08/01/09 21:23:48 7ecvSydb
二人が学院に帰ったのは、才人の応急処置を済ませ、一晩休んだ後。
もちろん学院に残してきた二人の使い魔にこれでもかと詰め寄られ。
正直に応えたシエスタのせいで、ルイズに左肩の傷以上の重症を負わされたが。
それを聞いたタバサの表情が、一変した。
「…許さない」
静かな、しかし確かな殺気を纏い、タバサは決意を口にする。
「…ガリアに行く」
才人は、そんなタバサに尋ねる。
「ど、どうして?」
母を取り戻し、縁者をゲルマニアにかくまって、もう縁のないはずのガリアに、何故今更戻るというのか。
タバサは才人の質問に応える。
「…ガリア王にもう恨みはない。
でも、彼は、サイトを狙った。そして今も狙っている。
虚無であるルイズも、たぶんその対象になっているはず。
私の一番大切な人を。大切な人達を。
それだけは、絶対に。許さない」
ふだんよりも饒舌にそう語った。
雪風の中で静かに燃える殺意の炎が、心を介して才人達にも伝わっていた。
そして、その一週間後。
長期の休みをオールド・オスマンに申請し、四人は学院を発つ。
ガリア王を倒すための旅路が、今始まったのである。~fin