08/01/04 22:59:54 aHUE30kO
>>745
千秋の日記
ひとしきり笑った後、藤岡が時計を見た。
「おっと、もう3時か…」
「3時…あっ!そうだ!」
私は今日のために焼いたクッキーの事を思い出し、鞄から取り出した。
「藤岡、昨日たまたまクッキーを焼いたんだ。食うか?」
「そんなのがあるの?…それは千秋ちゃんが焼いたの?」
「おぉ、私が作ったんだ。あ…ありがたく食べるんだぞ!」
「うん!……えっと…」
「…どうした?」
「いや、手が…」
そうか…藤岡の両手は、私を抱きかかえているのでふさがっているんだった。
私はクッキーを一つ取り、藤岡の口元へ運んだ。
「藤岡、口を開けろ。あーんだ。」
「こ…こうでいいかな?」
私が藤岡の口元にクッキーを運ぶと、クッキーをくわえ食べ始めた。
「ど…どうだ?」
「うん!美味しいよ!売ってるのより全然美味しい!」
「そ…そうか!よし、もっと食え!」
そう言って私は、藤岡の口へどんどんクッキーを運んでいった。
そしてあっという間にクッキーは無くなってしまった。
「これで最後の一個だ。心して食すんだぞ!」
「わかった、最後の一つ…いただきます!……あむっ…!」
「……わっ!バ…バカ野郎!!人の指まで咥える奴があるか!」
「え…?あははっ。」
「あはは…じゃねーっ!それに私は食べてないのに、お前に食べさせたから手が汚れちゃったじゃないか!」
私はそう言って、粉の付いた親指と人差し指を舐めた。
…あれ?これって間接キスってやつなのか?…私はしばらく人差し指を咥えたまま考えていた。
「へ…へっくしょん!!」
「わっ!…大丈夫か?」
「うん、平気平気。汗かいてたから体が冷えちゃったのかな?」
「駄目じゃないか!えっと…あっ!あそこで休憩すればいいんじゃないか?」
「え?」
私は、『休憩 2時間3000円』と書いた看板を指差した。