堀井退社?ドラクエシナリオスタッフ新規募集at FF
堀井退社?ドラクエシナリオスタッフ新規募集 - 暇つぶし2ch372:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/07/09 01:25:03 GP0MJ+lY0
>>369 続き

冒険者がいつものように来店し、少女の向かいの椅子に腰かけた。
冒険もいよいよ大詰めを迎えているらしく、魔王を倒すために必要な「伝説の剣」が封印されている場所を少女に尋ねた。
しかし少女は、いつもとは少し違うそぶりを見せながら、こう言った。
「あなたの必要なものは、テーブルクロスの下にあります。」
 冒険者はその回答を不自然に思いながらも掛け布の下を覗くと、何やら鍋のようなものが置かれていた。
―熱を保っている。自分が来る直前まで火にかけていたのだろうか。一体これは何だろう?
冒険者は様々な憶測をしつつも少女の意図を読めないまま、ひとまずその鍋を机の上に置いた。
少女が恐る恐る口を開いた。
「私の手料理です。…よかったら一緒に食べませんか。」
少女なりの精一杯の、好意を伝える手段だった。
かわいいところがあるじゃないか、と冒険者は微笑ましく思い、少女の願いを受け入れ、お鍋のふたに手をかけた。

鍋の中には複数の魔物の屍肉がまるでゾンビのようにドロドロに溶け込んでいた。

通常の人の感性からすれば度を過ぎてグロテスクな手料理だった。
長い間人から遠ざかっていた少女には、一般的な価値判断というものが欠けていたのだ。
「食えるかッッッッ」
冒険者は、持ち前の歯に衣着せぬ習慣から、それを視界に入れるやいなや半ば反射的にそう叫んだ。
そして次の瞬間、冒険者は「しまった」と思いつつ、慌てて少女の方に目を遣った。
そこには鍋の中の物体よりも遥かにおどろおどろしい形相があった。
冒険者は言葉もなくその場を一目散に立ち去った。

それから少女は魔王軍に魂を売り、魔王にあだなす冒険者たちの居場所や脅威となりうる伝説の剣のありかの情報を惜しげもなく提供した。
自分を辱めた冒険者、ひいては人間たちに対して復讐を成し遂げるために。

以上です。こういう「誰それの復讐はこうして始まった」みたいな終わり方はあまり良くないのかな…?


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