07/12/23 23:27:35 BVZeNE9W
南は走るのをやめない。俺ん家への道はとうに遥か後方で、このままだと南ん家ましっぐらだ。
そして、実際南ん家のマンションまで来てしまった。そこで漸く南は止まった。
「はぁ、はぁ。」
俺も南も息が荒い。当然だ。
「す、すまない。むしゃくしゃしてやった。」
「はぁ、はぁっ。良い、よ。…それに、彼氏、なんだから、家まで送る、なんて当然だろ?」
「そ、そうか?…せう、だな。」
お互い大分息が整う。
「それじゃ、ありがとな。藤岡。」
「あ、上まで一緒に…」
「いいって。悪いよ。」
「かまわない。」
ここで帰ってしまっては中途半端な気がする。ちゃんと門前まで送るべきだ。
「そっか。じゃあ好きにしろ。」
口ではそう言うが、速やかに腕を組んできた。そんな南に思わずにやけてしまう。