09/01/24 12:30:27 KWOXLSy4
新潟大学の安保徹教授が「免疫革命」等の書籍で布教しているが、この本を科
学的に検証した評価は概ね「詐欺とまでは言えないかも知れないがトンデモ」
である。例えば、代替医療の検証で有名な小内亨内科医は医師も戸惑う健康情
報で次のように評価している。
これは著者の行ってきた基礎研究から導き出された仮説である。臨床的に証明
されているわけではない。その書籍の中には患者の体験談が掲載されているが、
なぜそれを症例報告として掲載しなかったのか、私には不思議でならない。単
なる患者自身の体験談と医師の客観的評価に基づく症例報告とではその信頼度
がまるで違う。
安保徹教授の基礎研究での業績は実に輝かしいらしい。多数の論文を発表し免
疫学に対する貢献も大きいとか。しかし、安保徹教授は、培養細胞や動物での
実験しか行っておらず、人間相手の臨床データを持たない。自律神経免疫療法
に関する臨床論文は全く発表されておらず、「がんが治る」等の話は全て体験
談と安保徹教授の知人からの伝聞でしかない。
論文を発表していないことは、第三者の検証を受けていないことであり、それ
は言い替えれば、真偽が確定していないことである。国立大学の教授で、論文
執筆の経験が多数あるなら、医学界で確立していない不確かなことを何も知ら
ない素人向けの本として出版することの問題点が分からないはずがない。本を
書く時間があるなら、論文の書き方を指導するなり、論文書きを手伝うなり、
代筆するなりするのが真っ当な研究者の姿勢である。しかるに、論文化の努力
をせずに本を出版するのでは、医学界では認められないから素人をだまそうと
しているのだと言われても仕方がない。
以上により、免疫の基礎知識を勉強する場合はともかく、疾病に対する治療効
果は全くデタラメと考えられる。自律神経免疫療法の最大の問題は、証拠のな
い仮説に過ぎないのに、従来の治療を全否定し、疼痛治療さえ認めないことで
ある。それを真に受けて、治療機会を失い痛みに耐えながら死んでいく患者に
誰が責任をとるのであろうか。
URLリンク(cancer.jpn.org)