて言う。
「絶対ライが何かやった」
「……だから何もしてないって」
 でもそれ以外考えられない、とアーニャは呟いた。
(合図したら耳を塞げって言われたから……)
 もういいよ、と塞いだ耳を開けられた時には、アーニャの見ていた世界は姿を変えていた。
 皆が皆、自分達に祝の言葉を投げかけてきたのだ。クリスティアンも、父も、全員が「おめでとう」と。
 何が起きたのかは分からないが、ライが何かをしたのは確実だった。
(なのに……)
 聞けども聞けども、彼は「何もしてない」としか返さない。
「どうして教えてくれないの?」
「アーニャ…」
 困ったような表情をされても、構わない。しつこいと思われても、アーニャは聞きたかった。
「言いたくないならそう言って。でも、そう言われない限り、私は何回でも聞く。だって……」
 だって、ライの事は何でも知りたいから―なんて恥ずかしげもなく言えたらどんなに楽か。結局最後の方は小さくて聞き取れないほど尻すぼみ。
 だがアーニャの意思は一応ライには伝わったらしく、笑みを苦笑に変え、
「本当は……言いたく無いし、アーニャには……ううん。誰の前であろうとあれはもう使わないと決めていたんだ…」
 そう言ってライは草むらに腰掛けた。
 アーニャは隣に座ろうとして、しかしライに手を引かれてしまう。座らされた先はライの手前。



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