【みなみけ】桜場コハル Part3【今日の5の2】at EROPARO
【みなみけ】桜場コハル Part3【今日の5の2】 - 暇つぶし2ch423:メルト・藤岡
07/12/17 23:47:25 J8e3sb/W
>>390 >>391 藤岡編

とある日曜の朝、藤岡は目覚ましの音で目を覚ました。
今日は南たちと遊園地に行く予定だったからだ。
しかし、肝心の南は風邪でこれない上、ハルカさんまでダウンしたらしい。
しかし、すごく楽しみにしていた千秋ちゃんの為にも、一緒に行ってくれとハルカさんに頼まれ、日曜の朝早くに起きたわけだ。

一応駅までは来たが……正直、少し気乗りがしなかった…
もちろん南がこれないと言うのもあるのだが、問題は千秋ちゃんと二人きりと言う事だ。
どうやら南とハルカさんが言うには、千秋ちゃんはオレの事を好いてくれているらしい……
千秋ちゃんは可愛いと思うし、オレも大好きだ。…しかしそれは妹みたいな存在であって、
南の事を思う『好き』と言う気持ちとはまた違っていた。
つまり、これ以上オレなんかに好意を抱いてもらっても、オレは千秋ちゃんの気持ちに答える事が出来ないからだ。

そうこうしている内に、千秋ちゃんが待ち合わせ場所に現れた。
いつもの千秋ちゃんとは違い、ふりふりのスカートと頭には髪飾り、
さながら何処かのお姫様と言った感じだ。

「あれっ?千秋ちゃん、どうしたの?今日は凄いおしゃれだね。」
「あたりまえだ。今日の私は一味ちがうぞ。」
「??? そうだね、すごく可愛いよ。」

服装は違えど中身はいつものクールな千秋ちゃんだった。
オレは千秋ちゃんに、「少し待ってて」と言って電車の切符を買いに走った。
電車に乗り込み、最寄りの駅まで約一時間…その間、珍しく千秋ちゃんの方からよく話しかけてきた。
いつもとは違い、上機嫌で笑いながら話す千秋ちゃんは新鮮で、オレは相槌を打ちながらつい見とれてしまった。

「お…おぃ藤岡、わ…私の顔に何か付いてるのか…?」
「えっ?…あっ、ご…ごめん!」

オレは慌てて目をそらしたが、その後千秋ちゃんは顔を赤くしたまま黙りこんでしまった。

駅に到着していたオレ達を、どしゃ降りの雨が迎えた。
まったくひどい話だ。昨日の予報では降水確率は10%だったはずなのに。
とは言えこればかりはどうにもならない。オレはついて早々帰りの切符を買う事にした。

「あの、千秋ちゃん。残念だけ……」
「…………」

茫然と立ちすくむ千秋ちゃんの耳には、オレの言葉は届いてないようだ。
その上、さっきまで明るかった千秋ちゃんの笑顔はあっという間に曇ってしまった。
そんな顔を見ていると、とても帰るなんて言えず、

「千秋ちゃん、少し待ってて。」

そう言ってオレはコンビニへ傘を買いに走っていた。
傘を持ってきたオレを見て、千秋ちゃんは不思議そうな顔をしている。
オレは傘を開き手を差し伸べた。

「雨はやむかもしれないし、それに室内の乗り物なら動いてるよ。」

途端に千秋ちゃんの表情が明るくなった。
雨が降って傘をさしたら千秋ちゃんの表情が晴れた…今日はややこしい天気だ。
しかし、こんなに元気に笑う千秋ちゃんは初めて見た気がする…千秋ちゃんが笑うとこっちまで幸せな気分になった。


次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch