卓上ゲーム板作品スレ その3at CGAME卓上ゲーム板作品スレ その3 - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト554:NPCさん 08/10/26 15:52:57 来るよろし! 555:大地の子に捧ぐ誓い 08/10/26 15:53:10 淡い色の溶液に満たされた円筒の中で浮かぶ、十にも満たない幼い少女。 焦燥、不安、恐怖───絶え間なく破滅の衝撃に揺れる施設で身動きできないままに取り残されたことが、少女の瞳をそれらの色に染めていた。 その少女を、その硝子の檻から解き放つために、力を振るう。あっけなく檻は砕けて、溶液と共に少女を外へと放り出した。 少女は、己の身を支える力を持たないかのように、自分の足元に転がり倒れる。 倒れ込んだまま怯えたように、縋るように、自分を見上げる瞳は、自分のような人ならざる銀ではなく、命宿る暖かな大地の色。 自分とは違う、人の子であるその少女を床から掴みあげて───その時、少女が小さく、呟いた。 「───わたし………、おうちに帰れないの?」 周りのエゴで、こんな場所に連れ込まれ、取り残された少女。 人を超えることを望まれた───人でなくなることを望まれた少女。 それでも───その瞳は、自分のように、まだ銀には染まっていない。 だから─── 「───大丈夫だ」 そう、答える。───お前はまだ、人の世界に、お前達の言う“日常”というものに戻れる、と。 答えながら、一糸纏わぬ彼女を外気から守るために、自分のコートの中へと包むように抱きなおした。 少女は安堵したように瞳を閉じる。力なくもどこか強張っていた身体から、緊張が抜けた。 布越しに伝わる抱き上げた身体の暖かな体温、鼓動。崩壊を告げる轟音の中で、その規則正しい健やかな呼吸音だけが安らかで。 ───自分はきっと、この暖かなものを救うために、生まれたのだと思った。 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch