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■2001年9月17日 朝日新聞 東京地方版
四尾連湖でブラックバス急増 釣り客減り漁協打撃、駆除開始/山梨
市川大門町の四尾連(しびれ)湖でここ1、2年、密放流されたと見られるブラ
ックバスが急増している。湖の在来種であるオイカワやモツゴといった魚が駆逐
されて激減、ワカサギも放流を中止している。冬場の釣り客がいなくなったため
地元漁協は収入が減るなど打撃を受けている。県は今春から駆除に乗り出してい
るが、根絶は困難で、来春以降に再び増殖する可能性もある。
四尾連湖は標高約850メートルの山奥にある広さ7・7ヘクタールの湖。コイ
やヘラブナ、オイカワ、ウグイなどの魚が生息しているほか、四尾連湖漁協(組合
長=有泉仁・市川大門町長)がワカサギを放流してきた。県内の太公望には、穴場
のスポットとして知られていた。
同漁協によると、以前は湖にブラックバスはいなかったが、4、5年前から突然、姿
を見かけるようになった。県水産技術センターは「湖の場所から考えて、だれかが意
図的に放流したとしか考えられない」と密放流の可能性を指摘する。
特に昨年ごろから爆発的に増加。スジエビやウグイ、オイカワといった小型魚が食べ
られ、湖の生態系に深刻な影響が出ている。透明度が高く、岸辺でモツゴの産卵が見ら
れる県内で珍しい湖だったが、そのモツゴも姿を消している。
昨年ごろからワカサギも姿が見えなくなり、同漁協は「放流してもバスのえさになる
だけ」と、現在は放流を中止している。同漁協の望月公彦副組合長は「我々にと
っては死活問題。冬場の釣り券収入、貸しボートの収入はほとんどなくなった」と話す。