09/03/08 09:33:05 WLP+PVnp
開きっぱなしな戸を閉めてやるッ!
家族がコタツの中で見守る中、指令は行われた。
既に部屋の戸は大きく開いて寒い空気が流れてきている。
「マル、閉めてこい」
父親がいうと、息子はコタツ布団の中から渋々出てきた。
ゆうに10℃は下回っていようかという部屋の中の寒い空気に、息子はぶるっと震えた。
しかし、その寒さとは裏腹に~いや、息子にとってはその寒さこそが
その後またコタツに入った際の暖かさを際立たせるものだったのかもしれないが~
息子の花らっきょうの
ような小振りの手は痛い程にかじかんでいた。
その「かじかんだ」の手を息子が長袖の裾をちゅるんと器用に覆う。
息子の手の中にドアノブが覆われる。
そして、息子の手が戸を閉めていく…
四人コタツ内の温度40℃を越える出不精の4人家族。
まだ、戸が閉まったにすぎない。
すきま風は、他の場所からも吹いてくる。寒さはまだ収まらない…。