09/05/06 10:22:08 e3WuWWVg0
己が忠誠の対象であるかけがえのない王女、オヴェリアの身が危うい。
あるいはすでに、悪漢の手でその身は弑されているかもしれないとの想像が、
数倍する敵軍を前にしても怯むことのない、この豪胆な女騎士を戦慄させる。
国家の大事である。騎士の誇りにかけて、必ずやオヴェリア様を救い出し、
運命に翻弄された王女の生涯に、平穏と栄誉を取り戻させなければならない。
だが、そのためには代償がいる。王女を取り戻すための力が。
こうなれば最終手段だ、己の純潔などいっそどうなろうと構うものか。
と、王家に忠実なる聖騎士、アグリアス・オークスは思った。
「オヴェリア様を悪漢どもの手から奪回した暁には、
もっとも勇猛なる戦士の手に、我が身と心を捧げよう……」
そして、イヴァリースの歴史が変わる―