FFDQバトルロワイアル3rd PART15at FF
FFDQバトルロワイアル3rd PART15 - 暇つぶし2ch2:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/08/04 01:09:19 +bu84tJo0
+基本ルール+
・参加者全員に、最後の一人になるまで殺し合いをしてもらう。
・参加者全員には、<ザック><地図・方位磁針><食料・水><着火器具・携帯ランタン>が支給される。
 また、ランダムで選ばれた<武器>が1つから3つ、渡される。
 <ザック>は特殊なモノで、人間以外ならどんな大きなものでも入れることが出来る(FFUのポシェポケみたいなものです)
・生存者が一名になった時点で、主催者が待っている場所への旅の扉が現れる。この旅の扉には時間制限はない。
・日没&日の出の一日二回に、それまでの死亡者が発表される。

+首輪関連+
・参加者には生存判定用のセンサーがついた『首輪』が付けられる。
 この首輪には爆弾が内蔵されており、着用者が禁止された行動を取る、
 または運営者が遠隔操作型の手動起爆装置を押すことで爆破される。
・24時間以内に死亡者が一人も出なかった場合、全員の首輪が爆発する。
・日没時に発表される『禁止技』を使ってしまうと、爆発する。
・日の出時に現れる『旅の扉』を二時間以内に通らなかった場合も、爆発する。
・無理に外そうとしたり、首輪を外そうとしたことが運営側にバレても(盗聴されても)爆発する。
・なお、どんな魔法や爆発に巻き込まれようと、誘爆は絶対にしない。
・たとえ首輪を外しても会場からは脱出できないし、禁止魔法が使えるようにもならない。

+魔法・技に関して+
・MPを消費する=疲れる。
・全体魔法の攻撃範囲は、術者の視野内にいる敵と判断された人物。
・回復魔法は効力が半減します。召喚魔法は魔石やマテリアがないと使用不可。
・初期で禁止されている魔法・特技は「ラナルータ」
・それ以外の魔法威力や効果時間、キャラの習得魔法などは書き手の判断と意図に任せます。

3:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/08/04 01:11:13 +bu84tJo0
+ジョブチェンジについて+
・ジョブチェンジは精神統一と一定の時間が必要。
 X-2のキャラのみ戦闘中でもジョブチェンジ可能。
 ただし、X-2のスペシャルドレスは、対応するスフィアがない限り使用不可。
 その他の使用可能ジョブの範囲は書き手の判断と意図に任せます。

+GF継承に関するルール+
「1つの絶対的なルールを設定してそれ以外は認めない」ってより
「いくつかある条件のどれかに当てはまって、それなりに説得力があればいいんじゃね」
って感じである程度アバウト。
例:
・遺品を回収するとくっついてくるかもしれないね
・ある程度の時間、遺体の傍にいるといつの間にか移ってることもあるかもね
・GF所持者を殺害すると、ゲットできるかもしれないね
・GF所持者が即死でなくて、近親者とか守りたい人が近くにいれば、その人に移ることもあるかもね
・GFの知識があり、かつ魔力的なカンを持つ人物なら、自発的に発見&回収できるかもしれないね
・FF8キャラは無条件で発見&回収できるよ

+戦場となる舞台について+
・このバトルロワイアルの舞台は日毎に変更される。
・毎日日の出時になると、参加者を新たなる舞台へと移動させるための『旅の扉』が現れる。
・旅の扉は複数現れ、その出現場所はランダムになっている。
・旅の扉が出現してから2時間以内に次の舞台へと移らないと、首輪が爆発して死に至る。

現在の舞台は闇の世界(DQ4)
URLリンク(ffdqbr.hp.infoseek.co.jp)

━━━お願い━━━
※一旦死亡確認表示のなされた死者の復活は認めません。
※新参加者の追加は一切認めません。
※書き込みされる方はCTRL+F(Macならコマンド+F)などで検索し話の前後で混乱がないように配慮してください。
※参加者の死亡があればレス末に、【死亡確認】の表示を行ってください。
※又、武器等の所持アイテム、編成変更、現在位置の表示も極力行ってください。
※人物死亡等の場合アイテムは、基本的にその場に放置となります。
※本スレはレス数500KBを超えると書き込みできなります故。注意してください。
※その他詳細は、雑談スレでの判定で決定されていきます。
※放送を行う際は、雑談スレで宣言してから行うよう、お願いします。
※最低限のマナーは守るようお願いします。マナーは雑談スレでの内容により決定されていきます。
※主催者側がゲームに直接手を出すような話は極力避けるようにしましょう。

4:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/08/04 01:13:00 +bu84tJo0
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。
 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
 二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであれば保管庫にうpしてください。
・自信がなかったら先に保管庫にうpしてください。
 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない保管庫の作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
 できれば自分で弁解なり無効宣言して欲しいです。

5:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/08/04 01:14:17 +bu84tJo0
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
 ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
 改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
 特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・極力ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
 ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。

6:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/08/04 01:15:46 +bu84tJo0
書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
 自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
 また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
 (今までの話を平均すると、回復魔法使用+半日費やして6~8割といったところです)
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
 あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
 それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、雑談スレには色々な情報があります。
 本スレだけでなく雑談スレにも目を通してね。
・『展開のための展開』はイクナイ(・A・)!
 キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
 誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
 一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。


+修正に関して+
・修正(NG)要望は、名前欄か一行目にはっきりとその旨を記述してください。
・NGや修正を申し立てられるのは、
 「明らかな矛盾がある」「設定が違う」「時間の進み方が異常」「明らかに荒らす意図の元に書かれている」
 「雑談スレで決められた事柄に違反している(凍結中パートを勝手に動かす等)」
 以上の要件のうち、一つ以上を満たしている場合のみです。
・批判も意見の一つです。臆せずに言いましょう。
 ただし、上記の修正要望要件を満たしていない場合は
 修正してほしいと主張しても、実際に修正される可能性は0だと思って下さい。
・書き手が批判意見を元に、自主的に修正する事は自由です。

7:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/08/04 01:16:54 +bu84tJo0
+議論の時の心得+
・議論が紛糾すると、新作や感想があっても投下しづらくなってしまいます。
 意見が纏まらずに議論が長引くようならば、したらばにスレを立ててそちらで話し合って下さい。
・『問題意識の暴走の先にあるものは、自分と相容れない意見を「悪」と決め付け、
  強制的に排除しようとする「狂気」です。気をつけましょう』

+読み手の心得+
・好きなキャラがピンチになっても騒がない、愚痴らない。
・好きなキャラが死んでも泣かない、絡まない。
・荒らしは透明あぼーん推奨。
・批判意見に対する過度な擁護は、事態を泥沼化させる元です。
 同じ意見に基づいた擁護レスを見つけたら、書き込むのを止めましょう。
・擁護レスに対する噛み付きは、事態を泥沼化させる元です。
 修正要望を満たしていない場合、自分の意見を押し通そうとするのは止めましょう。
・嫌な気分になったら、モーグリ(ぬいぐるみも可)をふかふかしてマターリしてください。
・「空気嫁」は、言っている本人が一番空気を読めていない諸刃の剣。玄人でもお勧めしません。
・「フラグ潰し」はNGワード。2chのリレー小説に完璧なクオリティなんてものは存在しません。
 やり場のない気持ちや怒りをぶつける前に、TVを付けてラジオ体操でもしてみましょう。
 冷たい牛乳を飲んでカルシウムを摂取したり、一旦眠ったりするのも効果的です。
・感想は書き手の心の糧です。指摘は書き手の腕の研ぎ石です。
 丁寧な感想や鋭い指摘は、書き手のモチベーションを上げ、引いては作品の質の向上に繋がります。
・ロワスレの繁栄や良作を望むなら、書き手のモチベーションを下げるような行動は極力慎みましょう。

8:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/08/04 01:18:19 +bu84tJo0
参加者名簿(名前の後についている数字は投票数)

FF1 4名:ビッケ、スーパーモンク、ガーランド、白魔道士
FF2 6名:フリオニール(2)、マティウス、レオンハルト、マリア、リチャード、ミンウ
FF3 8名:ナイト、赤魔道士、デッシュ、ドーガ、ハイン(2)、エリア、ウネ、ザンデ
FF4 7名:ゴルベーザ、カイン、ギルバート、リディア、セシル、ローザ、エッジ
FF5 7名:ギルガメッシュ、バッツ、レナ、クルル、リヴァイアサンに瞬殺された奴、ギード、ファリス
FF6 12名:ジークフリート、ゴゴ、レオ、リルム、マッシュ、ティナ、エドガー、セリス、ロック、ケフカ、シャドウ、トンベリ
FF7 10名:クラウド、宝条、ケット・シー、ザックス、エアリス、ティファ、セフィロス(2)、バレット、ユフィ、シド
FF8 6名:ゼル、スコール、アーヴァイン、サイファー、リノア、ラグナ
FF9 8名:クジャ、ジタン、ビビ、ベアトリクス、フライヤ、ガーネット、サラマンダー、エーコ
FF10 3名:ティーダ、キノック老師、アーロン
FF10-2 3名:ユウナ、パイン、リュック
FFT 4名:アルガス、ウィーグラフ、ラムザ、アグリアス

DQ1 3名:勇者、ローラ、竜王
DQ2 3名:ローレシア王子、サマルトリア王子、ムーンブルク王女
DQ3 6名:オルテガ、男勇者、男賢者、女僧侶、男盗賊、カンダタ
DQ4 9名:男勇者、ブライ、ピサロ、アリーナ、シンシア、ミネア、ライアン、トルネコ、ロザリー
DQ5 15名:ヘンリー、ピピン(2)、主人公(2)、パパス、サンチョ、ブオーン、デール、王子、王女、ビアンカ、はぐりん、ピエール、マリア、ゲマ、プサン
DQ6 11名:テリー(2)、ミレーユ、主人公、サリィ、クリムト、デュラン、ハッサン、バーバラ、ターニア(2)、アモス、ランド
DQ7 5名:主人公、マリベル、アイラ、キーファ、メルビン
DQM 5名:わたぼう、ルカ、イル、テリー、わるぼう
DQCH 4名:イクサス、スミス、マチュア、ドルバ

FF 78名 DQ 61名
計 139名

9:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/08/04 01:20:20 +bu84tJo0
生存者リスト

FF1 0/4名:(全滅)
FF2 0/6名:(全滅)
FF3 1/8名:エリア
FF4 1/7名:カイン
FF5 2/7名:バッツ、ギード
FF6 4/12名:リルム、マッシュ、ロック、ケフカ
FF7 2/10名:ザックス、セフィロス
FF8 3/6名:スコール、アーヴァイン、サイファー
FF9 1/8名:サラマンダー
FF10 1/3名:ティーダ
FF10-2 2/3名:ユウナ、リュック
FFT 2/4名:アルガス、ラムザ

DQ1 0/3名:(全滅)
DQ2 0/3名:(全滅)
DQ3 1/6名:セージ
DQ4 3/9名:ソロ、ピサロ、ロザリー
DQ5 3/15名:ヘンリー、パパス、プサン
DQ6 2/11名:クリムト、ターニア
DQ7 1/5名:フィン
DQM 1/5名:ルカ
DQCH 1/4名:スミス

FF 19/78名 DQ 12/61名
計 31/139名

10:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/08/04 01:23:34 +bu84tJo0
■現在までの死亡者状況
ゲーム開始前(1人)
「マリア(FF2)」

アリアハン朝~日没(31人)
「ブライ」「カンダタ」「アモス」「ローラ」「イル」「クルル」「キノック老師」「ビッケ」「ガーネット」「ピピン」
「トルネコ」「ゲマ」「バレット」「ミンウ」「アーロン」「竜王」「宝条」「ローザ」「サンチョ」「ジークフリート」
「ムース」「シャドウ」「リヴァイアサンに瞬殺された奴」「リチャード」「ティナ」「ガーランド」「セシル」「マチュア」「ジオ」「エアリス」
「マリベル」

アリアハン夜~夜明け(20人)
「アレフ」「ゴルベーザ」「デュラン」「メルビン」「ミレーユ」「ラグナ」「エーコ」「マリア(DQ5)」「ギルバート」「パイン」
「ハイン」「セリス」「クラウド」「レックス」「キーファ」「パウロ」「アルカート」「ケット・シー」「リディア」「ミネア」

アリアハン朝~終了(6人)
「アイラ」「デッシュ」「ランド」「サリィ」「わるぼう」「ベアトリクス」

浮遊大陸朝~日没(21人)
「フライヤ」「レオ」「ティファ」「ドルバ」「ビアンカ」「ギルダー」「はぐりん」「クジャ」「イクサス」「リノア」
「アグリアス」「ロラン」「バーバラ」「シンシア」「ローグ」「シド」「ファリス」「エッジ」「フルート」「ドーガ」
「デール」

浮遊大陸夜~夜明け(19+1人)
「テリー(DQ6)」「トンベリ」「ゼル」「レオンハルト」「ゴゴ」「アリーナ2」「わたぼう」「レナ」「エドガー」「イザ」
「オルテガ」「フリオニール」「ユフィ」「リュカ」「ピエール」「ハッサン」「ビビ」「ブオーン」「ジタン」「ライアン」

浮遊大陸朝~終了(7人 ※うち脱落者1人)
「アルス」「ギルガメッシュ」「ウネ」「ウィーグラフ」「マティウス」「アリーナ」 ※「ザンデ」(リタイア)

闇の世界朝~ (3人)
「サックス」「タバサ」「テリー(DQM)」

11:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/08/04 01:37:58 +bu84tJo0
■その他
FFDQバトルロワイアル3rd 編集サイト
URLリンク(www.geocities.jp)
FFDQバトルロワイアル3rd 旧まとめサイト
URLリンク(www.geocities.jp)
1stまとめサイト
URLリンク(www.parabox.or.jp)
1st&2ndまとめサイト
URLリンク(ffdqbr.hp.infoseek.co.jp)
携帯用まとめサイト
URLリンク(web.fileseek.net)
FFDQバトルロワイアル保管庫@モバイル(1st&2ndをまとめてくれています)
URLリンク(dq.first-create.com)
番外編まとめサイト
URLリンク(ffdqbr.fc2web.com)

保管庫
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
したらば
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
あなたは しにました(FFDQロワ3rd死者の雑談ネタスレ)
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
ロワらじ
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
お絵かき掲示板
URLリンク(dog.oekakist.com)

現在の舞台は闇の世界(DQ4)
URLリンク(ffdqbr.hp.infoseek.co.jp)

12:迷走ロンド ―C「現実」― 1/12
09/08/04 11:23:48 /uSUQCr2P
闇の果て、わずかに開かれたままの扉に手をかけて、押す。
どこか赤みがかった光と、生ぬるい風が、身体を包む。
むせ返りそうな独特の匂いと、踏みしだかれた草の中心―
そこに、あいつはいた。
いつもの自信に満ちた笑みの代わりに、青白い能面のような表情を張り付かせ、
何かを憂うかのような瞳を、じっと折れた草に向けていた。
ぼさぼさになった長い髪を整えようともせず、ところどころ破けた衣服は乾いた血と泥で汚れ、
俺の記憶にある"あいつ"の姿とは、あまりにもかけ離れていた。
だが、それでも、こいつがアーヴァインだと思えたのは……

「ちょ……なんか、顔色悪いけど、大丈夫?」
そう言った時の表情だった。
狼狽を隠そうともせず、目を見開いて、おろおろと手を差し伸べる仕草は、記憶の中のあいつと同じだった。
「数時間前に毒を食らっただけだ。
 解毒もしたし、命に関わるほどじゃない」
「……解毒してるのにそんな真っ青になる毒って、すんごい心当たりがあるんだけど。
 もしかして、イクサスとか、バーバラにやられたんじゃないの?」
「いいや。サックスって名前の、赤髪の男だ」
無駄な情報を与える気などなかったのに、気づけば口が動いてしまう。
「サックス……だったらやっぱり、イクサスから奪った毒薬だと思う。
 無理しないで座った方がいいよ」
「いや、いい」
アーヴァインの勧めを断ったのは、俺の中にある猜疑心の、最後の抵抗だった。
アルガスの恐怖と、ヘンリーの疑問と、そして何よりこいつ自身が口にした言葉―
それが、こいつに対する警戒を崩す事を執拗に拒んだ。

俺はライオンハートの先端を地面に突き刺した。
杖の代わりに身体を預け、ふう、と息をつく。
同時に、ざくっ、と草を踏み潰す音がした。
顔を上げると、いつの間にかアーヴァインはそっぽを向いていて、一歩、二歩と、足を動かしていた。

13:迷走ロンド ―C「現実」― 2/12
09/08/04 11:24:28 /uSUQCr2P
「最初はね、謝ろうって思ってた」
踏まれて折れた茎の間から、赤紫や緑白の液体がにじむのが、やけに鮮明に映る。
そこから視線を上にずらしていけば、斑に染まったローブの裾から垢と泥に塗れた右手が伸び、
名も知れぬ草の天辺から白い花のようなものを摘み取っていた。
「ちゃんと、頭下げて、ごめんねってさ―」
アーヴァインは器用に左手だけを使って、花びらを裂いていく。
右腕はぶらぶらと垂れ下がったままだ。
折れているのだ、と思い当たるまでには、さして時間はかからない。
「でも、やっぱり止めた。
 嘘ついて誤魔化すとか……そんなことをしたら、余計に戻れなくなるだろ?」
そう言った、あいつの指の間で、花が悶えた。
雄しべに見えたものがうぞうぞと蠢き、残り僅かな花びら―ベルベットのような薄い羽から、大量の燐粉を撒き散らす。

それは、虫だった。
青空の無い世界でどんな進化を遂げたのか、蛾の羽と、蜘蛛と同じ数の脚と、蟻の体を持つ、掌サイズの虫。
それをアーヴァインは捕まえて、玩具を壊す子供のように甚振っていたのだ。
あからさまに楽しんでいる風でもなく、嫌悪を抱いている風でもなく、ただ、呼吸をするように。
でたらめにもがく脚を、伸びた爪で弾いて千切り取り、びくんびくんと暴れる腹を、掌でゆっくりと押しつぶしていく。

「今更、仲間だの友達だの、なんて持ち出せないことはわかってる。
 それでも―教えてほしいんだ」
振り向いたあいつの顔は、限りなく自嘲に近い、寂しげな笑みを刻んでいた。
その一方で、あいつの手の中は、虫の上半身がひときわ大きく身を捩った。
ぱきゅっ、と硬い音と同時に、緑色の体液と潰れた中身が指の隙間から零れ出す。
ぐったりとうなだれた頭を、アーヴァインの右手は解放しようとしなかった。
短くなった鉛筆を繰るように、残った部分をすっぽりと包み込み―同じように、握りつぶした。

14:迷走ロンド ―C「現実」― 3/12
09/08/04 11:25:34 /uSUQCr2P
ばらばらと掌から堕ちていく外骨格の破片に、一瞬、錯乱して泣き喚くアルガスの姿と、包帯ににじんだ血の痕が重なる。
「脅しか?」
俺の言葉に、しかしアーヴァインは、眉をひそめるだけだ。
「脅しって……何が?」
何を言っているのか本気でわからない―きょとんとした表情は、そう語っている。
嫌悪感や怒りよりも先に、耐え難いまでに強烈な違和感を覚えながら、俺は、無言で虫だったものの欠片を指差した。
「……あ、ああ、そういうこと? 脅しって。
 いや、これは、その、違うよ。全然違うよ。
 ただ、ちょっと、イライラが止まらなかったから」
「イライラ?」
何かの八つ当たりだとしても、もう少し、まともな方法があるだろう。
悪趣味にも程がある、と言おうとした時だ。
「お腹が空いた時みたいに―ああ、もちろん、こんな虫食べるわけないけど。
 なんていえばいいのかなあ……」
アーヴァインは呟きながら、汚れた手をローブの裾で拭き、それからぽりぽりと頭を掻いた。
うーん、と唸り、腕を組む姿は、紛れも無く俺の知ったものだ。
なのに、何故だろう。
俺の記憶にあるこいつと、目の前にいるこいつが重ならない。
何故だろう。『人を化物に変える病気』―
ヘンリーが呟いた、こいつ自身の言葉が、頭の中でこだまして、消えない。

「ごめん、説明したくないや。
 あんまり、わかってほしくない」
アーヴァインはそう言って、悲しげに俯いた。
吐き気が喉元にこみ上げる。
(……きっと、毒のせいだ)
そう思い込んで、俺は不愉快な感覚を腹の底に押し戻した。

「それよりさ、スコール。聞きたいことがあるんだ」
(聞きたいこと?)
救いを求めるような眼差しに、嫌な予感を覚える。
こういう場面で出てくる問いは、大抵の場合答えようの無い事か、聞かれても困ることだ。
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、あいつは目を伏せたまま、口を開いた。


15:迷走ロンド ―C「現実」― 4/12
09/08/04 11:27:16 /uSUQCr2P
「あんたが、僕と同じ道を選ばなかった理由。そいつを知りたい」
その言葉で、俺はやっと悟ることができた。
俺とサイファーを呼び出そうとした意味を―この男が真に求めるものを。

(まみむめも、か)
妙な挨拶を流行らせようとしていた、仲間の顔が思い浮かぶ。
(だから、あんたは一人でも帰りたいのか。
 でもな、そんなの、みんな同じなんだぞ。
 誰だって帰りたいさ、俺だって―例え、そこに待つ人がいなくても)

アーヴァインは俺をちらりと見やり、ふう、とため息を付いた。
それから、俺の答えを待とうともせずに、ゆっくりと話し出す。
「スコール。僕は、アルティミシアを殺せるって思ってないんだよ」
人の返事を遮った声音は、どこまでも深い絶望に満たされていた。
「殺しても蘇って、こうやって僕らを余裕で捕らえた相手を殺す方法なんて、思いつかない。
 だから……だから、僕は、殺し合いに乗ったんだ。
 なのに、僕は僕が思ってた以上に弱かった」
一瞬、ルナティックパンドラでサイファーと剣を交えた時を思い出す。
自暴自棄と自嘲と、もう引き返せないというある種の諦め。
あの時、サイファーが浮かべていたのと同じ表情を、目の前に居るこいつも浮かべていた。
(―ああ、だからか)
怒鳴りつける気力も沸いてこなければ、殴る気にもなれなかったのは。

「友達は……ティーダは、ゼルは、僕を許してくれたよ。
 その上で、みんなで一緒に帰ろうって、魔女を倒して帰ろうって、誘ってくれた。
 ……嬉しかったよ。
 そうやって、何も思い出さずに、友達を信じて、同じ夢を見ていたかった。
 そうでなければ―狂ったまま、自分も過去も未来も見失ったまま、一人で死んで行きたかった」
遠くを見つめる瞳は、二度と戻らない時間に思いを馳せているようだった。
あるいは、何もかもが幻想に過ぎなかったのだと嘆いているようにも見えた。
「たった一日過ごしただけの友達が優しいから、そんな理由で、彼女を諦めることはできない。
 ここにいない子に会いたいから、そんな理由で、僕を助けてくれた友達を裏切ることもできない。
 ―もっと別の理由が、僕には必要なんだ」

16:迷走ロンド ―C「現実」― 5/12
09/08/04 11:28:11 /uSUQCr2P
そう言って、あいつは、俺を見た。
「教えてくれよ、スコール。
 あの魔女を這い蹲らせて、下らない野望ごとぶち壊す方法を。
 勝算があるから、あんたはそうしてそこに居るんだろう?」

ああ、と俺は、何度目になるかわからないため息を吐いた。
そんなことを聞くために、こいつは人を傷つけてきたのか。
「―下らないな」
思わずこぼれた本心に、アーヴァインが眉をひそめる。
「…今、なんて?」
「下らないと言ったんだ。
 勝算なんてあるものか。
 俺は、俺のやるべきことを為すために、ここにいるってだけだ」
そうとだけ答えて、踵を返す。
言いたい事は山ほどあったが、喋る時間すら無駄に思えた。
どうせこいつは―

「それがあんたの答えなら、失望したよ! スコール!」

あいつの声が背中に響く。
それと同時に、周囲の空気が一変し、流れていた風が動きを止める。
"さきがけ"の効果が発動したのだ。
「マヌーサ!」
俺は振り向きざまに、素早く魔法を発動させた。
紫色の霧が、幾多の幻影を生み出す。
だが、その先に、あいつの姿は無かった。
「虫みたいに足掻いてるだけなら、僕のためにここで死ね!」
咆哮は、空から。
顔を上げれば、何かが煌きながら降り注いできた。
矢だ。金属の輝きを放ちながら、重力に引き寄せられて、一直線に、俺へと。
「甘い!」
俺はガンブレードのトリガーを引きながら中空で一回転し、全力で薙いだ。
爆発と共に振動が大気を切り裂き、震わせ、衝撃と化して迫り来る矢を弾き飛ばす。

17:迷走ロンド ―C「現実」― 6/12
09/08/04 11:29:03 /uSUQCr2P
(魔女が生きている理由? 聞きたいのは俺だ。
 サイファーにもあんたにもわからないことを、なんで俺が知ってなきゃいけないんだ)

「新技とか卑怯じゃな~い?」
着地したアーヴァインが口を尖らせる。
その手には、まだ、二本の矢が十字に握られていた。
「お前が言うな」
俺は数歩後じさりながら、ライオンハートを構えなおす。
気分は相変わらず優れない、むしろ最悪に近いコンディションだが、そのせいで逆に大技を出す気力を振り絞っていける。

(そもそも、そんなことを俺に聞きに来ること自体がナンセンスすぎる。
 俺が殺せるといえば仲間になって、殺せないといえばまた殺し合いに乗るのか?)

だが―相手の状態と得物を考えれば、接近戦こそ不利。
片手のみで弓を使うよりも、矢そのもので刺殺を狙ってくるだろうからだ。
加えて、今のあいつから、GFをジャンクションしている雰囲気は感じ取れない。
つまりベストの戦略は、魔法による遠距離攻撃……
「撃たせるか!」
俺の思考を読み取ったか、アーヴァインが疾る。
縦ではなく横に地面を蹴ったのだ、と気づく頃には、奴は俺の懐に入り込んでいた。
「GOOD BYE!」
握られた鏃が心臓を狙い済ます、その瞬間に、俺はサイファーからドローしていた魔法を発動させる。
「ファイア!」
至近距離で撃てばこちらも巻き込まれるが、そんなことを言っている場合ではない。

(いろいろ理由付けたところで、結局、俺の判断に寄りかかって、失敗した時の責任を押し付けたいだけじゃないか。
 ……そんなものが仲間か? 俺は認めないからな!)

18:迷走ロンド ―C「現実」― 7/12
09/08/04 11:30:22 /uSUQCr2P
小さな炎に巻かれ、アーヴァインが怯んだ隙に、重い身体を気合で動かし、腹に一発、全力の蹴りをくれてやる。
「うぐぅっ!」
うめき声を上げながらあいつは転がり、しかし、どうにか受身を取れたのか、すぐに立ち上がった。
「……さすが、はんちょー…かんたんには、やらせて、……」
げほ、と咳き込んだ口元から、赤い液体が零れる。
どうやら、俺が思っている以上に、あいつの体はボロボロだったらしい。
俺はライオンハートを肩にかつぐ。
「どうする? まだやるか?」
「そう、したいけど、……ゲホッ、うげぇっ……」
膝を付いて屈み込み、鮮血と胃の中身が混ざったものを何度か吐き戻しながら、アーヴァインは首を横に振った。
手加減できる状況でなかったから本気を出したのだが……少しばかり、やりすぎたようだ。

「きのう、ズンドーおんなに……ゴフッ…やられたばかりなのゲホッゲボッガハッ!!」
「……悪かった」
『ズンドー女』というフレーズで、一度だけ見かけたアリーナの姿が浮かんだ。
もしかしたら彼女か、噂の偽者という奴に腹部をやられていたのかもしれない。
それでなくとも、これだけの吐血となると内臓が損傷してしまっているだろう。
放置していては命に関わりかねない。
「立てるか?」
そういって差し伸べた手を、アーヴァインは右手で跳ね除けた。
「いい……情けなんて、いらない」
赤く染まった口元を左手の裾で拭き、あいつはゆっくりと立ち上がった。
普通の人間なら激痛で意識を失っていてもおかしくない状況で、だ。
(―アンデッド化、してるのか?)
攻撃性の増大と、痛覚の欠如は、ゾンビーの魔法を使用してアンデッド体質に変化した際に良く見られる副作用。
回復魔法の効果が大幅に制限されているこの世界では、ゾンビーを自分にかけることは決して悪手ではない。
しかし、それにしては、血色が良すぎる気がするが……
「エスナが必要なら、バッツに頼んでやるが」
「要・ら・な・い。
 僕が欲しいのは、答え、だけだよ……」
アーヴァインはそう言って、数歩ほどふらふらと歩き―すぐに、よろめいた。


19:迷走ロンド ―C「現実」― 8/12
09/08/04 11:31:45 /uSUQCr2P
「そんなナリで何が出来る?
 治療してやるから、大人しく武器を置いて、俺の指示に従え」

(……頼りたいのか、頼りたくないのか、はっきりしろ)

「助けてくれるのか、突き放すつもりなのか、はっきりしてくれよ……」
人の思考を読んだかのように、アーヴァインが呟く。
その肩から、背負っていたザックがずれるように落ちた。
俺は全身を縛り付ける倦怠感を気力で押さえ込み、あいつの手を引いて、肩を支えてやる。

「あんたみたいな、果てしなく迷惑な大バカ野郎、全力で突き放したいに決まってるだろ。
 だが……どんな奴でも殺さないと、約束したんだ」
「さっすが、伝説のSeeD……ずいぶんとご立派なことで」
ぼくにはとてもまねできない、と棒読みのようにこぼしてから、アーヴァインはがっくりとうなだれた。
一瞬、気絶したのかと思ったが、ただ体重を預けてきただけらしい。
「あーあ……今のあんたにすら負けるなんて、思わなかった」
耳元で、ひひ、と自嘲の笑いが響く。
「GFも銃も装備してないくせに、今の俺に勝てると?」
杖代わりにしたライオンハートの青い刀身に目をくれながら、俺はすっかり呆れ帰る。
それでもアーヴァインは、言葉を継いだ。
「どんな状況でも、勝たなきゃ……勝てなきゃ、意味がないんだ。
 負けたら、そこで、GAMEOVERなんだからさ。
 こっちが不利でも……相手が仲間でも、友達でも……」
(―まだ言うか、こいつ)
どうして極端から極端に走るのか、とてもじゃないが理解できない。

(……いや、理解できないんじゃない。したくないんだ)

20:迷走ロンド ―C「現実」― 9/12
09/08/04 11:34:02 /uSUQCr2P
帰りたいとか、会いたいとか、そういう気持ちはわかる。
その目的を達成するためには自分が頑張らなきゃいけないと、思いつめる気持ちもわかる。
出来るだけ可能性の高い道を選びたいって気持ちも、
見つかった道は大事なものを犠牲にしなきゃいけないってわかった時の絶望感も、何もかも―わかる。
わかるけど、わかりたくない。認めるわけにはいかないんだ。
だって認めてしまったら、止められなくなるだろう?
そうなったら、本当に、完全に、絶対に、戻れない。
死んだとかじゃなく、生きてるのに過去形で『仲間だった』って―

「嫌に決まってるだろ、そんなの!」

「……は?」
アーヴァインの間抜けな声で、俺は我に帰る。
しまった。久々にやってしまった。
「考え事するのはいいけど、急に叫ぶ癖は直しなよ……
 ホント、心臓に悪いから」
悪かったな、と心の中で一人ごちてから、俺は息を吐く。
そして、祠の手前まで歩いたところで、アーヴァインに話しかけた。

「なあ……一つだけ聞いておきたい。
 なんであんたは、アルティミシアを信じる?」
「え?」
「あんたは生き残れば帰れると信じてる。
 それはつまり、生き残れば帰してくれるほど、あの魔女は優しい相手だと信じてるわけだろう」

俺の言葉に、アーヴァインは口を噤む。
そこまで考えていなかったのか、そうと思わなければ自分を支えきれなかったのか―
多分、後者なのだろう。

21:迷走ロンド ―C「現実」― 10/12
09/08/04 11:36:03 /uSUQCr2P
俺の予想を裏付ける返事が戻ってきたのは、祠の中、出入口から一番近い小部屋に入った後のことだ。
「絶望を贈るのがそんなに好きだなんて、知らなかったよ」
壁にもたれかかったアーヴァインは、そうとだけ言って、目を閉ざした。
「俺はただ、現実を口にしてるだけだ」

嘘をついてだますのは簡単だ。
こいつが望む道に進めるよう、背中を押すのも簡単だ。
(だけど―失敗した時、後悔するのはこいつだ)
俺が言ったから、そんな理由で道を選んで挫折したら……余計に悔しい思いをするだけだろう?
だから、俺は、甘い言葉や奇麗事は言わない。
現実しか口にする気はない。
それが仲間にしてやれる、唯一のことだ。

「ティーダは、今、どこにいるんだろう」
唐突にアーヴァインが呟いた。
わずかに残っていた回復魔法を使いながら、もしかしたら独り言なのかもしれないと思いつつ、俺は問う。
「会いたいのか?」
「……別に。ただ、心配なだけ」
ぱちぱち、と目をしばたたかせ、それから、袖で瞼をごしごしとこする。
相変わらずひねくれものだ。こいつは。

「あんたは、大人しく、先のことでも考えてろ。
 最良の選択って奴をするためには、ゆっくりすることが必要だって言うからな」

俺はそう声をかけて、一旦、部屋を後にした。
ケアルのストックが切れてしまった。補充が必要だ。
それに、ティーダって奴の行方も、リルムとアルガスに確認しなければならない。
そろそろ、サイファー達も、デスキャッスルだかに到着している頃だろう。
二人が近い位置にいるのであれば、合流を依頼するとしよう。

22:迷走ロンド 状態表 11/12
09/08/04 11:37:15 /uSUQCr2P
【サイファー(右足軽傷)
 所持品:破邪の剣、G.F.ケルベロス(召喚不能) 白マテリア 正宗 ケフカのメモ ひそひ草
      レオの支給品袋(アルテマソード 鉄の盾 果物ナイフ 君主の聖衣 鍛冶セット 光の鎧) 】
 第一行動方針:ロザリー達を探す
 基本行動方針:マーダーの撃破(セフィロス、アリーナ、サックス優先)
 最終行動方針:ゲームからの脱出】
【ソロ(HP3/5 魔力少量)
 所持品:ラミアスの剣(天空の剣) 天空の盾 さざなみの剣
      ジ・アベンジャー(爪) 水のリング 天空の兜
 第一行動方針:ロザリー達を探す
 基本行動方針:PKK含むこれ以上の殺人を防ぐ+仲間を探す
※但し、真剣勝負が必要になる局面が来た場合の事は覚悟しつつあり】
【現在位置:デスキャッスル南東の平原部】


【バッツ(HP3/5 左足負傷、魔力0、アビリティ:白魔法)
 所持品:アポロンのハープ アイスブランド うさぎのしっぽ 静寂の玉 ティナの魔石(崩壊寸前)
      マッシュの支給品袋(ナイトオブタマネギ(レベル3) モップ(FF7) バーバラの首輪)
 第一行動方針:首輪を調べる
 基本行動方針:『みんな』で生き残る、誰も死なせない】
【マッシュ(気絶、重症、右腕欠損) 所持品:なし】
 第一行動方針:休憩
 第二行動方針:アーヴァインと緑髪(緑のバンダナ)の男、及びエドガーを探す
 第三行動方針:ゲームを止める】
【ヘンリー (重傷から回復、リジェネ状態)
 所持品:アラームピアス(対人) リフレクトリング バリアントナイフ 銀のフォーク
     キラーボウ、グレートソード、デスペナルティ、ナイフ  命のリング(E)
 基本行動方針:ゲームを壊す(ゲームに乗る奴は倒す)】
【リルム(HP1/3、右目失明、魔力消費)
 所持品:絵筆、不思議なタンバリン、エリクサー、攻略本(落丁あり) 首輪×2 研究メモ
レーザーウエポン グリンガムの鞭、暗闇の弓矢 ブラスターガン 毒針弾 ブロンズナイフ
 第一行動方針:ヘンリー達と同行する
 第二行動方針:仲間と合流
 最終行動方針:ゲームの破壊】
【現在位置:南東の祠(奥)】

23:迷走ロンド 状態表 12/12
09/08/04 11:41:10 /uSUQCr2P
【アーヴァイン(変装中@白魔もどき、右腕骨折、右耳失聴、冷静状態、重症)
 所持品:竜騎士の靴 手帳 首輪 弓 木の矢28本 聖なる矢20本 ふきとばしの杖[0]
 第一行動方針:???
 第二行動方針:アルガスの口を塞ぐ、場合によってはヘンリーに仕返しする
 最終行動方針:生還してセルフィに会う
 備考:理性の種を服用したことで、記憶が戻っています】
【スコール (HP2/3、微~軽度の毒状態、手足に痺れ)
 所持品:ライオンハート ひそひ草 エアナイフ、ビームライフル
     G.F.カーバンクル(召喚○、コマンドアビリティ×、HP2/5)、G.F.パンデモニウム(召喚×)
 吹雪の剣、ガイアの剣、セイブ・ザ・クイーン(FF8) 、貴族の服、炎のリング
 第一行動方針:アーヴァインの監視と治療
 第二行動方針:サックスを警戒/首輪の研究
 基本行動方針:ゲームを止める】


****************************
・前スレ投下分と合わせて三連作です。
・状態表はAからCまで含めたものです。
****************************

24:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/08/10 22:30:51 8XspgGCpO
ほしゅ

25:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/08/13 22:54:04 52pCka45O
ほしゅ

26:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/08/17 21:12:53 qfQEXQz6O
ゅしほ

27:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/08/21 19:20:25 hHABEENa0
保守ついでに

テンプレ、移転した「FFDQバトルロワイアル保管庫@モバイル」のアドレスが前のままになってる
↓新しいアドレス
URLリンク(ffdqbr.roiex.net)

28:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/08/27 15:33:18 j8xeLK4Z0
ほっしゅほっしゅ

29:ある男と女の夢 1/19
09/08/31 21:55:00 dUW5NOCv0
八時半。あの忌々しい化物に会う。
九時を回った頃。人殺しと化物のオトモダチ共と、空気を読まないロザリーに会う。
十時過ぎ。カインの奴と、アマちゃんのラムザに会う。
それから約三十分後。祠にたどり着き、新生ナントカ団のス・リ・バとやらに保護される。
そして―

時計を見る。
秒針はきちんと一秒刻みで動いている。短針と長針は十一時十分を指している。
あたりを見回す。
広がるのは青空。輝くのは太陽。足元には花畑。舞うのは純白の蝶。
陰気くさい石壁も、湿った祠の空気も、どこにも存在しない。

(―おいおいおいおいッ!? どういうことなんだッ!?)
妥当に考えれば夢でも見ているんだろうが、それならこの風の感触は? ほのかに漂う花の匂いは?
ここまでリアルな夢なんて、生まれてこの方見たことがない。
だが、現実では有り得ないのも確か。
たった十五分かそこらで別世界にワープできるなら、さっさと魔女の手を逃れて、それこそ家にでも帰ってるさ。

俺は、草原を歩き始めた。
柄じゃあないとは思うが、それでも気持ちがいいのは確かだ。
風は涼しく、日差しはほどよく暖かく、虫けら共も俺の傍には決して近づかず、花と一緒に目を楽しませることに徹している。
そして、少し休みたいと思った矢先に、程よい影を作る大木と、座るために存在するような切り株が見えた。
喉が渇いた、と思えば、視界の端に泉が見えた。
(夢か、やっぱり)
泉のほとりまで歩き、澄んだ水を掬い上げて一口分を飲み干してから、俺はため息をつく。
なんでも思い通りになるってのは気分がいいが、結局は一人遊びみたいなもんだ。
目を覚ませば血なまぐさい現実が広がっているわけで、その辺りを考えると途端に空しくなってくる。

(……そういや、前にウネの婆さんが変なことを言っていたな)
夢の世界でウネを呼べば連絡ができるとか、そんな話だ。
しかし、当の本人は何故か化物に変身していた挙句くたばったわけで、今更思い出したところでどうにもならない―

30:ある男と女の夢 2/19
09/08/31 21:56:02 dUW5NOCv0
「そんなことはないさね」
「!!?」
予想外の声に、俺は後ろを振り向く。
そこには何故か一羽のオウムが俺を見つめていて、その足は腰の曲がった婆さんの肩に止まっていて、つまり―
そこに、ウネがいた。
「どうしたんだい? 幽霊を見たような顔をして」
「な、だっ、あ、う、な、なん……!!」
「ああ、あたしは死んだじゃないかって言いたいのかい?」
俺は全力で首を縦に振った。
そう、死んだんだ、この婆さんは。
よくわからない化物の姿になって、竜巻や吹雪が荒れ狂う無茶苦茶な戦いを繰り広げた末に、
思い出したくもないほど醜い肉塊に成り果てて死んだんだ。
そいつがなんで、今更俺の夢に出てくるんだッ?!

俺の心を読んだかのように、ウネは答える。
「あたしがここにいるのは、ここが夢の世界だからさ。
 現実のあたしが殺せたからといって、夢の世界のあたしまで殺せるもんかね!
 そしてあんたがこの世界を自由に動けるのは、あたしが作った鍵を持っているから。おわかりかい?」
言われて、俺は反射的にポケットに手をつっこんだ。
取り出した鍵は、淡い光を放っている。
理屈はよくわからないが、要するに、クリスタルと同じでアビリティを引き継げるってことか?
それともう一つ。
俺は確かに、ウネの婆さんを呼び出せばどうとかって話を思い出しはしたが、それだけで呼んだことになるのか?
その二点を問いただしてみると、ウネはいつかのように豪快に笑った。
「まあ、あんたの解釈でも間違っちゃあいないよ。
 その鍵はあたしの魔力で出来ているから、持っていればだいたいあたしと同じことが出来るさね。
 それと、夢の世界は、ある意味その人の願いそのものだからね!
 ちょっとでも『こうだったらいいな』なーんて考えれば、それがそのまま反映されちまうのさ」
「じゃあ、例えば、俺が婆さんがいなければいいとか思ったら?」
「あんたの夢からは出て行くことになるだろうねえ。
 もちろん、もう一回呼べばいつでも来るけどね」

31:ある男と女の夢 3/19
09/08/31 21:58:13 dUW5NOCv0
「俺が、他の奴の"夢の世界"とやらを見に行くことは?」
「相手が寝ていれば可能だよ。
 ただ、相手の夢にちょっかいは出せないけどね」
「ロザリーみたいに、メッセージを送るとかは? できないのか?」
「前に言ったとおりだよ。
 人の夢にゃ干渉しないのが夢の世界の大原則だが、夢で呼ぶなら話は別。
 相手があたしかあんたのことを知っていて、向こうから呼んでくれれば、遠く離れた相手との連絡もできるさね」

そのあたりは前にも聞いたが、やはり、少々面倒だな。
ノーリスクで距離を越えて連絡を取れるというのは魅力的だが……
いや、待てよ?

「婆さんよ。例えばだが、夢の中で死んだり殺されたりしたらどうなるんだ?」
俺の質問に、ウネは珍しく真剣な眼差しでこちらを睨む。
「アルガス、あんたは良くも悪くも聡いねえ」
"良くも悪くも"は余計だ、と思ったが、そんな口を挟む余裕はなかった。
「夢の死は精神の死。夢が死んだら、身体は抜け殻のまま、死ぬまで眠り続けるんだ。
 それに、誰かの夢に干渉するってことは、その誰かにあんたの夢が干渉されるってこと。
 相手を殺せる状況なら、相手に殺されることも有り得るのさ」
その言葉には、ただの脅しとは思えない、奇妙な迫力が伴っていた。
正直、夢の中でアーヴァインの奴だとか、アルティミシアを暗殺できれば楽でいいんじゃねえかと思ったんだが……
わかってるさ、現実って奴はそんなに甘くないもんだ。
「夢への干渉が禁忌とされるのは、相手だけじゃなくて、自分にも危険が及ぶからなんだよ。
 着眼点は悪くないけど、あたしがやらなかったという点で察するべきだねえ」
チッ……忌々しいが、もっともな話だな。

「他人の夢を見る、相手の了解があれば話ができる。
 それはわかったが、他に何か出来たりしないのか?
 例えば―そうだな、婆さんとは言わない。ここにある水を現実に持っていくとか」
「残念ながら、夢の世界にあるものを現実に持ってくるには、召喚術と一緒で特別な魔力と技術が必要なのさ。
 あんたじゃあ人はもちろん、岩とかでも難しいだろうし……それに、夢で出来たものは食べても腹なんて膨れないよ!」
……色々な意味でダメじゃねえか。

32:ある男と女の夢 4/19
09/08/31 22:00:32 dUW5NOCv0
「逆はどうなんだ? 現実のものを夢の世界に持ち込むってのは」
「それは可能だけれど、当分の間は、人間を連れ込むのはやめておいた方がいいねえ」
「なんでだ?」
俺の問いに、ウネは呆れたように肩をすくめた。
「あんたの首に巻かれているものが何なのかお忘れかい?
 この夢の世界は、アルティミシアの手が届かない場所だよ」
言われて、俺は自分の首に手を当てる。
会場外に出れば爆発する―そう、確かに、魔女の手下がそんなことを説明していたじゃないかッ!
「ああ、今のあんたは、正確にはあんたが見ている夢だからね。
 首輪もなけりゃあ、爆発だってするわけがないさ。
 現実のあんたは、ぐうぐう寝息を立ててるだけだからね」

驚かせやがって……
だが、裏を返せば、首輪がなくなれば夢の世界に逃げ込めるってことだ。
上手く使えば、魔女の手から逃れることも出来るかもしれない。
戦いに巻き込まれるわ、ピサロの奴に恨まれるわ、化物に目をつけられるわと散々だったが、やっと運が回ってきたらしいな。
……そうだ。
こうなったら、こいつを利用して、もっと役立つ情報を集めてやろうじゃないか。

「婆さんよ。どうやったら他の奴の夢を見に行ける?」
「簡単だよ、相手のことを考えればいいのさ。
 相手が寝ていれば、夢の扉が現れるからね。
 普通はぴったり閉じているけど、あたしが作った鍵を使えば、あんたでも開けられるよ」
「なるほどな」
俺は鍵をぎゅっと握り締めながら、『そいつ』を思い浮かべる。
そいつがいつ寝ているかなんて知らないが……今、寝ている可能性は、決して低くないはずだ。
今までも、派手な戦闘が起こるのはたいてい夜や明け方だった。
どうせ観戦して楽しんでいるんだろうし、夜更かしした女が一休みするとしたら、今頃のはず。
そんな俺の読み通り―浮かび上がるように、真っ黒な扉が現れた。

33:ある男と女の夢 5/19
09/08/31 22:02:22 dUW5NOCv0
「だ、誰の夢を見に行くつもりだい?!」
ウネが少し焦ったような声を出す。この扉の持ち主に気づいたのだろう。
ああ、危険なのはわかってるさ。
だけど夢ってのは、願望の写し鏡だったり、記憶を整理するためのものだって言うじゃないか。
とびっきりの情報が手に入るかもしれない以上、一度は試してみる価値があるだろう?
それに、『あの女』が、夢の世界に手出しできないってことははっきりしてるんだ。
だからこそ、ウネの婆さんがここにいるわけだしな。

「なぁに、ちょっと覗いてみるだけだよ。
 どうして俺たちがこんな目にあわなきゃならないのか、いい加減気になるからな」

俺は『危険だ』とか騒ぎ立てるウネを無視して、鍵を扉に近づけた。
一瞬、扉が呼応するように輝き―そして、音もなく開いた。

****************************************

そこは、見覚えのある大広間だった。
老若男女、種族を問わず、無数の人間が(二日ほど前の俺と同じように)不安げに佇んでいた。
そして、黒いローブを着込み、白い仮面を付けた一人の男が、壇上の王座に腰掛けていた。
男はゆっくりと周囲を見回し、機械的に告げた。
「今日は貴様等に殺し合いをしてもらう」

男の声が響くと同時に、風景がぶれた。
次の瞬間、場所は同じまま―しかし、あれほどたくさんいた人々は消えうせ、一人の少女がぽつんと座り込んでいた。
煌く銀の髪は血で穢れ、黒を基調にしたドレスはぼろぼろに破けている。
見るも無残な姿の少女に、仮面の男は手を叩きながら歩み寄った。
「おめでとう。君が優勝者だ」
少女はじっと男を見上げた。
「君が望むならば、元の世界に戻してあげよう。
 生き残った君には、それを願う権利がある」
男は何の感情も篭らない声で言った。
けれども、少女は首を横に振ると、金色の瞳からぽろぽろと涙をこぼし、ひざを抱えてうつむいた。

34:ある男と女の夢 6/19
09/08/31 22:04:52 dUW5NOCv0
「帰りたくない。帰っても、一人ぼっちだもの」
少女の言葉に、男は驚いたようだった。
「帰りたく……ない?」
くぐもった声には明らかな狼狽がにじんでいた。
少女はうなずいて、男にすがりつくように、その手を握る。
「誰も傍にいてくれない。魔女は生きていたらいけないんだって、皆、私を殺そうとする。
 魔女だから死ぬことも出来ない……一人はイヤなのに、誰も傍にいてくれない。
 あんな……あんな世界、帰りたくなんてない! みんな壊れてなくなっちゃえばいいんだ!!」
静かに泣く少女に、男は戸惑うように、ためらうように、片手を動かした。
そしてゆっくりと、掌を少女の頭に置いた。

「……ならば、私と共に生きるか?」
男は言った。
「私は長い時を孤独に過ごしてきた。
 『遊戯』を行う時以外は、誰も私の傍にいてくれなかった。
 だが……君が私の傍にいてくれるというなら、私も君の傍にいよう。
 無限に等しい時を、君のためだけに費やそう」
その言葉には、許しを乞う罪人の懺悔にも似た、哀しいぐらいに切実な―孤独から逃れたいという思いが込められていた。
少女は顔を上げ、しばしの間じっと男を見つめていたが、やがて小さく頷いた。

【―それが私と彼との出会い】
誰かの声が、頭の中に響く。
同時に視界が乱れ、色々な光景がめまぐるしく切り替わりながら流れ始めた。

ある時、男と少女は、共に殺し合いを眺めていた。
【彼は、巨大なクリスタルを中心に据えた、不思議な装置を持っていた。
 それを動かすと、勝手に大地を作り、勝手に人々を集めた。
 その時は首輪などなかったけれど、それでも皆、勝手に殺しあった。
 生き延びた者は男に挑みかかるか、あるいは帰りたいと命乞いをしたけれど、辿った運命は皆同じだった。
 彼がその手を血で汚すたびに、クリスタルは漆黒の輝きを強めていった】

35:ある男と女の夢 7/19
09/08/31 22:07:24 dUW5NOCv0
ある時、男と少女はクリスタルの前に立っていた。
【彼は私の望みならば、どんなつまらぬことでも受け入れた。
 私のいた世界が壊れていくところを見たいといえば、会場の一つにセントラの大地を造ってみせた。
 子供同士で殺しあう様を見たいといえば、年端もいかない子供だけを集めてみせた。
 彼はクリスタルに己の魔力を注ぎ込むことで、私が口にした願いを全て叶えてくれた。
 ―彼自身が抱いていた願いだけは、叶えることができなかったと知ったのは、ずっと後だ】

ある時、男と少女は二人きりで語らっていた。
【私は事あるごとに彼の名前を尋ねた。
 彼はいつも違う名を口にした。100と33回尋ねて、同じ名前を出すことは一度も無かった。
 それらは全て殺し合いで生き延びた者の名で、男が自ら殺めた者の名だった】

ある時、男と少女は、寄り添って眠っていた。
【彼の目的を私は知らない。今でもわからない。
 私達はただ、互いの孤独を癒すためだけにそこにいた。
 孤独な生に飽いた男と、孤独な死を嫌った魔女には、それだけで十分だった】

―俺は思った。
(さすが魔女の夢、狂ってやがる)、ってな。

心の中で吐き捨てると同時に、またまた、風景がぐらりと揺れた。
気づけば、そこには、男と少女と、十代後半と思わしき青髪の剣士と、三十手前ぐらいの妙な黒服を着たヌンチャク女がいた。

「帰ろう、君のいるべき世界に! みんな、君を待ってる!」
剣士が声を荒げる。その視線の先には、剣を構える男と、彼の手に縋りつく少女がいた。
女が戸惑うように、しかし必死の形相で訴える。
「ちょ、ちょっと?! 忘れちゃったの、あたしたちのこと!」
だが、男は二人をせせら笑いながら、少女を庇うように立ちはだかる。
「貴様らが何者かなど知らぬし、私達が求めるものは二人きりの世界だけだ!」
男は吼えると同時に、天に向かって剣を掲げた。
黒い稲妻にも似た闇の波動が、剣士と女を押しつぶすように包み込む。

36:ある男と女の夢 8/19
09/08/31 22:10:11 dUW5NOCv0
「招かれざる愚かな客人達よ! その魂、我が手で『闇』の一部に変えてやろう!
 そして我等の夢の礎となるがいい!」
剣士は迫り来る闇を前に、絶望に満ちた表情でうつむき―不意に、剣から手を離した。
「ここに辿りつくまでに、色々な世界を回って、幾人かの神様に会ったよ。
 彼らの言葉を、信じたくなんてなかったけど……君は、もう、僕達の知る君じゃないんだなッ!!」
若者の手に光が集う。
それは次の瞬間、長大な剣と化し、衝撃波を巻き起こしながらあたり一面をなぎ払った。
黒と白、二つは真っ向からぶつかり、お互いを喰らいあいながら爆発し―そして、暗闇が全てを包んだ。

闇が晴れた時、男と若者の姿は無かった。
そこは城ですらなかった。
枯れた花畑と、崩れかけた石の家がぽつんと見えるだけの、海辺だった。
【彼はどこにもいなかった。共にいると誓ったのに、彼は私を一人にした】
声がした。絶望と憎しみに満ちた声が。
【私は一人になった。彼が私を捨てたせいで。
 そう、私を捨てた。帰りたくないと願った世界に、私を一人、捨てていった】

(……無茶苦茶だな。半分は言いがかりじゃないか)
そんな俺の感想を当然のごとく無視しながら、幻影の少女は静かに歩き出す。

【でも―男の元に戻りたくても、魔女の力ではあの城に辿りつけなかった。
 どれほど足掻いても過去に戻れないように。運命を覆すことができないように】
その隣に一匹の竜が寄り添うように舞い降りる。
【私は力を求め、G.F.を手なずけた。
 G.F.はまだ弱かった私に力を与えてくれたけれど、代償に、私から男の記憶を奪った。
 あの掌の感触、あの時の言葉、あの時の想い―繋ぎ止めたかったものは全て消えて、憎しみだけが残った】
少女に、黒翼を背負う魔女の影が重なる。
灰色の海岸に、鎖でつながれた城が現れる。
【私は世界を憎んでいた。男と出会う遥か以前から、ひたすらに憎み続けていた。
 男と出会おうが出会わなかろうが、いつかは魔女を拒む世界を消し去りたいと願い、同じ道を歩んだだろう。
 それほどに強く、叶えたい願いなのに……eed、SeeD、SeeD、SeeD!!!!
 どうして私の邪魔をする!! どうして自由にさせてくれない!!】

37:ある男と女の夢 9/19
09/08/31 22:12:40 dUW5NOCv0
魔女の激高に反応するように、視界が突然めちゃくちゃに乱れ出した。
機械だらけの場所に立つ魔女が映る。筋肉ダルマという表現がしっくりくる奇妙な女が映る。
【時間圧縮―それで世界を思い通りに作り変え、SeeDの存在を消し去る。
 そうして―そうして?】

兵士らしき一軍の前に立つサイファーが映る。何かの図面を見つめる、アルティミシアではない魔女が映る。
【ガルバディアの拘束装置。
 彼の首にこれを嵌めて、他の人間たちとともに殺し合わせるのも一興かもしれない。
 でも―……彼とは、誰?】

赤い飛竜のような船に乗る中年の男が映る。崩れた階段を駆け上る金髪のトサカ頭やアーヴァインのヤツが映る。
【邪魔! 邪魔! 邪魔!
 時の果てに消えろ! 思い出も存在も魂すらも消えてしまえ!!!
 私は一人でいい! 唯一にして絶対の存在は私一人でいい!!】

空洞の衣装に朽ちた肉体をぶら下げた、異形の魔女が映る。
そいつに向かい、巨大な隕石を落とす、白翼を広げた女が映る。
瞬きさえ許さぬほどの疾さで青い剣を振り回し、魔女を切り刻むスコールの姿が映る。
そして―最後に、石造りの家の傍で、見知らぬ女の手に抱かれる、瀕死の魔女の姿が映った。

【私は負けた。……運命が描いたシナリオ通り、SeeDに負けた。
 過去の魔女に力を奪われ、時の流れに飲み込まれて、そこで死に行くはずだった。
 なのに―】


何の脈絡も泣く、風景が切り替わる。
見覚えのある広間、真っ黒に輝くクリスタル、二つの死体、仮面をつけた男、そしてなぜか生きている魔女。

38:ある男と女の夢 10/19
09/08/31 22:17:41 dUW5NOCv0
呆然と立ちすくむ魔女に、仮面の男は、咳き込みながら呟いた。
「君は……アルティミシア、か?
 ……少し、見ないうちに……ずいぶんと、美しくなったものだ……」
「―誰だ、お前は? 見知らぬ者に気安く名を呼ばれる覚えはないが」
「……忘れたなら、その方がいい。
 思い出さぬ方が、幸せなことも、ある……特に、愛だの、友情だの、そんな感情はな……」
男の腹は剣で切り裂かれていて、大量の血がにじんでいた。
きっと、少し離れた場所で死体になっている剣士と女にやられたのだろう。
そう―その広間は、魔女が少女だった頃から、数刻の時しか流れていないらしかった。
魔女はまだ、男のことに気づかない。ただいぶかしげに、そして憎々しげに男を睨むだけだ。
その眼差しには当然、愛なんて甘ったるいものは一欠けらも存在しなかった。
だが、男の方は違っていた。

「すまない……私は、君に、重い荷を、背負わせて、しまった、……
 ……誰かに、運命を、押し付けるのが嫌で……一人で、ここに、留まって、いたのに」
強い絶望と後悔が刻まれた声に、さしもの魔女も眉を潜める。
「何の……何の、ことだ?」
その声が震えていたのは、俺の気のせいだったのか。
死にかけの男は魔女の動揺にも気づかずに、ゆっくりとクリスタルのある場所を指し示す。
「『クリスタル』が……君を、新たな主に、選んだのだ……
 人を、殺し合わせ……闇を、生み出す、『遊戯』の……虜囚に………」
「……!! 
 お前は―貴方は、まさか?!」
不意に魔女の目が見開かれ、金の瞳が大きく揺れた。
全てを思い出したらしい魔女に、男は仮面に隠れた顔を向けた。
「主を倒すか……一人、生き延びたことを、クリスタルに、認め、られるか……それが、主の、資格。
 私と、……共に、前の主を、倒した、二人が、死に……資格を、持つもの、は……もはや、君、一人だ……
 クリスタルは、君を、この城に、縛り付ける、だろう……遊戯の主……王座に座る、駒として……死ぬまで、永遠に……」
 
(―っておいおいおいおいッ!?)
その話を聞いた時は耳を疑った。冗談じゃないと叫びたかったし、冗談であってほしかった。

39:ある男と女の夢 11/19
09/08/31 22:19:46 dUW5NOCv0
「はは……愚かな、話だな……
 時の無い、城で……誓いも、決意も、忘れ……それでも、希望を、抱いた……その、結末が、これ、とは……」
俺は悟った。
放っておけば死ぬ運命だった魔女を救ったのは、男の意思でもなんでもなく、
主という名の生贄を失った『クリスタル』が、資格を持つ犠牲者候補を呼び寄せただけだったってことを。
それは魔女も同じだったらしかった。
「貴方は……」
蔑む様な、凍てつく眼差しを注ぐ魔女に、それでも男は告げる。
「……あと、一回、だったんだ。
 あと一回で、必要なだけの、闇が、集まって……『クリスタル』を、砕いて……『遊戯』を、真に、終わ、らせる、ことが……
 そうして……自由に、なれたら……そうした、ら……」
仮面に隠された表情は見えない。
だが、多分、男は笑っていたのだろう。―そうでなければ、泣いていたのだろう。
「甘い、幻想、さ……君と、共に……限られた、時を、生きたい、と……」
そう告げた直後、男が派手に咳き込み、仮面の隙間から血がこぼれた。
最早、男を救う手立てなど残されてはいないのだ。魔女がこの城に呼ばれたことこそが、何よりの証拠。

魔女は男の傍に駆け寄り、その腕に抱きながら叫ぶ。
感情も露にして、死に行く男に罵声を浴びせる。
「今更……今更ッ! そんなことを言うぐらいなら、何故私を捨てた!?
 傍にいると約束したのに、何故!! 何故!!?」
その怒りと憎悪を前に、男は静かにうなだれた。
「……すま、ない」
ため息をつくように呟いて、震える手を、今一度、水晶のある方へ向ける。
「あと……一回、……それで……全て、終わる。
 ……終わらせて、くれ」
それだけを言い残して、男の身体から力と魂が抜け落ちた。
魔女はしばらく男を抱きしめていたが、やがて、唇の端をゆっくりと吊り上げた。



ああ―その微笑の、なんて邪悪さだッ!

40:ある男と女の夢 12/19
09/08/31 22:21:45 dUW5NOCv0
「貴方は知らないのですね」

魔女は笑った。高らかに笑った。
これが夢でなかったら気を失うか狂うかしていたんじゃないかと思うほど、禍々しい表情で。
「私はアルティミシア。
 全ての時間を圧縮し、全ての存在を否定する魔女」
歌うように呟きながら、魔女はゆっくりと、黒いクリスタルに近づく。
「恐ろしげな衣装を身にまとい、残酷な儀式で善良な人間を呪い殺す、魔女……
 その私が、貴方の願いを素直に叶えるとでも御思いですか?」
その手が、漆黒の表面に触れた。
すると水晶は淡く輝いて、たちまちのうちに、色を失っていく。
同時に、魔女の傷が有り得ないスピードで癒えてゆき、はっきり見えるほど濃い魔霧<ミスト>をまとい始める。

―ああ、ああ、その光景の持つ意味ぐらい、俺にだってわかるさッ!!
この魔女は、仮面の男が忌々しいクリスタルを壊すために必死こいて集めた力を、全部自分のために使ったんだってな!!

魔女は哄笑と共に叫んだ。
死に満ちた広間の中心で、叫んだ。

「虜囚だと!? 駒だと!? 愚かな、愚かな、愚かな!!
 私はこの力で絶対にして永遠の存在となり、運命も歴史さえも覆してみせよう!」

(最悪だな……この魔女はッ!!)
とっくの昔にわかりきっていたことだが―そう、わかりきっていたことだがッ!
吐き気がもよおすほどの邪悪ってのは、真の邪悪ってのは、こういう奴を指すんだッ!!

41:ある男と女の夢 13/19
09/08/31 22:23:43 dUW5NOCv0
―視界が揺らぐ。
映ったのは、一度透明になったはずの、しかしまた闇色に濁り始めたクリスタル。

「貴方が開放を望むなら、私は貴方を縛り付けよう。
 貴方が教えた133の名と、私が憎んだ6の命。
 その魂を闇に変えて、貴方を今一度、このやさしくない現実へ呼び戻そう。
 私のためだけに存在する、栄えある魔女の騎士として」
その真下で魔女が謡う。
命を失った男の身体を抱き、白蝋の肌に指を滑らせながら、静かに謡う。

「器に闇を満たしながら、二人で証明してみせよう。
 時を支配するものが誰なのかを。運命など何処にも存在しないということを。
 腐った庭に撒かれた種に、魔女を拒んだ世界に、私を殺す歴史に―全ての時空に証明してみせよう」

冷たい手と手を取り合う姿に、昔見た宗教画を思い出す。
かつて愛したという巫女を片翼に捕えた死の天使、あるいは、赤子の悪魔王を抱く堕ちた聖天使。
ある種の美しささえ孕んだ、どうしようもないおぞましさと邪悪さが、そこにあった。

「そして全てを終えた後は、共に、幻想の中で舞い続けよう。
 生も死も甘美な夢と化す究極の幻想……圧縮された時と世界の果てで、永遠に―」

―その、魂さえも凍てつくような笑い声を最後に、全てがはじけて消えた。

*********************************

俺は草原に立っていた。
黒い扉は消えていた。
「アルティミシアが目を覚ましたんだよ」
ウネの婆さんがいささか疲れたように呟いた。
「どちらかといえば慎重な方だと思っていたのに、とんでもないことを考え付く子だね、あんたは。
 アリーナのことをとやかく言えないんじゃないかい?」
「あんな女と一緒にするなッ!」

42:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/08/31 22:34:17 NALWkzprO
支援

43:さるさんに引っかかりました 14/19
09/08/31 23:04:52 dUW5NOCv0
婆さんを怒鳴りつけてから、俺は口を押さえた。
くそったれ。
吐き気も止まらなければ、イライラも収まらない。
世の中には怒りより恐怖を感じる時ってのがあるが、あれがさらに180度回転して元に戻ってしまった、そんな感じだ。
……なあ、アリーナよ、認めたくはないが俺が間違ってたよ。
お前の事を魔女より性質が悪い偽善者だって思っていたが、とんでもないッ!
あの魔女より性質が悪い輩なんて、この世に存在するものかッ!
アルティミシアに比べれば、お前なんて単なるバカで向こう見ずではた迷惑なだけの脳筋娘だよッ!

「しかし厄介なことになったねえ。
 無数の世界と時間軸から人を召喚して殺し合いを行わせるクリスタルなんて、あたしでさえ聞いたことがないよ」
ウネがオウムの羽をなでながら、ぽつりぽつりと呟きはじめる。
もしかしたら情報を整理したかったのかもしれないが、生憎、俺には婆さんの言葉を聞くだけの余裕は無かった。
―だって、そうだろ?
一人で勝ち残れば、間違いなく魔女に殺される。
アマちゃんどもと協力して逃げても、誰かを生贄に仕立て上げない限り、一生クリスタルの奴隷。
体よく俺以外の誰かに居残らせたとしても、そいつが死ねば呼び戻される運命らしいじゃないか。
ちくしょう! ちくしょうッ!! ふざけんなッ!!
どこのどいつだ、こんな厄介な装置を作りやがったのは!?
こんな世界で一人老いて死ぬなんて真っ平ごめんだ!!
……いや、待てよ?
そもそもあの城、世間一般で言うところの"時間"なんて存在しているのか?
男が言っていた、"長い孤独"、"時の無い城"、"限られた時を生きたい"―
それらはつまり、主となってあの城にいる限り、年を取るとか老いるってことがない、そういう意味なんじゃないのかッ?!
解放される時が来るのは、クリスタルを砕くか、誰かに殺されるかの二択でッッ!!

「……ってことで…………となると、クリスタルを砕いちまうのが一番いいわけだけど。
 あんたはどう思う?」
「最悪だッ!!」
ウネの言葉なんて聴いちゃいなかったが、俺は反射的に答えた。
そう、最悪だ。どうやったって死ぬ以外に逃げ場がないんだ。

44:ある男と女の夢 15/19
09/08/31 23:06:21 dUW5NOCv0
クリスタルを砕くだけの力が溜まるまで、どれぐらい殺し合いを続ければいい?
いや、それ以前に生き残った連中を殺す実力がなけりゃあ、返り討ちにされて終わりじゃないか?
殺す……ダメだダメだダメだ、無理だッ! 主なんぞにされた時点で、人生終わったも同然だッ!
なら、どうする?
他の誰かを主に仕立て上げる……やはり、それしかない。
俺以外の誰かがクリスタルを砕くことを期待するしかないッ!
となると……この夢の事は極力秘密にした方がいいのか?
ギリギリまで黙っておいて、『その時』が来てからバラして、ラムザやイザみたいなアマちゃんに押しつけて―
「―アルガス、あんた人の話聞いてるのかい?」
「うるさいッ! 考え中だ、黙ってろッ!」
「……」

ボカッという音がして、頭に激痛が走る。
振り向けば嘴を振りかざすオウムがいて、次の瞬間、もう一発くらった。
痛い……夢の中なのになんで痛いんだ?!
そもそも人の夢に干渉するのはナシだとか自分で言ってなかったか、この婆さん!

「覚えておきな、年寄りの話は聞くモンだってね」
ウネは俺に指をつきつけ、それからカッカッカと笑う。
だが、こっちが言い返そうとした瞬間、また痛みが走った。
頭にではない。―何故か、誰も触れていないはずの肩口にだ。
それから衝撃。揺さぶられるような感覚。
「…おや? お仲間が呼んでるみたいだね」
ウネがとぼけたような声を上げる。
世界が急激に色を失い、ぼやけ、消えていく―



「おーい、おっきろーーー!」

45:ある男と女の夢 16/19
09/08/31 23:08:45 dUW5NOCv0
「………んあ?」
目がしばしばする。
眠い。まだ、頭はぼうっとしている。
目の前には何故だかバッツがいて、人の肩を掴んで遠慮も手加減もなく揺さぶっている。
ウネの姿はどこにもない。
「……おい、婆さんはどうした?」
「ば、婆さん? そんな人、ここにはいないぞ?」
戸惑い気味にバッツは答える。
「あ、もしかして、近所のおばあちゃんの夢でも見てたのか?
 うんうん、あるよな、そーゆーの。小さい頃の懐かしい思い出が夢になってさ」
「懐かしくなんてねえよ」
勝手に納得しているバッツを一瞥してから、俺は改めて周囲を見回した。
陰気くさい石壁、湿った祠の空気、せまっくるしい部屋。
青空はおろか、草原や蝶や澄んだ風など、当たり前のように存在しない。
ただ、ポケットに手を突っ込んでみると、小さな鍵が輝いていた。
(夢の世界……ね)
ここに来る前の俺ならメルヘンかファンタジーだと笑い飛ばしていただろう。
だが、実際に体験してしまえば、話は別だ。
夢の世界は実在する。
そしてウネの婆さんも、―恐らくは仮面の男も、死者の魂を喰らって闇に変えるクリスタルも。

「悪いな、寝てたのに、起こしちゃってさ。
 ただ、スコールの奴が、あんたに聞きたいことがあるらしいんだ」
バッツがぽりぽりと頭を掻いた。
「スコールが?」
「ああ、なんでも、ティーダとかいう奴の居場所が知りたいらしい。
 あと、ほれ、お前追っかけてた奴、……アーバインだっけ?
 あいつ、とっ捕まえたらしくてさ」
「……は?」
誰が誰を捕まえたって?
問い詰めようとした俺の動きを止めたのは、部屋の外から聞こえた声だった。

46:ある男と女の夢 17/19
09/08/31 23:11:56 dUW5NOCv0
「ごるぁーーーーー!! うそつきヤローはどこだーー!!」
「止めろ、リルム! リールームー! そっち行ったらダメだー!」
「リルム様を甘く見るなー! にがおえ、描き溜めたんだからね!」
「『イオ!』」
「うわっ!」
「お、おい、ヘンリー!?」

どうもガキが暴れているらしいが……リルム? どっかで聞いたような名前だ。
だが、俺がそいつをどこで聞いたのか思い出す前に、その子供は紙と筆とを握り締めながら、弾丸のように飛び込んできた。

「見つけたっ! お前がモヤシとユウナをおとしいれよーとしたうそつきヤローだな!」
「……は?」
「止めろ、リルム!」
金髪の少女を追ってスコールが駆け込んでくる。
一瞬、吐き気がフラッシュバックするが、俺の精神以上に目の前の事態の方が悪化の一途を辿っていた。
「くらえ、こうりゃくぼん見て描いた似顔絵だー!」
スコールがリルムを羽交い絞めにするより早く、筆が紙の上を走る。
その途端、俺が―いや、俺そっくりな幻影が現れた。
「『アーマーブレイク!』」
「なッ!!?」
とっさによけたその横、俺の後ろにあった壁を、幻影の剣がなぎ払う。
かつての俺が揮っていた、しかし今の俺では絶対に放てない迷いの無い一撃に、びしり、と音を立てて壁が砕ける。
そんな明らかに物理的な破壊をもたらした幻は、だが、次の瞬間には、何の痕跡も残さず消えうせた。

「次はモヤシの―アーヴァインの似顔絵描くぞ!
 さあ、ウソついてごめんなさいってユウナに謝れ! そんで二度とウソつかないって約束しろー!」
ガキが叫ぶ。よりによって一番聞きたくない化物の名前を呼びながら。
俺が冷静な状態だったら、恐怖の記憶に負けて泣き喚いていたかもしれない。
だが、幸運なことに、俺の頭は立て続けに起こる事態に追いつけず、ひたすら混乱していた。
だからリルムの言葉を理解できなかったし、理解する前に―

47:ある男と女の夢 18/19
09/08/31 23:14:46 dUW5NOCv0
「いい加減にしろ!」
スコールの強烈な拳骨が、リルムの頭を捕えた。

「済まなかった、アルガス。
 ……この子供も、俺達の方で監視しておく」
奴はそう言って、痛みでうずくまる子供の首根っこを引っつかみ、部屋の外へと放り出す。
外にはヘンリーがいたらしく、奴の騒ぎ声とガキの喚き声がやかましく響いた。
「……なんなんだ、一体? ユウナの居場所だと?」
何が起きてるんだ? アーヴァインが追ってきたのか?
だとしても、なんであんなガキが付いてくる?
リルム、リルム……その名前は、ラムザが保護していたガキじゃないのか?
何がどうしてどうなってるんだッ!?
「落ち着いてくれ、アルガス」
混乱する俺の肩を、スコールが掴む。
「アーヴァインは戦闘不能に追いやった上で拘束した。
 あんたの安全は俺とリュックとバッツが保障するし、あの子も野放しにはしない。
 だから、落ち着いて、俺の質問に『正確に、正直に』答えてくれ」
「あ、ああ……」
俺はそう答えるしかなかった。
事態の把握なんて出来るわけがなかったが、ウネの婆さんにどつかれたみたいに、妙なことで怒りを買うわけにはいかない。
何せ目の前にいるのは、夢の中であの魔女を一度倒した、化物以上にとんでもない奴だ。
できるだけ奴の目を見ないように視線をそらしながら、質問とやらに耳を傾ける。
「リュックのために、ティーダって奴を探してサイファーと合流させたい。
 あんた、ユウナという女と一緒に、そいつと会ったみたいに言っていたじゃないか。
 行き先を知っているなら教えてくれないか?」
……なんだ、そんなことか。
俺は心の中でほっと胸をなでおろす。
真剣な表情をしていたからどんな問いかと焦ったが、それぐらいなら、隠し立てする必要は無いだろう。
そう。ポケットの中の鍵や、俺が見たものや、クリスタルの存在と違って―

「ああ、そいつらなら、ロザリーと一緒に城から西の方角へ―」

48:ある男と女の夢 19/19
09/08/31 23:17:03 dUW5NOCv0
【バッツ(HP3/5 左足負傷、魔力0、アビリティ:白魔法)
 所持品:アポロンのハープ アイスブランド うさぎのしっぽ 静寂の玉 ティナの魔石(崩壊寸前)
      マッシュの支給品袋(ナイトオブタマネギ(レベル3) モップ(FF7) バーバラの首輪)
 第一行動方針:首輪を調べる
 基本行動方針:『みんな』で生き残る、誰も死なせない】
【アルガス(左目失明)
 所持品:インパスの指輪 E.タークスの制服 草薙の剣 高級腕時計 ウネの鍵 ももんじゃのしっぽ 聖者の灰 カヌー(縮小中)天の村雲(刃こぼれ)
 第一行動方針:今後のことを考える
 最終行動方針:とにかく生き残って元の世界に帰る】
【リルム(HP1/3、右目失明、魔力消費)
 所持品:絵筆、不思議なタンバリン、エリクサー、攻略本(落丁あり) 首輪×2 研究メモ
レーザーウエポン グリンガムの鞭、暗闇の弓矢 ブラスターガン 毒針弾 ブロンズナイフ
 第一行動方針:ヘンリー達と同行する
 第二行動方針:仲間と合流
 最終行動方針:ゲームの破壊】
【ヘンリー (重傷から回復、リジェネ状態)
 所持品:アラームピアス(対人) リフレクトリング バリアントナイフ 銀のフォーク
     キラーボウ、グレートソード、デスペナルティ、ナイフ  命のリング(E)
 第一行動方針:リルムが暴れないように見張る
 基本行動方針:ゲームを壊す(ゲームに乗る奴は倒す)】
【現在位置:南東の祠(奥)】

【スコール (HP2/3、微~軽度の毒状態、手足に痺れ)
 所持品:ライオンハート ひそひ草 エアナイフ、ビームライフル
     G.F.カーバンクル(召喚○、コマンドアビリティ×、HP2/5)、G.F.パンデモニウム(召喚×)
 吹雪の剣、ガイアの剣、セイブ・ザ・クイーン(FF8) 、貴族の服、炎のリング
 第一行動方針:アーヴァインの監視と治療
 第二行動方針:サックスを警戒/首輪の研究
 基本行動方針:ゲームを止める】
【現在位置:南東の祠(入り口付近の小部屋)】

*時間軸は625話(627話)より前になります。

49:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/09/05 00:22:12 skzhlwDV0
もう少し保守

50:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/09/07 22:07:17 0OGRjCOFO


51:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/09/08 19:45:06 IKAyYBxgO
↓が冷静に一言

52:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/09/16 01:46:17 bhtDXCMN0
サラマンダーがマジになればアルティミシアやセフィロスなど瞬殺

53:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/09/18 14:31:37 ShfPV6b7O
と、呟くサラマンダーであった

54:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/09/22 02:16:35 2rIT02DTO
しかたないので保守をするサラマンダー

55:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/09/26 14:20:21 mAOYSmq7O
保守

56:裏切り合う人たち 1/9
09/09/30 23:39:31 UuneHbWV0
ターニアはただただ必死に走り続けた。
黒霞と血霧と流血のイメージは彼女の思念の奥底にまで浸透し、
ときおり銃口やタバサ、アーヴァインのイメージがそれらと共に現れる程度。
逃げるという行動のみを遂行せよという、極度に単純化された思考は正常な判断力を奪う。
道なき道を走り続けられた理由は、ただ彼女が山奥育ちだったから、ということ以外に何もない。
今どこにいるのか、どこに向かっているのかすら分かっていないのだ。

「そこの小娘、止まれ」
だから、突然の呼びかけに対応できるはずもない。
目の前の人影を知覚してなお、足は前へ前へと歩を進め、手は草の茎をかき分け続け、だが頭は立ち止まれという命令を体全体へと流し、
命令と行動とがかみ合わなくなったことで肉体はバランスを崩し、足がもつれて前方斜め前へと転んでしまう。
それでも脳は必死に逃亡を命令するが、肉体の動かし方を指示することはなく、結果手と足をバタバタさせるだけ。
ようやくずるずると後ずさっても、丈夫な雑草の茎が進行を阻む。
声を出そうにも、その声で助けを呼ぶわけでもなく、命乞いをするわけでもない。
そもそも何をすればいいのか自分でも分からない現状では、かすれた悲鳴が喉の奥で響きわたるだけだ。

ターニアが目の前に見ているのは、美しい銀髪をたなびかせた長身の男。名はマティウス。
怯えきったターニアを前にして、その端整な顔立ちに哀れさとほんの少しの後悔がにじみ出る。
だがそれもつかの間、ザックから瞬時に水を取り出し、ターニアに頭から冷水をぶっかけた。
痛みとは異なる外部からの刺激。熱気の中を走り回って、熱暴走に陥っていたかのような肉体が一気に冷却された。
「やれやれ、少しは落ち着いたか? 私は話をしたいだけなのだが」
ようやく落ち着いたターニアに対し、マティウスはややあきれ気味だ。
ターニアは先ほどまでの醜態を認識し、やや赤面する。


57:裏切り合う人たち 2/9
09/09/30 23:40:12 UuneHbWV0
「何を慌てていたというのだ。追われていたのか? お前の後ろには誰もいないが」
そう言われて、ターニアはやっと自分の置かれている状況を見つめなおす。
まわりにはタバサもアーヴァインもピサロもいない。
何より、スコールが自分の傍にはいない。はぐれたとは言わない。見捨てて逃げてきてしまったのだ。
みずからのおこないへの深い後悔と、信用を失ってしまったのではないかといういい知れぬ不安がよぎる。

そんなターニアの心の内には気付いていないのだろう、マティウスは話を続ける。
「人探しをしている。このあたりでアリーナという小娘を見かけなかったか?」
名前は聞いたことがある。ソロやピサロの知り合いだとか。
だが、どういった関係なのかまでは思い出すような心のゆとりもない。

「思い出せんのなら仕方がないな。
 魔法使いのようなつばの広い帽子をかぶった殺人鬼だ。見かけたら気をつけるんだな。
 それはそうと、何があったのだ?」
いいたいことはたくさんある。が、言葉を選ぶことができなかった。
あちこちでかみながらも、紡ぎだした言葉は、近くにスコールがいないか、ということ。
けれどもマティウスはスコールに出会っていない。
というより、他人と関わらないようにしているようなのだ。
ターニアに話しかけたのも、誰かが追ってきているのではないか、それがアリーナではないかと思ったかららしい。
地図を見せられて、ようやく今の場所が祠を結ぶ外周との合流地点だということが分かった。
ここまでは一本道だが、道は広いしターニア自身も現在位置までまっすぐ逃げてきたわけでもない。
スコールが魔法の絨毯でこちらの方角へまっすぐ進めば、とっくに追い抜かれていてもおかしくないのだ。
つまり、スコールは今どこにいるのかは分からない。


58:裏切り合う人たち 3/9
09/09/30 23:41:16 UuneHbWV0
時間とともに気分は落ち着いてきた。
そういえば、何があったのか、というマティウスの質問にはターニアは何も答えていない。
南東で何が起こったのかを説明しようとする。
スコールのこともタバサのことも、マティウスはほとんど知らなかったが、
ピサロの名前を出した途端にマティウスの顔が曇った。
「ピサロか。昨日しばらく共に行動したが、危険な男だった。
 アリーナと組んでいたこともある。何か企んでいるのかも知れんな」

ターニアにはそれが信じられなかった。危険といっても、気難しい、程度の意味なのだと思った。
ピサロといえば、初日に助けてもらってから長い間一緒に行動していた人物。
厳しくて、不器用な一面はあったが、決してゲームに乗るような人物だとは思えなかった。

「お前にはあれがゲームに乗らないように見えるのか?
 ちょうど先ほどまで、やつらに殺されそうになっていたのではないのか?」
言われてみればそうかもしれないが、それでもあれは何かの間違いに違いない、そう信じようとした。
(心変わりは誰だってある。それを忘れた者から死んでいく)
スコールにはそう忠告されたが、否定しようとした。
けれども、それを否定するように思い浮かんだのがエリアとアーヴァイン。
エリアが、空砲とはいえ銃口をターニアに向けたのは事実。
ターニアの見知った記憶を失った気弱で心優しい青年と、先ほど見たアーヴァインはまるで一致しない。
さらに、思いがけぬ言葉がマティウスから発せられる。
「それにやつは我々の目の前でイザやライアンを自らの手で殺害して見せたうえ、
 殺人鬼のアリーナとも手を組んでいるのだぞ」

何の重みもなく、ターニアが用心する間もなくさらりと発せられた一言だった。
マティウスは「やつ」、すなわちピサロが「イザ」を殺害して見せたと言わなかっただろうか?
聞き違いであって欲しかった。たとえ聞き違いであってもイザは蘇らない。それでも聞き違いであってほしかった。


59:裏切り合う人たち 4/9
09/09/30 23:42:03 UuneHbWV0
「何と言ったか、だと? ピサロがアリーナと手を組んでいると……その前?
 私と同行者の前で、イザとライアンを殺した……おい、どうした?」

イザの死は、今朝の放送と対する仲間達の反応で、嫌というほど心に刻み込まれた。
そのときどう思ったかは覚えていない。ただ、涙が枯れるまで泣いたことだけをターニアの体が覚えている。
それでも、信じあえる人々がいるなら、きっと立ち直って前に進んでいけるはずだった。
また一つ、基礎が崩れかけている。

ターニアは何度もイザのことをピサロに話した。ターニアが兄を探しているということをピサロが知らないはずがない。
それに、ライアンという人もピサロの知り合いとかだという記憶があるのだ。
そう、まだマティウスが言っているだけのことなのだ。見間違いとかウソの可能性もある。

「知り合いでもいたか? だが、私はウソをついてなどいないぞ。
 ロザリーやアルガスに会えば、同じ話を聞けるだろう」
信じたくはないのに、こうもはっきり言われてしまうと否定できなくなってしまう。
ロザリーという名だって聞き知っている。これもピサロの知り合いだったはずだ。
事実だとしたら、もうピサロが殺し合いに積極的に参加しているというのは確定事項ではないか。

「まあ、私のターゲットはアリーナだけだ。他がどうなろうと、お前にどう思われようと知ったことではない。
 助けがほしいなら、西のほうにいた緑髪と金髪の二人組にでも求めるのだな」
つまりは足手まといや面倒ごとを引き連れて行きたくないという考え。
それでも、道を示してくれただけ、一人放置されるよりはありがたい。
ターニアが簡素なあいさつを済ませるとマティウスは時間を惜しむように茂みの中へと消えていった。

思いもかけぬことを聞かされてしまい、ターニアの思考力は随分すり減ってしまっていた。
精神力がすり減ったまま、次にどうするかを自発的に考えるのも難しい。
あまり深く考えることもできず、流されるままに南西に進んでいく。
イザの死を知ってからわずか数時間、ターニアの心は確実に削り取られ、小さくもろいものに変質していた。

60:裏切り合う人たち 5/9
09/09/30 23:43:37 UuneHbWV0
数分後、マティウスの消えた茂みの中から別の男が現れる。名をカインという。
ターニアが見えなくなったのを確認すると、以前に潜んでいた岩山の上に向かって大きくジャンプ。
そこから見渡してもターニアの姿は見えない。もう行ってしまったのだ。

「いやはや、他人をマネるというのは案外苦労するものだな。
 スコールの話をふられたときには、ピサロの話に持っていけなくなるかと思って冷や汗物だった。
 時間もギリギリだったし、やはりお前に任せればよかったか?」
「任せるってったって、僕はマティウスってやつに会ったこともないんだよ? そりゃムリってもんだ」
カインが一際大きな岩陰に向かって話しかける。そこから出てきたのは、スミス。
絨毯に乗って北西へ進んでいたが、スライムの低い背丈が災いし、
本当にターニアを見落として追い抜いてしまっていたのだ。
そのあとは魔法の絨毯を狙ったカインに奇襲され、殺されかけたりした。
カインが睡眠不足だったため、甘い息で完封することができたけれど。
そのあとはひたすら昨日の非について謝り倒して、ようやく関係修復に持っていった次第だ。

「会ったことがないのなら、俺の記憶から読み取ればいいのではないのか。丸見えなのだろう?」
「知ってたにしろ、僕じゃダメさ。才能がない。
 今朝もタバサのマネをしてみたら、多分100点満点で40点の評価をいただいちゃったからね」
もう、種族はドラゴンライダーではない。今は転身直後の移行期間。徐々に種族独自の特性は失われていくだろう。
それがバレないように、スミスは軽い口調で話を流す。

61:裏切り合う人たち 6/9
09/09/30 23:44:20 UuneHbWV0
「才能がないとは意外だな。
 …ターニアのあの様子では、俺と出会った時刻も正確には覚えていまい。
 あとはソロとサイファーに無事に出会って、『真実』を広めてくれるのを待つだけだな」
「いやあ、相変わらずやることがセコいね!」
「フッ、ほめ言葉として受け取っておこう」
ターニアがイザの妹だったというのはカインには予想外だった。
本来ならアリーナ関連からピサロを陥れるように攻めるつもりだったが、予想を上回っていい成果を出せそうに思う。
マティウスに化けたのは、本人に出くわす確率が0に近く、しかも元々ピサロと同行していたという情報をアルガスから得ていたからだ。
次の放送で十中八九呼ばれるが、ターニアと出会った直後にアリーナと相打ちになった、で筋も通るのだから。
改めて思い返すと、他人に興味はないといいながら興味を持って話を聞いていた気もするが、あの程度なら大丈夫だろう。
もうマティウスの姿は使えない。次は別の方向から、ピサロへの包囲網を作る。

「さて、じゃあ僕もそろそろ行くね。
 せっかくタバサも殺してくれたんだから、うまく利用させてもらわないと。
 なんせ、タバサを殺したくてうずうずしてたやつが何人もいるんだから」
変化の杖の効果を知っており、かつ実力も高いピサロはスミスにとってはおお邪魔虫。
しかもその高い実力を、ゲームの転覆へと注いでいるとカインから聞いた。
そしてカインもピサロを邪魔に思っているらしい。是非ともこの機に潰したい人物だ。
アーヴァインのほうは非常に有能な参加者だが、カイン以上に裏切りと状況の応用が得意らしいので、大丈夫だろう。
ピサロはヘンリーの治療をしていた。重症だったし、気絶もしていたのだから当分は動けないだろう。

手を下したのは厳密にはアーヴァインだが、タバサを殺したというのもいいポイント。
仲間どころか復讐の対象までも失ったフィンやザックスを、いい感じに手駒にできるのではないだろうか。
フィンなら今どこにいるかも知っている。タバサがスミスの後ろから現れたということは、来た道を逆にたどれば会えるはずだ。
行動は早いほうがいい。そんなわけで、疲れているカインを残して一人で、この世界に降り立った場所へと向かう。


62:裏切り合う人たち 7/9
09/09/30 23:45:24 UuneHbWV0
カインはスミスが立ち去ったのを見て、ようやく緊張を解く。
両天秤で動く場合、心が読めるスミスの存在は邪魔になる。
かつて聞いたように、警戒していれば心の内を悟られることはないとは確信したが、またも精神面に大きく負担をかけてしまった。
なにやら理不尽なパワーアップを遂げていたようだし、正面から戦うのはマズい。
それに、まだ脱出できると決まったわけでもない。勝ち残る場合にはやはり役立つパートナーなのだ。
関係を維持したまま別れるには、作戦にかこつけて追い出すしかなかったのだ。
フィンという男に会うために、自分から離れていってくれたのはありがたかった。

ピサロを殺す理由は、一人では倒せない相手に際しては時間が経つほどこちらが不利になるからだと説明した。
だが、それは建前。カインの目的は一人で勝ち残ることではなく、なんとしても生き残る方向へとシフトしている。
ピサロはおそらく魔女討伐を目指している。目的は半分は同じだ。だが、カインとピサロは二度も戦った。
性格柄、相容れるようには到底思えない。ピサロは自分に逆らったものに容赦はしない。
アーヴァインはなぜかピサロと同行しているようだが、それならさらにこちらに敵意を持っているだろう。
アーヴァインがカインに有利な情報を流すはずもないからだ。むしろ排除させるべく、あることないこと吹き込んでいるだろう。
とにかく、ピサロと仲良くできるとは到底思えない。
表立って衝突せずとも、不和をもたらしかねない要因として排除しようとするかもしれない。
タバサを迷いなく殺しにかかり、借りを返しただけのアルガスをも殺そうと動いているのだ、そのくらいは予想できる。
そのとき、他の脱出派メンバーはどちらに傾くだろうか?
それまで殺人者として動き、肉弾戦以外に能のないカインか、それとも脱出派として動き、剣も魔法もこなし、頭も冴えるピサロか。
そんなものは、考えるまでもない。カインとて、ピサロと殺人者の二択ならピサロに傾く。
脱出するにせよ、優勝するにせよ、ピサロの存在はカインにとって邪魔なのだ。

それに、殺してしまっても脱出が不可能になるとは思えない。
殺される危険を考えれば、成果くらいどこかにメモとして記してあるのが普通だ。
なにより、アルガスを追うアーヴァインに同行するような暇な男なのだ。研究自体ロクにおこなっていないだろう。
もちろん、万が一乗っているというなら殺したところで何も問題ない。

さて、スミスから魔法の絨毯を得られなかったのは痛手だが、それは考えても仕方がない。
次にスミスに会ったときにどうするかはまだ考えていない。だが、早急に対応策を練らねばならない。


63:裏切り合う人たち 8/9
09/09/30 23:46:08 UuneHbWV0
スミスはカインが見えなくなったのを確認し、ようやく緊張を解く。
カインに読心能力が失われていくのを悟られるとマズいと思ったのだ。
カインのスミスに対する態度、昨日と違う。

嫌われる心当たりは残念なことにある。
プライベートゾーンに立ち入られるのが嫌なのは誰しも当たり前。
しかもすでに二回もヘマをやらかし、信頼度も下がっているのだろう。
再会時に話をしたところ、カズスに戻ってこなかったのは、スミスが裏切ったからだとすら考えていたらしい。
敵対するスタンスに変わったなら、眠らせた際に殺している、と反論したら、
お前はそんなに優しくない、得るものがなくなるまでとことん搾り取るタイプだと返されたのには閉口した。
否定できなかった、むしろ納得してしまったのは事実だが。
固く心を閉ざし、侵入を拒むのも当然といえば当然か。
ただ、カインが「裏切った」とか、スミスを利用して何かを企んでいるとか、
カインのこれまでの行動を顧みると、そっちの方面にも考えを寄せなければならないのは残念なことだ。
正面から挑まれた際でも、実は怪我だらけのこの体では苦戦は必至。カインならば色々と搦め手も使うだろう。
なれば、やはりスミスとしても自身に関する情報をすべて伝えるわけには行かない。

カインは抜けているくせに、妙な部分で目ざとい。
あまりに役立たずだったり、怪しい行動をとれば容赦なく後ろから突き刺してくるだろう。
一部の能力が変質していることは伏せてある。
転身して約半日。もう半日もすれば新しい体に精神が一気に馴染み、過去の特性は急速に消滅していくだろう。
いずれにせよ、これではコンビとしては長くないのかもしれない。
今後の身の振り方を今の内から考えるのがよいのかもしれない。


64:裏切り合う人たち 9/9
09/09/30 23:47:04 UuneHbWV0
【ターニア(血と銃口への恐怖)
 所持品:スタングレネード×3 ちょこザイナ&ちょこソナー
 第一行動方針:マティウス(カイン)の助言に従って移動
 基本行動方針:リュック達と合流したい】
【現在位置:デスキャッスル南東から西へ移動】

【カイン(HP1/2、左肩負傷、肉体、精神ともに疲労回復気味)
 所持品:ランスオブカイン ミスリルの篭手 プロテクトリング レオの顔写真 ドラゴンオーブ ミスリルシールド
 第一行動方針:検討中
 第二行動方針:ピサロを始末してもらう
 基本行動方針:どんな手段を使っても生き残る】
【現在位置:南東の祠への分かれ道南の岩山】

【スミス@(HP1/5 左翼軽傷、全身打撲、洗脳状態)
 所持品:変化の杖 魔法の絨毯 波動の杖 ドラゴンテイル  スコールのカードデッキ(コンプリート済み)
 基本行動方針:脱出メンバーの始末
 第一行動方針:フィンを利用し、手駒にする
 最終行動方針:ゲームを成功させる】
【現在位置:南東の祠への分かれ道南の岩山→北東の塔へ】


65:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/10/03 00:34:31 5XTEy6hA0
ほしゅ

66:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/10/07 00:31:30 ny9gZqkm0
保守

67:ひとりぼっちは群れてもひとり 1/3
09/10/08 04:42:18 ZAEfCpcw0
砕く。一つずつ砕く。石壁を砕き、柱を砕き、床を砕く。
水の呪文を一点に集中させ、石材を爆砕する。
倒壊したときの衝撃にも耐え、未だくすぶり続けるたいまつが唯一の光源。
フローミやうみどりのめを用いていちいち位置を確認し、
魔力が尽くたびに少し休憩して、また活動を再開する。
山賊に生き埋めにされたときの経験はあまり役に立っていない。

何時間経っただろう。実に不毛な時間だったが、ようやくたいまつ以外の光源が見えた。
高い気温と高い湿度のせいでこのうえなく不愉快な空間をようやく抜けられる。そう思うと気持ちははやる。
だが、再び崩れては困る。
除去するガレキを慎重に決め、光源を見つけてから数十分、ようやくガレキの外へ這い出ることができた。
「なあんだ、やっぱりアルスじゃなかったんだ」
不意に、落胆したような声が向けられた。いつの間にか、見覚えのない男がたたずんでいた。

「なんか、随分失礼な「黒髪のツンツン頭の男の子を見なかったかい? アルスっていうんだけどさ」
買い言葉の一つも唱えてやろうとしたフィンにはまるで構わず、男、セージは質問を投げかけてくる。
フィンのほうに視線は向いているが、フィンのほうを見ていない。
立て札だとか、よく町の入り口で旅人に挨拶してくれる案内嬢に接するときのような視線。
つまりセージはフィンには何一つ興味を持っていない。アルスという男にしか興味を持っていない。

「……見てないよ。この辺で見たのはタバサってやつ一人だけ」
おそらくフィンの知っていることに関しては、何を言っても興味を持たないだろう。
今のフィンには、タバサの討伐以外にやることがないのだ。行きずれの余計な仲間を増やしても邪魔なだけ。

68:ひとりぼっちは群れてもひとり 2/3
09/10/08 04:54:45 ZAEfCpcw0
「タバサ……タバサかあ。しばらく会ってない気がするんだよねえ。別れたのは今朝だけど。
 元気そうだった? ……元気なわけがないかあ」
予想外にも話に食いついてきたセージの、予想外の返答。
タバサの所業を知らないのか、それともショックで記憶が飛んでしまったのか。
そののんきな返答に、少しイラッと来る。

「……元気だよ。僕と違ってね。彼女ほどこの世界にうまく適応していけてる人間なんて、はじめて見た。
 どんな教育を施されてきたか、是非とも知りたいよ」
「へえ、元気だったんだ。それはよかった」
元々こんなに嫌味や皮肉を言ったりはしなかったと思うのだが、マリベルに似てきてしまったのだろうか。
ただ、どうにも思い通りの反応は得られない。

「それとも、皮肉ってたりするのかな? 僕も二日間くらい彼女に色々と教えてたんだけど」
思いが顔に出てしまったのだろう。セージが不快感を示したところで、フィンにとっては何の得もないのだが。
肝心のセージは、やはり涼しい表情を崩さない。
皮肉や侮辱に動じないような余裕があるというのではない。
タバサの名が出たから話をしているだけで、セージにとってはフィンの感情などどうでもいいということなのだ。

「にしても、僕がいなくても元気でやってるんだ。ちょっとショックかもねえ」
タバサが何をやってきたのか、まるで意に介していない様子。知っているのかそうでないのか。
いずれにせよ、タバサに好意的であるセージとこのまま一緒にいるなんてフィンには考えられない。

「もう君に話すこともないから、行っていいでしょ。僕は急いでるからさ」
一時より治まったとはいえ、なお体調は悪くて気分もよくない。
タバサの知り合いだからという理由でセージを排除しようという気はフィンにはないし、
タバサとのを関係を話して、墓穴を掘るような真似もする気はない。
ただ、一緒にいるとイライラが募ってしまうというだけだ。
セージに目を向けることも無く、フィンは彼の隣をすたすたと通り過ぎていってしまう。

「ところでさ、エビプリの塔だっけ? なんで壊れてんの?」
「大事な柱にやつあたりしたら崩れたんだよ。欠陥持ちだっただけさ」

69:ひとりぼっちは群れてもひとり 3/3
09/10/08 04:56:51 ZAEfCpcw0
その数十分後、塔から少し南西の位置。二人の男が言葉数少なく、南へとくだっていた。

「なんで付いて来んのさ」
「付いて行ってるつもりはないんだけどねえ。ただ僕の行こうとする方向に君が進んでるだけ」
会話はかわしているが、二人とも相手の顔すら見ていない。

「…だったら、少し離れてくれないかな? あんまり他の人を連れ添いたくないんだよ」
「君のほうが僕から離れれば済むことじゃないの?」
あくまで正面に向かって独り言のように話しかけている二人。

「人探しの真ッ最中なんだ。わざわざ貴重な時間を割く気なんてないよ」
「奇遇だねえ。僕も人探しの途中なんだけど、本当にアルスのこと知らないのかな?」
形としては、大体はフィンが発した言葉にセージが返答するという形だ。

「だから知らないよ。聞いたこともない。……そんなに急いでるんなら、走ればいいじゃないか。健康そうだし」
「僕ってさあ、体力ないんだよねえ。今呪文使うのはさすがにもったいないし」
熱っぽくなっているフィンと、あくまで涼しげな表情を崩さないセージ。

「へー、そうなんだ。もし疲れたら、勝手に休んでていいからね。僕のことはお構いなく」
「そっちこそお構いなく」
珍妙なやりとりは、どこかの分かれ道で別れるまでずっと続くことだろう。

【フィン(HP3/4ほど、MPほとんどカラ、風邪+体力消費)
 所持品:陸奥守、マダレムジエン、ボムのたましい
 第一行動方針:タバサを探し出して殺す
 第二行動方針:風邪を治す】
【セージ(HP4/5 魔力1/2程度 精神疲弊)
 所持品:ハリセン、ナイフ、ギルダーの形見の帽子、イエローメガホン
     英雄の薬、厚手の鎧、般若の面、釘バット(FF7)、グラディウス、聖なるナイフ、マテリア(かいふく)
 第一行動方針:めぼしい拠点へ行き、アルスを探す。
 基本行動方針:アルスと再会し、その後二人でタバサを探す】
【現在位置:エビプリの塔跡南西の分かれ道から南へ】

70:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/10/15 21:33:39 Cu+DjPni0
hoshu

71:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/10/21 17:57:01 v6MyhPnSO


72:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/10/27 03:57:30 G10TmEEO0
保守

73:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/10/29 03:31:06 wLD591m3O


74:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/10/31 19:23:28 ZmraGYzDO

|  ≡  ∧_∧
|≡   (・∀・ )ひゃっ!
|  ≡ /  つ_つ
|≡  人   Y
|  ≡し'ー(_)


75:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/11/06 12:10:16 mJwM6dkoO


76:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/11/13 02:39:47 fm0eWShVO
ほしゅ

77:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/11/21 11:23:35 AsiuXvpIO


78:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/11/23 23:36:21 Kx5njOfoO
乾し湯

79:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/11/28 15:38:47 dTTmkqNa0
ほしゅ

80:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/11/29 04:10:42 O6jwdvunO


81:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/01 19:38:42 TiSKwbDCO
保守

82:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/04 22:52:42 1ShzlFUgO
圧縮来る前に保守

83:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/08 11:53:43 rocC+h23O
保守

84:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/11 00:21:18 kQrCjePD0
FF13対策保守

85:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/12 00:56:00 86iyPFhG0
新スレの量がすごいので保守

86:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/13 00:21:19 deFJNPBZ0
今日もきっと圧縮

87:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/14 16:05:31 L62C5hHV0
最下層を目指して保守

88:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/16 02:19:26 OYzeHZ+t0
hosu

89:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/16 17:48:55 u3XMR17sO
保守ー

90:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/17 12:25:24 OcDN26l4O
FF13警戒保守

91:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/18 00:53:58 ziL8Lrr7O
ほっしゅどぽてと

92:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/19 01:35:46 DMh5LJc1O
ほす

93:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/20 23:47:45 mbvlkrLWO
ほしゅ

94:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/22 12:31:19 wzEL3NCnO
保守

95:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/23 19:12:47 d+DzNTXO0
雑談落ちた?

96:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/23 20:01:19 WzTkJDzfO
落ちたみたいだな

97:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/24 20:52:52 2VvCWdShO
保守

98:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/24 22:41:40 SxXnVaow0
落ちたしもうこっち一本でもいいか?

99:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/24 23:39:23 1xNmQbtk0
一応立てるべき。
双方が双方のDat落ちからの回復を担う力があるんだし。
それにFF13祭やってるから片方落ちるのも仕方ないんだよね。
ころノワ終わる頃にはFF15出てるんだろうなー…

100:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/25 12:40:02 1crZjDWkO
必要ないよ
双方とも保守カキコしかない現実をみなさいよ
1、2ヶ月に一度しか動かない現状、二つもスレは必要ないでしょ
スレの維持というなら、したらばを避難所にすれば充分再建できる
それなりに賑わってた昔とは状況が違いすぎる

101:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/25 18:40:40 h0sQwffvO
確かにもっと活気のある他ロワもしたらばを作って、本スレは一つだからな。
いっそのこと、ドラクエロワと共同のしたらばを作れないか?
FFDQロワの避難所として。

102:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/25 21:20:28 uUfM2xyDO
間を取って、新作が投下されてから立てればいいよ。
したらばで雑談スレをやると管理する人の負担が増えるし
ずっと1スレ進行だと作品と感想のログ分けが面倒な上、落ちた時のリカバリーが大変だしね

103:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/26 00:52:40 KhfNrBQC0
2ndが落ちた事もあるし、今まで何度も片方が落ちてた。
正直、あまり楽観視できるような状態じゃないんだよね。

104:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/26 13:52:40 WypECNkcO
>>101
ドラクエと統合は大反対。
両企画は住人の気質とかスレの雰囲気がまるで違うから、壊したくない。

105:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/26 15:05:22 1BcCwtIe0
進展がないのなら打ち切りにして新しいのを作るか、
誰か物語が収束に向かう形がいいのでは

106:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/26 16:33:08 Tamc7No/0
別にいいじゃん
のんびり進めば

107:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/26 16:42:42 4ZWzMiyw0
まぁあれだ。保守ついでに今のキャラの動向を整理したりでもしないかい?
正直なところ、蔦のように絡み合ってわかんない奴が多いw

一応、ザンデあたりは目先の目標が解るからいいんだけども。
アーヴァインやスミス、ケフカ達になると……w

108:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/26 20:48:51 waic7ZP10
こんな感じでゆっくりしてるのもいいじゃないかw

>>107
複雑なヤツら多いよねw

109:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/26 20:54:59 WypECNkcO
こんなの?
URLリンク(ffdqbr.hp.infoseek.co.jp)

軌跡と出会った人一覧ならしたらばにあるけど、さすがにフラグまとめまではないかな
自分で読むしかなさげ

110:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/26 21:00:03 waic7ZP10
何これ、すっげえ!w

111:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/26 22:14:52 qu8qQEuX0
>>109
すげえ!これ良いな
位置が一目でわかるのはかなり嬉しい

112:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/28 13:19:05 v6y3SBa0O
保守

113:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/28 22:25:51 Fsy7ipkP0
こんなのがあったんだ!?
>>109の自作かな?

まとめて見ると結構人数が減ってきてるのね!
これを見るまでピサロの立ち位置を知らなかったけど
ピサロ包囲網がどう動くかで終盤戦がかなり変わりそう

首輪解除組はいるけど脱出までもっていけそうなのもいないし…
ザンデに賭けるしか!?

114:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/28 22:37:14 v6y3SBa0O
>>113
ピサロが実験とかについてある程度書き残してて、
ロザリーが実験のやり方とかザンデの考えを書いたメモを持ってて、
ケフカがザンデの実験を全部理解してるから大丈夫だろ
そもそも初代旅の扉の製作者がいるし

115:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/29 12:51:41 eJs9sTEK0
首輪解除フラグも脱出フラグも立ってるのかー
あとはマーダーたちを掻い潜りつつどう合流するかだな

ステルスや完全マーダーではないやつも合わせると
ユウナ、サラマンダー、ケフカ、スミス、カイン、アービン、セフィロスか
フィンセージ組も不安定だしピサロ包囲網はあるしで
残り人数の割に爆弾が多すぎるわwww

116:名前が無い@ただの名無しのようだ
09/12/30 23:51:08 oHHu3zhEO
保守

117: 【凶】 【1110円】
10/01/01 01:29:31 t3zhZk8F0
あけましておめでとうございます。

118:エド ◆O0LqTosP8U
10/01/01 17:25:04 FPl+QA2B0
去年と同じく突発。
今回は気持ち慎ましく。21時前後からの予定です。
FFDQ3rd以外の話にも発展する模様。
人が集まらなくても自業自得。

URLリンク(jbbs.livedoor.jp)



119:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/01/03 12:30:23 rB3hcjawO
保守

120:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/01/04 00:20:47 muUNW0a80
今のところFFDQ板で完結したロワってFFDQ1stだけ?

121:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/01/04 02:31:15 pc6lai4e0
DQロワはどうなったの?
FFロワはロケットで突き抜けました。

122:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/01/04 03:20:51 E3WNvKX00
DQは脱出確定したところで二年くらい止まってる感じ
首輪外せて今からラスボス戦ってところなのに進まない

123:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/01/05 17:25:52 B0bXJDchO
保守

124:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/01/07 20:55:23 LmGyjxUvO
保守

125:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/01/09 00:51:08 4XdFOpaxO
保守

126:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/01/09 01:29:59 d36j8Y390
規制解かれた?
ネタは3パート分あるけどまとまらない・・・

127:名前が無い@ただの名無しのようだ
10/01/11 11:51:51 MQ7QEz7r0
保守!

128:今この時をどう生きる? 1/6
10/01/11 20:00:15 1HxfGtTM0
激しく揺り動かされてまぶたを開くと、四つの目が私を心配そうに覗き込んでいました。
「お、ようやくお目覚めだな。俺のことは覚えてるかい?」
そう声をかけてくれたのは尖った黒髪をした空色の瞳を持つ男の人です。
「確か、ザックスさん、ですよね?」
「覚えていてくれたんだ、嬉しいねえ」
彼が喋っていたので自信はありませんでしたが、この印象的な瞳は間違いありません。
でもどうして彼が私を起こしたのでしょうか?
まわりにいるのはザックスさんにユウナさん。ティーダさんは近くで横になっています。
テリー君の姿が見えません。驚かそうとしているとか? でも彼はやんちゃだけど、そんな性格じゃありません。
眠る前に、赤い髪が印象的な男の人とティーダさんが話をしていたような気がします。
なんだかあまり考えたくない考えが頭の片隅に浮かんできます。

「あの、テリー君は…?」
恐る恐る尋ねます。ユウナさんとザックスさんがアイコンタクトを取ったのが分かりました。
眠る前の記憶も鮮明になってきました。何かの攻撃を受けて倒れ伏していたユウナさん。今まだ目覚めていないティーダさん。
ユウナさんが近付いてきますが、どうにも話を切り出しにくそうにしています。
顛末は理解できてしまいました。


説明を受けました。事態を知っても気持ちが高まらないのは、
私が眠っている間の出来事だったからでしょうか。
今の私に感傷に浸る余裕がないからでしょうか?
それとも、人の死に慣れてしまったからなのでしょうか。
かつて、イザさんも同じようなことを漏らしたことがありました。
それがいいことなのか悪いことなのか、それは分かりません。

その後、ザックスさんに連れて行かれたのは少し離れた場所。
背丈の高い草がいくつか切り倒され、一箇所に積まれています。お墓なのです。
この一帯は背の高い丈夫な草が地面に根を張り巡らせているので、穴は掘れないしそんな時間もありません。
だから、切り倒した草のベッドで遺体を包み、自然葬としているのです。
ザックスさんがテリー君を包み込んでいる草葉を掻き分け、顔を見せてくれました。
整えられてはいるものの、表情は穏やかとはいいがたいものでした。
祈りを捧げます。あの塔でおこなっていたように捧げるのです。


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch