09/06/08 18:58:13 75/co8350
銀座の奥座敷である新富町
そこに粋な隠れ家的酒場がある
カウンターでメイサと肩を並べた
グラスを軽くぶつけて乾杯
俺はメイサの腰に手を廻して語りかけた
「昭和の話しだが、汲み取り便所に潜った男がいたよ」
メイサは「そのお話し・・お聞きしたいわ」と微笑した
その男は汲み取り式女子公衆便所の便壷に潜った
そして腰を下ろし半笑いで待機。30分後に獲物が来た
上を見上げると女子高生だった
(おいおい、今日は上物だぜ)
欣喜した男は口を大きく開ける
まるで親鳥に餌をねだるヒナ鳥だ
その刹那、天から熱い液体のシャワー
男の顔が茶褐色に染まる
(むふぅ~ふあぅ~)
暗い便壷に男の押し殺した歓喜の声が響いた
メイサが頤を上げて言った
「彼にとっては至福の時・・ですね」
それに俺は「違えねえ」と応え、メイサを抱き寄せ唇を重ねた
追記すると、この便壷男のニュースは「ウィークエンダー」で見聞したと記憶する
旧き良き時代の洒落た風物詩
嗚呼、昭和は遠くになりにけり
流れた時は戻らない
~黒木メイサとの日々<特別編>~
(完)