10/07/09 21:52:49 UCot4l7z0
父母と自宅へ戻る。
その夜、父母が寝静まったのを見計らい初恋の相手の家に向かった。
しかし道も昔とだいぶ変わっており、なかなか目的地へはたどり着けなかった。
ウロウロしていると、人影を見つける。
初恋の人であった。昔とまったく変わっていない。近づいて話しかけた。
彼女は自分の事を覚えていないらしい。怯えている。
彼女の肩を掴む。彼女は逃げようとする。
「リベンジを果たせ!」神の声だ。
勇者は彼女を押し倒し、剣を突き刺した。その時から、剣は伝説の剣となった。
事件が起きてから娘は言葉を失くしてしまった。文字通りの意味で。
妻には若くして先立たれ、男手一つで娘を育ててきた。
犯人を殺したいほど憎い。しかし何の手掛かりも無い。
娘は失声症と診断され、病院でカウンセリングを受けている。
いつものように娘と病院に向かう。
ロビーで急に娘が震えだした。ギラギラした目で娘を見ている男がいる。
男は娘の方に向かってくる。危険を感じ娘の前に立ちはだかった。
「邪魔をするな魔物め…伝説の…なければ世界は破滅して…」
直感で解かった。こいつが娘を犯したんだ。
男にパンチをくらわせる。男は大の字に倒れた。「死んでしまうとは情けない…」
さらに追い討ちをかけようとしたところ、周りに人が集まり制止される。
警察署に出頭することになった。事情を話すが、相手に責任能力はなく不起訴になるだろう事。
今回の傷害に関しては穏便に済ますとなった。
やりきれない気持ちだけが残る。
取調べが終わる。娘が待っていてくれた。「お父さん」
娘がしゃべった。
復讐なんてもういい。涙を流して娘を抱きしめた。