10/07/09 18:16:11 Speicu/x0
連投ごめん。試しに>457-458を出来るだけ短くしてみた。
中略部分は>399と>401で補完。全部で616文字。
昔ある国に一人の女騎士がいた。本来、女性は騎士になれないが、実力も容姿も飛び抜けていたので、特例して取り立てられたのである。
国王からの信任も厚く、跡継ぎである王女の後見を任されていた。
騎士の正装に身を包んだ女は凛々しくも麗しく、主君である姫君との間にいかがわしい噂が立つほどだった。
実際に二人は互いを慕っていたが、騎士は立場をわきまえており、噂が事実となることは無かった。
国王が崩御したとき、王女の対抗馬として、従兄弟に当たる王子が擁立された。
どちらが王位につくかで争い、伝説の剣を手に入れた側が、王として認められることとなった。
王女と女騎士は剣の捜索に全力を尽くすが、従兄弟王子に先を越されてしまう。
王女は謀反の嫌疑をかけられ、首を切られてしまった。そのときに使われたのは、件の伝説の剣だった。
女も騎士の位を剥奪される。
そして数百年の時が流れる。神を呪って闇の中を嘆きさまよい続けた女は、魔族を統べる女帝となっていた。
勇者が、かの伝説の剣を彼女の眉間に突き立てた。
記憶を失い闇の中を漂う女帝の意識は、過去の自分の声を聞くという形で、数百年前の出来事を追体験する。
それは、現実の世界においては一瞬の出来事だった。
すべてを思い出し、蘇った女帝は、積年の恨みをこめて、自らの額に突き刺さった剣を手に取る。
愛した姫と自分自身の命を絶ったその剣で、今度は勇者の命を奪う。それが彼女の目的だった。
彼女の復讐の対象は、勇者ではなく伝説の剣の方だった。
…どうでもいいが、平民出の騎士が王女の後見人って無理がね?