08/01/18 08:15:30 /cAsmwRP
今日は休日、特にやることもなかったので、内田は南家に遊びにやって来た。
といっても、休日に退屈を持て余したカナが遊び相手欲しさに呼んだからである。
南家の玄関の前に立ち、インターフォンを鳴らすと予想外の声が聞こえてきた。
「はい?」
男の声が返ってきたのである。てっきり3姉妹の誰かが出ると思っていたから、
少し驚きつつも、ひとまず返事をすることにした。
「こんにちは、内田です。」
「ああ、ちょっと待ってて。」
その声の主はそう答えるとすぐに玄関を開けに来た。
「やあ、こんにちは。」
「あれ? 藤岡くんも呼ばれたんだ。というか、チアキたちは?」
「えぇと、ここで話すのもなんだし、とりあえず中で話すよ。」
そう言われたので、ひとまずお邪魔させてもらうことにした。
話を聞いたところ、カナが人を沢山呼んでしまったらしく、そのため食材が足りそうにない。
それで3姉妹は買い物に出かけ、藤岡も荷物持ちとして行こうとしたのだが、
誰かが家に居てくれた方が安心だからと、カナに留守を押し付けられたのである。
「自分は留守番なんて退屈だから嫌だなんて言ってたよ。」
「あはは、カナちゃんらしいね。それで他には誰を呼んだって言ってたの?」
「他にもトウマとか色んな人呼んだみたいだけど、あまりよく聞かなかったな。」
「ふぅん、とにかく今来てるのは私たちだけ…。」
自分の言葉で、急に意識しだしてしまった。そう、今は藤岡と2人きりである。
若い男女が2人きり。そんなことを考え出してしまい、急に恥ずかしくなり、俯いてしまった。
「どうしたの?」
急に黙り込んだ内田の心情など知る由もなく、藤岡が気にかけているものの、内田の耳には入っていない。
(ああ、どうしよう。急に恥ずかしくなってきちゃった。
そりゃあ、藤岡くんはカッコいいし、チアキも甘えたりしてるよね。
プールの時なんかお姫様抱っこしてもらってたっけ? あれ、羨ましかったな…。)
ちらっとだけだが、藤岡の方を見てしまい、ますます動揺してしまう。